可憐「わ、わりとチキンなところがある篠宮可憐と……！」

エミリー「それほど南蛮要素はないエミリー・スチュアートで、」

可憐・エミリー「「チキン南蛮です！」」

可憐「タルタルをみちゃちゃっと……と、というわけでエミリーちゃん、今日はよろしくね…？」

エミリー「はいっ！こちらこそよろしくお願いします。さっそくですが、私、やってみたいことがあるのですが」

可憐「え？ペヤング獄激辛やきそばFinalを試食する…？や、やめておいたほうがいいよ」

エミリー「言っていませんよね！？なんですか、その聞くだけで汗がじんわり浮かんでしまう焼きそばは」

可憐「この前、春香さんを煽って食べさせてみたら、しばらく転ばなくなったって言っていたよ」

エミリー「！？　あの春香さんが！？って、普通は汗がどうとか、喉がー、舌がー、腸がって話になりません？！」

可憐「『せめてカメラが回っていたなら、ここまで体を張った価値もあったんだけど』って」

エミリー「すごい芸人魂！」

可憐「た、食べた直後のコメントだったから、聞きとるのには苦労したけどね、カメラより呂律を回してほしかったかなって、えへへ」

エミリー「あまりに他人事！当事者であるのに、この在り様！可憐さんもすごいです！」

可憐「は、話が逸れちゃったけれど、エミリーちゃん……何かやってみたいことがあるんだよね？」

エミリー「はいっ」

可憐「やっぱり私とのデュエット？今までユニットを組んだこともないけど、歌うとしたらどんなふうになるんだろう」

エミリー「え？あ、あの、そうではなくてあくまで漫才の一環として、」

可憐「どんな曲がいいかな。エミリーちゃんの和を貴ぶ精神と私の趣味を一体にして、うーん……『くさや』なんてどう？」

エミリー「なぜ！？くさやが和食……歴史ある伊豆諸島の名産だとしても、それと可憐さんの趣味であるアロマテラピーとは結びつけるべきではないのでは？」

可憐「この前、律子さんの誕生日に贈ったら、微妙な顔されちゃったなぁ」

エミリー「一般的に10代の女の子が記念日に贈るようなものではないですからね！」

可憐「でも、エミリーちゃん。私たちはアイドルだから。特別だよ」ｷﾘｯ

エミリー「そこでいい顔されましても困ります！」

可憐「それに春香さんもその場にいてね、『カメラが回っていたなら、いいリアクション決められたんだけどなー』って言っていたよ？」

エミリー「芸人魂！」

エミリー「ん、ん。本題に移ってもよろしいでしょうか」

可憐「ど、どうしても？私、エミリーちゃんともっとどうでもいいこと話していたいなぁ。ダメぇ？」

エミリー「なんで翼さんっぽく言うんですか……ダ、ダメですよ。ごひいき様たちは今日は私たちの漫才を見聞きするため、来てくださっているんですから」

可憐「うーん……それじゃ、私がちょうどいいところで、いい具合にツッコミを入れるから、エミリーちゃんはボケてくれる？」

エミリー「え、でも打ち合わせとはちがいますよね？」

可憐「なんでやねーん！」ﾋﾞｼｯ

エミリー「きゃあっ！？全然いい時合でもなければ、適切な塩梅でもないですよ！？今の当たったら、かなり痛かったかと……」

可憐「なんでやねーん！」ｸﾞﾜｯ

エミリー「ひゃぁっ！即座に2回目！？可憐さん、荒ぶりすぎです！！」

可憐「アラブで思い出したけれど、わ、私も石油の匂いをぷんぷんさせていたら、もっと注目浴びれるかな…？」

エミリー「浴びますっ、浴びますとも！でも間違いなく望ましくない浴び方ですよ！？」

可憐「いっそ石油を浴びるってのは……今度、春香さんにやってもらおうかな」

エミリー「やめてくださいね！？」

可憐「だ、大丈夫だよ？カメラ回すから……♪」

エミリー「そういう問題ではないですっ！」

可憐「え、えっと、エミリーちゃん。それでやってみたいことって？そろそろ話してくれるかな。ま、待ちくたびれちゃった、えへへ」

エミリー「釈然としませんが、そういうことであれば話させていただきます」

可憐「なんでや
エミリー「もう突っ込みは禁止です！」

エミリー「……こほん。あの私、皆様のお歌、その曲名を和のものにしていきたいのですが」

可憐「どういうこと？」

エミリー「たとえば、永遠の交響曲」

可憐「『Etarnal Harmony』のことだね。歌唱ユニット名の『エターナルハーモニー』についてもエミリーちゃんが公式でそう呼んでいるよね。そのまま永遠の調和とせずに交響曲としているけど」

エミリー「こんな感じに私らしく、皆様のお歌いに和の心を合わせていけたらって思うんです」

可憐「な、なるほど。この漫才、そういうネタで進めていく気なんだね…」

エミリー「身も蓋もない言い方！」

可憐「それじゃあ、さっそくいいかな」

エミリー「受けて立ちます！」ﾌﾝｽ！

可憐「ええっと、そうは言ってもすぐには思いつかないから……私が歌っている曲でいい？」

エミリー「はいっ」

可憐「それじゃあ『ワールド・アスレチック・COOK-KING～勝者必食！？スポ食の秋～』でどうぞ……！」

エミリー「お待ちください！」

可憐「どうしちゃったの、エミリーちゃん。今日はやたら感嘆符をつけるね……はしたないよ？」

エミリー「うう……今日の可憐さん、信じられないぐらい強気で攻めてきます……。え、えっと、最初のお題としては先程挙げてくださった曲は不適だと思うんです」

可憐「ええっ！？『ワールド・アスレチック・COOK-KING～勝者必食！？スポ食の秋～』がお題としてダメってこと？でも、『ワールド・アスレチック・COOK-KING～勝者必食！？スポ食の秋～』はプラチナスタートラストっていうイベント形式の栄えある第１回の実装曲で、この『ワールド・アスレチック・COOK-KING～勝者必食！？スポ食の秋～』は先月発売されたCDには歌唱パートを入れ替えたシャッフルバージョンを収められていて、季節としては既に『ワールド・アスレチック・COOK-KING～勝者必食！？スポ食の秋～』と言うには……」

エミリー「長すぎです！！そんな悉く正式名称で扱う必要もないですよね！？代名詞使えない系女子ですか！？」

可憐「ん？代名詞使えない系女子ってなに……じゃなくて、なんなん！？」

エミリー「言い直す必要ありませんから！というより勢いで出てきた突っ込みなので気になさらないでください！」

可憐「井伊直弼で思い出したけれど、私もエミリーちゃんと仲良くなったことで心の開国が断行されちゃったかなって、えへへ…♡」

エミリー「ちょっと何言っているかわからないです」

可憐「さーてそれじゃあ、エミリーちゃんのわがままに応じて、別の曲をお題にするね？ふふっ」

エミリー「やはり釈然としませんがお願いします」

可憐「では、この名曲で。エミリー・スチュアートちゃんで『はなしらべ』」

エミリー「………」

可憐「エミリーちゃん？き、聞き逃しちゃった？大丈夫？耳掃除する？膝枕しようか？」

エミリー「和ですよね」

可憐「？」

エミリー「私の持ち歌、『はなしらべ』って、既に曲名が和ですよね。純度最高潮に和ですよね」

可憐「そうとも言えるしそうでないとも言えるね」

エミリー「そうとしか言えないですよ！！！なんでっ！皆様のお歌に和の心をって話なのに、最初から和の曲を選ぶんですか！！」

可憐「エミリーちゃん！？と、突然どうしたの！？こんな情緒不安定なエミリーちゃん、初めて見たよ……カメラ回していい？」

エミリー「回っていますからっ、漫才生公演ですからーっ！」

可憐「さながらメインコミュ1周目で泣きはじめた紬さんのようだね……えへへ」

エミリー「えへへじゃないです！！ほら、関係者席の紬さんも『え？またうちがネタにされるん…？』って表情を見せていますからーっ！」

可憐「それってつまり、おいしく思っているってこと？紬さん、強かだね……！」

エミリー「春香さんと違いますからーっ！」

可憐「エミリーちゃんが前置きを繰り返しているせいでもう尺がないみたい」

エミリー「うう……私、泣いちゃいそうです」

可憐「胸、貸そうか？雪歩ちゃんならすぐ飛びついてくるんだけど」

エミリー「一緒にしないでくださいっ。い、いえっ、今のは違うんです！私は何も雪歩さんのお家を敵に回すつもりなんて、そんな下手をすれば外交問題にさえ発展……」

ﾊｷﾞﾜﾗｸﾞﾐﾊ、ｹﾝｾﾞﾝﾅｹﾝｾﾂｶﾞｲｼｬﾃﾞｽｩ！

可憐「はい、というわけで………か、関係者席からも元気なお声が聞こえたあたりで、今日はこのへんでお開きにしよっか、エミリーちゃん」

エミリー「でもっ！私、まだちゃんとボケられていないですよ？たとえば恵美さんの曲に対して『氷漬けの世界』って答えて、曲名間違っているやないかーい！って突っ込みを入れられていないです」

可憐「漬物で思い出したけれど、ひなたちゃんの作ってきてくれた漬物、食べた？とっても美味しかったよ……！」

エミリー「さっきから思い出し方が特殊すぎですっ！！私、言っていないですからっ！連想遊戯にもほどがあります！」

可憐「以上、臆病者であってもチキンなんて呼ばせない、篠宮可憐と……！」

エミリー「南蛮要素よりは、なんなん要素がありましたエミリー・スチュアートで、」

可憐・エミリー「「チキン南蛮でした！！」」

ｺﾉｵﾁ､ﾅﾝﾅﾝ！？　ﾂ､ﾂﾑｷﾞﾁｬﾝ､ｵﾁﾂｲﾃ！


おしまい

以上です。
念のため、言っておくとそういう芸風ってだけで打ち合わせどおりに進行している設定です
本番ぶっつけでエミリーちゃんを涙目になるまで振り回す可憐ちゃんなんていない、いいね？

ついでにこちらも貼っておきますね

うわ……エミリーに「アロマテラピー」って言わせているの今になって気づいたわ
まぁ、漫才中はドラマの演技と同じ扱いってことでお願いします

乙
まあ、興奮するとWowとか言っちゃうし、多少はね

おつ
エミリーのはるかさんに対する認識…

＞本番ぶっつけでエミリーちゃんを涙目になるまで振り回す可憐ちゃんなんていない、いいね？
この理論だと「本番ぶっつけでエミリーちゃんを涙目になるまで振り回す雪歩」とか「本番ぶっつけでエミリーちゃんを涙目になるまで振り回す春香さん」はいそうだな……

「芳香療法」だっけ？

エミリー語にはまだ記載されてない気がしたが……