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プロちゃん 2020/05/03 13:25:04
ID:FJDTP1oiLM
静香とお互いの気持ちを通じ合わせてからどのくらいの月日が経っただろうか。色々な困難はあったが、今では公私ともに認められた間柄になっている。
同棲を始めてからは3日に1回は食べるうどんに飽きて喧嘩になったこともあった。けれどなかなかどうして。続けていくと慣れるものだし、違いやこだわりも分かってくる。なによりうどんを食べている静香は幸せそうなのだ。
「うどんを食べている時の静香はほんと幸せそうだな」
「もぐ……もう、なんですか急に。まぁそうですけど」
そう言ってまたうどんを食べ始める。やっぱり幸せそうだ。だからちょとからかってやろうと思った。こうすると大人げないと怒られるのだがそれはそれで悪くない。
「なぁ、静香。俺とうどんどっちが好きなんだ?」
「もがッ!? もごッもががッ!!」
盛大にむせた。……ちょっとやり過ぎたな。これは未来経由で志保まで行って大人げないと更に怒られるパターンだ。そんなことを考えていると落ち着いた静香からお叱りが飛んできた。
「ほ、ほんとなんですかさっきから!? まさかうどんに嫉妬でもしてるんですか!? あなたと食べるうどんが一番幸せに決まってるじゃないですか!? いつまで経っても大人げないんだからっ!」
「もがッ!?」
思いがけない静香の台詞に今度は俺がむせる。自分の言ったことに気が付いた静香は顔を真赤にしてうどんを食べるのを止める。
むせる俺とうどんの前で顔を真赤にする静香。奇妙な時間が流れた。でもこんな日がきっと一番の幸せなんだろう。