それからの出来事()
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【ミリオンSS】やわらかさ二本立て
1 :
番長さん
2021/12/19 21:56:45
ID:H97VFiO2R6
コメディ系だと思います。タイトルの通り二本立てのSSとなります。
百合子「二の腕と胸の柔らかさって一緒らしいですよ」昴「へー」
http://imasbbs.com/patio.cgi?read=22762&ukey=0
というスレにあるレスからインスピレーションを得ました。
2 :
プロヴァンスの風
2021/12/19 21:57:41
ID:H97VFiO2R6
第1話
奈緒「美奈子の二の腕」
3 :
兄(C)
2021/12/19 21:59:34
ID:H97VFiO2R6
「奈緒ちゃん、それなら触ってみる?」
「え」
「私の、二の腕」
一体どうしてこうなってしまったのか。それはわずか5分前に遡る。
4 :
監督
2021/12/19 22:06:35
ID:H97VFiO2R6
バラエティ番組の収録が終り、楽屋に戻ってプロデューサーと連絡を済ませて少々手持無沙汰になっていた時のことだった。次のオフの日にどこへ出かけようかと話してから話題が流れていき、番組で取り上げたコーナーへ移っていった。効率よく二の腕の筋肉を鍛える方法についての特集だった。部位が非常にピンポイントだったこともあり異様に印象に残っているのもある。
奈緒の頭の中で二の腕というキーワードが記憶を繋げ、百合子と昴がしていた会話を話題のネタとして出力したのである。
「二の腕と言えば、こないだ百合子と昴が事務所で話してたんやけどな」
「どんな話?」
「なんでも、二の腕と胸は柔らかさが一緒、ということを話しててワイワイしてたんや」
「へ~……」
5 :
夏の変態大三角形
2021/12/19 22:10:31
ID:H97VFiO2R6
「私は遠くから聞いてただけなんやけどな。ただ、ツッコみたくて仕方なかったわ」
「どんなふうに?」
「いやな、そんな訳あらへんやろ、二の腕は筋肉でそこそこ硬いで、ってな」
「ふ~ん……」
美奈子の食いつきが少々よろしくない、と奈緒は思った。いつもなら適度な相槌を打ってくれたりするのに反応が薄い。それどころか、顔はこちらに向けているものの何かを思案しているような表情をしている。何か気に入らないことがあったのだろうか。
「なあ、美奈子」
「なに?」
「何か悩み事でもあるんか?」
「どうして?」
6 :
Pはん
2021/12/19 22:14:46
ID:H97VFiO2R6
「なんか反応が悪いと思うてな。それとも今の話、好きやなかった?」
「う~ん、そういうわけじゃないんだけどね。ただ」
「ただ、何や?」
「百合子ちゃんたちの話していたこと、間違いじゃないんじゃないかなと思って」
「へ?」
百合子と昴の会話、それ即ち。
「二の腕と胸の話のことか?」
「そう」
「……いや、ガッチガチに硬くして無いけども、それでもある程度鍛えてるからそこまで柔らかくないと思うで?」
ここで奈緒はツッコミたいと思った言葉の根拠を並べてみた。美奈子はうんうんと頷きながら聞いていたが、やがて悪戯を思いついたような笑みを浮かべた。
7 :
ダーリン
2021/12/19 22:21:46
ID:H97VFiO2R6
徐に右腕を奈緒に向けて伸ばし、聞いてきた。
「奈緒ちゃん、それなら触ってみる?」
「え」
「私の、二の腕」
その表情は果たして、奈緒をからかっているのか、それとも。
「……いや、何を言うとるん?」
「だから、二の腕触ってみる?って言ってるの」
いつもの雰囲気だったら何となく触ってみるくらいはしたかもしれない。しかし、先ほどの話題の後でこの状況である。何らかの躊躇いが生まれてしまうのである。
「触ったらなんかあるんか?」
「特に何もないよ。あ、そうだ。感想は言ってほしいかな」
「感想て……」
「感想自体は自由だよ。奈緒ちゃんが思ったことを正直に言ってほしいだけ。別に奈緒ちゃんのことをエッチだなんだって言うつもりはないよ」
8 :
Pチャン
2021/12/19 22:29:26
ID:H97VFiO2R6
考える。奈緒は考える。美奈子がそういう質の悪いおちょくり方をするはずがないということは親友である自分がよく知っている。しかしこの状況でそんな行動をとってしまっていいものか。考えて考えて、半ば自棄になって奈緒は結論をそのまま行動に移した。
「美奈子、二言は無いな?」
「もちろん」
「それじゃ、いくで?」
二の腕めがけて指が二本伸ばされる。むにっとした感触が指先の神経を伝わってくる。
「……」
「……どうかな?」
提案しておいて美奈子は頬を若干染めている。一方の奈緒はというと。
(……柔らかっ。レッスンで鍛えられているとはいえ、筋張ってない)
その柔らかさに驚愕する一方で。
(でもこれ、本当に胸と同じか?美奈子の胸、触ったことないから全然分からへん!)
どういう感想を述べるべきか悩んでから指を離した。
9 :
Pくん
2021/12/19 22:34:33
ID:H97VFiO2R6
「どうだった?」
「……柔らかかったな。いい感じに」
「そう?」
触らせておいて美奈子はかなり照れている。照れているが大胆なことを聞いてくる。
「それで、何と似ていた?」
答えに窮する質問が飛んで来た。奈緒はじっくり考えてからこの結論を出した。
「えーっとな、佐竹飯店に大きな中華まんあるやろ?あれみたいな柔らかさだったわ」
食べ物の感触に喩えてやり過ごす。しかし、中華まん自体は美奈子だって作ることがあるわけだから明らかにおかしいと思うはずである。しかし美奈子の胸を触ったことのない奈緒にとって、こうやって誤魔化すのが精一杯だった。何を言われてしまうのか身構える奈緒だった。しかし、事態は思わぬ方向へ進む。
10 :
ぷろでゅーしゃー
2021/12/19 22:37:01
ID:H97VFiO2R6
「そう、なんだ……。中華まんと同じなんだ……」
あれ?と内心奈緒は思った。何故こんなに照れているのか。頭に疑問符が浮かぶ。
「おーい、迎えに来たぞー」
「あ、プロデューサーさん。奈緒ちゃん、帰ろう?」
「あ、ああ……」
心なしか荷物をスピーディーにまとめて楽屋を出て行こうとする美奈子を見て、奈緒は首を傾げていた。
11 :
彦デューサー
2021/12/19 22:43:24
ID:H97VFiO2R6
「ということがあったんや」
事務所の控室で奈緒は、そんな出来事を紗代子に話していた。ちなみに紗代子の隣には海美が座っている。
「何で中華まんに喩えたら照れたんやろな」
「さあ……。というか、奈緒ちゃんがそんな話題で盛り上がるなんて思わなかったよ」
「盛り上がってへんで!?」
同僚の意外な一面を見たという感じで紗代子が感想を述べ、奈緒は語弊があると言わんばかりに抗議する。
「というか私、二の腕でそんな話になるなんて全く考えられないよ」
「私もそうやで?そもそもそんな説、誰が唱えたんやろうな」
他愛のない雑談で済ませようと何か別の話題に切り替えようとした時だった。紗代子の二の腕に何者かの指の感触が走った。
12 :
下僕
2021/12/19 22:48:08
ID:H97VFiO2R6
「海美、どうしたの急に」
「ああ、ごめん。さっきの話聞いてたら気になっちゃって」
海美が紗代子の二の腕を軽くつまんでいた。
「いや、私の二の腕触っても仕方ないでしょう」
「自分のじゃ分からなくて」
「分からないわけないでしょ!?」
何やら漫才が始まったぞ。そう思った奈緒は敢えて息を潜めるように口を閉ざした。
「ああでも、分かったことは一つあるよ。さよちんの二の腕は胸と比べて」
「わあああああっ!!」
「むぐぅ」
「それは人前で言わないでって言ったでしょ!?」
「むぐぐぐ」
「いや、何してたんや2人とも……」
見かねて奈緒はツッコんでしまった。
13 :
プロデューサーさま
2021/12/19 22:49:49
ID:H97VFiO2R6
「何でもないの!本当に何でもないの!」
「むぐー、むぐー!」
「そっか、そこまで言うなら何も言わんでおくわ」
余計なこと、恥ずかしいことを喋らないように紗代子は海美の口を塞ぐ。却って騒がしいなあと思いながら、奈緒はぬるくなったお茶を啜ったのである。
14 :
プロデューサーさん
2021/12/19 22:50:33
ID:H97VFiO2R6
第2話
「バインバインダイバー」
15 :
そなた
2021/12/19 23:00:39
ID:H97VFiO2R6
「う~~ん……」
未来は唸っていた。ある問題について頭を悩ませていた。
「未来、さっきから唸っているけどどうしたの?」
「あ、静香ちゃん」
通りかかった静香が不思議なものを見るような目をしながら未来に尋ねた。
「あのね、少しだけ重要なことに気付いたんだけど」
「どんなこと?」
「えっとね」
一旦間を置いて未来は語る。
「エレナさんにハグしてもらったことが無いんだよ!」
それはもう自信満々だった。
16 :
プロちゃん
2021/12/19 23:08:03
ID:H97VFiO2R6
※訂正:未来→エレナはちゃん付けでした!痛恨のミス
「あっそ。それは大変だったわね。私、用事あるから」
「ああ、行かないで~」
「ちょっと、引っ張らないで!」
相手にしないでおこうと立ち去ろうとする静香を未来は容赦なく引き戻そうとする。少しの間の攻防の末、静香はこれ以上服が伸びるのを防ぐべく話を聞くことにした。
「それで?何で急にエレナさんのハグについて言い出したの?」
「え?そういえばしてもらったことないなーって思っただけだよ」
「じゃあ何であんなに深刻そうに考えていたのよ」
「だって、羨ましいから」
「羨ましい?」
繋がりが見えない言葉が出て来て静香は首を傾げた。
17 :
Pチャン
2021/12/19 23:11:49
ID:H97VFiO2R6
「よく考えて静香ちゃん。エレナちゃんは事務所の色んな人にハグをしているけど、中でも琴葉ちゃんや恵美ちゃんにはたくさんしているはずだよ」
「トライスタービジョンで一緒だものね」
「羨ましいよ!あの元気なハグをしてもらえるんだもん!私だってしてもらいたい!」
「ちょっ、声が大きい」
他人が見たらよく分からない不満が噴出したのか未来は立ち上がる。諫めようとする静香に向き直ってお願いしてきた。
「というわけで静香ちゃん!私がエレナちゃんにハグしてもらえるように手伝って!」
「どうして私が!?」
面倒なことに巻き込まれた。そう思っても時すでに遅しだった。
18 :
仕掛け人さま
2021/12/19 23:17:10
ID:H97VFiO2R6
「というわけで、エレナさん。ものすごく申し訳ないんですが……」
「ハグしてください!」
何やかんやあって2人はエレナを呼び出していた。レッスンまで時間があるので快く呼び出しに応じてくれた彼女に静香は申し訳なさを覚えていた。呼び出された当人はそんなこと特に気にしている様子もなく。
「なんだ、言ってくれたらいつでもハグしてあげるのニ」
「本当!?」
「本当だヨ~。ミライ、さあおいで♪」
(この人は天使か何かかしら)
両腕を広げて駆け寄ってくる未来を抱き留めるエレナを見て、静香はそんな感想を抱いた。
19 :
プロデューサークン
2021/12/19 23:20:35
ID:H97VFiO2R6
「おぉ、ミライ、元気よすぎだヨ~。よろけちゃっタ」
「でへへ~、嬉しくてつい」
太陽のような笑顔を浮かべて未来と抱擁を交わすエレナ。静香はその光景をジト目で眺めていた。理由は未来にある。
「あ、柔らかい……」
無意識か、それとも狙ってか。未来はエレナの胸に顔を埋めて柔らかさに目を細めている。
「はぁ、まったく……」
微笑ましい光景ではあるが呆れてしまうこの状況に静香はため息を漏らした。その時である。
「……!?」
背筋を冷たいものが走った。
20 :
お兄ちゃん
2021/12/19 23:25:22
ID:H97VFiO2R6
「なにっ、なにっ!?」
何故かキョロキョロと周りに視線を巡らせてしまう。しかし、戦慄の元は後ろにあった。
「こ、琴葉さん……?」
「……」
遠くからジッとこちらを見ている琴葉は背中に禍々しいオーラを発生させていた。
「ワタシダッテ、えれなニボインダイブシタコトナイノニ」
その視線が捉えているのは未来。未来はそんなことに気付いていない。静香はこの恐ろしい雰囲気に心当たりがあった。
「た、多治見要蔵(※)……!?」
つい先日、役作りのために鑑賞したある映画に登場する人物が放つ恐ろしさを、琴葉に見たのである。
21 :
ごしゅPさま
2021/12/19 23:29:51
ID:H97VFiO2R6
※多治見要蔵:
横溝正史原作『八つ墓村』に登場する。頭に二本の懐中電灯を鉢巻きで固定し、日本刀と猟銃で武装した姿が有名。静香が干渉した映画は1977年に野村芳太郎監督がメガホンをとったバージョン。当作では山崎努氏による熱演によって歴代最恐と評されているらしい。
22 :
プロデューサー様
2021/12/19 23:30:53
ID:H97VFiO2R6
終わりです。前書きに書き忘れていましたが、若干のキャラ崩壊を含ませてしまいました。
誰かがクスッとなってくれたら幸いです。
お目汚し失礼しました。
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