【PM 10:30】

P「………」

カタカタカタ…タンッ
カタカタカタカタ…パシッ

貴音「……」



ぐううう～～～～～っ

P（うぐぐぐ......）

貴音「P、お加減が優れないようですが...」

P「見ての通り絶賛空腹中でな...最近金欠なせいで朝も昼もロールパンと牛乳だけなんだ...」

貴音「なんと！そのような生活では体を壊してしまいます！」

P「うん、その通りだけど原因のひとつは間違いなくお前だからな？」

貴音「ああっ！私、このようなことになるとは夢にも思わず...!」

P（それはひょっとしてギャグで言ってるのか？）

貴音「何卒お許しを...何卒...」ｳﾙｳﾙ

P（あ、これガチっぽい...か...?）

P「まあ...実を言うとアパートの更新とか友達の結婚式とか、他にもいろいろあってな。貴音だけのせいじゃないよ」

貴音「しかし...」

P「言いすぎて悪かった。本当に気にしなくていいから」

貴音「はい。では気にしません」ｹﾛﾘ

P「変わり身早いなオイ！」

貴音「Pが気にするなとおっしゃったのではないですか」

P「うーんそうだけどさー、瞬時に手のひら返されるとそれはそれでビミョーな気持ちになるというかさー」

貴音「では、今後は演技せずありのままの私で接することに致します」

P「そういう問題じゃない。つーかやっぱり演技だったのかよ畜生！」

貴音「こんにちはクズだよ！」

P「余所のネタをパクるなっ！！」



ぐうううぅぅぅぅ～～～～～～～～っ

P「いかん...大声出したらよけいに....」

貴音「冗談はさておき、今日はもう仕事を切り上げたほうがよろしいのでは」

P「そうだな...ただ、これから家に帰って夕飯の支度からやらないといけないと思うと、それだけで気が遠くなるんだよ...」

貴音「では外食で、割引券やくぅぽんを使える場所を検討してはいかがでしょうか」

P「まあ安く早くを求めたらそうなるか...しかし遅くまでやってて割引券とかが使える店.....................あ」

貴音「お気づきのようですね」

P「うん。せーので同時に言ってみないか？」

貴音「かしこまりました 」

P「んじゃいくぞ。せーーのっ」

P・貴音「「日高屋」」

P「だよな」

貴音「ですね」

P「オヤジ臭いって言われそうだけどさ...遅くまで残業した帰りに日高屋の看板見つけるとつい引き寄せられちまうんだよな...」

貴音「まるで誘蛾灯に集められた虫のごとく...。らぁめんせっとや餃子定食にびぃるを付けて頑張った自分へのご褒美、といったところでしょうか」


P（前から思ってたけどコイツ本当に未成年か？オッサンが女の子の皮被ってるだけじゃないのか？）

貴音「そして、なんと言っても店を利用するたびに貰えるさぁびす券」

P「気前いいよなあ。大盛り無料やら一品料理サービスやら」

貴音「店舗ごとに違った内容の券を配っていることがあるのも面白いですね」

P「うん...日高屋かあ。久しぶりに行ってみるかなあ...」

貴音「しかしです」

P「ん？」

貴音「今宵のPは尋常ではない空腹...。もう一声欲しいところでは？」

P「どういう意味だ？」

貴音「分厚い肉を頬張り...思いのままに白飯をかきこむ...そのような欲望をお持ちでは？」

P「そりゃ魅力的だけど、そんな都合の良いもんが...」

貴音「あるではないですか。ズバリーーー」

貴音「" カ ツ 丼 "です」

P「その手があったかァ～～～～～～ッッッ！」

貴音「もうおわかりですね？」

P「わからいでか」

貴音「では、今度は私から...せーのっ」

P・貴音「「かつや」」


貴音「御名答」

P「ま、これしかないな」

貴音「揚げたてのカツを手早く卵でとじてご飯に盛り付ける、たったこれだけの料理がなぜこうも人を魅了するのでしょう...!」

P「まったく罪作りな料理だよな...!シンプルなのに人間の欲望が全て詰め込まれてやがる...！」

貴音「まあ、実を言うと"揚げたてのカツでカツ丼を作るのは邪道"という考えもあるのですが」

P「え、そうなのか？」

貴音「そもそもカツ丼とはおそば屋さんが売れ残って冷えたカツをなんとか食べるために考案した料理...。"揚げたてのカツならそのまま食べたほうが美味しいだろべらんめぇ"という昔ながらの職人さんも多いのです」

P「ふうん...貴音も案外そういうこと気にするんだな」

貴音「いえ、私は死ぬほどどうでもいいと思っております」

P「なんじゃそりゃ」

貴音「冷えたカツの中に出汁が染み込むまでじっくり煮たカツ丼！揚げたてのカツの表面に出汁を纏わせつつサクサク感を残したカツ丼！どちらも甲乙付けがたく美味しい！それでよいではありませんか！」

P「うんうん」

貴音「美味しければよいのですッッ！！」

P「まったくその通り！」

貴音「そしてかつやと言えば！」

P「100円割引券、だな？」

貴音「来店すると1枚...再び来店するともう1枚...みたび来店するとさらに1枚...」

P「通い続ける限り...カツ丼が何度でも100円引きで食べられるっ!終わりがないのが終わりっ......!!」

貴音「まあ、カツ丼以外の品もそれなりにあるのですが」

P「そんなこたあどうでもいい！今夜はカツ丼に決めたぞーーッッ！！！」

P「ーーーと、言いたいところなんだがな」

貴音「なにか？」

P「いや、あの割引券って1回行くごとに貰えるけど使えるのはその次の来店時だろ？俺、もう半年くらい行ってないから今日は通常料金ってことに...」



貴音「........................ふっ」

バサッ


P「？なんだこの紙た.........ば......!?」

貴音「あまり見くびらないでいただきたいものですね」

P「ばかなっ...これが全部っ...！？30枚はあるぞ...!?」

貴音「Pのためならばこの程度、なにも惜しくはありません」

P「た、貴音...」

貴音「参りましょう...もはや言葉は不要なはず...」

P「ああ......そうだな......!!」

P（こうして俺と貴音は深夜に思うぞんぶんカツ丼を腹に詰め込んだ）


P（そう、思うぞんぶん...貴音に至っては空のどんぶりが天井に届くまで...）


P（最終的に割引券使ったところで焼け石に水だったというか...）




P（............ってこれ前回と同じオチじゃねーか！学習能力無いのかよ俺っ！！！）

お し ま い

最後寝落ちした...
かつやは麦茶が無料なのも地味に嬉しいです

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昼はカツ丼にしよう

かつやは漬物が超うまい

おつ

タカられるのは毎回ノリノリで貴音の話に付きあってるPにも責任があるって思うな！