【ミリSS】朋花は千鶴のため息が気になるようです。
1 : プロデューサークン   2022/04/15 12:27:16 ID:mXIZLbMdeg
立ったら投下していきます

ギャグです。いつもよりは勢いをセーブした仕上がりになりました
2 : Pはん   2022/04/15 12:27:31 ID:mXIZLbMdeg
劇場 控え室

千鶴「はぁー……いえ、けれど、そんなこと……はぁ…いったいどうしたら」

朋花「千鶴さん~?」

千鶴「と、朋花!?ど、どどどどどうしましたの?いつからそこに?!」

朋花「きっかり1分間。こうして千鶴さんのすぐ隣に腰掛けていたのですが~」

千鶴「つまりエミリーから隠れ身の術を学んでいた、ということですの?」

朋花「何がどうすれば、そういう結論に至るのですか~?」

千鶴「そ、そうですわね。朋花であれば気配を消そうと思っても、そう簡単には消せないですわ。聖母の存在感は伊達ではありませんもの」

朋花「ふふっ、そう改まって言われると照れもするのですが~……それより、千鶴さん」
3 : プロちゃん   2022/04/15 12:27:46 ID:mXIZLbMdeg
千鶴「どうしましたの?コロッケでしたら給湯室ですわよ。今日はカニクリームコロッケですの。ホワイトソースのコクの秘訣は煮詰める際の温度、つまりは火加減で……」

朋花「コロッケは後でいっしょにいただくことにしまして~、今は私の質問に答えてくださいますか~」

千鶴「質問?ああ、お勉強ですの。いいですわよ、いくら朋花が名の通った学校の生徒であろうとまだ中学生。わたくし、きっと力に、」

朋花「先ほどは、なぜああも大きなため息をついていたのですか~?」

千鶴「…………気のせいですわ」

朋花「いいえ、そんなことはありませんね~。なぜなら、隣にいた1分間ずっとでしたから~」

千鶴「朋花、から揚げも用意しておりますの。ほら、いつかあなたが美味しいと言ってくれた……」

朋花「では、そちらも後でいっしょにいただくことにして、ため息の理由を教えてくださいますか~?」

千鶴「ため息といえば、イタリア北東部に位置し、水の都で知られるヴェネツィアでため息橋と呼ばれている橋をご存知?」

朋花「囚人が牢獄に入る前にそこから外を眺め、その景色こそが生きているうちで見られる最後のものだと理解し、思わずため息をつく。とある詩人がそうした謂れを込めて、ため息の橋と表現したのですよね~」
4 : そこの人   2022/04/15 12:27:59 ID:mXIZLbMdeg
千鶴「………」

朋花「さて。千鶴さんは囚人ではありませんが、観念する時が来たみたいですね~。どうぞ、私に先ほどのため息の理由を教えてください~」

千鶴「囚われで思い出しましたが、MS2の06での朋花の新曲『Moonrise Belief』の作曲・編曲をなさっている大和さんはコロちゃんたちChrono-Lexicaの『dans l'obscurité』と『囚われのTeaTime』の作編曲もしてくださった方ですの」

朋花「宣伝ありがとうございます~。……千鶴さん。こうも誤魔化し続けるということは、どうやら私では力不足な悩み事なようですね~」

千鶴「え?」

朋花「劇場の仲間として、年の差こそあれども親しい友人として……歯がゆい思いがありますが、無理に聞き出すのも本意でありません~。ですが、もしも話したくなったらいつでも相談に乗りますからね~?」

千鶴「と言いつつ、しゅんとしているのを隠しきれていない朋花も可愛いですわね」

朋花「はい?」

千鶴「ん、ん。何でもないですわ。それより―――朋花、ありがとう。そこまであなたが言ってくれるのであれば、わたくしも打ち明けてみますわ。おそらく秘めるべきであろう、心のうちを」
5 : 兄(C)   2022/04/15 12:28:10 ID:mXIZLbMdeg
朋花「秘めるべき、心……?」

千鶴「ええ、驚かないでくださいまし」

朋花「約束はしかねますが、できるだけ平静であるよう努めますね~」

千鶴「実はわたくし、まつりを妹にしたいと思っていますの」

朋花「………は?」

千鶴「ふぅ、そうですわよね。徳川まつりと言えば、朋花にとってはお姉さんにしたいアイドルランキングでわたくしの次点にあたる子ですもの」

朋花「………」

千鶴「朋花とまつり。2人が互いを慕っているのも皆が知っていること。そんな彼女をわたくしがいきなり妹にしたいなどと、ある意味で抜け駆けな行為、到底許せざるを得ませんわよね」
6 : 変態大人   2022/04/15 12:28:24 ID:mXIZLbMdeg
朋花「千鶴さん、コロッケもから揚げも給湯室でしたね~。ありがたく頂戴しますね~。ああ、千鶴さんはここにいてもらって……いえ、外に行き、冷たい風に当たってくるのをお勧めしますよ~」

千鶴「朋花の気持ちはわかりますわ。ですが、ここからは、如何にわたくしがまつりを攻略するか、その手立てについて話し合っていきますわよ!」

朋花「理解しがたい、というより、するのを拒絶してしまう内容なのですが~。とりあえず1点。私は千鶴さんもまつりさんも姉にしたいなどと思っていませんよ~?」

千鶴「なっ……!?つまり、美也か恵美あるいは紬と既に義姉妹の契りを交わしているということですの!?」

朋花「論理が飛躍するどころか、支離滅裂ではありませんか~」

千鶴「ん?もしや美奈子?たしかにグリ時代からも朋花と絡みがそれとなくあり、直近では共に『LOVE is GAME』を歌っておりますものね」

朋花「………はぁ。わかりました、話を進めましょう~。千鶴さんがまつりさんを妹にしたい、なぜそう思い始めたか聞いてもいいですか~?」

千鶴「ふふっ、気になりますわよね?しかたないことですわ」

朋花「そこで得意気になる意味がわかりませんね~」
7 : Pーさん   2022/04/15 12:28:37 ID:mXIZLbMdeg
朋花「私はただ、おふたりが特別に仲が良いという話は耳にした覚えがなく、千鶴さんがそういうおかしな発想に至った特別な出来事があると予想しただけですよ~?」

千鶴「さすがの明察ですわね、朋花。たしかにわたくしとまつりの関係というのは、以前は言うなれば豚カツとカレーのようなものでしたわ」

朋花「いまいちその比喩が示さんとするところを察せないのですが~」

千鶴「そう、あれはわたくしに、専ら愛知県内で長期にわたるロケが設定されている番組のオファーが舞い込んだのがきっかけでしたわ」

朋花「愛知県……まつりさんの出身地ですね」

千鶴「ええ。そして偶然にもロケが始まる前にまつりと別の現場で話すことがありましたの」

朋花「その土地を実際に知っている方から直接得られる情報はありがたいですからね~」

千鶴「そうですの。そして気がつけば後日、わたくしはまつりと愛知デートを楽しんでいましたの。しかも完全にプライベートの」

朋花「は?」
8 : 高木の所の飼い犬君   2022/04/15 12:28:51 ID:mXIZLbMdeg
千鶴「朋花、落ち着いてくださいまし。わかりますわ、お土産のことですわよね?ごめんなさい、あの日はそういったことを考える余裕さえ……」

朋花「私は人が遠出したのを聞いた際に、真っ先にお土産を要求するような人間ではありませんよ~?いえ、それよりも余裕がなかったというのは?察するにまつりさんが千鶴さんを振り回して観光地を次々に案内したということでしょうか~」

千鶴「ちがいますわ」

朋花「では、どういう」

千鶴「わ、笑わないでくださいまし。お願いですわよ?」

朋花「ええ、笑いませんよ~」

千鶴「その……途中からまつりに、えっと、まぁ、その、見蕩れてしまったというか、心惹かれるままに、ふわふわとした気持ちになってしまい、わたくしとしたことが呆けてしまったようなのですわ」

朋花「笑えませんね~」

千鶴「さしずめ、こういうのが『やめて 惑わせて 来ないで 抱きしめて 言わせて』といった心情なのですわね」

朋花「どうしてそこで私の『Maria Trap』の歌詞が出てくるんですか~」
9 : Pしゃん   2022/04/15 12:29:03 ID:mXIZLbMdeg
千鶴「偶然二人きり二度とないはず~♪絶対後悔はしたくないはず~♪」

朋花「千鶴さんの『恋の音色ライン』であればいいという話ではないですよ~?」 

千鶴「そんなわけで、わたくしはまつりを妹にすると決意したのですわ。東山動植物園の動物園にいたベネットアカクビワラビー、植物園のベンケイチュウに誓いましたの」

朋花「どういうわけがあれば、そんなことをワラビーとサボテンに誓う気になるんですか~」

千鶴「天空騎士団の七つの誓いと比べれば些末ではありますが、本気ですの!」

朋花「そこで引き合いにだされても、私のみならず騎士団の方々たちも当惑しかありませんね~」

千鶴「ちなみに、エミリーにもそれとなく伝えたのですが『Wow!千鶴お姉様もまつりさんの虜になってしまわれたのですね♪』と励ましてくれましたわ」

朋花「エミリーちゃんがなぜ千鶴さんをお姉様呼びしているのかに触れると、いっそうややこしくなるので、今は置いておきますね~」
10 : Pサン   2022/04/15 12:29:24 ID:mXIZLbMdeg
朋花「妹云々は戯言としても、千鶴さんがまつりさんと今よりも仲良くなりたいというのは間違いないんですね~」

千鶴「はいほー!そうなのです!朋花ちゃん、力を貸してほしいのです!」

朋花「形から入るのはおすすめできませんね~」

千鶴「形から入るといえば、デートしたときのまつりの恰好は印象的でしたわね」

朋花「……というと?」

千鶴「ファンに気づかれないようにするためか髪をまっすぐに下ろして帽子をかぶり、眼鏡もかけていましたの。服装も例の私服とは違う雰囲気でしたし。派手ではありませんでしたが、少女の魅力と大人の魅力の両方を備えた、なかなかお洒落な出で立ちでしたわ」

朋花「普段は見られない姿だったということですね~」

千鶴「ああ、朋花、そんな目で見るのは止めてくださいまし。たしかに記念に写真を撮っておきたかったのですが、ないのですわ。だから、そうおねだりされても困りますわ」

朋花「勘違いも甚だしいですね~」
11 : ボス   2022/04/15 12:30:02 ID:mXIZLbMdeg
千鶴「厳密にはツーショット写真がありますの。1枚だけ。でも……ふふっ、これはまつりとわたくしだけの秘密ですから」

朋花「聞いていませんよ~」

千鶴「そろそろ、何か閃きましたの?そのお団子……ではなく朋花の聡明な頭をもってすれば、まつり妹化計画のアイデアなんてのは、ぽんぽん出てくるのではありませんこと?」

朋花「残念ながら、千鶴さんのその奇天烈な相談事に助力したい気持ちが湧いてこないんです~。ええ、まったく、これっぽちも」

千鶴「朋花、恐れはいりませんわ」

朋花「はい?」

千鶴「たとえまつりを妹にしたところで、朋花がわたくしの妹であることは変わりありませんもの。ないがしろになんてしませんわ。姉として、すべての妹を等しく愛しますわ。そう、朋花のいう聖母の慈愛のように!」

朋花「慈愛をもってして、接している私でもここに至っては千鶴さんの正気を疑わずにはいられないですよ~」
12 : 仕掛け人さま   2022/04/15 12:30:34 ID:mXIZLbMdeg
千鶴「少し朋花が羨ましいですわ」

朋花「今度はなんですか、突然」

千鶴「先日のデート、まつりが朋花を慕っているのがよくわかりましたもの」

朋花「……たとえば?」

千鶴「商店街でお団子を買い食いしましたわ。あの行動は朋花のことを食べちゃいたいぐらい可愛がっているという暗喩ですわね」

朋花「……それだけですか」

千鶴「公園で綺麗なお花をふたりで眺めましたわ。花と言えば朋花。あの行動は朋花の一糸纏わぬ姿を鑑賞したいという心の現れですわね」

朋花「……他に何かありましたか」

千鶴「通りがかった百貨店を見て、そこでご当地自慢のお歳暮などを見繕ったことがあると話していましたわ。ええ、そうですお歳暮。つまり、聖母。朋花のことですわね。朋花と過ごした一年を振り返って熱い想いを滾らせていたに違いないですわ」

朋花「……」
13 : Pくん   2022/04/15 12:30:53 ID:mXIZLbMdeg
朋花「千鶴さんの言いたいことはよくわかりました。いえ、わかっていませんが、とにかく……」

千鶴「朋花?バッグから何を取り出す気ですの?お歳暮の季節にはまだ早いですわよ?」

朋花「―――これを。どうぞ」
14 :   2022/04/15 12:31:09 ID:mXIZLbMdeg
千鶴「えっ。これは……某大型テーマパークのイベントチラシ?ここは、雪歩ちゃんと可憐とが2人で行ってすごく楽しかったと話していましたわ」

朋花「当初の予定とは違いますが~、私と千鶴さん、そして……まつりさんの3人で行きませんか~?時間の都合がつけば、ですが」

千鶴「朋花……わたくし、感動しておりますわ!つまり朋花はわたくしとまつりの間を繋ぐ架け橋に―――希望の天空橋になってくれるのですわね!!」

朋花「大げさというより、それは単なる駄洒落ではないですか~」

千鶴「はいほー!楽しいお祭りの始まりなのですー!」

朋花「やれやれ……ため息が出てしまいますよ~。ふふっ♪」



後日、なんだかんだ2人のお姉ちゃんとの休日を楽しんだ朋花ちゃんだったのです

おしまい
15 : 箱デューサー   2022/04/15 12:32:59 ID:mXIZLbMdeg
以上です。

少し前によそで素晴らしいちづともを読みまして、自分で書いてみようかななんてと思いましたね(書くとは言っていない)

16 : ご主人様   2022/04/15 12:33:40 ID:mXIZLbMdeg
ついでにこちらも

17 : 彦デューサー   2022/04/15 22:57:31 ID:X2W/DLj6Po

これだけ欲望に忠実な千鶴さんならニセレブやらなくてもいいって思うな
18 : 箱デューサー   2022/04/16 16:55:08 ID:wgA5YN85vQ
千鶴さんがおかしなこと言うだけでなぜか面白い
19 : プロちゃん   2022/04/18 22:54:43 ID:BajRrZt1a2
ともちづは健康に良いからもっと書いて良いんですよ
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