漫画家・雪歩「ええっ！？な、なんなの、これ……あんまりですぅ！こうなったら、編集担当に文句言ってやりますぅ！」

雪歩「スマホ開いて、トタチツテっと………、あ、もしもし、天空橋さん？ひどすぎですぅ！読んだよ、今月号の私の漫画！」

編集担当・朋花「はい？酷いって、ああ、なるほど、ストーリーのことですね～」

雪歩「違うよ！？誤植だよ！台詞の文字の間違いが多すぎですぅ！」

朋花「本当ですか～？たとえば、どんな？」

雪歩「ほら、可憐ちゃんが四天王の1人であるリッチャンに挑む前のやりとり！」


可憐『あなただけは許しませんっ……！』


雪歩「って、最高にかっこいい台詞が」


可憐『早坂だけは許しませんっ……！』


雪歩「になっているんですぅ！！！」

朋花「あら、そうみたいですね～。やっちまったのです」

雪歩「やっちまったのですじゃないよ！？なんで急にまつりちゃんっぽいの！？これじゃ、可憐ちゃんがガチャで爆死したみたいだよ！！リッチャンも同情しちゃうよ！！」

朋花「ふふふ～」

雪歩「なんでそんなにご機嫌なの！？誤植はここだけじゃないんですぅ！」

朋花「ええ～、本当ですか～？どこですか～」

雪歩「可憐ちゃんが暗い過去を語った後に決意を新たにする場面あるよね」


可憐『私の憎しみは消えません……！』


雪歩「っていう超シリアスな一コマなのに、」


可憐『私の肉シミは消えません……！』


雪歩「になっちゃっているんですぅ！！！！」

朋花「あら、間違っていますね。やっちまったのです」

雪歩「やっちまったのですじゃないよ？！ちょっとぉ！！」

朋花「肉シミって、くすっ。なんですか、脂汗ですか？ふふふ」

雪歩「ふふふ、じゃないよ！？」

朋花「実は……今度のオフに百合子さん、ロコちゃん、昴ちゃんと4人でお出かけすることになりまして～」

雪歩「へ？そうなの？ミリオン15歳組かぁ。ぜひいつか4人でユニット組んでほしいよね。でもね、天空橋さん、まだ誤植あるんだよ。こっちは全然機嫌よくないんですぅ！」

朋花「もうしかたありませんね～。どこですか～？」

雪歩「なんでそっちが呆れているの！？ほら、魔王ハルカッカと対面したときの会話！」


ハルカッカ『お前が可憐か？』


雪歩「っていう緊迫した場面なのに、」


ハルカッカ『お前が加蓮か？』


雪歩「それ、別事務所ぉぉぉおおおおお！ダメだよ、これは！連載開始するときに言ったじゃん！！この間違いは絶対しないでくださいねって！！また、やっちまったのですで片づけないでね」

朋花「面妖なっ！」

雪歩「四条さん！？え、なんなの、天空橋さんの中で姫になりきるブームきてるの！？いや、まだ誤植あるからね！！」

朋花「そうとも言えるし、そうでもないとも言えますね～」

雪歩「あるんだよ！誤植！ほら、次のコマ！可憐ちゃんが返すところ！」


可憐『私は可憐ですっ……！』


雪歩「っていうクールな台詞が、」


可憐『私はシレンですっ……！』


雪歩「いきなり風来人になっているんですぅ！！突然始まった、可憐ちゃんと不思議なダンジョンだよ！」

朋花「可憐さんであれば、持ち前の嗅覚で罠チェックも簡単そうですね～」

雪歩「うんうん、巻物の代わりにアロマなんだろうなぁ。って、そうじゃなくてっ！間違いすぎだよ！！」

朋花「でへへ～」

雪歩「今度は未来ちゃん？！それより、まだあるんですぅ！」

朋花「やっぱり怖いですね～、ヤ○ザアイドルは」

雪歩「萩原組は健全な建設会社ですぅ！！！最後のページを見て！ほら、可憐ちゃんが、」

可憐『私の新しい技をお見せします……！』


雪歩「っていうドキドキワクワクのシーン！！」


朋花「そんなのありましたか～」

雪歩「あったよ！大事なシーンなのに、」


可憐『私の新しい脇をお見せします……！』


朋花「なんと～」

雪歩「なんなの！？新しい脇って！！今の脇でも充分、魅力的だよ！！医療脱毛済みとかそういうのなの？！」

朋花「私としたことがうっかりしてましたね～。みなさんとお出かけするのが楽しみでして～」

雪歩「うきうきしすぎぃ！！しかも、もっとひどい誤植が最後のコマにあるんですぅ！可憐ちゃんが恋人である雪歩から託されたスコップを持って『えいやぁああああ！！！』って突っ込むところ！」

朋花「え～？そんな台詞を間違えないと思いますよ～？」

雪歩「間違えているの！！読んでみなよ！」


可憐『あふぅ』


雪歩「おかしいでしょ！？！？いくら美希ちゃんでもこの場面で欠伸しなくない！？なんなん！！しかもこのコマについている煽り文句！！」


『無料プラチナガシャでピックアップぜんぶ揃っちゃいました～』


雪歩「ただの自慢じゃん！！！！煽りにもほどがあるよ！？」

朋花「やっちまったのです」

雪歩「初心に返らなくていいよ！！」




後日

雪歩「あ、あれー？天空橋さん、今日は打ち合わせのはずなのに待ち合わせ場所に全然来てくれないなぁ。電話してみようっと。もしもし……天空橋さん？」

千鶴「あら、雪歩ちゃん。朋花ならいませんわよ」

雪歩「千鶴さん？えっと、天空橋さんはどうしたんですか」

千鶴「今日は百合子たちとお出かけの予定でしたの」

雪歩「へぇ、今日がその日だったんだ……ん？予定でした？」

千鶴「Pが急に仕事を入れたので、朋花は子豚ちゃんたちのためにそっちを優先しましたの。Pはお仕置きされていましたが」

雪歩「あー………。いや、それよりも、今日はもともとは私と漫画の打ち合わせがあるはずなんですぅ！」

千鶴「それなら、伝言がありますわ」

雪歩「え？」

千鶴「次の週で打ち切りだそうですわよ」

雪歩「ええーーっっ！！　いきなりすぎませんかぁ！？な、なんページもらえるんですか？！」

千鶴「3.9ページと聞いておりますわ」

雪歩「さ、3.9！？39の間違いじゃなくて！？って、0．9ってなに？！」

千鶴「新連載の広告が載るんだとか」

雪歩「それカウントするの？！なんで0.1割いているの？！」

千鶴「ちなみに紬の４コマ漫画『それゆけ瑠璃色金魚』も打ち切り最終回となりましたわ」

雪歩「何ページもらっているんです？」

千鶴「5ページですわ」

雪歩「ちくしょぉおおおお！！！！」


おしまいですぅ

乙
元ネタは知らんが良かった

ギャグマンガ日和懐かしのネタ
乙でーす