――現在、世の中には奇病が多数存在する

――好きになった男性の上着の匂いをhshsする病気、恥ずかしいとチョップする病気、たいして暑くなくても衣服を脱いでしまう病気

――今回はそんなある奇病に罹患した、あるアイドルグループのちょっとしたどうでもいい話である

――事務所

ｶﾞﾁｬ

樹里「うーっす」

智代子「あ、樹里ちゃん、おはようクリスマス」

樹里「おう、チョコだけか？」

チョコ「うん、果穂と凛世ちゃんは学校クリスマス。夏葉ちゃんは撮影が終わったら来るってクリスマス」

樹里「そっか……じゃあ、暇つぶしにしりとりでもやるか」

樹里「まずは、『アーカンソー』……『そ』だな」

智代子『『そ』かぁクリスマス……『蒼龍』でクリスマス』

樹里「『す』か……『ストライクイーグル』だな」

智代子「なら『ルッツォー』クリスマス」

樹里「『鈴谷』」

智代子「『ヤークトティーガー』クリスマス」

樹里「『スーパーホーネット』」

智代子「『トライアンフ』クリスマス」

樹里『また『す』か……「涼月」』

智代子「『キアサジー』クリスマス」

樹里「……」

智代子「……？」

樹里「って、その語尾に『クリスマス』ってつけるのは何なんだーっ！！」

智代子「やっと気がついたのクリスマス！？」

樹里「最初から気づいていたわ！」

智代子「じゃあ、突っ込んでよクリスマス！」

樹里「いや、新手のドッキリか何かと……」

智代子「微妙だけど、気遣いありがとうクリスマス！」

ちょじゅ『『クリスマス』と語尾に付けてしまう病！？』



夏葉「えぇ、最近発表された病気ね」

凛世「はしか……みたいに割と治りは早いみたい……ですね」

果穂「チョコ先輩、病気なんですか？痛くありませんか？」

智代子「大丈夫だよクリスマス。ちょっと語尾が変な以外はクリスマス」

樹里「違和感しかねぇなぁ……」

凛世「クリスマスまでには……完治する病気みたいですね……」

夏葉「つまり、レッスンには支障がないわけね」

夏葉「気分転換になるから、1kmダッシュを10本やるわよ！」

智代子「ちょ、夏葉ちゃんクリスマス？！」ｽﾞﾙｽﾞﾙ



ｱｰｸﾘｽﾏｽ!



樹里「……とんでもない病気もあるんだな」

凛世「はい……」

お仕事あるの忘れてた

ちょっとＳＳは中断して怒られてきます

とにかくすごい語尾だ

呼ばれるまで続けます

――しかし、彼女の病状が回復することはなく



――むしろ、着実に悪化していった

智代子「クリスマス、クリスマス！」

凛世「ええと……もしライブまでに直らなかったら、私を外してみんなで……と」

夏葉「バカ！……智代子を置いてそんなことできないわ！」

果穂「そうです！私たちはみんな揃って放課後クライマックスガールズなんです！」

果穂「チョコ先輩だけ除け者だなんて……そんな風にはさせません！」

智代子「クリスマス……」ｸﾞｽﾝ

凛世「果穂さん……ありがとう……と」



樹里(突っ込みたい状況だが、智代子の気持ちがわからんわけでもねーしな……)

凛世(はい……もし凛世が……プロデューサー様に述べる愛の言葉がクリスマスになってしまったら……)

凛世(バナナを凍らせ……自決します……)

樹里(こえーよ！つか、人の思考に入ってくんなよ！)

凛世(それは……大変失礼を……)

樹里(とはいえ、何か原因とかがわからんと……)



智代子「クリスマス……」ｸﾞｽﾝ

ﾋｮｲ

ﾊﾟｸﾊﾟｸ





樹里「ん……？」

樹里「おい、智代子。今摘んだのは何だ？」

智代子「クリスマス？！クリスマスクリスマス！！」
(え？！な、何も摘んでなんかないよ！)←凛世の同時通訳(以下表記略)

樹里「夏葉には黙ってやるからさ。な」

智代子「クリスマス……クリスマスクリスマスクリスマス！」
(えっと……近くの露天のお店で売ってたクリスマス限定チョコだよ！)

樹里「露天だぁ？」

智代子「クリスマス……」
(えっとねぇ……)



〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ﾎﾜﾝﾎﾜﾝ

――病状が発生する一日前

『さぁさぁ、いらっしゃーい！一ノ瀬印、クリスマス限定チョコだよ〜』

智代子『クリスマス限定！？』

『にゃはは〜そだよーん』

『これがあれば、体力回復気力充実心労防止食欲増進安産祈願脂肪吸引勇猛果敢支離滅裂。何にでも効果があるよ〜』

『なんてったって、この志希ちゃんが配合した特製の「島村卯月、頑張ります」なお薬が入ってるからね〜』

智代子『買います！全部買います！』

『毎度あり〜』ﾁｬﾘｰﾝ



智代子『それじゃあ、いただきまーす！』ｱﾑｯ

智代子『ん、おいしーい！』ｱﾑｯ

智代子『も一個』ｱﾑｯ

智代子『これは止められないよぉ！』ｱﾑｯ

ｱﾑｯ

ｱﾑｯ

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ﾎﾜﾝﾎﾜﾝ

智代子「……クリスマス、クリスマス？」
(……ね、怪しくなんかないよね？)

樹里「……」



樹里「……どう思う？」

夏葉「……怪しいわね」

果穂「悪の組織の匂いがプンプンします！」



智代子「く、クリスマス！？」
(な、夏葉ちゃん！？)

夏葉「あら、さっきから同じ部屋にいるのに聞こえないと思ってるのかしら？」

果穂「悪であるなら見過ごせません！さぁ、みんなで行きましょう！」

智代子「クリスマスぅ……」
(ふぇぇ……)



樹里「自業自得だな」

凛世「はい……」

――後に判明したが、某事務所のアイド……女の子が、担当プロデューサーの気を引くために作った媚やk……薬の調合に失敗し、処理の為作った代物ということらしい

――次の日

智代子「おはようございます！」

果穂「あーっ！チョコ先輩が元通りになってます！」

樹里「やっぱ、あのチョコが原因だったか」

智代子「えへへ……お騒がせしました」

凛世「ほっとりんぜ……ですね」

樹里「とりあえずクリスマスライブには間に合いそうだし」

智代子「ごめんね。さぁ、夏葉ちゃんに何か言われる「…智代子」

智代子「ひっ……」





夏葉「智代子？」ｽﾞｰﾝ

智代子「ひぃ！！」

夏葉「さ、体重計を持ってきたわ。早速だけど、乗ってちょうだい」

智代子「あ、あの……そ、そうだ！ライブのレッスンがあるからダイエットはちょっと……なーんt「智代子」は、はい！」





夏葉「レッスンと体調管理は両立できるわよ」ﾌﾌｯ



智代子「」





――その日からしばらくの間、少女の悲鳴は響きっぱなしだったそうな



凛世「めでたしめでたし……」

――おしまい

皆さんも怪しいお店には近づかないようにしようね

では、ありがとうございました

失敗作を処理するなら普通に処分するだろう
つまり経過観察が目的の確信犯であり失敗作ではない