【PM 9:24】

ｶﾞﾁﾔ


貴音「ただいま戻りました」

小鳥「お疲れ様～。遅くまで大変だったわね」

貴音「はて？小鳥嬢、なぜこのような場所で仕事を？」

小鳥「あはは、それがね...」

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小鳥（お疲れ様でーす。聞いてくださいよPさ）


ﾊﾞﾝｯｯ!


P（なにが目的だっ！？金か！？力か！？いややっぱり金だろっ！？）

小鳥（ふぇっ！？な、なんですかいきなり）

P（やかましいっ！！毎晩毎晩タカりやがつて俺の財布が四次元ポケットだとでも思ってやがるのかっ！！！）

小鳥（い、意味がわからないんですけど...とりあえず落ち着いてくだ）

P（オレのそばに近寄るなああーーーーーーーーッ!!!!!!）

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小鳥「というわけなの...完全に目がイッちゃってたし、しばらくそっとしといたほうがいいかなって」

貴音「なんと...」

小鳥「最近忙しいし、疲れが溜まってるのよきっと...。まあ、幸い私はタブレットだけでもなんとか作業できるし、Pさんが落ち着くまでここで仕事してようかなって」

貴音「しかしこのような寒い場所で...あんまりではありませんか」

小鳥「いいのよ。私なんかよりPさんや貴音ちゃんたちのほうがずっと大変なんだから」

貴音「......ではせめて、暖かいお茶を淹れましょう。少々お待ちを」

小鳥「そんな気を遣わなくてもーー」

貴音「やらせてください」

小鳥「あ......」

貴音「............」

小鳥「......わかったわ。それじゃお願いしようかしら」

貴音「ありがとうございます。ではーー」

ｺｯｺｯｺｯｺｯ

小鳥（...ホント、私って幸せ者ね）

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ｶﾞﾘｶﾞﾘｶﾞﾘｶﾞﾘ
ｶﾞﾘｶﾞﾘｶﾞﾘｶﾞﾘｶﾞﾘｶﾞﾘ...



小鳥（あれ？この音...それにこの匂いって...）

貴音「お待たせしました」

小鳥「あっ！それマキネッタじゃない！？どこから持ってきたの？」

貴音「今日、偶然持ち歩いておりまして」

小鳥「ぐ、偶然？じゃあさっきガリガリやってたのは...」

貴音「偶然持ち歩いていた珈琲豆を偶然持ち歩いていたみるで挽いておりました」

小鳥「へ、へぇ～...」

小鳥（あまりツッこまないほうがいいのかしら？）

小鳥「えっと、これってお家でエスプレッソを作れる道具なのよね？イタリアならどこの家庭にも置いてあるとか」

貴音「えすぷれっそは機械で高圧をかけて抽出するので厳密には違うものです。こちらは弱火にかけてじっくり低圧で抽出しますので」

小鳥「なるほど。あくまで家庭の味ってことね」

貴音「えすぷれっそのようなこってりした濃厚さはありませんが、飲み飽きない素朴さが逆に癖になる、という人も多いのですよ」

ｺﾎﾟﾎﾟ...

小鳥「いい匂い...」

貴音「砂糖はいくつにしますか？1個？2個？」

小鳥「3個で！」

貴音「ふふっ、"このいやしんぼめ！"といったところでしょうか」

小鳥「貴音ちゃん、意外と漫画に詳しいわよね？」

貴音「それは、とっぷしぃくれっとです」

ﾎﾟﾄﾎﾟﾄﾎﾟﾄ

小鳥「あまり混ぜないほうがいいんだっけ？」

貴音「そうですね、飲みながら味の変化を楽しむのも一興です」

ｶﾁｬｶﾁｬ

小鳥「いただきます...」ｼﾙｯ


小鳥「～～～～～～ッ！！」


貴音「いかがでしょう？」

小鳥「もうね、信じられないくらい苦くて、信じられないくらい甘くて、信じられないくらい良い香り」

小鳥「はあ...沁みるわ...」

貴音「"いままでの疲れがふっ飛んで驚くほどの元気が体の芯からわいてくる、まさに大地の恵みだ"といったところでしょうか」

小鳥「やっぱり漫画詳しいわよね？」

貴音「とっぷしぃくれっとです♪」

小鳥「はいはい」

貴音「最後に溶け残った砂糖を掬って食べるのをお忘れ無く」

小鳥「あ、それ貴音ちゃんもやるんだ」

貴音「はい。これこそいたりあん珈琲の醍醐味ですので」

小鳥「私もテレビで紹介されてるのを見て知ったけど、なんかイケナイことしてるみたいでちょっと楽しくなるのよね...」

ｶﾁｬｶﾁｬ

小鳥「うん、美味しい」

小鳥「......ご馳走さま。ありがとうね、私なんかのためにここまでしてくれて」

貴音「いえ、小鳥嬢にはいつもお世話になっております故」

小鳥「はぁ...そう言ってもらえると裏方冥利に尽きるわ...。涙が出そう...」

貴音「これからもよろしくお願い致します」

小鳥「ええ。喜んで」




貴音「ところでーーーー」

貴音「なにかご用でしょうか、P」

小鳥「へ？Pさ...」



P（じーーーーーっ）


小鳥「ﾋﾟﾖｫｯ!?い、いつのまに？？」

P「あー、その、砂糖いくつに～とか言ってたあたりから...」

小鳥「わりと最初のほうですね！？なんで隠れてたんですか」

P「いや、コーヒーのいい匂いで我にかえりまして、同時に自分がやらかしたことを思い出して後悔というか、ものすごく気まずくなったと言いますか...」

小鳥「はあ...」

P「...............」

P「すいませんでした！俺、どうにかなっちまってたみたいで...」

小鳥「別にいいですよ。Pさんが最近働きづめだったの、私も知ってますから。誰でも疲れることくらいありますよ」

貴音「しかし、これからはもっと節度ある行動を心がけていただきたいものですね」

P「うーんお前がそれを言うのかーすべての元凶がそれ言っちゃうのかあー」

小鳥「元凶？」

P「あ、いえ、なんでもないです」

小鳥「？」

P「そうだ、2人とも晩ごはんまだですよね？コンビニでなにか買ってきますよ。お詫びの印に」

小鳥「いいんですか？なら遠慮なくゴチになっちゃいます！」

貴音「では皆で参りましょう。ちょうどおでんが美味な季節でもありますし」

小鳥「いいわね～。コンビニのおでん大好きなのよ私～」





P（..................あれ？気がついたらまた貴音に奢る流れになってるぞ？）

P（こうして俺達はコンビニで思い思いの夕食を購入した）



P（案の定、貴音は肉まんやホットスナックも大量に欲しがりやがったうえに、"私なんかより貴音ちゃんにお腹いっぱい食べさせてあげてください"と言う小鳥さんの手前断ることもできず...）



P（急激に距離が近づいた様子の2人とは裏腹に、俺の懐には冷たい風が吹き荒れるのだった...）

お し ま い

昨日不覚にも寝落ちしてしまったので今日はコーヒー飲んで頑張りました
イタリアンコーヒー旨いですよ

コーヒーだから今日は飯テロ度低いな！
エスプレッソ飲んだことあるけど、具体的な作り方を知らなかったので勉強になりました

全部イッキ見してしまったら小腹がすいたぁ〜
次の投稿も楽しみだ

乙
貴音よ、その優しさをプロデューサーにも分けてやってくれ...
あと漫画詳しい云々ってくだりはなにか元ネタがあるんでしょうか

>>27
ジョジョの台詞そのまま引用してるってネタです
ぶっちゃけ私がマキネッタ買ったのもジョジョで興味持ったからでして

コーヒー1杯のイマージュ…はカフェの歌だからちょっと違うけど大事な人とのコーヒータイムは良いものですね。
モカエキスプレスを使ってる俺にグッとくるSSだったぜ。

そういえば、貴音役の原さんは今井さんからジョジョをすすめられてたんだっけ