【315プロ事務所】

涼「だぁーーーっ!」

一希「どうした涼?そんな大声を挙げて」

大吾「近所迷惑じゃぞ、涼」　

涼「いや無理ですよ!」

涼「目隠ししてガンプラ作るだなんて!」

P「そんなに難しいんですかね?」

一希「そうだぞ、秋月・凄腕ビルダー・涼」

大吾「諦めんのは男らしくないぞ?秋月・四代目メイジン・涼」

涼「二人とも何ですかその呼び方…だいたい、僕まだ冬馬さんに勧められた初心者向けのガンプラを作っただけで、こんな大きなガンプラなんて触ったこともないのに…」

MG エクリプスガンダム
https://bandai-hobby.net/item/4474/

涼「この企画自体無茶だったんですよ…」

P「え、でも315チャンネルで『秋月涼の目隠しガンプラ作成チャレンジ~エクリプスガンダム編~』の告知はしちゃいましたし、もう既に沢山の人からの反響があるんですよ」

涼「…あの、できるかどうかも分からないのに見切り発車するのやめてくれませんか?」

一希「ファンからの期待大だな、涼」

涼「期待されても応えられないんじゃ意味ないですよ…」

大吾「どうしても駄目なんか?涼」

涼「そう言われても無理なものは無理だって…」

P「そこを何とかお願いします!涼さん!」

涼「…いや、どう頑張っても無理なんですから今からでも他の企画に変えませんか?」

P「…分かりました」

涼「(良かった…納得してくれたかな?)」

P「…」ケータイ取り出しポパピプペ

P「…あ、765プロの律子さんですか?涼さんの活動方針についてちょっとご相談が…」

涼「やります!やらせてください!」

P「やる気になってくれたんですね!良かったです!」

涼「うぅ…プロデューサーさんその手はひどいですよ…」

P「(まあ時報にかけただけですけどねー)」

涼「…でも、実際にできないものを一体どうしたら…」

一希「…よし、ならば特訓しよう」

涼「特訓ですか?」

一希「ああ、おれにいい考えがある」

涼「(どうしよう…すごく嫌な予感しかしない…)」

一希「行くぞ!涼、大吾!」

大吾「分かったで先生!」

涼「ど、どこに行くんですか!?というか二人して引っ張らないでくださーい!」

【都内某所　ゲームセンター】

涼「ガンプラの特訓で…何でゲームセンターに?」

一希「…涼、特訓に使うのは『機動戦士ガンダム EXTREME　VS』だ」

涼「エクストリームバーサス?」

一希「…涼、このゲームが2VS2のタッグプレイ形式の対戦ゲームであることは当然知っているな?」

涼「いえ、知りませんけど」

一希「…そうか……」ズーン

涼「だ、だから一希さんに教えてもらえたら嬉しいなーって!」

大吾「先生!涼だってこう言いよるから元気出してくれ!」

一希「…いいんだ…おれなんかがアイドルなんて陽のあたる場所に出るべきじゃなかったんだ…おれは一生ゴーストライターとして陰でいるべき人間だったんだ…」

涼「そんなことないですよ!一希さんは立派なアイドルですよ!」

大吾「そうじゃ!わしら3人でF-LAGSじゃぞ!」

一希「…だが…」

涼「一希さーん!しっかりしてくださーい!」

【数十分後】

一希「…取り乱してすまなかった」

涼「(やっと落ち着いてくれた…)｡…でも、何でこのゲームがガンプラの特訓になるんですか?」

一希「うむ、このゲームは2VS2の戦いではあるが、基本的に自分の画面で確認できるのは自機から見た風景だけだ」

涼「はぁ…」

一希「だが、ゲームシステム上どうしても四人が入り混じる乱戦になる。目の前の画面にだけ捕らわれていては勝つことは難しい。そのためには画面外の敵機や相方の動きまで把握していられる、いわゆる空間認識能力が必要となるんだ」

涼「空間認識能力…」

一希「ここまで言えば分かるだろう。つまりこのゲームの腕を磨けば目隠ししてガンプラを作ることなど余裕になるというわけだ」

涼「はい!」

一希「では、行くか」

涼「(そのこととガンプラはまったく関係ないと思うけど、それを言うとまた面倒なことになりそうだから黙っておこう)」

大吾「対戦台はこっちのコーナーじゃぞ、涼」

涼「うん。何だかんだで初めて遊ぶから楽しみだな…」

客1「テメエエエ！！フザケンナアアアア！！」

ガシャァーン！！(人に向かってパイプ椅子が飛ぶ音)

涼「ぎゃおおおおん!?」

客2「おいお前!いくら何でもやり過ぎだろ!」

客1「ウルセエ！！コイツが3000コスのくせに前に出すぎて2落ちしたから負けたんだよ！！コイツの頭はハッピーセットか!?」

店員「お客様!暴れないでください!」

涼「あ、あわわわわ…!」

一希「…大吾、救急車は呼んであるな?」

大吾「もちろん。ついでに警察も呼んでおいたけぇ」

涼「何で二人はそんなに冷静なんですか…?」

一希「よくあることだからな」

大吾「よくあることじゃけぇのう」

涼「…よくあることなの!?」


※実体験を元に書いていますが、けっして「よくあること」ではありません

一希「さて、席が空いたぞ。涼、準備はいいか?」

涼「う、うん…まだ操作を覚えたばかりだから正直緊張してますけど…」

大吾「大丈夫、このゲームは協力プレイじゃ!ワシが涼の面倒は見てやるけぇの!」

涼「大吾くん…ありがとう!でも、僕も大吾くんの足を引っ張らないように頑張るよ!」

大吾「おう!その意気じゃ!」

【数時間後　再び315プロ事務所】

大吾「楽しかったのう、涼!」

涼「うん!…でも、僕は大吾くんに頼りっぱなしだったけど」

一希「…いや、途中から涼も目に見えて上達していた。見ていて大吾の負担が軽くなっていたのが分かったぞ」

涼「そ、そうですかね?」

大吾「おう!どんどん涼が頼もしくなっていってワシは心強かったぞ!」

涼「大吾くん…ありがとう」

P「みなさん!特訓お疲れ様です!」

涼「え、特訓…?」

P「ガンプラの特訓に行かれていたのですよね?」

涼「…忘れてた!!ど、どうしよう!?」

P「…仕方ありません。涼さんは普通にガンプラを組み立ててください。もう時間もありませんし、それでひとまず形にしましょう」

涼「分かりました…すいません、プロデューサーさん」

一希「…それでいいのか、プロデューサー?」

P「ええ、あとはこっちの方で「何とか」しますから」

一希「…それでこそだ、プロデューサー」

涼「二人とも、何話してるんですか?」

P「あ、いえいえ、何でもないですよ」

一希「…涼、今度は大吾とだけじゃなくておれとも一緒にプレイしてくれないか?」

涼「はい!僕も一希さんとの協力プレイ楽しみです!」

―その後876プロの水谷絵理の手により「目隠しで作った」ように完璧に編集された動画が制作され、その動画が315プロチャンネルにアップされてからというもの涼はガンプラ界隈において知らない人はいないというほどの知名度を得たという…

【後書き】
えー、いつの間にかシリーズ化した涼ちんとF-LAGSのSSです
今回エクバを題材にしましたが、どうしても対戦描写を上手く書ける自信がなかったのでバッサリカットしてしまいました。一応特訓で行ったのだから大事なところではあるはずなんだけど…
今回の「目隠しでエクリプスガンダムを作る」は前回いただいたコメントのネタを使わせていただきました。結果的に目隠しでは作れてないけど
あとSS内でも触れてますが、流石に対戦していてパイプ椅子が飛んで来るような治安の悪いゲーセンは滅多に無いと思います。ただまあ、ごく稀にそういうマナーの悪いプレイヤーがいるだけで。それと大会上位プレイヤーはガチで空間認識能力持ちが当たり前みたいと言いますね
次回はそれまでにDSをクリアして涼×夢子のSSを書く予定です。一応、今回の内容はその布石になっています

それではいつも通り、ご意見、ご指摘大歓迎です

乙

だ、誰がエクリプスを目隠しで、作れなんて言ったんだろう？ﾀﾞﾚﾀﾞｰﾀﾞﾚﾅﾝﾀﾞｰ

とりま、もっとゲームをプレイしている描写が欲しかったですね

ちなみに何がNGワードになったのですかね？（意訳。次も頑張ってください）

愛「３人でF-LAGSとは聞き捨てなりません!」
絵理「私たちは……のけもの?それとも、過去の女?」

>>18
コメントありがとうございます
誰カナー？

ゲーム描写は多少は入れるべきでしたね。似たようなSSを探して勉強すれば良かったです

管理人ちゃが解除してくださいましたが「もこう」が禁止ワードになっていました(「涼もこう言いよるから〜」と書きたかった)

>>19
コメントありがとうございます

DSプレイしているので3人でディアリースターズ、もいつか書けるといいですね