劇場の一室

雪歩「………」

可憐「あ、あの……雪歩ちゃん？」

雪歩「ねぇ、今日呼ばれた理由、わかるよね？」

可憐「ひっ……。え、えっと、昨日放送されたアレですよね…？」

雪歩「うん。ここにちょうど録画したものがあるから、いっしょに見よっか」

可憐「え、あ、その、ごめ―――」

雪歩「いっしょに見よ？」

可憐「……はい」

雪歩「さて、と。問題のシーンまでに、これ、どんな番組か説明してくれる？」

可憐「え？　……人気のあるバラエティー番組で、放送枠もいわゆるゴールデンタイム……私の前にもゲストとして、765プロのアイドルが何人か出演しています……」

雪歩「私、まだ呼ばれていないなぁ」

可憐「そ、そうですね。でも、雪歩ちゃんだったらいずれ近いうちに―――」

雪歩「こんなたくさんの男の人がいるのに？　そこに投げ込む気？」

可憐「へ？　あ、いや、そういうつもりじゃ……」

雪歩「この芸人さん、可憐ちゃんに鼻の下伸ばし過ぎですぅ」

可憐「あはは……」

雪歩「褒められて照れている可憐ちゃん、可愛いなぁ」

可憐「あ、ありがとうございます……？」

雪歩「で、ここからが問題だね」

可憐「………」


芸人１『いやぁ、可憐ちゃん、ほんまかわええわーｗｗｗ　なんか面白いこと言ってよ！』

芸人２『なんやその無茶ぶり！ｗｗｗ　よしっ、それじゃモノマネお願いしますわ！』

可憐『ええっ？！？』

芸人１『お前のほうが無茶ぶりしてるやんかｗｗｗ　もう、可憐ちゃん、気にせんでええよ！ｗｗ』

芸人２『いや、でもな、アイドルいうても演技力だって必要になってくるやろ？　ここでバシッと、頼れる先輩アイドルのモノマネをやってみるのも勉強のうちやない？ｗｗ』

芸人１『ちょっ、なに指定しているんやｗｗｗ』

可憐『え、えっと………（！！　カ、カメラこっち向いている！？）』

芸人２『（ありゃ、いじりすぎたか。ちょい涙目になっているなぁ、可愛いけどｗｗｗ）まぁ、からかうのは終わりにして―――』

可憐『あ、』

芸人１＆２『あ？』

可憐『穴を掘って埋まっていますぅ～！』

会場全体『ｗｗｗｗｗｗｗ』

芸人３『それ、萩原雪歩ちゃんやろ？ｗｗｗ　知っている、めっちゃくちゃ可愛い子やんな？』

芸人１『なんですか急にｗｗｗｗ食いつきすぎでしょｗｗ』

芸人２『すっげぇ、似ていたｗｗ本物が穴掘るとこ見たことないけどｗｗｗ』

芸人１『ないんかいｗｗ　いやー、ごめんなぁー、可憐ちゃん。無茶ぶりして。でも、サイコーやったわｗｗ』

可憐『そ、そうですか……それなら、よかったです……えへへ』

雪歩「……………」

可憐「……………」

雪歩「可憐ちゃんさぁ……」

可憐「は、はひっ！」

雪歩「説明してくれる？」

可憐「え……その…真っ先に頭に思い浮かんだのが、あれで、ええと、す、すみませんでした…！」

雪歩「謝って済むならさぁ、アイドルはいらないよね」

可憐「へっ？　そ、それはわかりませんけど……」

雪歩「たしかに『えへへ…』って感じの可憐ちゃん、すっごく可愛いけど……」

可憐「え、えっと……？」

雪歩「他に思いつかなかったわけ？　春香ちゃんや真ちゃんでもよかったんじゃない？」

可憐「それは……そうかもですけど」

雪歩「かも？」

可憐「い、いえっ。それはそうです……？」

雪歩「うんうん。というわけで、やってみてよ」

可憐「？　な、何をですか…？」

雪歩「春香ちゃんたちのモノマネ。今、ここで」

可憐「！？」

雪歩「できないなんて言わないよね？」

可憐「あう……」

雪歩「大丈夫、動画撮影はしないでおくから」

可憐「そ、そういう問題じゃ……」

雪歩「…………」

可憐「うう……や、やらせていただきます…！」

可憐「そ、それじゃ、春香さんで」

雪歩「うん」

可憐「えーっと………。モノマネですよっ！モノマネっっ！」

雪歩「もう一声」

可憐「えっ！？………ま、また転んじゃいましたぁ」

雪歩「うーん、あざとさが足りないかな。まだあるよね？」

可憐「ま、まだですか？　………。う、後ろの席までちゃんと見えているからねーっ！」

雪歩「本当？　見えているの？」

可憐「え、あ、その……」

雪歩「じゃあ、次」

可憐「次！？」

雪歩「真ちゃんの。最近、メインコミュでいっしょにいたから、いけるよね？」

可憐「えぇ……」

雪歩「いけるよね？」

可憐「は、はい！　…………や、やーりぃ」

雪歩「覇気なさすぎじゃない？」

可憐「うっ。え、えっと……。ダ、ダーン！」

雪歩「1人でやられても」

可憐「うう……。じゃ、じゃぁ、――――きゃっるるる～ん♪かれんちゃんなりよ～」

雪歩「真ちゃんを馬鹿にしないでっっ！！！」

可憐「ひぇっ」

雪歩「次」

可憐「さあ…破壊しよう。それがボクの存在意義なのだから」

雪歩「か、かっこいいけど……それ黒髪の台詞でしょ？　ルール違反ですぅ」

可憐「そんな……」

雪歩「それじゃ、次は四条さんでお願いね」

可憐「ま、まだ……？」

雪歩「してくれるよね？」

可憐「うう……。こほん。……面妖なっ！」

雪歩「かわいい」

可憐「あ、ありがとうございます」

雪歩「まだあるでしょ？」

可憐「えっと……メンカタカラメヤサイダブルニンニクアブラマシマシ？」

雪歩「それは言うほどモノマネではないような……。それに、むしろユキカレイチャイチャテレテレキマシマシマシじゃない？」

可憐「え？」

雪歩「なんでもないですぅ。次」

可憐「と、とっぷしぃくれっとです」

雪歩「指の位置がちょっと違うかなぁ。それにもっと堂々としなきゃだよ」

可憐「す、すみません」

雪歩「よし、それじゃ次はやよいちゃんで」

可憐（ま、まだ！？）

可憐「ハイ、ターッチ！」

雪歩・可憐「いぇい！」

雪歩「うん、いい感じ」

可憐「えへへ……」

雪歩「まだあるでしょ？」

可憐「えっと……。も、もうモノマネは終わりにしてほしいかなーって」

雪歩「やよいちゃんはそんなこと言わない」

可憐「えぇ……」

雪歩「それじゃ、どんどんいくよ！　千早ちゃん！」

可憐「くっ」

雪歩「伊織ちゃん！」

可憐「にひひっ♪」

雪歩「あずささん！」

可憐「あらあら～？」

雪歩「響ちゃん！」

可憐「うぎゃー！」

雪歩「もっともっとですぅ！　美希ちゃん！」

可憐「あ、あふぅ」

雪歩「亜美ちゃん！」

可憐「あうあうあー！」

雪歩「真美ちゃん！」

可憐「う、うっふーん」

雪歩「そして最後はこの人、律――――」

律子「ふうん、ずいぶんと楽しそうなことしているじゃない」

雪歩「」

可憐「り、律子さん……！」

律子「ねぇ、雪歩。なんだか可憐が涙目に見えるけど、何しているの？」

雪歩「え、演技指導ですぅ」

律子「へぇ………どうなの、可憐」

可憐「そ、その、実は――――」

雪歩「あわわわわわ」

可憐「そのとおりなんです…！」

雪歩・律子「！」

可憐「ゆ、雪歩ちゃんは頼れる先輩なので、えっと、教えていただいているんです…！」

雪歩「可憐ちゃん……」

律子「そ。なら、いいけど。ねぇ、雪歩。わかっていると思うけど、」

雪歩「だ、大丈夫ですぅ！　もう調子に乗ったりなんてしないですぅ！」

律子「ふふっ。ま、仲良くやりなさいな。それじゃ」



雪歩「か、可憐ちゃん。あの、私……」

可憐「くすっ」

雪歩「！？」

可憐「そんな慌てなくてもいいですよ、雪歩ちゃん」

雪歩「うう……ご、ごめんね。つい可憐ちゃんが可愛かったから」

可憐「そ、それはわかりませんけど……もともとは私のせいですから」

雪歩「ううん、私が穴なんて掘るから……」

可憐（そこ！？）

雪歩「お詫びに私も、可憐ちゃんのモノマネするね！」

可憐「はい？」

雪歩「くんくん……ゆ、雪歩ちゃん、いい香りがします！　ずっと嗅いでいたいので抱きしめていいですか、くんかくんか」

可憐「あの、そんなこと言ったことないですよね？」

雪歩「…………」

可憐「雪歩ちゃん？」

雪歩「………………きゅ～」

可憐「は？」

雪歩「いや、ほら、これは可憐ちゃんのメインコミュ（１周目）で、可憐ちゃんがＰに……」

可憐「……」

雪歩「可憐ちゃん？」

可憐「もう、雪歩ちゃんなんて知りませんっ！」

雪歩「あ、待って、可憐ちゃん、え、なんで……」

雪歩「…………」



雪歩「穴を掘って埋まっていますぅ～～！！！！！！」


お、おしまいです…！

以上です。
思いついて、ぱぱっと書いたからいろいろ見逃してくれ

乙可憐

スレタイで何故か「あへぇ」って見えた

あ、SSは良かったです