雪歩「それで私、思ったの。私ってもしかしたら春香ちゃんと可憐ちゃんの子供なんじゃないかって」

可憐「？？？？」

雪歩「可憐ちゃん。もう、細かいことはいいから、フィーリングで理解しよう？」

可憐「えっ！？　あ、あの、理解できません……！」

雪歩「だって、ほら、春香ちゃんと可憐ちゃんをかけあわせたら、私にならない？」

可憐「かけあわせる……？」

雪歩「春香ちゃんの可愛くて正統派アイドルで、ちょっぴりあざとくてドジなところと、可憐ちゃんの臆病な部分や自信のなさ、その一方でやるときはやる、わりとお調子者なところ」

雪歩「そういうのかけあわせたら、ちょうど私にならないかなって」

可憐「な、ならないと思います」

雪歩「！？」

可憐（ものすごく驚いている！？）

雪歩「え……た、たしかにスタイルのうえでは、私なんかひんそーで、ちんちくりんだけど、そこは、ほら、なんか、こう、ね？」

可憐（急にふわっとした感じで乗り切ろうとしている！？）

雪歩「とにかく、私、春香ちゃんと可憐ちゃんの子供だったんだよ！！」

可憐（言い切った！？）

可憐「あ、あの……じゃ、じゃあ、今いる雪歩ちゃんの両親は……？」

雪歩「おそらく私が未来から来た際に、洗脳でもした人たちだと思うよ」

可憐（わりときつい設定！！）

雪歩「萩原家に潜り込んだ直後に、なんらかのトラブルで私は記憶を失ってしまったんじゃないかな」

可憐「？？？？　いくつか質問しても、いいですか？」

雪歩「いいよ、きて、可憐ちゃん」

可憐「う、腕を広げなくていいですから……！」

可憐「えっと、そもそも私と春香さんは、女の子同士ですよね？　だから子供は……」

雪歩「今は、ね。20年後はわからないよ？」

可憐「そ、そうでしょうか？」

雪歩「うん。私だって10年前まではね、こんな劇場で39人の後輩ができるなんて思いもしなかったからね」

可憐（唐突なメタ発言……！）

可憐「それとこれとはまた技術の差があ、あるような……」

雪歩「はい、じゃあ、次の質問どうぞ」

可憐（流された！？）

可憐「えっと、雪歩ちゃんがこの時代にやってきた理由って……？」

雪歩「たぶん、母2人のアイドル現役時代を見に来たのだと思いますぅ」

可憐「私と春香さんの、ってことですよね」

雪歩「そう。成り行きとはいえ、私もアイドルになって、同じステージに立てているなんて、すごいよね！」

可憐「えっと、雪歩ちゃんはどうやって未来に帰るんですか……？」

雪歩「うーん……そのあたりは思い出せていないけど、まあ、ゆっくり考えますぅ」

可憐（のんきだ……！）

雪歩「えっと、それでね、可憐ちゃん」

可憐「な、なんですか？」

雪歩「やっと思い出せたわけだし、抱きしめてもらっていいかな？　久しぶりに母親の温もりを感じたいんですぅ」

可憐「！？　えっ、いや、それは……」

雪歩「あっ、呼び方がダメ？　えっと、こほん。お、お母さん////」

可憐「えぇ……」

雪歩「ついでだから、吸っていい？　可憐ちゃんなら今でも、出そうな気がするし」

可憐「！？！？　ど、どこを！？　い、いえ、どこであろうとダメですからっ！」

雪歩「とりあえず抱きしめてもいい？」

可憐（に、にじり寄ってくる……！）

？？「こら、雪歩。また可憐ちゃんにセクハラしているでしょ！」

可憐「あっ！　は、春香さん！」

春香「もう……馬鹿なことやっていないで、普通に仲良くすればいいのに」

雪歩「はるかあさん！！」

春香「いや、違うから！！」

可憐（はるかあさん……あ、ありかな、なんて）

春香「というか、雪歩ってば他の可能性を見逃しているよね？」

可憐「え？」

雪歩「他の可能性？　そ、それってどういうこと、春香ちゃん」

春香「ほら……むしろ、私と雪歩の子供が可憐ちゃんなんじゃない？」

可憐「！？？！？！？」

雪歩「なるほど、盲点でしたあ」

可憐「！？？！！？」

春香「きっと可憐ちゃんのいる未来は、第三次、第四次世界大戦を経て、荒廃し混沌としたした世界になっているんだよね？」

春香「それで私はそんな世界で雪歩と一緒に愚民どもを支配し、統制するアウトサイダーな指導者になっているんだ」

雪歩「でも、あるとき、春香ちゃんと私は、ダスク、そしてバスターブレイドと名乗る二人組との決闘の最中、幼い可憐ちゃんをかばって二人揃って絶命してしまう」

春香「そう……そして、可憐ちゃんは悲しみのうちに、研究段階にあったタイムマシンに乗り込み、この時代へとやってきた」

雪歩「すべては世界を正すため、2人の母親の哀しい結末を変えるため……！」

春香「可憐ちゃんはここにやって来たんだね！！」

可憐「ち、違いますっ！」

春香・雪歩「！？！？！？」

可憐「な、なんでそんなに驚くんですか……！？」

？？「春香、雪歩、あんまり可憐をからかっちゃダメよ。困っているじゃないの」

可憐「り、律子さん！」

律子「ったく……それに他の可能性もちゃんと考慮しないといけないわよ？」
　
可憐「え？」

雪歩「！　それってつまり……？」

春香「わた、春香さんが雪歩と可憐ちゃんの子供だってことですよね！」

可憐「ええっ！？」

雪歩「…………」

春香「うん？　どうしたの雪歩。改めて私を見つめたりなんてして。大丈夫？　結婚する？」

雪歩「あのー、律子さん。でも、春香ちゃんには私と可憐ちゃん、どちらの属性もなくないですかあ？」

春香「えっ？」

律子「まあ、似ているとは言い難いわね。そうなるとこれは―――遺伝子組み換えね」

可憐「遺伝子組み換え！？」

雪歩「なるほど、その手がありましたあ！！」

可憐（納得した！？）

雪歩「そうと決まれば、可憐ちゃん。今から私とレッスンしよっか」

可憐「レッスン？　え、えっと、なんのですか……？」

雪歩「もちろん、恋のLesson　百合編ですぅ！！」

律子「ほどほどにしておきなさいよ」

春香「可憐ちゃん……ううん、お母さん。頑張ってね」

可憐「！？！？！」

雪歩「ふふっ、今夜は寝かせないからね♪」

おわれ　

おう、続きはよ。