美術館で開催される今回の展覧会では

水瀬伊織が展示されるとあって、展覧会は大きな賑わいを見せていた。

-展示室-

係員「本日はご来館いただきありがとうございます」

係員「展示品とはガラスを隔てておりません」

係員「ですから展示品から5m離れた線を越えずにご鑑賞ください」

伊織「...」

客1「おお...あれが水瀬伊織か...」

客2「椅子に座っているだけで絵画のようだ...」

客3「そこまでなるのには眠れない夜もあっただろ!」

伊織「...」

P「お時間ですので今から休憩時間入ります」

-控室-

P「お疲れ様。オレンジジュースとミネラルウォータどっちがいい?」

伊織「....」

伊織「....」

P「どうかしたのか?調子が悪いなら遠慮なく言ってくれよ」

伊織「...アンタは」

伊織「アンタはこの仕事に何の疑問も無いの?」

P「...?疑問はないが、どうかしたのか?」

伊織「この仕事がイカれてるって言ってるの!」

伊織「美術館の中で美術品として座り続ける?」

伊織「何なのよこの仕事は!!」

P「待ってくれ伊織、オファーが来た時はこう言ってたじゃないか」

（伊織「にひひ♪やっと伊織ちゃんの美しさが認められたのね～」）

P「あの時はあんなに喜んでいたのに...」

伊織「浮かれてて気づかなかったのよ、この仕事のイカれ具合にね!」

P「...そうか。今からでもこの仕事を断ってこようか」

伊織「...」

伊織「やりきるわよ!プロなんだから!!」

P「よし、もし中断したくなったら右手を挙げてくれ」

P「そのタイミングで休憩を挟もう」

-展示室-

係員「それでは展示を再開します」

伊織「...」

客1「今度は椅子の後ろに立つポーズか...」

客2「おお...立っている姿も絵画のようだ...」

客3「端麗すぎて固定資産税かかりそうだな!」

伊織「...」ｽｯ

P「いったん休憩入りまーす」

-控室-

伊織「ボディビルダーがいるわね」

P「いたか?」

伊織「明らかに一人だけ喋っている内容がボディビル大会の掛け声じゃない」

P「言われてみるとたしかにマッチョぽい人がいるな」

伊織「だいたいアンタ、私の前の順路に何が展示されているか分かってるの?」

P「ミロのビーナスだな」

伊織「私の後の展示は?」

P「ダビデ像だな」

伊織「荷が重い!!その2つに挟まれて展示されるのは荷が重いわよ!」

P「ミロ→伊織→ダビデの順で展示だろ?違和感ないじゃないか」

伊織「両端が豪華すぎて違和感しかないわ」

P「今回は豪華な展示品が多いから美術館に怪盗から予告状が届いてるしな」

伊織「え?」

ボーボボみてえな世界観になったな……

P「なんでも数多の美術館で盗みを働いている大泥棒らしいぞ」

伊織「それ本当なの?」

P「美術品専門の怪盗らしいから大丈夫だとは思うが...」

P「不安なら今からでも断ってこようか」

伊織「...」

伊織「やりきるわよ!プロなんだから!!」

-展示室-

係員「それでは展示を再開します」

伊織「...」

客1「素晴らしい...」

客2「究極の美だ...」

客3「俺が盗む美術品に負けない美しさだな!」

伊織「...」ｽｯ

P「いったん休憩入りまーす」

-控室-

P「どうした?」

伊織「あのボディビルダーが怪盗よ!」



伊織が怪盗の正体を見破ったおかげで

怪盗は無事逮捕されましたとさ

おしまい

>客3「俺が盗む美術品に負けない美しさだな!」
オイお前怪盗だろwww

独り言は小さくしましょう

秋祭りロスタイムに信じられないストライカーが駆け抜けて行ったな…

乙
いおりんマジ名探偵

いおりんが怒りはじめて客3が「キレてる！キレてる！」って言うかんじかと思った。

乙です
客3の色んな意味でのレベルの高さに嫉妬する

おもしろい