※ゆきかれの人です
※キャラ崩壊注意
※エミリーはほとんど登場しないです

可憐「あ、あのー……、雪歩ちゃん。エア焼肉しているところ、すみません」

雪歩「ちょっとだけ待って。今、育てたお肉が美味しさの最高潮に達するところだから」

可憐「…………」

雪歩「―――ここですぅ！ハムッ　ハフハフ、ハフッ!!」

可憐「うわぁ……」

雪歩「そんな蔑んだ目はやめて！ゾクゾクしちゃいますぅ！」

可憐「えっと、私、雪歩ちゃんに相談したいことがあるんです」

雪歩「うん？　もしかしておススメの焼肉店？　だったら、いい穴場知っているよ。伊達に穴掘っていないからね。なーんて、えへへ……」

可憐「い、いえ、そうじゃなくて……実は今度、私とエミリーちゃんとで漫才をすることになったんです」

雪歩「へー、ブランドもののバッグや服でも買い漁るってこと？」

可憐「散財ではないです……！」

雪歩「あっ、真美ちゃんの影響？　なかなか渋い趣味というか、意外な趣味だよね。設定として追加されたのはPS以降らしいけれど」

可憐「盆栽でもないです……！」

雪歩「あきらめたらそこで試合終了だよ」

可憐「それは安西（先生）……！」

可憐「も、もうっ、雪歩ちゃん！　いつもだったらサンドバッグみたいに相談に乗ってくれるのに、今日はどうしたんですか……！」

雪歩「それはそれでおかしいけどね！？　それにしても、エミリーちゃんと可憐ちゃんとで漫才って、ＴＶの企画か何か？」

可憐「はい、そんなところです。コンビ名も2人で話し合って決めたんです」

雪歩「へぇ、なんていうの？」

可憐「チキン南蛮です……！」ﾄﾞﾔｯ

雪歩「ドヤ顔可愛いよ！　うーん……チキン南蛮かぁ。それはそれで美味しいけれど、私としては牛肉のほうが好きかな」

可憐「え？」

雪歩「そうだ、和牛にしない？」

可憐「ダ、ダメです……！もう使われていますから…！」

雪歩「じゃぁ、ローリング△さんかくは？　ほら、牛の肩ばら肉では最上級らしいよ」

可憐「桃子ちゃんに謝ってください……！」

雪歩「よしっ、ビーフストロガノフにしよっか。どう作るんだっけ」

可憐「牛、牛をつかう……？」

雪歩「ちなみに、どうしてチキン南蛮なの？」

可憐「わ、私が臆病者（チキン）で、エミリーちゃんが、その、外国出身だからです」

雪歩「イギリス出身だよね？　南蛮っていうと日本では、ポルトガルやスペインといった南欧を指し示す言葉じゃない？」

可憐「………」

雪歩「それにチキン南蛮って、宮崎県発祥だよね」

可憐「えっ、そうなんですか……？」

雪歩「うん。困りますぅ、ろくに調べもしないでフィーリングでネーミングなんて、ブーイングですぅ。でもそんなところもチャーミ、」

可憐「ふんっ」ﾍﾟﾁｯ

雪歩「ぼんじりっ！！　な、なんで急に胸でビンタしてくるの！？脅威的な胸囲！！」

可憐「細かいことはいいんです……！　そんなこと言い出したら、チキンの部分だって、私じゃなくて、ゆ、雪歩ちゃんでいいじゃないですか！」

雪歩「ひどくない！？」

可憐「なんだったらタンドリーチキンでも、BUMP ○F CHICKENでもいいじゃないですか…！」

雪歩「よくないよ！？」

可憐「と、とにかく、雪歩ちゃんは私とエミリーちゃんのネタ作りに協力してくれればいいんです……！」

雪歩「なんで？！　え、どういうこと……そういうの、構成作家さんみたいな人、いないの？　オリジナルなの？」

可憐「は、はい。そのほうが面白いだろうって……うう…」

雪歩「でも、それなら私に相談というより、きちんと、ううん、チキンとエミリーちゃんと相談するべきだよ」

可憐「それがその、つい昨日話し合いはしたんですが……」

雪歩「何か問題でもあったの？　たしかにエミリーちゃんの口調を活かす台本作りは難しいかもだけれど」

可憐「いえ、その段階ではなくて、実は――――」

雪歩「？」

エミリー『はうぅ……困りました。私、漫才は勉強不足でして……恥ずかしながら全然思いつきません』

可憐『だ、大丈夫だよ、エミリーちゃん』

エミリー『可憐さん？』

可憐『私に任せて……！　こう見えて、春香さんや雪歩ちゃんといつコンビで漫才のお仕事がきていいように、勉強していたから…！』

エミリー『Wow!　本当ですか！？　さすがは可憐さんです！　可憐さんこそ天下無双の大和撫子でしゅ！』

可憐『そ、そうかな？　……てへへ。私に任せてくれれば台本ぐらいすぐに書いてみせるからね』

エミリー『ありがとうございます！　私はその間に伊織さまにつっこみ（お笑い）を、まつりさんにつっこみ（物理）を教わりにいきますね♪』

可憐『いってらっしゃい♪』




可憐『ど、どうしよう、全然書けない……！』

可憐「ってことなんです」

雪歩「え、えぇ……調子に乗りすぎだよ、可憐ちゃん。可愛すぎだよ。ぎゅっとしていい？」

可憐「そこでまず、律子さんに相談したんです」

雪歩「えっ。私、２番目の女に過ぎなかったの…？」

可憐「いえ、その後、春香さん、千鶴さんにも相談してからここにきたので、4番目です」

雪歩「」ｺﾄﾊﾞｳｼﾅｲﾎ

可憐「……それで、律子さんが言うには―――」

律子『漫才の台本？　あー……それだったら、雪歩に頼んでみれば？　ほら、春香があの子のポエム読んで爆笑していたでしょ？』

可憐『な、なるほど……！』


可憐「ってことなんです」

雪歩「お笑い私のポエムはネタ帳じゃないですぅ！！　可憐ちゃんも納得しないでよ！！」

可憐「そこで雪歩ちゃんに相談しようとしたら、ちょうど外のスタジオでレッスンしていたので、間が悪いなぁ、ちんちくりんはこれだからって思っていると、春香さんが劇場にやってきたんです」

雪歩「さりげない暴言！！　敬愛の裏返しかなぁ！！」

可憐「それで春香さんにも相談してみたら―――」

春香『エミリーちゃんと可憐ちゃんとで漫才？　へぇ、なんかまたずいぶんと攻めた企画というか、アイドルっぽくないというか』

可憐『何かアドバイスいただけませんか、春香さん』

春香『空気など読むな』

可憐『！』

春香『どんなに可憐ちゃんらしくないとか、そういうのは違うって周囲に言われたとしても、それでも、可憐ちゃんは可憐ちゃんを貫いて、夢を実現させてほしいなって』

可憐『春香さん……！』



可憐「って感じで、ふわっとした言葉で誤魔化されました……はぁ」

雪歩「まったく心に響いていない？！　いや、春香ちゃんは春香ちゃんで、唐突すぎるけれども！」

可憐「その後、春香さんがお仕事に出かけて、入れ代わりで千鶴さんが来られたんです」

雪歩「千鶴さんだったら、ちゃんとしたアドバイスしてくれたんじゃない？」

可憐「はい。動画サイトでお笑い動画を視聴したり、Ｐさんに頼んで番組の過去回の映像を見せてもらったり、奈緒さんに頼んでお笑いについて勉強したりって」

雪歩「うんうん、さすが千鶴さんだなぁ」

可憐「でも、そういうのめんどうなので、手っ取り早く雪歩ちゃんが私たちの台本を考えてくれたらなって、えへへ……」

雪歩「怠惰！！」

可憐「つ、つかみが大切だとは思うんです」

雪歩「つかみ？」

可憐「はい。ステージにあがる、マイクの前に立つ、そこから一発目はどうしかけるかって大事ですよね？」

雪歩「うん、そうだと思う。中には、マイク前に到着するより先にボケ側が話し始めて、ツッコミ側が『なんでもう話し始めているんだよ！？』っていうつかみ方もあるみたいだけどね」

可憐「ざ、斬新ですね」

雪歩「無難に考えれば、可憐ちゃんたちはそのコンビ名の由来からトークし始めるといいんじゃないかな？」

可憐「本当は雪歩ちゃんとエレナさんのコンビ名だったのをパクったんです！……って具合ですか？」

雪歩「敬慕してやまない先輩である、わた、雪歩さんのことを軽んじるような発言はよそうね！！　あとエレナちゃんも巻き込んじゃっているし！」

可憐「思い切ってエミリーちゃんの胸倉を掴むところから始めるとか……？」

雪歩「物理的に掴むんじゃないよ！？外交問題だよ！！　でも、そんな可憐ちゃんに私の心、つかまれっぱなしですぅ！！」

可憐「まだイメージがうまくできないので、よ、よかったら漫才の練習に付き合ってくださいませんか？」

雪歩「なんだかすごく今更な提案な気がするけどいいよ」

可憐「それではコンビ名は『チキン＆チキン』で」

雪歩「そこはべつに決めなくていいんじゃない？！」

可憐「『ばいんばいんとちんちくりん』にしますか？」

雪歩「『チキン＆チキン』でよろしくお願いしますぅ！」

可憐「ど、どうもー、萩原雪歩ですぅ！穴掘って埋まってますぅ！」

雪歩「待って、ちょっと待って」

可憐「わりと声、似せてあげましたけど！？」

雪歩「逆ギレ！？」

可憐「私、実は憧れている職業があって、今日はそれになりきってみたいなって思うんです」

雪歩「う、うん、はじめていくんだね。えっと、憧れている職業ってなにかな？」

可憐「アイドルです」

雪歩「現役！」

そんなこんなで迎えた番組収録当日
スタジオ内

雪歩「心配になったから、見学させてもらうことにしたけど……遅いなぁ、可憐ちゃんとエミリーちゃん」

可憐「た、大変です！　雪歩ちゃん、変態です！！」

雪歩「落ち着いて、可憐ちゃん……！　今回、やけに私へのあたりが強いよ！？　愛が重いのもほどほどにね！！」

可憐「えっと、その、うっぷ、走ったから、景気づけに食べたチキン南蛮が口から……」

雪歩「わー、わー！ダメ、ダメだよ、可憐ちゃん！　ショッキング映像だよ！！　ほら、落ち着いて、ひっひ、ふー、ひっひ、ふー！」

可憐「エ、エミリーちゃんの乗った電車が事故を起こしちゃったみたいで……！」

雪歩「ええっ！？　エミリーちゃんに怪我はないんだよね！？」

可憐「はい……まつりさんから習ったサンチン立ちをしていたおかげで急な揺れにも対応できたって……」

雪歩「そ、そうなんだ」

可憐「でも収録時間には間に合いそうになくて……！」

雪歩「ええ！？　今日の番組ディレクターさん、時間には厳しくて、怒るとものすご～く怖いって噂だよ？！」

可憐「『IT／イット THE END “それ”が見えたら、終わり。』とどっちが怖いですか？」

雪歩「怖さのベクトルが違うよ！？」

可憐「ど、どどどどどうしましょう、こうなったら私1人で……！」

雪歩「待って！　私がいますぅ！」

可憐「エミリーちゃんの代わりは無理です…！　エミリーちゃんの容姿と普段の振る舞いとのギャップを活かしたボケとツッコミなのを、雪歩ちゃん知っていますよね？」

雪歩「―――誰も、漫才の相方として協力するとは言っていないよ？」

可憐「へ？」

雪歩「まぁ、そこで見ていて。……無事に帰ってこれたら、伝えたいことあるから」

可憐「フラグ……！」

雪歩「ディ、ディレクターさん！　あの、よかったら可憐ちゃんたちの漫才の前に―――」

可憐（いったい何をどうするつもりなんだろう、雪歩ちゃん……）

可憐「え？　（漫才の）ステージに立った……？」

雪歩「」ｽｯ､ｽｯ､ｽｯ

可憐「！！　あ、あれは――――！！」

貴音「ほう、えあ焼肉ですか、大したものですね」

可憐「貴音さん！？」

貴音「初めは萩原雪歩自身の緊張緩和を目的にした、日々の儀式でしかなかったえあ焼肉。……ですが、御覧なさい、可憐。いえ、嗅いでみるのです。香りさえも漂ってくるはずです」

可憐（そんなことはないです…！）

貴音「今や、あれは萩原雪歩の1つの特技となり、芸当となり、個性となり、価値となりました」

可憐「そ、そこまで！？」

そうして雪歩はエミリーが到着するまでエア焼肉をステージで披露し続けた。
スタッフたちは皆、その姿に感動し、番組の打ち上げは絶対焼肉にしようと決めたのだった。
チキン南蛮の漫才もまた、会場を大いに賑やかにし、企画は大成功を収めた……！
雪歩は打ち上げには呼ばれなかった。


可憐「こんなオチでいいんですか……！？」

おしまいですぅ

以上です。ポカボケ可憐ちゃんシリーズでした。
例のチキン南蛮スレ、自分が副業中の休憩時に立てたんですけど、案の定？伸びなかったなー

そのコンビ名エミリーは呼べないんじゃ…
鶏南蛮？

>>11
よくみたら後でつけ足した「お笑い」が「ネタ帳」にかかる修飾語のはずがががが…！誤字脱字多すぎて穴掘って埋まってるわ

>>23　たとえエミリーでもユニット等の固有名詞は横文字いけるかと（楽観視）

>>23
ちゃんと意味通りに腰抜け南蛮で

エミリーが漫才したら、ほぼ、すゑひろがりず化しそう。

ボケボケ可憐好き