真「〜♪」

ｶﾞﾁｬ

真「！」

ﾀﾀﾀ

P「ただいまー」

真「おかえりなさいっ」

P「ただいま…ん、この匂いは…」

真「あ、えへへ…ご飯作っちゃいました」

P「俺が作るからいいって言ってるのに」

真「だって一人だとたいくつなんですもん」

真「体も動かせないしお家にひとりぼっちだし寂しいです、よよよー」

P「電話してやってるだろ」

真「それじゃ足りないですよ」

P「わかったわかったよしよし」

真「えへへ」

P「いただきまーす」

真「いただきます！」

P「ん、美味しい」

真「へへっ、やーりぃ！」

P「これも美味しいしお、こっちも美味い」

真「へへー腕によりをかけましたからね！」

P「こんなに美味しいご飯を食べられる奴は幸せ者だなあ、あっ俺だった」

真「ちょ、ちょっとそれはさすがにベタすぎですよ…」

P「ご、ごめん…」

P「でも本当に美味いよ」

真「本当ですか？ボクうれしいです」

P「ごちそうさま」

真「ごちそうさまでした」

P「片付けやるから真は休んでな」

真「はーい」

P「さて」

真「はい」

P「誕生日おめでとう」

真「えっ、あーっ！」

真「忙しくって忘れちゃってました」

P「さっき退屈とかなんとか言ってたくせに」

P「まあそこでいい子の真にはプレゼントだ」

真「なんですか…わあ、ワンちゃんのぬいぐるみだ！」

P「ビッグサイズだぞーかわいいだろ」

真「ありがとうございます！かわいいなぁ…♪」

真「あれ？でもこれってボク子ども扱いされてません？」

P「い、いやそんなことないって」

P「ほら、小さいワンちゃんもセットで付いてきたんだよ」

真「！？か、かわいい…なんか、ボクのハートにキューンと来ちゃいます！」

真「なんだか二倍うれしいです！」

P「喜んでもらえてよかった」

P「ケーキもあるぞ、デザートにしよう」

真「やーりぃ！」

P「はい、あーん」

真「あ、あーん…」

真「んー美味しいですー♪」

真「じゃあ今度はボクがあーんしてあげますね」

P「いや俺はいいよ」

P「真が食べな」

真「えーボクにばっかりあーんしてずるいじゃないですか」

真「次はボクがあーんしてあげる方なんです」

P「わ、わかったよ」

真「はいっ、あーん♪」

P「あーん…お、美味い」

真「へへ…」

真「そういえば事務所に新しく入った子たちはどうですか？」

P「みんな筋が良いよ、レッスンも頑張ってるし良い子ばかりで助かってる」

真「ふーん、みんないい子なんですか、ふーん」

P「あの真さん？なんか怒ってる？」

真「お、怒るわけないじゃないですか…やだなぁ」

真「むぅ」

P「で、でもまあやっぱりアイドルの頃の真が俺のナンバーワンだよ」

真「そ、そうですかね…えへへぇ」

P（数年前、女性らしくなりたいという理想像と周囲から求められる『理想の王子様』のギャップに苦しんでいた少女は、男女問わず心酔させるスーパーアイドルになった）

P（彼女の素晴らしいパフォーマンスは、今でも俺の脳裏に焼き付いている）

真「また、踊ってみたいですけどね…ボクも」

P「…」

真「そ、そんな深刻そうな顔しないでくださいよー」

真「ケーキも美味しかったですしボク今すっごくしあわせ…う」

P「ま、真！？」

真「ちょ、ちょっとフラっとしちゃっただけですってば」

P「…こっちおいで真」

真「え、なんですか…って膝枕！？」

P「硬いふとももで申し訳ない」

真「いえ…それはいいんですけど」

真「どうしたんですかいきなり」

P「やっぱり俺は真が心配で」

P「もし真に何かあったらって考えたら」

真「だ、大丈夫ですよ！」

真「今はホラ、運動もできない体ですけど」

真「元が丈夫ですしボク」

P「…そうだな」

ﾅﾃﾞ

真「あ、頭…へへ」

真「膝枕してもらうのって新鮮でいいですね」

真「♪」

P「…」

ﾌﾞｵｰ

P「…はいおしまい」

真「へへ、髪の毛乾かしてくれてありがとうございます」

P「いいってことよ」

P「かわいいよ」

真「え、えへへ…」

真「…ねぇ、あなた」

P「…うん」

真「寝る前に言うのもなんですけど」

真「ボクやっぱりアイドルするの好きなんです」

P「うん」

真「歌うのも好きだしダンスも大好きだし」

真「どこまで行けるか分からないですけど、やれるところまでやってみたい」

真「だからそういうボクのことも見ていてほしいっていうか…」

P「…やっぱりアイドルしたいんだよな、真は」

P「真がやりたいなら俺はずっと見てるし支えるよ」

P「俺はずっと真のプロデューサーだから」

真「…へへっ」

真「さっすがプロデューサー♪」

P（…俺は、彼女の大きくなったお腹を撫でた）

P（あどけない少女のようだった印象は変わり、もう彼女は母親らしい強い女性になっていたことに、はっとさせられた）

おわり

真さんはこの後元気にママ兼アイドルとして復帰しました
誕生日おめでとうございます（フライング）

まこりん…