真「さっき、プロデューサーが『二階の事務所に戻っていてくれ』だって。遂に頭がおかしくなっちゃったのかな？」

春香「プロデューサーさんが頭おかしいのは放っておいて、ここは二階だよね」

真「えっ？」

春香「あれ？」

真「はぁー。春香まで…」

春香「いやいや、私はプロデューサーさんとは違うから！だってほら、階段昇ったら一番最初に着くの、この事務所じゃん！」

真「…窓の765のテープ見えるよね？」

春香「見えるけど」

真「外から見るとあのテープは何階？」

春香「………あれ？三階？」

真「そう、たるき亭のすぐ上はブラインドの階でその上が事務所」

春香「でもでも…」

真「階段を昇る時、踊り場はいくつあったか覚えてる？」

春香「三つ…」

真「それって、一階と二階の間、二階、二階と三階の間の計三つってことだよね」

春香「…うん」

真「つまり、この事務所があるのは…」

春香「三階です…。ああ～、真にこんなこと指摘されるなんて～」

真「どういう意味だよ、それ！」

雪歩「真ちゃん、春香ちゃん、はいお茶。なんのお話をしてるの？」

春香「事務所は何階なのって話。雪歩は何階だと思う？」

雪歩「えっ？三階だよね？」

真「だよねっ、雪歩！」

雪歩「というか、それ以外があるなら聞いてみたいかな」

春香「はいはい、私の認識が間違っておりましたよ…」

雪歩「えっ…」

真「あと、プロデューサーも」

雪歩「春香ちゃんたちは何階だと思ったの？」

春香「二階…」

雪歩「この建物、外から見たことないの？」

春香「ううっ…」

春香「じゃあさ！二人は二階はどうなってるか知ってるの？」

真「知らないけど」

雪歩「私も知らないかな。だけど、四階はうちの物置だし、二階もたるき亭の物置じゃないかな」

春香「それは違うよ。たるき亭のおじさんもおばさんも小川さんも、二階が765プロの持ち物だって思ってるよ」

真「理由は？」

春香「二階にいても三階にいるように騒がしくしていいからねって言われたから！」

雪歩「それって、たるき亭の人たちが、私達が普段いるのは三階だと思ってることだよね」

真「そこまで言われて、おかしいと思わなかったの？」

春香「……今は私の認識力の話をしてるんじゃないの」

真「じゃあ、なんの話をしてるのさ？」

雪歩「プロデューサーと春香ちゃんはお似合いって話？」

春香「プププ、プロデューサーさんと！そんなことあるわけ…あるの？」//

真「だって、同じ勘違いしてたし」

雪歩「ふふっ。春香ちゃん、顔が真っ赤」

春香「…いいでしょ、別に！私のパーソナルカラーなんだからっ！」

春香「それに、今はそんな話してないの！二階はなんなのかって話！」

真「そうはいっても、うちでもなければ、たるき亭でもない。他の人がはいってるんだよ」

春香「入り口がないのに？」

雪歩「う～ん。三階と同じように非常口があるはずだと思うからそこからかも」

春香「じゃあ、非常口から入ってみよう」

真「えっ？」

雪歩「それって、怒られちゃうんじゃ」

春香「だって、気になるよね？」

雪歩真「「うん！」」

春香「じゃあ、行こう！今すぐ行こう！」

※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※

春香「う～ん」

真「入れなかったね」

雪歩「何故か扉がないのはますます気になるね」

春香「なぜか出入り口がないのに、存在だけはしている二階……これは強硬手段に出るしかないね」

真「うん……」

春香・真「「穴掘り名人雪歩先生！よろしくお願いします！」」

雪歩「…そうだよね、そういう展開になるよね」

春香「って、雪歩ならいつも掘ってるから二階になにがあるか分かるじゃん！」

真「いやいや、最近の雪歩先生は別次元を掘ってるから」

春香「えっ？別次元？」

雪歩「うん。普通に掘ると迷惑になるからってプロデューサーと修業して別次元に？別次元を？掘れるようになったの。」

春香「どういうこと？」

真「さぁ？」

雪歩「えっとね、この私たちがいる次元と別の次元があるのは知ってよね。その次元の入り口をーーーー」

春香「ごめん、ぜんぜっんわかんない」

真「ボクも」

雪歩「つまり、私は穴を掘ってもこの世界を傷つけない方法を学んだの」

春香「ふふw、ポエミーな台詞w」

真「笑うなよ、春香。ボクだってつられてwww」

雪歩「ううっ～、こんな調子に乗ってポエム詠んじゃう私なんて穴掘って埋まってますぅ～！」ｻﾞｸｻﾞｸｯ

カァン！

春香真雪歩「！」

真「まさか、次元の壁すら掘る雪歩に掘れないなんて」

春香「ていうか、さらりと普通に掘ってる感じ、以外と冷静だね雪歩…」

雪歩「そんな…私に掘れないものなんてこの水の惑星（ほし）にはないはず…こっこれは！」

雪歩「ガンダリウム合金！」

雪歩「ううっ、どうせ私なんてザクのマシンガンぐらいの威力しか出せないんですぅ…」

真「落ち着いて、雪歩！ジムなら倒せるから！ね！」

春香「な、なんて？」

雪歩（ううっ、こんなものが実在するなんて聞いてないよ…）

雪歩（もう私なんてただひたすら倒されるやられ役しかできないんだ…ううっ）

真（駄目だよ…雪歩…そんなこと言っちゃ…）

雪歩（真ちゃん…どうして？）

真（雪歩なら出来るよ）

雪歩（出来ないよ。ガンダリウム合金なんてビームスコップでも持ってこない限り無理だよ！）

真（雪歩、君はひとりじゃない。みんながいる。ほら、みんなが見えるだろう）

雪歩（何を言ってるの？見えないよ！真ちゃん！）

真（見えるよ。さあ）

ｷｭｲｲｲﾝ

雪歩（見えな…！見えるよ、みんなが見える！）

ｷｭｲｲｲﾝ

春香「ガン何？ガンバ大阪？」

ｷｭｲｲｲﾝ

星井美希　記者会見会場

美希「ミキ、大阪でも頑張るの！」

ﾊﾟｼｬﾊﾟｼｬﾊﾟｼｬﾊﾟｼｬﾊﾟｼｬ

ｷｭｲｲｲﾝ

千早「今日の高槻さんも可愛いわね」ﾊﾟｼｬ

ｷｭｲｲｲﾝ

響「今日のやよいも可愛いなぁ」ﾊｱﾊｱ

ｷｭｲｲｲﾝ

伊織「今日のやよいも可愛いわ」●REC

ｷｭｲｲｲﾝ

やよい「ごめんなさい、貴音さん。誰かからつけられてる気がして、怖くて……」

貴音「いいのですよ、高槻やよい。はっ！」ﾋﾟｭｷｭﾙﾙﾙﾝ

貴音（犯人はいつもの3人ですね。それに萩原雪歩に菊地真、そして、読者の皆々様。今回のオチは破壊オチです）

やよい「どうしました貴音さん？」

貴音「いえ。では、お昼ごはんにらあめんはいかがでしょう？」

やよい「それはもういいかなーって」

ｷｭｲｲｲﾝ

あずさ「あらあら、ここがアームストロング広場？賑やかね～」

ｷｭｲｲｲﾝ

亜美「今だよ、ねぇさん！」羽交い締め

律子「ちょっと、亜美！」

真美「あ～、コチョコチョコチョコチョーー」

律子「ま、真美止め……wwwwwwww」

ｷｭｲｲｲﾝ

小鳥「雪歩ちゃんと真ちゃんが見つめ合ってる！これは濃厚なゆきまこよ～」

ｷｭｲｲｲﾝ

順二朗「ん？萩原君と菊地君と四条君の声が聞こえたような…」

プロデューサー「どうしたんですか？社長？」

順二朗「いやなに、聞き間違いか何かだろう………おお、いかんなぁキミィ」ｷﾞｭｯ

プロデューサー「ｲｯ」

順二朗「ここが縮んでしまってるじゃないかぁ」

雪歩（そうだね、真ちゃん。私はひとりじゃない）

真（なんか見ちゃいけないものがいっぱいあったし、オチもバラされちゃったけどね）

雪歩（人は変わることができる。そうだよね、真ちゃん！）

真（そうだね、じゃあいこうか！）

春香「あっ、終わった？　雪歩じゃ無理そうだから代わりの……」

雪歩「まだだよ、春香ちゃん。私に掘れないものはないから」

真「その意気だよ！雪歩！」

春香「雪歩？」

雪歩「あれをやるよ！真ちゃん！」

真「！　ええ、よくってよ！」

春香「なにを？なにこれ？」

雪歩「スーパー！」

真「イナズマ！」

雪歩真「「ディーグ！！」」

ﾋﾟｷﾋﾟｷﾄﾞｯｼｬｰﾝ

春香「穴があいた！」

真「凄いよ、雪歩！」

雪歩「や、やりましたぁ…」

春香「じゃあ、私から降りるね」ﾄﾞｻｯ

真「春香、どう？」

春香「暗くてよく見えないけど…位置的にスイッチはここかな」ポチッ

ピカッ

真「なんだこれ、机の上に水槽がいっぱい並べられてる」ｽﾄｯ

雪歩「水槽の中は、これはあさり？」ｽﾄｯ

？？？「いいえ、これはシジミよ！」

真「誰だ！」

春香「いや、シジミって言ったらあの子しかいないでしょ」

雪歩「琴葉ちゃん！」

琴葉「春香ちゃんに真ちゃんに雪歩ちゃん！よく来れたね」

春香「うん、雪歩がガンバ大阪を打ち破ったからね」

琴葉「そういう意味じゃないよ。よく私の前に平和そうな顔を出せたねって意味だよ」

真「それはどういう？」

琴葉「真ちゃんは昴ちゃんたちとシアターで野球に興じた、違う？」

真「野球？ぞうきんをボールに、ほうきをバットにしてやったことはあるけど」

春香「掃除の時間の小学生かな」

雪歩「高校生のやることじゃないよ、真ちゃん」

真「いいじゃないか！昴や環がやろうって言うから！」

琴葉「同学年として恥ずかしいわ」

真「うっ！」

琴葉「そして春香ちゃん」

春香「わ、私？私は何もしてないよ」

琴葉「セットの破壊」

春香「あっ」

琴葉「何もないところで転ぶ、これって逆説的には何かあるところだと転ばないって意味じゃないのかしら？」

春香「じ、事務所が勝手に言ってることだから、アハハ…」のワの

真「転ぶのが許されるのは小学生までだよね」

雪歩「公式設定ぐらい守ろうよ」

琴葉「17年以上言われてると思うけど、脳の病院に行った方がいいと思うかな」

春香「だって、私のアイデンティティだから！これ！」

琴葉「最後に雪歩ちゃん」

雪歩「ひうう…怖いよ、琴葉ちゃん」

琴葉「ポットの中身を勝手にお茶に変えたよね？」

雪歩「えっ、うん」

琴葉「…」

雪歩「そ、それで？」

琴葉「中にあったしじみ汁はどうしたの？」

雪歩「食器に移し替えたけど」

琴葉「そのあと、どうしたのかしら」

雪歩「冷蔵庫にいれたよ？あ！」

琴葉「そう！存在を忘れられたしじみ汁は腐っていたわ、冷蔵庫の中でね。これを涙と一緒に流しに流した私の気持ちは分かるかしら！」

雪歩「分からないかな」

真「駄目だよ雪歩。ここはウソでも分かるって言わないと！」

春香「そうだよ！一番怒ってるの、きっと雪歩に対してだよ！」

琴葉「3人への怒りは等しく同じです」

春香「あれれ…」

琴葉「3人には反省のためにお仕置きを受けて貰わないと。事務所でサッカーもしていたようだし」

真「いや、それは春香の勘違い……」

琴葉「問答無用！このシジミたちの……」

？？？「おはようございまーす！！！！」

？？？「こんなところに穴が！！！！」ﾋﾟｮﾝ

真「このデカ声は……」

？？？「春香さん！！！！あたしに破壊させたいものってなんですか！！！！」

春香「愛ちゃん！声を抑えて………」

愛「はい！！」

春香「もっと！」

愛「はい!」

雪歩「愛ちゃんに破壊させたいものって？」

春香「さっき雪歩じゃ床を破壊出来なさそうだったから呼んだんだけど……ごめんね、愛ちゃん。もうすんじゃったから」

愛「そんなぁ!あたし、春香さんの頼みだからお母さんとの対決も抜け出して来たのに……」

春香「本当にごめん！今度手作りクッキー持ってくるから」

愛「ほんとですか！！楽しみにします！！」

春香「う、うん……だから、声量をね……」

愛「あ、はい!ところで、雪歩先輩でも壊せなかったものって？」

琴葉「ガンダリウム合金よ。社長にこの部屋を頼んだらなぜかそうなったの」

愛「ガンダリウム合金……分かりました。このフロアを破壊します!」

春香真雪歩琴葉「「「「ええっ!？」」」」

春香「なっ、なんでそうなったの？」

真「そうだよ、この二階をなんで……」

雪歩「私なんか真ちゃんと皆の力を合わせてどうにかなのに、そんな凄すぎですぅ」

愛「それは……抜け出した対決でお母さん、ついにガンダムを出してきてて、歯がたたなくて……だから、この二階で特訓です！！」

春香「ガンダム……!?」

真「ガンダムなんて凄いや！さすが舞さん！」

雪歩「アイドルの対決かな、それ……」

愛「じゃあ、いまからやるので皆さん早く逃げて下さい！！！！」

春香「そんな急に逃げろって言われても……」

琴葉「じゃあ、私はシアターに帰ります」ﾄﾞﾛﾝ

真「そんなズルいよ！シジミを置いて……ってアレ？」

雪歩「既に持って帰った後みたい……」

春香「どうする？肩車すれば三階に届きそうだけど……誰が下をやる？」

真「……この中で一番重いの、春香だよね」

春香「それって私に下をやれってこと？」

真「そうだけど」

春香「もし私が下をするとして、私はどうやって上るのさ!?」

真「リボンを翼にして飛べばいいよ」

春香「飛べる訳ないでしょ!?」

真「じゃあ、なんで肩車なんて犠牲が必要なものを言ったのさ!?」

春香「しょうがないじゃん!?それしか思い浮かばなかったんだもん！」

雪歩「あのう、二人とも言い争っている場合じゃ……」

春香雪歩「「雪歩は黙ってて！！」」

雪歩「ううぅ、ひどい～！」

愛「じゃあ、いきます！！！！」

春香雪歩真「ちょっと待っ……」

愛「今日で連休はおしまいです！！！！！！！！明日は月曜日です！！！！！！！！！！！！！！！！！！！」

ﾌﾞｯﾋﾟｶﾞｱｱｱｱｱｱｱｱｱｱｱｱｱｱﾝ！！！！！！

建物の外にいるプロデューサー「真との打ち合わせがあるのに、社長とつい盛り上がってしまったな。急がないと……事務所の二階の壁が砕けて、三階以上が垂直に落下して三階建ての建物になっている……だと……！」

愛「やった！！！！……これでお母さんとの対決、まともに戦えそうながします！！！！行ってきまーす！！！！」ﾋﾞｭｰﾝ

春香「……そう……それは良かった……」ﾋﾟｸﾋﾟｸ

真「って……なんなんだ、あのセリフ……」ﾋﾟｸﾋﾟｸ

雪歩「……瓦礫に埋まってると穴の中並みに気持ちいいですぅ」ﾋﾟｸﾋﾟｸ

完

終わりです。以下反省文です。
琴葉でオチをつけるつもりでしたが、思いつかなかったので、リベンジをしたい所存です。
また、dsメンバーをメインに据えた話が出来なかった故にss祭に参加しなかったので、その代わりに愛ちゃんにオトして貰いました。あのセリフにした理由は愛ちゃんのイメージがあの方のネタだったためと、今の俺の気分をおすそ分けしようと思ったためです