ﾁｰﾝ…

亜利沙「パパ、おはようございます」

亜利沙「……パパが天国に旅立ってから、もう5年になるんですね」

亜利沙「そうそう、この間すごいことがあったんですよ。なんと…ありさは正義の味方に変身したんです！」

亜利沙「ちょっと怖かったけど、アイドルちゃんのことを想ったら勝手に体が動いて…。これもきっと、アイドルちゃん大好きなパパの血筋のせいなんでしょうね…」


母「おだまりっ！」

ﾋﾞｼｲ！

亜利沙「ぎゃっ！？なっ…なにをするんですかママ！」

母「なにをするんですかじゃないわよ、パパの血筋パパの血筋って、ママの血筋はどーしたの？えっ！？」

亜利沙「い、いや、それは言葉のあやというか、パパの前だからそういう言い方になったってだけで…」

母「ううっ……あなたぁ～亜利沙が私を嫌うんですよお～SM嬢の私の血なんか流れてないって言うんですよお～」ｵｲｵｲ

亜利沙「だからそんなこと言ってないですって…」

母「いいわ…そこまで言うのなら、これで証明してあげるっ！」

ﾋﾞｼﾋﾞｼﾋﾞｼﾋﾞｼ！

亜利沙「ぎえええええ！ちょ、ママ、それはシャレにならないですから！肌に傷がついたらアイドルちゃんできなくなっちゃいますからー！」

母「なめんじゃないよ！この道20年のベテランの技術で痛みだけを与えてあげるからっ！」

ﾋﾞｼﾋﾞｼﾋﾞｼﾋﾞｼ！

亜利沙「いだだだだ！ダメですってば！こんな、こんな、こんなの…き…」



亜利沙「気持ちいいーーーーーーっっっ！！！！」ﾋﾞｸﾝﾋﾞｸﾝ

母「ほら見なさい。やっぱり私の血筋だわ♡」

亜利沙「はあ…はあ…もう……日課とはいえママは容赦ないんですからあ…」

母「なーに言ってんの。アンタだってまんざらじゃないくせに。早く朝ご飯食べちゃいなさいね」

亜利沙「はあい……」



――これが、我が家の日常。

――パパがいなくなってしばらくは泣いてばかりだったママだけど、今は立ち直って、数学教師とSM嬢の二足のわらじでありさを育ててくれました。

――今思うと、ママはありさに眠る力を見抜いていて、いつか来る覚醒のために訓練をしてくれていたんじゃないか……そんな風に思えるんです。

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【765プロライブ劇場】

雪歩「おはよう、亜利沙ちゃん」

亜利沙「おはようございます雪歩ちゃん！今日はいつもより遅かったですね？」

雪歩「うん……じつは、病院に行ってきたところで…」

亜利沙「んなあっ！？ゆゆゆ雪歩ちゃん、どこか調子が悪いんですかっ！？」

雪歩「ううん。私じゃなくて……琴葉ちゃんのお見舞いに…」

亜利沙「あ……」

雪歩「でも、会えなかった…。面会謝絶だって…」

亜利沙「そう…ですか……」

雪歩「意識は戻ったらしいんだけど…Pから、今はそっとしておいてあげてって言われて……」


亜利沙「…だいじょーぶです！琴葉ちゃんなら必ず立ち直ってくれますよ！今まで、数々の苦難を乗り越えてきたスーパーアイドルちゃんなんですから！！」

雪歩「……うん。私もそう思う」

雪歩「ところで亜利沙ちゃん」

亜利沙「なんですか？」

雪歩「あのとき、昴ちゃんと別れてから更衣室に行ってたんだよね？」

亜利沙「え？あ、はい…そうですけど……」

雪歩「……怪しい人とか、見なかった？」

亜利沙「い、いや～、亜利沙以外には、誰もいなかったですねえ…。どうしてそんなことを？」

雪歩「その……私の私物が…無くなってて……」

亜利沙「ｷﾞｸｯ！」

亜利沙「ななな、なんと、それは一大事ですねえ！あとで亜利沙もい、一緒に探しましょうか！？」


亜利沙（ほ…ホントは今ポッケに入ってるんですけどね…雪歩ちゃんのパンツ…）


雪歩「ううん、大したものじゃないから…。ゴメンね、仕事前に変なこと聞いて…」

亜利沙「いえいえいえ、全然気にしませんっ！さ、早く控え室に行って準備しましょう！」


亜利沙（すいません雪歩ちゃん！いつか必ず返します！必ず！）

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【控え室前】

雪歩「……壊れた壁、もうすっかり元通りになったね」

亜利沙「いつも思うけどホントに修理が早いですよね～。気が付いたら終わってるけど、誰が直してるんでしょう？」

雪歩「実は、この部屋自体に自己再生能力がある、とか？」

亜利沙「あはは！だったら面白いんですけどね～」

ｶﾞﾁｬ


昴「………あっ………あっ……」ﾋﾟｸﾋﾟｸ

亜利沙「…………」

雪歩「…………………」


雪歩「えええええええええええええええっっっっ！！！！？？？？」

亜利沙「ま、またですかっ！？昴くんしっかり！なにがあったんですかっ！」

昴「うう……て、テクニシャンすぎる……こんなの……はじめて…」

雪歩「…！こ、これ…昴ちゃんの顔に付いてるのって…！？」

亜利沙「まさか…………キスマーク！？」

昴「だ、ダメだ……そんなことまでされたら……オレ……」ﾋﾞｸﾝﾋﾞｸﾝ

亜利沙「…っ！」

亜利沙「…許しません」

雪歩「え？」

亜利沙「アイドルちゃんの唇を強引に奪って手籠めにするなんて！断じて許しません！こんなことする不届きものはどこのどいつですか！！！」

雪歩「いや、まだそうと決めつけるには早いんじゃ……」

亜利沙「うおおおおおおおおおおおおおお！！！どこに行ったああああああああああああ！！！！」ﾄﾞﾀﾄﾞﾀﾄﾞﾀ

雪歩「あ、亜利沙ちゃん！？……行っちゃった…」

昴「ううっ……はあっ……ううん………」

雪歩（見た感じ、命に別条はなさそう、かな…？…とりあえず、顔をキレイにしてあげないと……）

雪歩「タオル、タオル……あれ？いつもここにあったはずなのに……どこいったんだろ…」


玲音「お探しのものは、これかな？」


雪歩「ひうっ！？れ、玲音さん！？」

玲音「やれやれ。相変わらずリアクションが派手だね萩原は」

雪歩「玲音さんこそ、相変わらず神出鬼没すぎますよう……まだドキドキしてる…」

玲音「…ふうん。ドキドキしてるのか」

ｽﾞｲｯ

雪歩「……え？なんでそんな近くにっ……？」

ﾌﾜ…

雪歩（な…なに？今日の玲音さん、すごくいい匂いがして……）

ﾋﾟﾄｯ

雪歩「あっ……そんな…胸に耳を当てないで……」

玲音「なるほど……すごくﾄﾞｷﾄﾞｷしてるね……心臓が破裂しそうになってるのが聞こえるよ……」

雪歩（頭が……ふわふわして……どうして？絶対おかしいのに……逆らえない……）

玲音「ねえ………キスしてもいいかい？」

雪歩「え……き、きす…！？」

玲音「安心して。そこに転がってる娘以上に気持ちよくしてあげる。さあ、アタシに身をゆだねて………」

雪歩「あ、あ、あ……」

雪歩（もう……………ダメ……………）




ﾁｭｯ

玲音「ふふ……」

ﾁｭｯ　ﾁｭｯ

玲音「ふわふわだ…」

ﾁｭｯ　ﾁｭｯ　ﾁｭｯ

玲音「まるでマシュマロみたいだよ…」



？？？「マシュマロではない」

玲音「へ？」

変態仮面「それは私の……おいなりさんだ」



玲音「……」


変態仮面「…………」


玲音「いやああああああああああああああああああああああああああああああああっっっっ！！？？？？！！！？？！？？！」

玲音「な、な、な、なんてことをするんだキミは！」

雪歩「へ、変態仮面さん！！」

変態仮面「玲音さん！強引にアイドルちゃんの唇を奪うとは不届き千万！この変態仮面がおしおきしてやる」


玲音「ふ、ふふふ……初めてだよ……このアタシをここまでコケにしたおバカさんは……」

玲音「おしおきだって？やれるものならやってみろっ！」

ﾎﾞﾜｱｯｯ!!

変態仮面「ぬっ……これは…フェロモンか！」

玲音「特別に最高濃度で散布させてもらったよ！ひと呼吸でも吸えば即廃人になるほど強烈なやつをね！」

ｺﾞｯ!ﾋﾞｼｯ!ﾊﾞｷｯ!

変態仮面「ぐっ………」

玲音「はっはははは！無呼吸でどれだけアタシの攻撃を受け止められるかな？」

ﾋﾞｼ!ﾋﾞｼ!ﾊﾟﾝﾊﾟﾝﾊﾟﾝﾊﾟﾝ!
ｺﾞｯ!ｺﾞｯ!ｺﾞｯ!
ﾊﾟﾊﾟﾊﾟﾊﾟﾊﾟ!!!

玲音（…なんだ？こいつ……ガードの手が緩まない？）


ｺﾞｯ!ｺﾞｯ!ｺﾞｯ!
ﾊﾟﾝﾊﾟﾝﾊﾟﾝﾊﾟﾝ!

玲音（ありえない！息継ぎせずにこんな動きができるなんて！）


変態仮面「スキありっ！」

ﾄﾞｺﾞｯ!!

玲音「ぐはっ！？」

変態仮面「変態秘技！“空中亀甲縛り・パート2”！」

ｷﾞｭﾙｷﾞｭﾙｷﾞｭﾙ…ﾊﾞﾁｰﾝ!

玲音「がっ……なんだこのロープは…動けない……」

変態仮面「己の力を過信し、相手の観察がおろそかになっていたようだな玲音ちゃん…。私をよく見るがいい」

玲音「………顔にパンツを被って…………はっ！？」

変態仮面「そうだ。私は現在進行形でパンツの…雪歩ちゃんの芳しい匂いを嗅いでいる…。そんな私に、他の匂いなど届きはしない！！」

玲音「なっ…なんだってーーーー！！！！？？？」

雪歩（や、やっぱりあれ、私のパンツなのぉ！？）

変態仮面「トドメだ！変態秘奥義“地獄のタイトロープ”！」

ｼｬｱｱｱｱｱｱｱ!!!

雪歩（す、すごい！長く張り巡らされたロープの上を変態仮面さんの股間が滑っていって……その先には……）


玲音「や、やめろっ！来るなあっ！」

変態仮面「フオオオオオオオオオオオオオオオオオオォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォ！！！！！！！」

玲音「いやああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ！！！！！！！！！！！！！」


ﾄﾞｯｷﾞｬｱｱｱｱﾝ!!!

玲音「かっ………あっ……………がくっ」


ﾁｰﾝ



変態仮面「成敗！」

　・

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変態仮面「お嬢さん、またお会いしましたね」

雪歩「はい……ありがとうございました……」

変態仮面「昴くんもじきに目を覚ますでしょう。安心してください。それでは……」

雪歩「あ、あの！」

変態仮面「なにか？」

雪歩「そのぅ……どうして、私のパンツを…持って行ったんですか…？」

変態仮面「それは………」

亜利沙（それは…ありさが、雪歩ちゃんのことを……）

ﾊﾞｰﾝ!


P「また出やがったな変態野郎！今日こそ警察に突き出してやる！」

変態仮面「いかん！雪歩ちゃん、またいつか！」ﾀﾞｯｼｭ!

雪歩「あ！待って！」

P「逃がすかあああああああああああああああああ！！！！パンツを返せえええええええええええええええええ！！！！！！」

――こうして、ありさは新たに玲音さんのパンツを手に入れました。


――相次ぐアイドルちゃんの暴走…。いったい、この街でなにが起きているのでしょう？


――嫌な予感がする…。けど、ありさは戦い続けます！正義の味方、変態仮面として！

お　し　ま　い

地獄のタイトロープいいですよね
実写版でも使われたし、変態仮面の技の中では知名度高い部類なんじゃないでしょうか

オマケ
原作版タイトロープ

乙
>相次ぐアイドルちゃんの暴走
おまいうw

実写でやったんかい……
未だに実写映画化したのが信じられんなあ

元ネタ通りとはいえ、亜利沙の両親が酷すぎる役回りなのが哀れだ……

>>1
レジェンド変態www
あんた持ってるよwwww