そのPさんって人はですね、私も顔が何かと芸能界では広いもので、何人ものアイドルのスケジュール管理を一人で任されているような人でして――――

業界ではマネージャーと呼ばれるんですけれど、頑なに自分はプロデューサーだって言っては聞かない少し変わった人なんです。

そのPさんは仕事の立場柄、アイドルの――――

全く羨ましい限りなんですけれども女の子に相談されることが多いそうで、学業のことだったり、お友達のことだったり――――　

時たま、あれって小首をかしげるような本当なのかちょっと不思議な話をですね、嬉々とした顔で

P「稲川さん、最近ちょっとおもしろい話を聞いたものですから聞いてもらっても」

って、アイドルの女の子の私の元に来ては話してくれるんですよ。

そんなものですから、彼の話を聞いては

「うんうん、シアターの地縛霊かもしれないね」

だなんて、一様には答えは出すけれども、ついこの間聞いた話がどうにも気持ちが悪い。

今までの不思議な話とはなにか決定的に違う何かがあるんです。

つづきはよ

プロの方かと思ったら淳二の方だった

――――　その……相談をしたのがロコちゃんって女の子。

Pさんの受け売りですけれど、中学3年生でして芸術家を目指しながらアイドルをやっている女の子だそうで、私も工業デザイナーとの2足のわらじですから、少しだけ親近感とともに応援したくなるアイドルなんです。

そのロコちゃんなんですけれどね、学校はいつも一人で帰っている。

放課後にアイドルのお仕事なんかがない日には、空き教室を借りては一人絵を描いていたそうなのですが、そんな時間はあっという間に過ぎてしまう。

学生の放課後なんてものは2時間も経てば暗くなってしまうもので、日が落ちて誰もいない廊下のずーっと先が見えなくなってくると少しおっかないんだ。

だからか、ロコちゃんは目の前の絵に集中してしまうもんだから教室のドアから見えるすりガラスにぼんやりと――――　真っ暗な廊下の中に見える消火栓の赤い光が目に入ると、なんだか少し怖くなって帰り支度をしていた。

そんなある時……その日は、なんだか腰まであるロコちゃんの髪がなんだかもあもあした……。

朝からもあもあする感じがする日はたいてい雨がする。

だから学校へ傘を持っていった。ロコちゃんの好きな黄色い傘なんだけれども、三角形が連なって円になっているんだけれどもその一枚が透明で――――
そういうわけですから前が見えるようになっている便利な傘なんです。

そうしてロコちゃんのもあもあが言う通り、案の定ポツリポツリと雨は降り出してロコちゃんがいつものように美術室で絵を描く頃には窓を打つようになった。

↑美術室　☓
　空き教室　○

>>3
って、アイドルの女の子の私の元に来ては話してくれるんですよ。　☓
って、アイドルの女の子の話を、私の元に来ては話してくれるんですよ。　○

ふむふむそれで？

∫/)๑'꒫')ふむふむ……

こわいこわい続きがこわい