矢吹可奈「何かあったの？」

最上静香「ええ。昨日、同じ現場だったんだけど……」

……

佐竹美奈子「次の撮影まで時間あるね。お昼ご飯どうする？」

静香「私、前にここに来たことがあって、近くにおいしい饂飩があるお店を知ってるんですよ！」

美奈子「そうなんだ」

静香「だから、今日は朝から楽しみにしてたんです。そうだ、美奈子さんも一緒にどうですか？」

美奈子「静香ちゃんのオススメ、興味あるね。それじゃあ、案内してくれる？」

静香「はい！」

静香「ここです！」

美奈子「……おお」

静香「ここの饂飩が絶品なんです！　いろんな所で饂飩を食べてきましたけど、ここのは間違いなく3本の指に入ります！」

美奈子「なるほどね」

静香「私は前回は月見饂飩にしたんですけど、出汁と卵の相性も最高でした！」

美奈子「おいしそうだねぇ」

静香「それはもう。さぁ、入りましょう！」

美奈子「うん」

美奈子「静香ちゃん、決まった？」

静香「迷いますけど……はい、決まりました」

美奈子「それじゃあ、店員さん呼ぶね」

ｺﾞﾁｭｳﾓﾝ

静香「私はきつね饂飩をお願いします！」

美奈子「私はこの三色おにぎりで」

静香「……え？」

ｲｼﾞｮｳﾃﾞﾖﾛｼｶｯﾀﾃﾞｽｶ

美奈子「はい！」

静香「……え？」

……

静香「その後、何で饂飩を頼まなかったのか聞いたんだけど、はぐらかされちゃって……」

可奈「何でかな？」

静香「わからないの。可奈はそういうことなかった？　ほら、可奈は美奈子さんと映画で一緒だったし」

可奈「うーん……あっ、そう言われると」

静香「何かあったの？」

可奈「うん。映画が大ヒットしたから、豪華なご褒美でフランス料理を食べに連れて行ってもらったんだけど……」

……

可奈「おいしかった！　メインディッシュも最高でしたね！」

美奈子「本当にそうだね。さ、あとはデザートだよ」

可奈「何かな何かな♪　楽しみかな♪」

美奈子「ふふっ、私も」

ｵﾏﾀｾｲﾀｼﾏｼﾀ

可奈「うわー、おいしそう！」

美奈子「……あ、うん」

可奈「いただきまーす……うん、おいしい！」

美奈子「良かったねぇ」

可奈「勝手にアイスとかシャーベットとかだと思ってたんですけど、こんなのもあるんですね！　最高！」

美奈子「……」

美奈子「可奈ちゃん、良かったら私のも食べる？」

可奈「え？　いいんですか？」

美奈子「うん、どうぞ。めしあがれ♪」

可奈「ありがとうございます！　あ、でも、美奈子さんは食べなくていいんですか？」

美奈子「いいっていいって。幸せそうに食べる可奈ちゃんを見るのが好きなんだ」

可奈「えへへ♪　それじゃあ、いただきます！」

……

可奈「みたいなことはあったかな？」

静香「……たしかに、楽しみって言ってたのに食べなかったのは共通してるわね」

可奈「うーん、何でかな？」

静香「……」

ｶﾞﾁｬ

横山奈緒「ただいま戻りましたー」

可奈「あ、奈緒さん、お疲れ様です！」

奈緒「ありがとー。ん？　静香、難しい顔してどないしたん？」

静香「……実は」ｶｸｶｸｼｶｼﾞｶ

奈緒「へえ、美奈子がなぁ」

静香「奈緒さん、少し前にJust-2-Mintでツアーされてましたよね？　そこで何か変わったことはありませんでしたか？」

奈緒「んー特に……あっでも、一個だけあったわ。食べ物のことちゃうんやけど……」

……

奈緒「あー、今日も疲れたなー」

美奈子「そうだね」

奈緒「しかし、なかなかええ旅館やな。なんか風情ってのを感じるわ」

美奈子「うんうん」

奈緒「まぁ、ゆっくり堪能する時間はないんやけどな……って、美奈子、タオル？」

美奈子「うん、タオルだよ」

奈緒「どないしたん？　枕合わへんかったん？」

美奈子「そんな所だね。さ、明日も早いし、寝よっか」

奈緒「せやな」

……

可奈「そういうこともあるんじゃないんですか？」

奈緒「それがな、私はHANABI団でも一緒やったから知っとるんやけど、初めてのことやってん」

可奈「そうなんですね」

奈緒「それまでに固いの柔らかいの、高いの低いの経験して、ずっと大丈夫やったのに」

静香「うーん……？」

奈緒「ま、気になるし、直接聞こか」

静香「えっ」

奈緒「えっと美奈子美奈子」ﾋﾟｯﾋﾟｯ

静香「あ、あの……悪く言わないでくださいね？　不思議に思っただけなので」

奈緒「わかってるわかってる。あ、美奈子？」ｽﾋﾟｰｶｰﾀｲﾌﾟ

佐竹美奈子『奈緒ちゃん、どうしたの？』

奈緒「あのな、今静香と可奈もおんねんけど」ｶｸｶｸｼｶｼﾞｶ

奈緒「ってことなんやけど、どないしたん？」

美奈子『あー……そうだね』

静香「あの、美奈子さん、ただ不思議に思っただけですからね」

可奈「私もかな～♪」

美奈子『えっと……実は』

美奈子『私、蕎麦アレルギー』

奈緒静香可奈「え？」

おわり

……
中の人ネタでした。(ぜっきーは蕎麦アレルギー)
ガレット(蕎麦粉使用)はもちろん、酷い人は饂飩と蕎麦を同じ釜で茹でていたり、蕎麦殻の枕でも症状が出るから大変ですね。

乙
これは初耳でしたわ

SS祭主催の方とミリ+蕎麦で被りましたが、この使い方は被らないと確信していたので焦らなかったです。キーアイテムだからセーフなはず。

私は普段は、おーぷん2ちゃんねるでミリマスSSを書いていて、ありがたいことに各まとめサイトさんに掲載していただいてます。それからの出来事()さんにもこれまで3本まとめていただきました(嬉)
もし良ければ各まとめサイトさんのSSも、拙作に限らず読んでいただけたら嬉しいです。

以上です。ありがとうございました。

蕎麦全くなんだ
知らなんだな

率直に言っていいタイミングでも何となくはぐらかす所に、美奈子っぽい距離感を感じた。

おつ！
そうきたかーってなったぞ！

別におかしなことではないけど(異常なレベルで)料理作る側がアレルギー持ちだったら言いづらそうなのは分かる気がする
意外だけど納得できるオチだった

外食業界にいたとき、ある店舗の蕎麦だけ評価がボロクソでな
営業部長が実際に行って食ってみたら確かにどうしようもないほど酷いのでお前ら一体何やってんだと叱責したら、料理長が蕎麦アレルギー発症してたということがあった
蕎麦打つときは料理長を店から出して、料理長いないと週末とか絶対に店回らないから手早く仕上げて厨房と店内清掃して、清掃する時間まで考えたら蕎麦にそんなに時間かけられないから打ち方も雑でボソボソのパサパサ、っていう……
重役会議の末に諦めて蕎麦の提供やめたのは英断だったと思う

乙
そういう事は先に話しておこうよ

>>28
でもまあ、仲間でも言いづらい事はあるもんか

>>29
せっかく誘ってくれたり(もがみんの場合うどん専門店の可能性のが大きい)、予想外の物が出て来て目の前の人の笑顔を曇らせたく無いってなったらこうもなりますよ。

美奈子の場合は特にな・・・