『亜利沙、よーく見てごらん。ここで一時停止すると…』

『わわっ！あいどるちゃんのぱんちらだっ！』

『すごいだろ？パパはこのDVDを10000周してやっと見つけたんだ』

『いいなー！ありさもおおきくなったらパパみたいなすごいふぁんになりたい！』

『そうかそうか。なら今のうちにパンチラを見るコツを覚えておかないとな』

――これが、幼いころのわたしの日常。

『子供になに見せてんのっ！』

ﾋﾞｼｲｯ！

『はうっ！お、お前、今日はＳＭクラブのバイトだったんじゃ…』

『キャンセルが出たんで早上がりしてきたんだよ！このスケベ亭主！』

ﾋﾞｼｯ！ﾋﾞｼｯ！

『ひぎぃっ！？ムチで叩かないでっ！痛いからっ！感じちゃうからっ！』

『やかましいっ！二度と亜利沙に変なこと吹き込めないよう調教してやるから覚悟しなっ！』

ﾋﾞｼｯ！ﾋﾞｼｯ！ﾋﾞｼｯ！

『あ、あ、アア～～～～ッッ♡！！』

――アイドル好きのパパと、数学教師をする傍らＳＭクラブでバイトするママ。

――よくケンカする2人だったけど、そんな光景すら温かくて…幸せだった。

――ママは良い顔をしなかったけど、わたしはアイドルちゃんたちのことが大好きになって…。いつしか、アイドルちゃんのことしか考えられない体になっていった。



――そして…。

『松田亜利沙さん、合格だ！これから、一緒にがんばっていこう』

『ふええっ！？ほ、本当ですか！？ありさが、アイドルちゃんに…！？』

――まさかの、アイドルオーディション合格…。

――アイドルちゃんに一番近い場所で、自分もアイドルとして輝ける…。本当に、夢みたいな日々がはじまって…。

――だから決めたんです。アイドルちゃんのためにできることはなんでもしよう、アイドルちゃんのために生きようって。



――そして、今…。

　・

　・

　・

　・

亜利沙「パシャパシャ、パシャパシャ、パシャパシャパシャ…」

雪歩「あ、亜利沙ちゃん…もうこのくらいでいいんじゃないかな…？」

亜利沙「もう少し！もう少しだけですから…ムフ―！」

亜利沙（まさか雪歩ちゃんの宣材写真を任せてもらえるとはっ！この役得、存分に堪能させていただきます！）


亜利沙「もっとベストなアングルを！雪歩ちゃんの魅力を余すところなく焼き付けた最高の一枚を！パシャパシャパシャパシャパシャパシャ！！」

雪歩「ええっ！？そ、そんなところから撮らなくてもっ…」

亜利沙（キタっ！恥じらいの表情っ！ならば最適のアングルは……ここだーーーっ！）

ﾊﾞﾁﾝ！


亜利沙「ぎょえっ！？」

雪歩「ひっ！？な、なに？停電？」

亜利沙「あああああなんでこんなときにいいいいいいいいい？！？！？！！？！？！？」

雪歩「お、落ち着いて…私、スマホのライトがあるから…」

ﾋﾟｶｯ！


亜利沙「うう…ありさがハッスルしすぎたせいでブレーカーが落ちちゃったんですかね…？」

雪歩「さすがにそんなことないと思うけど…とにかく、控え室のブレーカーを確認しに行こうよ」

亜利沙「ああ…最高の…最高の一枚が撮れたはずだったのにぃ…」

　・

　・

　・

　・

雪歩「うう～。まだ昼間なのに、なんでこんなに暗いの…」

亜利沙「つ、通路は窓が少ないですからね…控え室までの、辛抱、ですよ…」

雪歩「あ、亜利沙ちゃん…あまり離れないで…！」

ﾑｷﾞｭｯ！

亜利沙（ムホッ！？ゆ、雪歩ちゃんがみ、密着っ！？ムフフッ！！）

雪歩「…？どうして急に歩くのが遅くなるの？」

亜利沙「いえ、こんな天国みたいな時間をさっさと終わらせては勿体ないな、と！」

雪歩「もうっ！お願いだから真面目にやって～！」

亜利沙「ごめんなさい…。あ、もう控え室の前まで来ましたよ」

ｶﾞﾁｬ


亜利沙「確かブレーカーは部屋の奥に………………え？」

雪歩「亜利沙ちゃん？なんで急に立ち止ま…………って………」





亜利沙・雪歩「！！！！！！！！！！！！！！！」

（控え室で野球をしてはいけません）
（控え室で騒いではいけません）
（控え室に穴を掘ってはいけません）
（控え室でプロレスをしてはいけません）
（控え室でパーティーをしてはいけません）
（控え室を汚してはいけません）
（控え室でうどんを茹でてはいけません）
（控え室にラクガキをしてはいけません）
（控え室に動物を連れてきてはいけません）
（控え室で料理をしてはいけません）
（控え室でもやしを育ててはいけません）
（控え室のカベを使ってアートをしてはいけません！）

亜利沙「なっ…なっ…！？」

雪歩「なに、これ…！？部屋一面に張り紙が…？」


ｶﾞﾀｯ！


昴「ん～～っ！ん～～っ！」

雪歩「昴ちゃん！？」

亜利沙「どうしてそんな所で倒れてるんですか！？すぐ助けます！」

亜利沙（…っ！これは…昴くんの体にも、張り紙が…！）

（声を出してはいけません）
（手足を動かしてはいけません）

ﾍﾞﾘｯ！ﾍﾞﾘｯ！

昴「げほっ！ごほっ！」

亜利沙「昴くん、なにがあったんですか！」

昴「ふっ……ふたりとも…逃げろ！アイツが…アイツが来る！」

亜利沙「アイツ？」

ﾋｭｯ！ﾍﾟﾀｯ！


亜利沙「ぎゃわっ！？」ﾄﾞｻｯ

亜利沙（な、なんですか…？なにかがくっついて…急に、足に力が入らなく……！？）

亜利沙（はっ！？）



（立ち上がってはいけません）

琴葉「だめだよ亜利沙…昴ちゃんはお仕置き中なんだから…邪魔しないで…」


雪歩「琴葉ちゃん！？」

昴「なあ…どうしちまったんだよ琴葉…なんで、こんなこと…」

琴葉「はあ？“ど　う　し　ち　ま　っ　た”ですって？」

琴葉「どうかしてるのは昴ちゃんのほうでしょ!」

ﾋｭｯ！

（手足を動かしてはいけません）ﾍﾟﾀｯ！

昴「うわあっ！？」ﾄﾞｻｯ！


亜利沙（す、昴くんもありさと同じように…！やっぱり、この張り紙は…！）

ｸﾞｲｸﾞｲ

亜利沙（くっ…！剥がれない！さっき昴くんを助けたときは普通に剥がせたのに！）

琴葉「私何回も言ったよね？みんなの迷惑になるから野球は外でやってねって。何回も何回も言ったよね？なんで守らないの？なんで言うこと聞かないの？」

昴「ご、ごめん…」

琴葉「そうやって口では謝るけど全然反省してないよね。どうして？私が怖くないから？優しいお姉さんだと思って舐めてるから？」

昴「そんなこと…」

琴葉「そんなことない？そうだよ。本当の私は怒ると怖いんだよ。二度と悪さできないようにキツ～～イお仕置きをしてあげるからね…」

昴「ひぃっ！？」

雪歩「やめてぇっ！」

ｶﾞｼィ！

琴葉「くっ、放してっ！雪歩ちゃんまで私が間違ってるって言うの！？」

雪歩「亜利沙ちゃん！手は動かせるよね！？昴ちゃんの張り紙を剥がして！」

亜利沙「は、はいっ！」

ﾍﾞﾘｯ！

昴「わりい、助かった！亜利沙もすぐ助ける！」

ﾍﾞﾘｯ！

亜利沙（簡単に剥がせた？……そうか！これ、自分以外の人でないと剥がせないんだ！）


琴葉「逃がすかああああああああああああああああ！！」

ﾊﾞｻﾊﾞｻﾊﾞｻﾊﾞｻ！

亜利沙「なあっ！？張り紙の嵐！？」

雪歩「2人とも逃げて！Pを……Pを呼んできて！お願い！」

昴「わかった！いくぞ亜利沙！」

亜利沙「そんな、雪歩ちゃんを置いてなんて！」

昴「ここにいたら全員やられるだけだろ！いいから立て！走れ！」

ﾊﾞｻﾊﾞｻﾊﾞｻﾊﾞｻ！

亜利沙「雪歩ちゃん！雪歩ちゃーーーん！！！」



ﾀﾞﾀﾞﾀﾞﾀﾞﾀﾞﾀﾞﾀﾞﾀﾞﾀﾞｯ！
ﾊﾞﾀﾝ！

昴「ハア…ハア…亜利沙、携帯は…？」

亜利沙「ハア…更衣室に…ごほっ…置いてきちゃいました…」

昴「クソっ！オレと同じかよ！じゃあ亜利沙は更衣室に行ってPと警察に連絡してくれ！俺は近くに誰かいないか探してくる！」

亜利沙「り、了解です！」

昴「うおおおおおおおおおおおおお！！！」ﾄﾞﾀﾄﾞﾀﾄﾞﾀ

亜利沙（急がないと…でも、さっきの状況だとPさんが来るころには手遅れになってるかもしれない！やっぱりありさがなんとかしないと！）

　・

　・

　・

　・

【更衣室】


亜利沙「なにか…なにか武器になりそうなものがあれば…」

ｺﾞｿｺﾞｿ

亜利沙「美奈子ちゃんの中華包丁…これはさすがに危険すぎ…茜ちゃんのお裁縫セット…ダメダメ……千早ちゃんの…“高槻さんよくばりフォトグラフ”…？見たいけど今はそんな場合じゃ…」

亜利沙「あーもう！なんでこんなときに限って役に立ちそうなものがないんですかー！」

亜利沙「……そうだ！雪歩ちゃんのロッカーなら！」

ｶﾞﾁｬｯ

亜利沙「スコップとかが入ってるはず…」

ｺﾞｿｺﾞｿ…ﾌｧｻｯ

亜利沙「ん？なんだろうこれ……………って」




亜利沙「！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！」

亜利沙「こっ……」

亜利沙「こっ…………」

亜利沙「これっ…っは…………」


♡YUKIHO♡


亜利沙「雪歩ちゃんの……ぱんっ……ぱっ……ぱん………」

亜利沙「　パ　ン　ツ　！　！　！　！　！　！　！　！　！　！　！　」

ﾄﾞｸﾝ！ﾄﾞｸﾝ！ﾄﾞｸﾝ！


亜利沙（ムフ…ムフフ…ちょっと…ちょっと嗅ぐだけなら…ちょっと顔にくっつけるくらいなら…）

亜利沙（い、いけない…こんなことしてる場合じゃないのに……でも…でも…体が、勝手に………）



ﾋﾟﾄｯ



亜利沙（～～～～～～～～～～～～～～ッッッッッッッッッッッッ！！！！！！！！！！！！！）

ﾄﾞｸﾝ！ﾄﾞｸﾝ！ﾄﾞｸﾝ！ﾄﾞｸﾝ！ﾄﾞｸﾝ！ﾄﾞｸﾝ！ﾄﾞｸﾝ！ﾄﾞｸﾝ！ﾄﾞｸﾝ！


亜利沙（な…なんですか…？…この…皮膚に吸い付くようなフィット感は！）

亜利沙（だ、ダメ…もう……亜利沙は……もう！）






ｶｯ！

亜利沙「気分はエクスタシイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイ！！！！！！！！！！！！！！！！！！」

亜利沙「フオオオオオオオオオオオオオオオオオオオォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォ！！！！！！！」




≪説明しよう！人間は普通、自分の潜在能力の30％しか使うことができないと言われている！≫

≪だが！亜利沙はこの時、両親から譲り受けた変態の血がこの異常興奮に誘発され覚醒してしまい、潜在能力が100％引き出されたのだった！！≫

ﾊﾞｻｯ！


？？？「ふしゅーーーーーーーー…………」

？？？「服なんか……着てられるか……」

　・

　・

　・

　・

琴葉「ねえ…どうして？どうして2人を逃がしたの？私、雪歩ちゃんは真面目だって信じてたのに……」

雪歩「琴葉ちゃん…お願い…正気に戻って…」

琴葉「私は正気だよっ！！おかしいのはみんなのほう！！ルールを守らないみんなが悪いの！！」

雪歩「お願いだから落ち着いて…話を…」

琴葉「うるさいっ！」


（声を出してはいけません）ﾍﾟﾀｯ！

雪歩「っ！…………！…………」

琴葉「何度言っても…何枚張り紙をしても…誰もルールを守らない……。」

琴葉「なら…力づくでわからせるしかないじゃない！」ｶｷｶｷ


（呼吸をしてはいけません）

雪歩（嫌……やめてっ……！）

琴葉「赤ちゃんはね…何度も転んで、痛みを味わいながら歩き方を覚えるんだよ…」

琴葉「雪歩ちゃんは意外と頑固だから…これくらいの痛みががちょうどいいんじゃないかな…？」

雪歩（いやあああああああああああああああああああああああああっっっっっ！！！！！）


ﾍﾟﾀｯ！

雪歩（かっ………あっ……………）ｼﾞﾀﾊﾞﾀ

琴葉「安心して。窒息する直前に剥がしてあげるから」

琴葉「私の言うことを聞くようになるまで…何度も、何度でも繰り返すけどね…」


雪歩（た……す…け……………だ……れ……か……）




ｶｯ！

ﾄﾞｯｶｱｱｱｱｱｱｱｱｱｱｱｱｱｱｱｱﾝﾝﾝﾝﾝﾝﾝﾝ！！！！！！！！！！！



琴葉「きゃあっ！？」ﾄﾞｻｯ！

琴葉「なっ…なに！？爆発っ！？」

ﾓｸﾓｸ

琴葉「っ…粉塵で視界が…」


琴葉（雪歩ちゃん…雪歩ちゃんはどこ！？）

琴葉（何も見えない…くそっ…手探りで探すしか……）ｻﾜｻﾜ





ﾑﾆｯ！

琴葉（ん？）

ﾑﾆﾑﾆ

琴葉「なに、この柔らかいの……ボール？」


？？？「ボールではない」


琴葉「………え？」


？？？「それは私の―――――おいなりさんだ」

琴葉「……」


？？？「…………」




琴葉「うわああああああああああああああああああああああああっっっっっ！！！！！」


琴葉「な、な、なに！？だっ、誰なのっ！？なんでパンツ被ってるのっ！？」

？？？「私は、貴様のような悪党を打ち砕くためにやってきた……変態仮面だ！」

琴葉「へんたい…かめん…？？」


雪歩（な、なんか助けてもらっちゃったけど……この人はこの人で怖い～～っ！！！）


変態仮面「琴葉ちゃん！たとえ主義主張が正しかろうと、暴力に訴えるとは言語道断！この変態仮面がおしおきしてやる」

琴葉「おしおき…？ああそう、あなたも私を悪者にする気なのね…」

ﾊﾞｻﾊﾞｻﾊﾞｻﾊﾞｻ！


雪歩（…！また、あの技！）


琴葉「どっからどう見てもそっちのほうが危険人物でしょーが！この変態っ！」


雪歩（確かに！）

変態仮面「変態奥義！“アイドルちゃん・フォト・ハリケーン”！」

ｺﾞｵｵｵｵｵｰｰｰ！！！

琴葉「なにっ！？」


雪歩（しゃ、写真の竜巻！？どこからこんな数が！？）


ﾋﾞﾘﾋﾞﾘﾋﾞﾘﾋﾞﾘ！

琴葉「そんな…私の張り紙がっ…引き裂かれていく…！？」

変態仮面「観念するんだな。すべての張り紙が失われた瞬間…貴様を取り押さえる！」

琴葉「くっ…」


ﾋﾞﾘﾋﾞﾘﾋﾞﾘﾋﾞﾘ！

琴葉（来るなら来なさい…私には、まだ奥の手がある！）ｶｷｶｷ


（心臓を動かしてはいけません）

琴葉（腕でも胸でもどこでもいい…！私を取り押さえに来た瞬間、これを貼り付ければ…）



ﾋﾞﾘﾋﾞﾘﾋﾞﾘﾋﾞﾘ！
ﾋﾞﾘｯ…ﾋﾞﾘｯ…

ﾋﾞﾘｯ

変態仮面「はあっ！」

ﾀﾞｯｼｭ！

琴葉（油断したわね！正面から突っ込んでくるなんて！）


琴葉「死ねえええええええええええええええええええええええええええええ！！！！！！！！！！！」



ﾍﾟﾀｯ！


琴葉「やったっ！」

ﾍﾟﾗﾝ…


琴葉「なにっ！？」


琴葉（こ、これは…写真でできた分身！？じゃあ本物は…）


変態仮面「ここだ」

琴葉「！！」

変態仮面「変態秘技！“空中亀甲縛り”！」


ｷﾞｭﾙｷﾞｭﾙｷﾞｭﾙ！
ﾊﾞﾁｰﾝ！


琴葉「きゃあっ！？」ﾄﾞｼｰﾝ！

琴葉「くっ……なにこれっ…解けない………」

変態仮面「そんなに貼り付けるのが好きなら、自分の顔にも貼り付けてみるがいい」

琴葉「えっ？」

変態仮面「私の…おいなりさんをな！」


ｺﾞｺﾞｺﾞｺﾞｺﾞｺﾞ


琴葉「ウソっ…やめてっ…そんなものを近づけないで！」

変態仮面「哈っ」

ﾑｷﾞｭｯ！

琴葉「！＞！！％＆★！！？？？！！！！！！！！！！！！！」

変態仮面「フオオオオオオオオオオオオオオオオオオオォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォ！！！！！！！」


ｸﾞﾘｸﾞﾘｸﾞﾘｸﾞﾘ


琴葉「………………………がくっ」

ﾁｰﾝ



変態仮面「…成敗！」

雪歩（へ、変態仮面さん………変態だけど…変態だけど…）

変態仮面「さあお嬢さん、大丈夫でしたか？」

雪歩（ステキ……♡）



変態仮面「さあ、ゆっくり立ち上がって」

雪歩「あ、ありがとうございます……………あれ？」

変態仮面「どうかしましたか？」

雪歩「その…その被ってるパンツって……まさか…………」


♡YUKIHO♡


雪歩「………きゅう」ﾊﾞﾀｰﾝ

変態仮面「む！………安心して気を失ってしまったか」

変態仮面「しかし…」

琴葉「……………」ﾋﾟｸﾋﾟｸ

変態仮面（琴葉ちゃん…なぜこんな暴走を…）

変態仮面（………………）

変態仮面（せっかくだし、琴葉ちゃんのパンツも貰っていくか）ｺﾞｿｺﾞｿ

ﾄﾞﾀﾄﾞﾀﾄﾞﾀﾄﾞﾀﾄﾞﾀ…ﾊﾞｰﾝ！


P「雪歩っ！大丈夫かっ！？」

昴「Pを連れて来たぞ！もう安…………心……」

変態仮面「あ」


P「………」

昴「……………」

変態仮面「………………」

P「な、なんだお前はーーーーっ！？」

変態仮面「待て。私は決して怪しいものでは――」

昴「ウソつけえっ！じゃあその手に持ってるのはなんだっ！？」

変態仮面「いやこれはその、労働に対する正当な報酬というか」

P「へ、変態だーーーーーっ！！！」

変態仮面（これは話し合いができる状況ではなさそうだな…ひとまずは撤退するのが吉！）

変態仮面「さらばだ！」ﾀﾞｯｼｭ！



昴「待ちやがれっ！この変態ヤローっ！！！！！」

P「ウチのアイドルのパンツを返せーーーーっ！！！！！！！」

――こうして…わたしは意図せずしてふたつの顔を持ち合わせることになりました。

――あるときはアイドルちゃんとして…あるときは正義の味方“変態仮面”として…。

――でも、後悔なんてありません。すべては、アイドルちゃんの平和を守るため。

――それが、わたしの…ありさの、生きる理由なのですから！

お　し　ま　い


亀甲縛りは実写映画だと「フライング亀甲縛り」でしたが、今回は原作版のネーミングを使用しました

乙

いろいろツッコミどころあるけど、亜利沙のおいなりさんってなんだよっw
乙

すいません
何だこれwww

>>51
琴葉...奥の手を自分で解説するのは死亡フラグだぞ...

おつおつ
ありゆきかな…ありゆきかも…

>>31
しれっとやべーブツが発掘されてるんですがそれは

乙です
今まで見てきたアイマス二次創作で一番酷い（褒め言葉）

ありさのおいなりさんが非常にキニナル