P「劇場の廊下を歩いていると一冊のノートを拾った」

P「MESHINOTE（メシノート）？持ち主の名前は…書かれていないな」

P「まあ、誰のものかは大体見当はつくけど、一応確認っと」ﾍﾟﾗ

P「なになに…」

・このノートに書かれた料理ができあがります！
・書かれる料理のイメージが頭に入っていなくても問題なし！


P「まあ、誰の落とし物かはわざわざ言わなくてもわかるよな」

？？？「…拾いましたね？」

P「だ、誰だ！？」

佐竹美奈子？「おめでとうございます！あなたはそのノートの所有者に選ばれました！」

P「やっぱり美奈子か…」

美奈子？「違いますよ！よく見てください！」

P「…あれ？美奈子、なんで足が地面から浮いて…？」

美奈子？「ふふふ…実はわたし、食神なんです！」ｴｯﾍﾝ

P「食神？」

食神「はい！お料理系アイドルたちのもっとたくさん食べてもらいたい！という気持ちに応えて生まれた存在なんですけど、今回は劇場の魂ちゃんがなんやかんやして顕著させてくれました！…美奈子ちゃんの姿を借りているのは劇場で一番思いが強かったからです」

食神「それより！プロデューサーさんはそのノートを拾ったので私の姿が見えるようになったんです！そのノートに書き込めばプロデューサーさんが食べたい料理がいつでも食べられますよ！」

P「なんかどこかで見たことがある設定のノートだな」

c 食神「気のせいです。さあ、早く書き込んじゃってください！ほらほら！」

P「そうだなあ、ちょうどお昼だしなあ…」ｶｷｶｷ

食神「わっほーい！ふむふむ…チャーハンですね！それじゃあ、少々お待ちくださいね」ﾋｭﾝ

P「一瞬で消えた…。幻覚じゃないよな？一体なんだったんだ…」

？？？「あの、プロデューサーさん？」

P「あ、美奈子…こっちは本物か」

美奈子「本物？なんのことですか？」

P「ああいや、こっちの話。それで、どうしたんだ？」

美奈子「なんだかプロデューサーさんがお腹を空かせているような気がして…チャーハンを作ってきたんです！」ﾄﾞﾝ!!

美奈子「おかわりもありますから！食べたくなったらいつでも言ってくださいね！」

P「お、おう。ありがとう」

美奈子「それじゃあ、私はレッスンがあるので。失礼します！」

P「…どういうことだ？」

食神「ふっふっふ…これがメシノートの力ですよ！」ﾋｭﾝ

P「うおっびっくりした！」

食神「このノートに書き込んだ料理は、必ず美奈子ちゃんが作ってくれるんです！もちろん美奈子ちゃんが可能な範囲と時間で、ですけど」

P「なるほどなあ」

食神「そういうわけなので、食べたい料理がある時はいつでも書き込んでくださいね！聞きたいことがあればいつでも呼んでください！それでは！」ﾋｭﾝ

P「消えてしまった。それにしても、相変わらずの量と味だ」ﾓｸﾞﾓｸﾞ

ー数日後


P「ふう。午前中の仕事はとりあえずひと段落だ」

P「手を休めると急にお腹が空いてきたな…」ﾁﾗ

P（あの日手に入れたこのノート。あれから何度か検証してみたり、食神から教えてもらってわかったことがいくつかある）

P（ひとつめは美奈子が俺の近くにいる時じゃないと効果は発揮しない。例えば夜や別の現場にいる時など、物理的に作って持ってくることができない時は無効のようだ）

P（次に美奈子が知らない料理は作れない。まあ、美奈子が知ってる料理の範囲が広いので大体は作ってもらえるのだが、流石に創作料理などは無理なようだ）

P（そして、このノート。これらのことさえ守れば思った以上に好き放題書くことができる）

P（例えば料理に入れる材料など、細かい指定をすればその通りに作ってきてくれるようだ…そこで今日は試したいことがある）

食神「どうですか？使い慣れてきましたか？」ﾋｭﾝ

P「うぉっ！相変わらずいきなり出てくるな」

食神「気をつけてくださいね？私の姿はそのノートを持った人にしか見えないんですから。側から見ると変な人ですよ？」

P「そういうところまで某ノートとそっくりだな」

食神「気のせいです！それで、今日は何を書くか決めたんですか？」

P「ああ、今日はもう決めてあるよ」ｶｷｶｷ

食神「なになに…えっ」

『チャーハン。量は少なめで』

P（そう。美奈子の料理といえば、並盛りでもあのサイズ。美味いけど俺の胃がもたない）

P（そこで、細かい指定ができるのなら量を減らすことができるのではないのだろうか。そう考えたのだ）

食神「あの、プロデューサーさん。本当にいいんですね？」

P「うっ、なんだよ…今日はそんなに入りそうにないんだよ」

食神「…しーらないっと」

P(そう言い残して食神は消えた）

美奈子「プロデューサーさん！チャーハン食べませんか？」

P「おお、美奈子。ありがとう、いつも助かるよ」

P（量は…おお、いつもより少なめだ！）

P「美奈子、いつもより量が少ないみたいだけどどうかしたのか？」

P（まあ、俺が指定したんだけど）

美奈子「うぇっ！？それは…その…その方がいいのかなーって気がして…」

P「そうか…って美奈子！？なんで泣いてるんだ！？」

美奈子「えっ！？やだ、私！なんで！？」ﾂｰ

美奈子「あはは…ごめんなさい！失礼します！」

P「あ、ちょっと待ってくれ！…行ってしまった…」

食神「…今のはプロデューサーさんが悪いですよ」

P「どういうことだ？」

食神「そのノートに書けばプロデューサーさんの好きなように指定できますよ？けど、縛れるのは行動だけです。そして、美奈子ちゃんが嫌がることを強制させたんですから当然です」

P「そうか…俺は…」

P（それ以降、俺と美奈子とはギクシャクした状態が続いていた）

P（そのせいもあって、ノートはあれ以降使っていない。お互いに顔を合わせるのが気まずい気がしていたからだ）

P（そんなある日。いつもの過労が祟り、熱を出してしまったー）

P「ーすみません。ということで今日はお休みをいただきます」

P「ーはい。その件はよろしくお願いします」

P「ふう。とりあえず連絡は終わった。あとは安静にして…そういえば、食べるものあったっけ」

P「正直動くのも怠いんだけれど…うわあ、見事に何もない。最近家で食べることも少なかったからなあ…」

P「ーすみません。ということで今日はお休みをいただきます」

P「ーはい。その件はよろしくお願いします」

P「ふう。とりあえず連絡は終わった。あとは安静にして…そういえば、食べるものあったっけ」

P「正直動くのも怠いんだけれど…うわあ、見事に何もない。最近家で食べることも少なかったからなあ…」

食神「お困りのようですね？」

P「うわっ！どこでも出てくるんだな…」

食神「神様ですから！それより、そこにいいものがあるじゃないですか」

P「…ノートのことか」

食神「それに書けば、プロデューサーさんが今困ってることは解決しますよ？」

P「いや、俺の都合で呼び出すのも悪いし」ｸﾞｩｰ

食神「…体は正直みたいですね！」

P「美奈子の姿でその言い方はやめてくれ…」ｶｷｶｷ

『おかゆ』

P（あれからちゃんと話せていないし、ちょっと気まずいんだけど）

食神「気まずいって思ってませんか？」

P「心も読めるのかよ…」

食神「神様ですから！…あれは完全にプロデューサーさんが悪いんですから、ちゃんと覚悟決めてください！」

P「わかったよ…」

ーピンポーン！

P「えっもう来たのか！？」

食神「噂をすれば、ですね。さ、お邪魔虫な私は退散してますから、あとはプロデューサーさん。頑張ってくださいね！」ﾋｭﾝ!

P「あっ！待ってくれ…はあ、覚悟を決めるか」

P「…はい」ｶﾞﾁｬ

美奈子「あっ！プロデューサーさん！…その、過労で熱を出したって聞いて…」

P「ありがとう、なんとか元気だよ」

美奈子「よかったあ。それで、お昼持ってきたんですけど…」

P「ありがとう。ちょうど食材が切れててどうしようかって思ってたところなんだ」

美奈子「わっほーい！それじゃあ、失礼しますね！」

P「えっ？昼飯持ってきたって…」

美奈子「持ってきたのは食材です！体調が悪い時は出来立てが一番ですから！ささ！プロデューサーさんはリビングで休んでてください！すぐに用意しますね！」

ートントントン

P（キッチンから美奈子が使っている包丁の音と空腹を刺激する匂いが伝わってくる）

美奈子「はい、特製中華粥です！召し上がれ♪」

P「……」

美奈子「？どうしたんですか？」

P「いや、量はいつもより少ないんだなって思って」

P（そういえば今回は何も細かい指定をしてなかったな）

美奈子「…体調が悪い人はこれくらいで十分ですよ。その様子だと、朝から何も食べてなさそうですし、いきなりたくさん食べると胃がびっくりしちゃいますから」

美奈子「そ・れ・に！プロデューサーさんが元気になったらまたいっぱい食べさせてあげます！」

P「…ありがとう。いただきます」ﾓｸﾞﾓｸﾞ

P「…うん。美味しい」

P(シンプルだけどスプーンが止まらない。むしろまだまだ食べたいと思える味だ！）

美奈子「ふふっ♪食欲は大丈夫そうですね」

P「ああ、いくらでも食べれちゃいそうだよ…おかわり！」

美奈子「…よかったあ」

P「ん？何がだ？」

美奈子「この前チャーハンを少なめに作って行った時、もしかしてプロデューサーさんが私の料理に飽きちゃったのかなあって思ってしまって…今日も来る途中にやっぱり迷惑なのかなあって思いながら、でもプロデューサーさんが困ってると思うと止まれなくて…」

P(そうか。あの時俺が軽はずみであんなことをしたから…今日だって俺があのノートに書いたからうちに来ることになったのにこんなに思い詰めさせてしまったのか…）

美奈子「でも、今プロデューサーさんが美味しそうに食べてくれたところを見てるとそんなこと吹っ飛んじゃいました！」

P「当たり前だろ。美奈子の料理に飽きたことなんて一度もないよ」

美奈子「…本当ですか？」

P「ああ」

P(それに忘れていたよ。美奈子は今日みたいに普段からこっちに気を配って作ってくれているってことを！）

P「だから、美奈子がよければだけど、これからも、差し入れを作ってほしいんだ」

美奈子「もちろんです！これからも、プロデューサーさんのためにいっぱい、差し入れ作って来ますから！」

P「ありがとう。また明日から楽しみだよ」

美奈子「わっほーい！！けど、今日はこれだけですよ？」

P「ええっ！？」

美奈子「またプロデューサーさんが元気になって、お腹が空いた時にたっくさん差し入れを持って行きますから！楽しみにしていてくださいね！」

P(その後、動けない俺の身の回りのお世話を一通りして、美奈子は帰っていった。帰る頃にはすでにあの件から引きずっていた気まずさは完全になくなっていた）

P（気づけば、だいぶ体調は回復していた。この調子だと明日は問題なく、出社できそうだ）

P（明日の美奈子は何を作ってきてくれるだろうか。今から楽しみだ！）

食神（…ふふっ。これにて一件落着。でもプロデューサーさん、ひとつ勘違いしてますよ？）

食神（言いましたよね？このノートは書いた時点で美奈子ちゃんが近くにいないと効果がないんです。それに、食材のまま持ってくるっていうことも本来ありえません）

食神（つまり、プロデューサーさんがノートに書くよりも先に、美奈子ちゃんが食材を持ってプロデューサーさんのお家の近くまで来ていたんですー）

食神（今日のことは全て美奈子ちゃんが自分の意思でやったことなんです！私もノートも何もしていません！）

食神(ーさて。今回は美奈子ちゃんの想いが届いて、プロデューサーさんの元に“たまたま”ノートを落っことしてしまいましたが、この劇場にはまだまだお料理を食べてほしいと思っているアイドルたちがたくさんいるみたいです。今度はそのアイドルたちの気持ちに応えて、あなたの元に落としてしまうかもしれません）

食神(このノートをどう使うかはあなた次第！ぜひ、ステキなお話を見せてくださいね！）

食神(って、いってる間にまたノートを落としちゃった！？というわけで、私は次の現場に行ってきます！次は誰の思いが通じるのかなあ〜）

終わり…の前にセリフを一点修正させてください。

修正前
食神「はい！お料理系アイドルたちのもっとたくさん食べてもらいたい！という気持ちに応えて生まれた存在なんですけど、今回は劇場の魂ちゃんがなんやかんやして顕著させてくれました！…美奈子ちゃんの姿を借りているのは劇場で一番思いが強かったからです」

修正後
食神「『私の料理を食べてほしい！』という気持ちに応える存在なんですけど、今回は劇場の魂ちゃんがなんやかんやして顕著させてくれました！…この姿は今回私にまでその思いが届いたのが美奈子ちゃんだったからです！」

今度こそおしまい
お目汚し失礼しました

乙



とりあえず燃やそう（ﾏﾃ

>>41
乙っした
訂正ついでなんだけど、顕著(けんちょ)じゃなくて顕現(けんげん)じゃないか？

乙です！
Pはなんで女体盛り注文しないんだろ
って考えてしまう俺の心は少し汚れているかもしれない

>>45
少しどころじゃないよ！真っ黒だよ！

おかゆで中華粥が出てくるってことはパスタと書くと橘流イチゴパスタが出てくる可能性もあるんだよね
何を書いてもイチゴが+αされてくる橘流メシノート…

乙んご

こんな危険な紙は不燃ごみで出さないと……

>>44
ｱﾞｱﾞｱﾞやらかしたｱﾞｱﾞｱﾞｱﾞｱﾞ
適当に脳内補完しといてください…
管理人ちゃがもしまとめるなら修正して♡

>>47
ノートとは関係なく最初から美奈子が中華粥を作るつもりで準備してたので実は今回は効力を発揮してませんが、書いた内容がざっくりとしてる場合は料理する側の認識次第なので可能性はありますね…

いい話っぽく締めてるけどそもそも美奈子の料理がマジキチなことに変わりないので複雑な気持ちになる

ご飯少なめって書いた程度で起承転結の転、シリアスパートに移行するのは草
さすが美奈子
面白かったです

>>48
次の犠牲者が増えるだけなんでもっと適切に処理してください