【雨SS】雨と、姫とセレブと。
1 : Pさぁん   2022/07/08 12:02:29 ID:4mn.FRrPSM
立ったら投下していきます
2 : プロヴァンスの風   2022/07/08 12:02:42 ID:4mn.FRrPSM
※キャラ崩壊注意
※独自解釈・設定あり
※一部、微百合要素ととれる描写あり
※誤字・脱字は見逃してください
※いいタイトル思いつかなかった
※ようするに何でも許せる方だけ読んでください
3 : Pちゃま   2022/07/08 12:02:56 ID:4mn.FRrPSM
空にひしめく灰色の雲と降り続ける雨とが午後3時の街を陰鬱なものとしている。
雨足は一時の激しさを失ったものの、当分は止みそうにない。梅雨真っ只中の7月上旬。じめじめとした空気が纏わりつき、それを振り払おうと二階堂千鶴の足取りは自然と早くなった。
劇場に到着すると、レッスンの開始予定時刻はまだ先で、小休憩を挟むのに充分な余裕がある。
千鶴が控え室に入ると、窓辺に立つ徳川まつりに出くわした。部屋には彼女の他に誰もいなかった。
千鶴がまつりにすぐに声をかけなかったのは窓の外、つまりは暗いばかりで興味をそそられはしないだろう景色を眺める彼女の横顔というのが、珍しくも物憂げな表情をしており、何か悩みを抱えたり落ち込んでいたりするのかと、その胸の内を慮って挨拶をするのさえ躊躇が生じたから……というわけではない。
4 : der変態   2022/07/08 12:03:04 ID:4mn.FRrPSM
実際には声を「かけられなかった」というのが適切だ。そして、その理由というのを端的に言ってしまえば、その時の千鶴はまつりに見蕩れてしまっていたからなのだった。
窓の傍に佇むまつりが普段と変わらない様子であったのなら、あるいはより深刻そうな面持ちで外を窺っているのであれば、千鶴はまつりに目を奪われはしなかっただろう。いつもの調子かあるいは注意深く、声をかけたに違いない。
千鶴やまつりが男女問わず人を惹きつける容貌をしていると言っても、2人は既に同じ事務所に所属するアイドル、劇場の仲間であるのだから、互いに関わることに慣れている。声出せぬほどに呆けてしまう、そんなふうに心を奪われるなどめったにないのである。
控え室に入ってきた千鶴にまつりが気づかぬまま、言い換えれば千鶴がまつりに声をかけぬまま1分が過ぎた頃だろうか。
まつりが醸し出しているアンニュイな雰囲気に呑まれ、神秘的な美しさを成しているその表情に魅了されているのを千鶴は自覚するに至った。
その自覚が次に得体の知れない羞恥を引き起こし、それは頬のあたりに熱を帯びるといった身体的な反応となる。
5 : 彦デューサー   2022/07/08 12:03:17 ID:4mn.FRrPSM
千鶴は咳払いをした。まつりに気づいてもらうためではなく、自分の心持ちというのを正すためにである。
瞬間、まつりが反射的に千鶴の方へと顔を向けた。当然、千鶴もまつりにその眼差しを向けたままだ。
交差する視線。まつりの顔色が瞬時に切り替わるのを千鶴は目にした。穏やかな目つきや口角の上がり具合がどこまで意識的なものかまでは考えないようにする。
いずれにせよ、まつりは千鶴をそこに認めて微笑んだ。少しだけ、本当に少しだけ、千鶴はもったいなく思った。雨中を見つめる彼女が綺麗だったから。そのことがその時になっていっそう強く感じられたのだ。

「ねぇ、まつり」

黙ったまま見つめ合っていたのは数秒にも満たず、千鶴はまつりに言う。



続く言葉は「何かあったの?」や「どうかしましたの?」ではなく「お茶でもどう?」であった。

「わんだほーなお誘いなのです。お言葉に甘えるのです!」

「では、ここで座って待っているといいですわ。今日はこのわたくしが淹れてあげますから」

「ありがとうなのです!」

「雨……」

「ほ?」

「早く止むといいですわね」
6 : 夏の変態大三角形   2022/07/08 12:03:36 ID:4mn.FRrPSM
空模様とはまるで違う、山吹色のハーブティー。先日、萩原雪歩に淹れてもらって飲んだものだ。
もともとは篠宮可憐に勧められたものであるらしい。給湯室のお茶類の置場は2人が持ち寄ったものが多い。
他のアイドルもそこに追加したり補充したりをしていて、どこまで本気なのか、雪歩が「お茶の妖精さんが、いるのかな?」と言っていたのを思い出す千鶴だった。
そして今、目の前にいる子はそうした妖精さん云々というのを日常的に口にしている。

「雨と言えば」

まつりがハーブティーの味の感想を言い、千鶴を褒めそやしてから、ふとトーンを落としてそう切り出した。
先ほどのあの表情の真意が聞けるのか、と千鶴は身構えた。だが、どうもそうではないらしい。明朗な声色に戻って、まつりは続ける。

「可奈ちゃんの『あめにうたおう♪』は姫の心にも、じ~んときたのです!可奈ちゃんの歌はまさにれいんぼー!なのです」

「ふふっ、そうですわね。『オリジナル声になって』や『おまじない』でもそうですけれど、歌うのが大好きだって気持ちが一途に伝わってくる曲ですわよね」

「夢があるから雨の日でもHop!Step!Jump!――――素敵なのです。可奈ちゃんの歌は元気が貰えるのです」

「ええ、ステージの演出もよかったですわよね。新セットでしたし。曲の後半で雨が晴れて、気持ちも晴れ渡っていくようでしたわ」

「そういえば、雨降りの演出効果は千鶴ちゃんたちもしていたのです。ほら、天体公演で」

「朋花と可憐と一緒にピスケスとして歌った『P.S I Love You』ですわね」

「そのとおりなのです!あれは……」


雨音が気にならないほどに千鶴とまつりはおしゃべりに興じる。
やがて2人のカップが空になり、千鶴がおかわりはどうですのと提案しようとしたその時、まつりが何気ない素振りで再び窓のほうを見やった。
7 : 魔法使いさん   2022/07/08 12:03:51 ID:4mn.FRrPSM
「雨と言えば」

さっきと同じ切り出し方なのに、そこにはぎこちなさがあるのを千鶴は感じた。
思わず「雨と言えば?」と話の続きを促す。そしてまつりが窓から千鶴に向き直る。

「昔のことなのです。妹が小学生になる前、ある雨の日」

「………」

「夕方、まつりたちは2人でお留守番をしていたのです。お絵描きでもして遊んでいた、そんな気がするのです」

「それで?」

「窓を叩く雨も風も強くなって、雷まで鳴りはじめたものだから、妹が怖がっちゃって」

「まつりは怖がりませんでしたの?」

「ほ? まつりは……ううん、まつりも怖かったと思うのです。でも、まつりはお姉ちゃんだから」

「そう……妹さんが怖がらせないように何かしましたの」

「そこはよく覚えていないのです。でも、妹が言ったのを思い出したのです。『どうせだったら、雨じゃなくて飴が、甘くて美味しいキャンディーが降ってくればいいのに』って」

「それでお姉ちゃんは、なんて返してあげましたの?」
8 : おやぶん   2022/07/08 12:04:06 ID:4mn.FRrPSM
「そんなことあるわけないじゃんって」

まつりは力なく笑った。
生気のない笑い方。それもまた珍しいに違いなかったが、千鶴の心は窓辺に立つまつりを見た時のように動かされることはなかった。
意外なほどに落ち着いて、千鶴はまつりに問いかける。

「今のまつりだったら、どういうふうに返しますの?」

「ほ?………ほ?」

「たとえば、まつりに、ええ、お姫様に憧れる小さなファンの子にそうした話を振られたのなら」

「それだったら―――きっとこう答えるのです。それは素敵な魔法なのです、けれど当たったら痛いだろうから、みんなが困っちゃうかもって」

「じゃあ、まつり姫ちゃんの魔法で、ふわふわ空から降ってくるようにするのはどうかな?ね?」

「千鶴ちゃん?」

突然、千鶴が少女じみた口調になって、まつりは戸惑う。

「そんなふうに言う子供もいるかもしれませんわ」

「………うん」

素直にもまつりがそう言って肯くどころか、俯き気味になるものだから、今度は千鶴が動揺する番だった。

「えっと、違いますわよ?わたくしはべつに、まつりに意地悪したいわけではありませんの」
9 : der変態   2022/07/08 12:04:20 ID:4mn.FRrPSM
「わかっているのです」

さっと顔を上げたまつりは苦笑いで応じる。

「ごめんなさいなのです。いきなり、変な昔話、オチもヤマもない話をしちゃって」

「謝ることはないですわ。まつりらしくないですわよ?」

「まつりだって悪いと思ったら謝るのです」

「いえ、そういうことを言いたいのでは……」

「千鶴ちゃん、心配してくれているんだよね」

「え?」

虚を突かれたふうに、千鶴は訊き返す。

「窓の外を眺めてぼんやりしているところ、見られちゃっていたみたいだから」

ハーブティーを飲みながら話していた時から、千鶴が何か言いたそうに、訊きたそうにしていたとも、まつりは言い足す。
10 : Pちゃま   2022/07/08 12:04:33 ID:4mn.FRrPSM
「あのね、そんな大したことではないのです」

「もしかして……妹さんと関係ありますの?」

幼い頃の雨の日の記憶、妹との些細なやりとりと自嘲気味な笑み、そうしたものを根拠に千鶴は当たりをつけて訊ねてみた。
すると、まつりは「大したことではないのですよ?」と繰り返したが、どうやら肯定の意のようだ。

「先週、まつりたちの定期公演があったのは千鶴ちゃんも知っていると思うのです」

「もちろんですわ。妹さんも観に来てくださっていましたの?」

「観に来る予定だったのです。でも当日の朝になって、行かないって」

千鶴はまつりの妹を非難しそうになるのを堪えた。
もしもここでまつりの妹を悪く言ったところで事態が好転するとは思えず、また、まつりがそれを望んでいるとも思えなかった。
そもそもやむを得ない理由があったと考えるほうが自然なのだ。でも「行かない」って……。

「それで公演後に、妹さんとは話を?」

「昨日やっと、面と向かって話す機会を作れたのです」

「そうしたら?」

「風邪を引いていたみたいなのです」

「えっ?だとしたら、『行かない』ではなく『行けない』なのでは……。ん?『引いていた』って、つまり……」
11 : Pさぁん   2022/07/08 12:04:46 ID:4mn.FRrPSM
「公演の数日前から風邪気味だったのです。でも、そのことをまつりに隠していたのです。他の家族にも」

「まつりに心配をかけたくなかったから、ですわよね」

「本人は『公演当日までに治す自信があったし、べつに治らなきゃ行かないつもりだったから』なんて言っていたのです」

「その言葉を信じているわけではありませんわよね?」

他人の家庭事情に無暗に首を突っ込むのが不躾だとはわかりつつも、千鶴はただ聞いていることができなかった。
いくら他人でも、それは赤の他人というのは違う。大切な仲間なのだ。

「重要なのは、妹が今になって、どんなふうに言い訳をしたり取り繕ったりしているかではないのです」

「でも妹さんはきっとまつりのことを……」

「まつりは、気づいてあげられなかったのです」

「!」

「いくら反抗期の妹だとしても、当日の朝になってキャンセルだなんて……まつりたちやスタッフさんたちがその日のために一所懸命に努力して、あれこれと準備して、手配して、そしてたくさんのファンたちがお金を出して観に来てくれる、そんな公演をいい加減な理由で断りはしないって信じているのです。一カ月前に誘ったのはまつりからだけど、でもちゃんと来てくれるってその時は約束してくれたのです」

そこまでを、ほとんど一息でまつりは話した。まつりには妹のことを責める気持ちは微塵もないのだと千鶴はわかった。
体調が悪いのならそういうふうに断ってほしかった、と言うこともなかった
察するに、公演中だってまつりは―――1人のアイドルとして、プロとしてステージに立っていたとしても―――妹のキャンセルについて思いをめぐらす瞬間があっただろうに、そのことでひょっとするとダンスの一部分をミスすることだってあったかもしれないのに、それでもまつりは今、「気づいてあげられなかった」とはっきり口にした。
12 : do変態   2022/07/08 12:05:25 ID:4mn.FRrPSM
「妹はまだ、まつりがアイドルであることを快く思っていないふうなのです」

「それはまつりのことが、ようはお姉ちゃんが好きだからこそでしょう?遠くに行ってしまうのが嫌なのでありませんこと?」

そう言ってから、不用意に知ったようなことを口走ってしまったのでは、と千鶴は思った。

「けどね、千鶴ちゃん。そうした気持ちが仮にあったとしても、遠く離れたって、それでもまつりは妹のことを気に掛けている自負があったのです。だって、まつりはお姉ちゃんだから」

「まつり………」

「それなのに、わかってあげられなかったのです。あのね、公演当日に、あの子は自分で電話をかけてきてくれたのですよ? 今日は行かないって。なんで私、もっと耳を傾けなかったんだろう。咳の1つでも聞いていれば、妹の声に耳をもっともっと澄ませていれば、あの子が風邪を引いているのがわかったはずなのに」

敢えて詳細を語らずとも、電話口でまつりが妹に対して、その素行を正すような発言をしたのが千鶴には察せられた。
信じているといっても、普段通りにその声が聞こえたのであれば、まつりだったら、そうだ、妹に対してアイドルであるより先に姉として自覚のあるこの子なら、急にキャンセルを申し出た妹さんに叱責するような言葉を1つ、2つ口にしたっておかしくないではないか。
もちろん、それと同じか、それ以上にまつりから妹が来てくれないことを残念に思う気持ちが込められた言葉だって出てきただろう。
妹さんはもっと早くにまつりに、家族に自分の状態を言うべきだった。それがたとえ公演を控えた姉を心配させたくない妹なりの気遣いであっても。
まつりとは違い、千鶴はそう結論付けた。
13 : プロデューサーくん   2022/07/08 12:05:41 ID:4mn.FRrPSM
テーブル上で、千鶴は右手を使い、握りしめられているまつりの左手、その甲を手のひらで覆った。
まつりの握り拳、その強張っている様、微かに震えさえもしているのが千鶴にまつりの緊張を伝えた。
思えば、まつりがPに対して以外に相談らしい相談をしているのを見聞きした覚えがかなり少ない。
千鶴は、ふぅと小さく溜息をつく。

「千鶴ちゃん……?」

「姉妹そろって不器用ですわね」

「そ、そんなことないのです」

「ねぇ、まつり」

千鶴は右手でぎゅっとまつりの左手を包み込む力を強めた。

「姉妹だろうが、家族だろうが、わからないことはありますわ。自分のことだって全部はわからないですもの。すべてを知ろうだなんて驕りですわ」

「でも、」

「でもじゃありませんの。まったく、何が大したことではないのですー、ですの。見蕩れた自分がなんだか恥ずかしいですわ」

「え?」

「ん、ん。いいですこと?今日はわたくしが、まつりに魔法を、ええ、セレブな魔法をかけてさしあげますわ!」

「セレブな魔法……?」

そこには、きらきらとした子供らしい表情はなく、訝しく思っているのを隠さない19歳の女の子がいた。
だが、そんなことで挫ける千鶴ではない。
14 : 高木の所の飼い犬君   2022/07/08 12:05:57 ID:4mn.FRrPSM
「そうですわ。えいっ」

「きゃっ」

カップを倒さぬように、でも変に抵抗されないように、千鶴はまつりを前に引っ張った。
そうして千鶴も前に乗り出すようにして、自由な左手を使い、まつりの頭を撫でる。

「ち、千鶴ちゃん?」

「まつり――――あなたは気負いすぎですわ。たまには劇場の仲間に、お姉さんに甘えてもいいんですのよ?」

「それは、そうかも、だけど」

「大丈夫ですわ。まつりが優しいのをわたくしたちは知っています。それを妹さんが知らないわけないと思いますわ」

「………だといいけれど」

「姉として、アイドルとして、それよりも前に徳川まつりとして。あなたにもいろいろあるでしょうけれど、わたくしはまだまだあなたのことを知りたく思いますの」

「そうなのです?」

目をぱちくりとさせるまつり。この流れでそういう言葉をかけられるのが意外だという顔だ。
15 : プロヴァンスの風   2022/07/08 12:06:44 ID:4mn.FRrPSM
「ええ、そうですわ。まつり、月並みな言葉になりますが、止まない雨はありませんし、雨が降らなければ虹が架からないとも言いますわ」

「……うん」

「だから――――しゃきっとしなさいな。何かあればいつでもわたくしを頼りなさい。話すだけでも楽になりますわよ。やっぱり、あなたに曇り顔は似合わないですもの、わたくしでよければいくらでも力になりますわ!」

そこまで言うと、照れ臭さもあってか千鶴は、まつりの頭を撫でるのを止め、手を離して距離を置こうとする。
しかしまつりが、指をきゅっと絡めてくる。予想外の行動に、目が点になる千鶴。

「ありがとう、千鶴ちゃん。セレブな魔法、とっても効き目があったのです」

「そ、それはよかったですわ。えっと、まつり?手を……」

「お返しにまつりからも魔法をかけてあげたいのです」

「はい?」

「ほら、千鶴ちゃん、目を閉じて――――?」

「ええっ!?」

「早く。ね?」

まつりが指を絡める力を強くして、心なしか千鶴が引っ張った時よりもずっと前のめりに、つまりは、2人の距離がテーブル越しだというのに、かなり近づいている気がした。
千鶴は、まさかと思いつつもまつりが言う「お返し」を予期した千鶴の心臓は鼓動を慌ただしいものとする。
いやいや、そんなと頭ではわかっていても、いざまつりの整った顔立ちがこうも近づくと、うまく言葉が紡げない。
完全にまつりに主導権が移ったのがわかった。観念して、千鶴がそっと目を閉じたその6秒後、ふわりと千鶴の右手の感覚が変わった。
16 : 我が下僕   2022/07/08 12:07:07 ID:4mn.FRrPSM
「ありがとう、千鶴ちゃん。また、明日なのです♪」

まつりはいつの間にか、カップを両手に持って給湯室方面の出入り口の側に立っていて、満面の笑みそう言うのだった。微かに顔を赤らめていた。
ぽかんとする千鶴。瞬間移動とすら勘違いするような鮮やかな手際、足運びであった。
からかわれた、と千鶴が思い至るまで少し時間がかかった。それから、ああいう照れ隠しも、器用というか不器用というか、可愛いものだと結論付けるのにはもっと時間がかかった。

「あ………雨が」

千鶴は座ったまま窓の外を見やる。
まだ暗い。けれど、雨音は止んでいた。一時的なものかもしれない。それでも雨は確かに止んだ。

「これは――――」

千鶴は右の手のひらに、包装された飴玉を見つける。
瑞希じゃあるまいし、まつりったらいつこんな手品みたいな芸当、身につけたのだろう。
そんなことを飴玉を舐めながら考える千鶴も、どことなく陽気な笑みを浮かべているのだった。


おしまい

17 : 魔法使いさん   2022/07/08 12:09:04 ID:4mn.FRrPSM
以上です
変化球多めな気がしたので、しっとりとした直球で勝負しようかなと(できたとは言っていない)

18 : 監督   2022/07/08 21:08:59 ID:dXVqAFQ3jg
キレっキレですわ。刺さりました。
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