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【デレSS】エスパーユッコの謎を解け!名探偵マキノの論理的推理!
1 :
ミジンコプロデューサー
2025/06/08 12:12:25
ID:yd3MuGPafk
「私は注文決めたけど泉と七海は?」
「私も決まったよ」
「七海はもうちょっと考えさせて欲しいのれすー……むむー」
喫茶店でメニューとにらめっこする七海ちゃん。
私、大石泉は今、八神マキノさんと浅利七海ちゃんと喫茶店にいる。ファタ・モルガーナでの仕事帰りだ。
「急がなくていいわ。早苗さんたちを待つのだから時間はあるもの」
まだ来てないけど今日は私たちだけじゃなくて、早苗さん、雫さん、裕子さんも含めた6人でお茶をする予定だ。
今度、私たち三人はセクシーギルティの番組に出ることに。ついさっきまでテレビ局でのあいさつもあったが顔合わせ程度で済んだので、後でカフェにでも行こうという話になった。
「注文決まったのれす!……でも早苗さんたち来る前に注文していいれすかね?」
「早苗さんたちが先にお茶しててって言ってたから気にすることないわ。それにいつまでも水だけで喫茶店に居座るのも居心地が悪いもの」
「3人は主演だからはけるの時間少しかかりそうだしね」
「そうれすね、すみませーん!注文いいれすかー?」
この時はまさか思わなかったな。
私たちの注文を巡って、裕子さんのサイキックにマキノさん……いや私たちファタ・モルガーナが挑戦することになるなんて。
2 :
そなた
2025/06/08 12:15:36
ID:yd3MuGPafk
カランカランという喫茶店の扉を開く音がする。喫茶店のベルは来客を告げる大きな音なのにどこか寂しげに聞こえて不思議だ。
そしてそんな音とは正反対のにぎにぎしい3人がやって来た。
「お待たせしました!みなさん待たせてしまいましたか!」
堀裕子さんの元気な声。そしてこっちのユニットで唯一元気さで釣り合う七海ちゃんが答える。
「んーん!全然待ってないのれす!」
「二人とも、元気なのはいいことだけどもう少しだけ静かにね。今は他にお客さんいないみたいだけど一応、ね?」
そう言って二人をたしなめるのは裕子さんと同じユニットメンバー片桐早苗さんだ。同じ大人のアイドルといる時はふざけたり、子供のアイドルともはしゃいだりしてるのに、こういう大人らしさも見せる。早苗さんみたいに子供っぽさを見せられる余裕があるのが、本当の大人なのかなって少し思ったり。
「待ってないのは本当よ。3人とも早かったわね。もう少し時間がかかるかと思ったけど……読み違えたわね」
「うん、そうだね。注文もついさっきしたばっかりなんだけど……もう少し待って一緒に注文したら良かったかも」
「いえいえーお気になさらずー」
そう言うのは裕子さん早苗さんと同じセクシーギルティのメンバー及川雫さんだ。
3 :
ミスター・オールドタイプ
2025/06/08 12:17:14
ID:yd3MuGPafk
「あたしが先にお茶でもしばいて待ってて言ったしずっと待たれててもこっちが気にしちゃうわよ。それじゃああたしたちも注文しよっか。……お酒あったりしないかしら?」
「もーダメですよー」
「冗談よ冗談」
「注文と言えば七海、あなたさっきコーヒー頼んでたけど飲めるのかしら?」
マキノさんが心配とからかいが混じった言い方をする。
「今日の七海はビターな気持ちなのれすよ……」
「コーヒーと言ってもカフェオレだしね」
「いいですねカフェオレ!私もそれにしようかな……むむ!ピーンときてますね……これは……サイキック通知!」
「サイキックじゃなくてもみんな来たみたいね」
重なる通知音。マキノさんも私も他のひとたちもスマホを確認した。
「さっきの仕事の……些細な業務連絡ね。みんなも同じかしら?」
スマホを片手にうなずく私と早苗さんと雫さんと裕子さんと……スマホを探している七海ちゃん。
「ない、ないのれすよー」
七海ちゃんはポケットやカバンから物をテーブルの上に出していく。財布、魚と海をデザインした可愛いハンカチ、魚をあしらったペン、海模様の手帳、魚型のバッジ、コンパス、ニッパー……なんか色々持ってるね。
4 :
仕掛け人さま
2025/06/08 12:20:01
ID:yd3MuGPafk
焦っている様子の七海ちゃんに早苗さんが心配そうに声をかける。
「……七海ちゃん?もしかしてスマホ失くした?」
「そ……そうみたいれすー」
慌てた気持ちが雫さんと裕子さんにも伝播したようだ。
「た、大変ですー」
「お、落ち着いてください!このエスパーユッコがサイキックで見事見つけ……」
「たぶんその必要はないわよ」と冷静な声はマキノさん。
「マキノさん、私七海ちゃんのスマホにかけてみるね」
お願い。と言われて電話をかける。かけた電話はもちろん誰も出ないが、これで十分。
「電源は付いているみたい。みんなどこかから着信音聞こえる?」
みんなは耳を澄ますがコール音は聞こえない。
「七海、最後にスマホ持ってたのいつか思い出せるかしら?」
「ええとー……このお店に入った時は持ってた気がするのれす……」
「うん、私もこのテーブルでスマホ確認してる七海ちゃん見たしそれは間違いないと思う」
「私もそうだったと記憶してるわ。なら、この店内……たしか一度席を立ってたから、おそらく手洗いで落としたってところね。泉、電話またかけてくれる?」
「つないだままだよ」
「じゃあ、確認しに行きましょうか」
5 :
師匠
2025/06/08 12:22:07
ID:yd3MuGPafk
七海ちゃんが感心したような顔をしている。
「ふ、二人ともすごいのれす!まるで名探偵なのれす!」
名探偵って。
「言い過ぎだよ。まだ見つかってないし」
「たぶん大丈夫だと思うけど、なかったらキャリアに連絡して探してもらいましょう」
マキノさんが席を立ちながら言った。
「早苗さんたちは自分たちの注文をしておいて。たぶんすぐ戻るから」
マキノさん、七海ちゃんと一緒に席を外すが後ろから3人の声が聞こえる。
「クールでかっこいいですねー」
「落ち着いた態度に、冷静な思考……二人とも良いデカになるわよ」
少し面映ゆい。
「ふっ……私のサイキック・ダウジングの出番はなかったようですね」
それ役に立つのかな?
6 :
兄(C)
2025/06/08 12:25:17
ID:yd3MuGPafk
テーブルに戻りながら七海ちゃんが早苗さんたちに報告する。
「あったのれすー!取ったどー!」
「おお!安心しました!」
「よかったですー」
「よっ名探偵!」
「からかわないで早苗さん。元警察官から言われると余計に変な感じ」
席に戻りながらマキノさんが言う。
「それより私たちが席を離れてる間に飲み物来てたのね」
「誰がどれ頼んだかわかんないから適当に置いといたわよ」
手洗いに行く前はなかった飲み物が私たちの席に置かれている。
7 :
そこの人
2025/06/08 12:27:25
ID:yd3MuGPafk
マキノさんの前にはレモンティー、七海ちゃんの前にはホットカフェオレ、そして私の前にはアイスカフェオレだ。
「私が頼んだのと違うかな」
「私も違うわね」
「七海もれす」
「ありゃ、見事に全員外しちゃったか」
取り換えればいいだけだから。とそれぞれ注文した飲み物と交換しようとした瞬間、裕子さんの声が響いた。
「ストップ!マキノさん、泉ちゃん、七海ちゃん待ってください!」
「え?どうしたのユッコちゃん?」
ふっふっふっと不敵な笑みを浮かべる裕子さん。ほんとになんだろ?
8 :
Pサン
2025/06/08 12:28:45
ID:yd3MuGPafk
「これからこのエスパーユッコが見事に3人に正しい飲み物をお届けしましょう!私には皆さんが注文したものがわかるのですよ!」
「えっそんなこと出来るんれすか!?」
「ふふ、ユッコちゃんすごいですー」
「……普通に交換したらダメなのかしら」
「マキノちゃん付き合ってあげて。ユッコちゃんファイトー」
「任せてください……むんむむーんむむーん……!見えました……!はっ!……そしてもう一度……はっ!」
はっ!という掛け声と共に飲み物を動かしていく。もちろん手で。
9 :
エビさん
2025/06/08 12:30:10
ID:yd3MuGPafk
マキノさんの前にはホットカフェオレ、七海ちゃんの前にはアイスカフェオレ、そして私の前にレモンティーを置いた。
「これは……合ってるね」
私の分だけじゃなくて七海ちゃんとマキノさんの分もちゃんと注文したものが置かれている。
「合ってるのれす!すごいのれすー!」
「やった!……じゃなくて、ごほん!これこそがエスパー・ユッコの実力ですよ……!あの……ところですみません。ちょっと席を外しますね」
「あ、お花を摘みにね。行ってらっしゃい」
「え?花?いやお手洗いに行くんですけど?」
「……いやごめん、今のあたしが悪かったわ。気にしないで行ってきて」
お花を摘みに行く……女性がトイレに行く際の言い換えの言葉。って聞いたことあるけど、実際に使われるのは初めて聞いたかも。
10 :
Pはん
2025/06/08 12:31:40
ID:yd3MuGPafk
「裕子さん、ホントに当てるとはビックリしたのれす。これがサイキック……!」
「今のはサイキックじゃないと思うのだけれど……」
「あら?マキノちゃんはさっきのに種や仕掛けがあるって言うの?」
「そうね……少なくともさっきの問題なら超能力がなくても当てられるわ」
早苗さんの顔が真剣な顔になった。もしかしたら裕子さんを悪く言われたと思ったのかも……。と心配したのは一瞬。
「つまりあたしたちの仲間のエスパー・ユッコがインチキ超能力者って言いたいのね、名探偵さん」
……名探偵さん?
11 :
ダーリン
2025/06/08 12:32:57
ID:yd3MuGPafk
「ユッコちゃんが仕掛けたトリックとやら推理してもらいましょうか?最もそんなものがあるというならねえ?」
ずいぶん演技がかってきた。
ふっ……とマキノさんが笑った
「いいわよ……エスパー・ユッコのサイキックの謎の正体、暴いてあげるわ、この灰色の脳細胞にかけてね」
マキノさんも乗るんだ。
「わー盛り上がってきましたねー」
「灰色の脳細胞……なんで灰色?」
「七海ちゃん、今マキノさんが言った灰色の脳細胞っていうのは有名な推理小説の探偵の決め台詞でね……」
「泉、解説はやめて」
12 :
プロデューサー様
2025/06/08 12:33:55
ID:yd3MuGPafk
コホンとマキノさんが咳払いをした。
「さて今回の問題は「なぜ堀裕子は3人が注文した3種類の飲み物を誰が注文したか当てられたか」よ」
「そんなの決まってるじゃない。エスパー・ユッコがサイキッカーだからよ……本物のね……!」
さすが早苗さん、寸劇でも気合い入ってる。
「確かにこの世には理性で解き明かせない超常現象は存在するのかもしれない。でも……それはあなたたちのことじゃないわ」
なんかマキノさんもいつになくノリがいい気がする。推理披露とかもしかしてやってみたかったのかな?
「まず話を理解しやすくするために最初にどう置かれたか図示しましょうか」
「私やろっか?タブレットで文字打つだけだけど」
「そうね、じゃあ泉お願い」
「ふん、ワトソンくんまで連れて……名探偵ごっこが堂に入ってるわね」
「早苗さんは悪役が堂に入ってますねー」
「良い感じに悪いのれす」
「ありがと。前職でいっぱい見たからね、悪い感じに悪いの」
ちょっと反応に困るな……。
13 :
我が友
2025/06/08 12:35:18
ID:yd3MuGPafk
早苗さんの発言はさておき、最初の配置が打ち込めたのでタブレットをみんなに見せる。
「私たちが席に戻った時、飲み物はこう置かれてたよね」
マキノ レモンティー
七海 ホットカフェオレ
泉 アイスカフェオレ
七海ちゃんは完全に思い出せないって顔をしているけど、マキノさんと早苗さんはそうねと言って話を進める。
「さて、3人と3種類の飲み物の組み合わせだけど、実際のところそれほど多くないわ。組み合わせは何種類あるか分かるかしら?」
誰も答えなかったら私が答えようと思ったけど、雫さんが答えた。
「6種類ですねー。数学で習いましたー」
「正解よ、雫」
「うー……全然わからなかったのれす……」
落ち込む七海ちゃんをフォローする。
「しょうがないよ、組み合わせの計算についてちゃんと習うの高校に入ってからだもんね」
14 :
兄(C)
2025/06/08 12:36:26
ID:yd3MuGPafk
「泉ちゃんも中学生じゃなかったっけ……?ってそれはいいけど、まさか探偵さんは6分の1だからたまたま当てられたとでも言う気?」
マキノさんは首を振る。
「もちろんそんなこと言う気はないわ」
サイコロの目だって6分の1。あてずっぽうで出る目を予測して当たらないことはないけど、外す可能性の方がずっと高い。
「条件が付加されれば組み合わせはずっと絞られる。覚えているかしら?席に戻ってきた時私たちは3人とも注文したものと違うと言ったこと。3人全員違うとなれば組み合わせはたった二つに絞られる」
その組み合わせを打ち込んで、全員に見えるようにタブレットを置いた。
15 :
ボス
2025/06/08 12:38:28
ID:yd3MuGPafk
パターン1
マキノ ホットカフェオレ
七海 アイスカフェオレ
泉 レモンティー
パターン2
マキノ アイスカフェオレ
七海 レモンティー
泉 ホットカフェオレ
「そ……それでもまだ2パターンあるじゃない……!半々だから当てられたとでも言いたいの……!?」
追い詰められていく犯人……の演技が上手い早苗さん。あれ?考えてみたら犯人は裕子さん?早苗さんは共犯ポジションかな?
16 :
プロちゃん
2025/06/08 12:40:45
ID:yd3MuGPafk
「もちろん、そんなことは言わないわ。堀裕子には100%正しい答えが分かったのよ。もう一つの条件でね」
「も……もー一つの条件ですかー?」
「な、なんれすかそれは?」
雫さんも七海ちゃんも楽しそう。
「七海、あなたよ」
「へっ七海?」
「私たちは七海の飲み物はカフェオレだと話をしていたし、それを堀裕子も聞いていた」
そんな話したっけ?という七海ちゃんに私と雫さんがしてたしてたと言う。
「七海の前にはホットカフェオレが置かれていたのに、違うと言った以上、七海の注文した飲み物はアイスカフェオレ一択になる。そしてさっきの2パターンの内、七海とアイスカフェオレになっている組み合わせは1つしかない」
17 :
ミジンコプロデューサー
2025/06/08 12:42:03
ID:yd3MuGPafk
つまり、と言ってマキノさんは指を1本立てた。
「条件1.飲み物は初期配置から全て動かされなければならない」
次に2本目の指を立てて言う。
「条件2.七海の飲み物はカフェオレでないといけない」
早苗さんと雫さんがじっとマキノさんを見ている。七海ちゃんはちょっと顔に?が浮かん出るかも。
「この二つの条件を満たす選択肢はたった一つしかない。つまりサイキックなんかなくたって、誰が注文したかは正しく当てられるのよ」
感心したように雫さんが拍手した。そう言えばこの人、エスパー・ユッコ側じゃなくていいんだろうか?一般人ポジション?
七海ちゃんは途中から分からなくなったようで、手帳とペンを開いて書き始めた。初期配置と二つの条件をタブレットに書いて私はそっと七海ちゃんに見せる。
18 :
我が下僕
2025/06/08 12:43:57
ID:yd3MuGPafk
早苗さんは観念した犯人のように顔を伏せて……と思ったらフフフと笑い始めた。
「見事なストーリーね。探偵じゃなくて小説家にでもなったらどうかしら?」
「その言葉実際に聞くの初めてですー」
内容的に小説家より塾の講師っぽかったんじゃないかなと思う。
「所与の条件から答えを出せることは証明したわよ。それとも何か私の推理に穴があるとでも?」
「あるわよ、頭でっかちな人間にありがちな見落としが」
「なんですって……?」
「人を見てないってことよ、探偵さん」
少し本気でむっとしたようにマキノさんは言い返す。
「あなたの目には人生経験はまだまだに見えるだろうし否定はしないけど、これでも人を調べることには長けてるつもりよ。みんなのキャラクター、長所・短所……あっ!?」
マキノさんは急に息をのんだ。何か失敗に気付いたように。
それが何か私にはすぐに分からなかったが、早苗さんは「気付いたわね」と言って続けた。
19 :
貴殿
2025/06/08 12:45:36
ID:yd3MuGPafk
「あなたは条件がそろってるからこの問は正しい答えは分かると言った……でも忘れてるんじゃないかしら……。この問に挑んだのはユッコちゃんだってこと!」
あっ。と私も声を出してしまった。
これだけの条件がそろっていれば正しい答えにたどり着けると私も思った。
でも早苗さんの指摘で気付いた。
果たして裕子さんにこの問題が解けるだろうか?
いやきっと裕子さんには解けない。裕子さんがこの問のたった一つの解を証明できるとは思えない。
「形勢逆転ね、探偵さん。あなたの推理は完全に崩れたわよ。それともユッコちゃんにこの問題が解けると言い張る?」
「くっ……!」
20 :
Pたん
2025/06/08 12:48:18
ID:yd3MuGPafk
マキノさんも返す言葉がない。
そして……私たち裕子さんにかなり失礼な会話をしている気がする。
何も言えないのか困ったように笑っている雫さん、そして……
「うおーっなんかよく分かんないけど解けましたー」とさっきまで手帳にペンを走らせていた七海ちゃんが声を上げた。
「いやー正直聞いてるだけじゃよく分かんなかったんれすけど、分かんなくても書いてたら解けちゃいました。理屈も分かった気がします……たぶん!」
「ふふー良かったですねー七海ちゃん」
雫さんが褒めてあげている。
七海ちゃんの発言で、私とマキノさんは固まった後「そうか」と気付いた。
21 :
師匠
2025/06/08 12:50:00
ID:yd3MuGPafk
「えらいよ!七海ちゃん!」
「ええーそんなにれすかー?」
「ええ、本当に。七海、あなたのおかげで謎は完璧に解けたわ」
「およ?」
七海ちゃんは気付いてないかもしれないけど、七海ちゃんはマキノさんと私に欠けていた視点を与えてくれた。
「早苗さん、「堀裕子にこの問題は解けるのか?」と聞いたわね。その質問……答える必要がないわ」
「なんですって……?」
「だって、組み合わせの問なんて解けなくてもいいんだから」
プログラミング言語が分からなくても正しく組まれたプログラムを動かすことは誰だって出来る。
22 :
プロデューサー君
2025/06/08 12:52:04
ID:yd3MuGPafk
「正しい答えなんて知っている必要はない……それは誰が何を注文したのか当てようとする人間の気持ちをトレースすれば分かるわ。実際にやってみるのが一番ね」
私たちは飲み物を初期の配置に戻した。
マキノ レモンティー
七海 ホットカフェオレ
泉 アイスカフェオレ
「当てようとする側はまずこう考える。七海はカフェオレを頼んだと言っている。でも今、目の前にホットカフェオレがあるのに違うとも言っている。なら七海が注文したのはアイスカフェオレだろう」
そう言ってマキノさんは七海ちゃんの前にアイスカフェオレを、そして代わりに私の前にホットカフェオレを移動させた。
マキノ レモンティー
七海 アイスカフェオレ
泉 ホットカフェオレ
23 :
箱デューサー
2025/06/08 12:54:09
ID:yd3MuGPafk
「さて、動かしたけどこれでいいか?いや七海だけじゃなくてマキノと泉も違うと言っていた。今のままだとマキノの飲み物が動いていない。七海の飲み物は固定だから泉と交換するしかない。そう思って動かすと……」
マキノさん自身の前にホットカフェオレを、そして代わりに私の前には代わりにレモンティーを移動させた。
マキノ ホットカフェオレ
七海 アイスカフェオレ
泉 レモンティー
「さて、見ての通りいつの間にか正解の組み合わせになっているわ」
「……」
早苗さんは黙っている。
24 :
プロデューサー殿
2025/06/08 12:55:41
ID:yd3MuGPafk
「私もちゃんと答えを出さないといけないと思ってしまった。でもそんな必要はない。これが唯一の選択肢で、正しい組み合わせだと知っている必要なんてない。私たちの会話さえ聞いて飲み物を動かせば、勝手に唯一の選択肢であり、正しい組み合わせにたどり付くのだから」
今度こそ終わりを感じているのだろう。七海ちゃんと雫さんがかたずをのんでマキノさんと早苗さんを見守っている
早苗さんはふっと笑った。
「見事な推理よ、探偵さん……。あたしの負けよ」
早苗さんの敗北宣言。この推理エチュードはマキノさんの勝ちで終わった。
「それと……」と続ける早苗さん。
まだ何かあるのだろうか?
「なんか……ごめんユッコちゃん」
うん……私は口には出さなかったけど……私も心の中で謝っておこう。ごめんなさい、裕子さん。
「何がごめんなさいなんですかー?」
25 :
プロデューサーくん
2025/06/08 12:57:14
ID:yd3MuGPafk
いつの間にか裕子さんが戻ってきていた。
ビックリした。心の中読まれたのかと思っちゃった。
「いやちょっと、ユッコちゃんってあんまり物事を深く考えないタイプだなって言っちゃってね。ごめんねユッコちゃん」
正直に言うんだ。
「え?いいですよ、深く考えないのは私の長所ですからね!」
懐が深い。
「ところでユッコちゃん何持ってるの?ハンカチ?あら、その魚柄って……」
裕子さんの手にあるのは魚と海をデザインした可愛いハンカチ。それを見て反射的に自分のハンカチを確認するが……。
26 :
バカP
2025/06/08 12:59:20
ID:yd3MuGPafk
「ああ、トイレで落ちてました。はい、マキノさん」
マキノさんの驚いた顔。たぶん、私も似たような顔をしていたと思う。
固まって受け取らないマキノさんを見て裕子さんが首をかしげる。
「あれ?マキノさんのですよねこのハンカチ?」
マキノさんは自分のポケットを確認した後、差し出されたハンカチを受け取った。
「え……ああ、そうね、ポケットに入れてたはずだけど、さっき行った時に落としたみたい」
「マキノさんも結構ドジっ子さんなのれす。七海がスマホを落とした時は「スマホは情報の塊だから落としたらメッ!」って言ってたのに……。あれ?ハンカチだからスマホとは違いますかね?」
27 :
EL変態
2025/06/08 13:05:45
ID:yd3MuGPafk
「そうね……このハンカチには名前さえ入ってないけど……落とし物は良くないわね」
マキノさんの考え込む顔。
たぶん早苗さんも気づいたのか七海ちゃんに質問をする。
「ちょっと七海ちゃん、いいかしら?あたしの記憶違いじゃなければさっき七海ちゃんが似たような……というかたぶん同じ柄のハンカチを持ってた気がしたんだけど?」
「おお!流石早苗さんはお目が高いれすねー!金目鯛れすねー。先週三人で同じハンカチを買ったんですよ!」
「おや、泉ちゃんも同じハンカチを?仲良いですねー」
「しかも……なんと今日みんなで同じハンカチを持ってきたり。約束もしてないのにミラクルなのれす」
「なんと……もしかしてファタ・モルガーナの3人も超能力で通じ合っているのでしょうか!?」
先週三人で買ったばかりのハンカチ。ファタ・モルガーナの仕事で3人とも持っていこうと思うのは不思議じゃない。
28 :
ご主人様
2025/06/08 13:07:45
ID:yd3MuGPafk
それより……裕子さんは3人同じ柄のハンカチを持っているのになぜマキノさんのハンカチだと分かったのか。
そもそもこのハンカチをマキノさんが持っているとなぜ知っていたのか。
トリックを考えようとすればたぶんいくらでも考えられる。
でも、さっきサイキックショーをした裕子さんなのにふるまいは自然体だ。まるで目の前で落としたハンカチをすぐに拾って渡したかのよう。
マキノさんもじっと渡されたハンカチを見ている。
セクシーギルティの3人が七海ちゃんと話す声が聞こえる。
「素敵なミラクルですねー」
早苗さんが言った。
「そうね、この世の中不思議なことって案外あるのかもしれないわね」
29 :
レジェンド変態
2025/06/08 13:16:04
ID:yd3MuGPafk
以上です。
キャラの解釈違いがあったらごめんなさい。ユッコも話的に一番代替効かない最重要キャラなのにだいたいどっかいってる上にアホ扱いしてごめんなさい。
謎の軸はシンプルな組み合わせの問題なのでもし間違いあったらクソ恥ずかしいなと思ってます。
あと、タイトルは内容をわかりやすく説明且つ出来る限りクソダサいタイトルを考えました。
30 :
我が下僕
2025/06/09 11:39:56
ID:8e2DhSrGB2
初めは単に三人の好みがわかってて誰か何を注文したかを推理したのかなと思ったけど全然違った
組み合わせの問題とはいえ一瞬で整理出来たユッコすごい
ここでのSS投稿久しぶりですね
次作もお待ちしています
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