【涼の自宅】

涼「つ、疲れた…」

涼「今日の握手会は大変だったな…それもこれもプロデューサーさんが作ったあの動画のせいで…「実際に目隠しして作ってみろ」なんて言ってくる人までいたし…」

ピピッ

涼「…ん?夢子ちゃんからメールだ」

夢子『涼、突然だけど明日時間ある?ちょっと聞きたいことがあるんだけど』

涼「聞きたいことって何だろう…?まあ、ちょうど明日はオフだからいいか。久しぶりに夢子ちゃんに会いたいし、その時に聞けばいいや」

涼『分かったよ。明日の10時に近くのカフェで待ち合わせでいいかな?』

涼「これで良し、と。…ん?今度は一希さんから電話だ…?」

一希『涼…おれだ…』

涼「どうしたんですか一希さん!?今にも死にそうな声してますけど!?」

一希『…いや…765プロの律子さんから借りた松田亜利沙愛用の監視カメラで涼のメールを盗撮していたんだが…』　　

涼「…何してるんですかあなたは。それで、どうしたんですか?」

一希『…馬に蹴られた…』

涼「…は?」

一希『…涼のメールを見ておれもこっそりついていこうとしたら…「人の恋路を邪魔する奴は馬に蹴られて地獄に落ちろ」だそうだ…』

涼「…すいませんまったく意味が分からないですけど大丈夫なんですか?」

一希『…大丈夫だ…医療用ポッドに浸かっていれば一日もあれば治る…』

涼「はぁ…?」

一希『それじゃ…明日は楽しんでこい涼…』

プツッ

涼「…とりあえず一希さんのことは考えないようにしよう」

※315プロダクション所有医療用ポッド

【待ち合わせのカフェ】

涼「夢子ちゃん、お待たせ!」

夢子「遅いわ!どれだけ待たせるのよ!」

涼「ご、ごめん…」

夢子「…まあ、いいわ」

涼「(僕だって30分前には来たんだけどな…)」

涼「それで夢子ちゃん、聞きたい話って?」

夢子「…例の動画、見たわよ」

涼「うっ…あれ見たんだ…」

夢子「あなた、あんなことするようになったのね」

涼「違うよ!あれは僕の事務所のプロデューサーさんが勝手に作ったもので…」

夢子「そういうことじゃないけど…じゃあ、あれはあなたの意思じゃなかったのね」

涼「…え?」

夢子「あなたもついにトップアイドルとして成功するためには手段を選ばなくなったと思ったのよ」

涼「そんなことしないよ!だいたい、ガンプラで有名になってもアイドルとしての成功には関係ないと思うけど…」

夢子「あら?283プロの黛冬優子なんて作ったガンプラが評価されてハリウッド映画の主演女優にまで抜擢されたじゃない?」

涼「そういえばその人すごかったよね…」

涼「…でも、僕はあくまでアイドルとして歌やダンスで評価してもらいたいかな。せっかく315プロで男性アイドルとして活動できるようになったんだから、『アイドル・秋月涼』としてのありのままの姿を見てもらいたいんだ」

夢子「ありのままの姿、ね…」

涼「うん。その僕を見てみんなも自分の夢を追い求める…そんなアイドルに僕はなりたいから」

夢子「ふぅん…まあいいわ。それより、この機会に私にもガンプラを教えなさいよ」

涼「えぇっ?夢子ちゃんが?」

夢子「…何よその驚きよう。私はね、トップアイドルになるために手段を選ばない姿勢は変えていないの。あくまで『他人の足を引っ張らない』範囲でね」

涼「で、でも僕だって教えるほど上手いわけじゃ…」

夢子「あら、目隠しで作れるほどの人が?」

涼「そ、それを言わないで…分かったよ、僕に教えられる範囲だけなら…」　
　
夢子「初めからそう言えばいいのよ」

涼「うぅ…」

【お台場　ガンダムベース東京】

涼「…夢子ちゃん、初めて作るのにいきなりそれは無茶だって…」

MG 1/100 エクリプスガンダム
https://bandai-hobby.net/item/4474/

夢子「ふ〜ん、あなたが目隠しで作った物が私には作れないとでも?」

涼「そ、そのネタいつまでも引っ張るのやめて…」

夢子「にしても…箱はこんなに大きいのに細かいパーツも多いのね…」

涼「まあ、作ると決めたからには頑張ろう。大丈夫、ガンプラは説明書をちゃんと読んで組めば多少時間がかかっても作れるから」

夢子「それじゃ、はい」

涼「はい…って、何で僕に部品渡すのさ?」

夢子「教えてくれるってことは、作り方を実演してくれるのよね?」

涼「いやいや?自分で作らないと意味ないよ?」

夢子「何よ、私だって作るわよ。頭と腕ぐらい」

涼「残り全部僕!?」

夢子「いいじゃないそれぐらい。さあ、作るわよ!」　

涼「トホホ…またこれ作ることになるなんて…」

【一方その頃】

悪徳「あ〜、なんかいいスクープネタ落ちてねぇかな〜。アイドル同士の密会とかよ〜。落ちてるわきゃないかこんなところに…ん?」

夢子「何よこれ、合わないじゃない!」

涼「夢子ちゃん、説明書よく読んで!それ上下逆だよ!」

夢子「まったく、まだるっこしいわね…!」

涼「夢子ちゃん、そんなに乱暴に扱ったら駄目だよ…」

悪徳「…何だ、秋月涼と桜井夢子か。は〜、そんな都合のいいネタそうそうみつかりゃ苦労しないさね〜」

【そして完成】　

夢子「…ようやく出来たわね」

涼「夢子ちゃん、最初と比べたらどんどん器用になっていったね。初めてでこんなに綺麗に仕上がるなんてすごいよ!」

夢子「…そう」

涼「じゃあ、あとは箱に入れて持って帰るだけだね」

夢子「…あなたにあげるわよ、それ」

涼「…え?」

夢子「…私はいらないって言ってんの。だいたい、ほとんどあなたが作った物じゃない」

涼「そんな…夢子ちゃんが買った物なのに悪いよ…」　　

夢子「…別に、大したお金出したわけじゃないし」

涼「…じゃあこれは、僕からのプレゼントって形にさせてよ」　　

夢子「…はあ?」

涼「女の子へのプレゼントに送るような洒落たものじゃないけど…『二人で作った思い出』ってことで受け取ってくれないかな?」

夢子「…あなたって、相変わらず恥ずかしいセリフ平気で言うのね…」

涼「…え、何?」

夢子「…何でもない!そこまで言うなら受け取ってあげるわよ!」

涼「ありがとう、夢子ちゃん」

夢子「…じゃあ、私今日はもう帰るから」

涼「…夢子ちゃん、なんだか顔が赤いよ?大丈夫?」

夢子「何でもないわよ!…馬鹿」

涼「あ、待ってよ夢子ちゃん!」


涼「行っちゃった…何だったんだろう夢子ちゃん?」

【その夜　夢子の自宅】

夢子「…ホコリがつかないように飾る用のケースも買ってきたし、置く場所はなるべく目立つ位置に…ここでいいわね」

夢子「…これで良し、と」

『その僕を見てみんなも自分の夢を追い求める…そんなアイドルに僕はなりたいから』

夢子「ふふっ…」

夢子「さて、明日からも頑張りましょうかしら」

【ほぼ同じ時間帯　涼の自宅】

涼「…とりあえず監視カメラ13個は見つけたけど…あと何個あるんだ…。まさか315個仕掛けてるとか言わないよね…?」

【後書き】
はい、DSクリア記念として念願のりょうゆめSSです
DSプレイして夢子のキャラについて理解したつもりなのですが、結局よくあるツンデレキャラみたいになって反省しております…
DSの涼ルートをクリアして、sideMで分かっていたつもりの涼のキャラも改めて理解を深められたように思いました。みんな、プレイできる環境がある人は是非DSやってください!

それではいつも通り、ご意見、ご指摘大歓迎です

りょうゆめはモバデレでも繰り広げてたはずだし、MでもいつかDS組乱入やってほしいわね（写り込みだけは果たしている夢子）



MAZDAは後で事務所来るように。

>>20
コメントありがとうございます
一応愛ちゃん絵理ちゃんに夢子も写りこみだけはしていますね
夢子はサイスタのエピ0に出ないかちょっと期待したんですけどね

あの、監視カメラを仕掛けたのは一人じゃ済まなさそうなのですが？

りょうゆめでガンプラも珍しくて面白いですね
(めっちゃパーツ多そうなのですが）
これからは他の趣味もやってくれると嬉しいです

>>22
コメントありがとうございます
勝手に部屋に入られて監視カメラ仕掛けられてるってかなり恐怖ですよね
今回はオマケ要素みたいなつもりでしたが、ガンプラネタもいい加減マンネリですかね。何か他の趣味…SS読んでくれるPちゃんに受けの良い趣味が何かあれば良いのですが…

DSクリアしたのか乙

>>24
はい、あとで改めて感想書きますね

よしじゃあ次はコトブキヤ製のゴジュラスを目隠しで作らせよう

>>26
コメントありがとうございます
難しいネタですが…拾えたら書きますね

>>26
ブキヤゴジュラスは止めとけ





小西製作所の1/200護衛艦「いずも」ぐらいにしときなさい

とりま乙。次回、悪徳さんの記事がどう出るやら……

>>28
コメントありがとうございます

戦艦のプラモってもっと難しいのでは…
実は悪徳はノリで出しただけだったのですが、スキャンダルとかそういう方向に持っていった方がいいですかね?

悪徳さんとは素直に（？）ガンプラバトル挑めばいいんじゃないかなーって

>>30
いやー、「それからの」で涼と夢子じゃいまさらスキャンダルにならないだろってコメントがあったのでこんな扱いで悪徳さん出したんですよね
なら悪徳さんに見つけられても問題なかろうと思って

プラモだったらpixivで連載されてる「高校2年のプラモデル」が面白くて参考になるんでよく読んでるなあ

>>32
そちらも機会があれば参考に読んでみます
ただ、初期にガンプラSSとして書いたら予想外に好評だったために同じネタで引っ張りすぎてしまった感があるので、もっと話の引き出しを広げる努力をしたいと思います