◇反省

奈緒「加蓮！ポテト食べすぎだ！」

加蓮「まだこれ2本目だよ？」

奈緒「メガ盛りポテト二箱目の2本目だろ！？それに塩分摂りすぎだって注意されただろ！」

加蓮「……分かったわよ、そこまで言うなら食べるの止めるわよ」

奈緒「お、おう……、あたしこそ言い過ぎたよ」

加蓮「それから、タバコもやめる、お酒も控える」

奈緒「はっ？」

加蓮「そうだ、健康のためにウォーキングも始めるね」

奈緒「待て待て！飲酒と喫煙もしてたのかよ！？」

加蓮「してるわけないでしょ！バカじゃないの！」

奈緒「なんであたしが怒られてるんだ！？」

◇冬優子とクソボケプロデューサー

冬優子「おっそいわねアイツ……」イライラ

P「冬優子！遅くなってごめん！」

冬優子「遅い！何やってたのよ！次の現場入り遅れちゃうでしょ！」

P「迷ってて……」

冬優子「何度も来ているスタジオでしょ。道に迷うのおかしいでしょ」

P「いや、迎えに行こうかどうか迷ってて」

冬優子「そんなことで迷ってんじゃないわよ！」

P「すまない、バイトがあるから余計に迷ってて」

冬優子「本業を疎かにするんじゃないわよ！」

P「あっ、そうだ。メロンパン買ってきたんだ。食べるか？」

冬優子「しかも寄り道してるじゃないの！時間がないのよ！」

P「そうだな、すまない……」

冬優子「とにかくっ。時間ないから早く移動するわよ」

P「ああ、分かった」

ピリリリリ

P「あ、電話だ。もしもし」

P「……何を言っているんだ、こっちは忙しいんだ」ピッ

冬優子「どうしたのよ」

P「いたずら電話だよ」

冬優子「いたずら電話？」

P「ああ。がやがや大騒ぎしてて電話の主から『明日来てくれるかな？』って言われた」

冬優子「それ《笑っていいとも！》じゃないのよ！しかもテレフォンショッキング！」

P「わ、笑っていいとも？ははっ、冬優子なにを言っているんだ。いいともが終わって何年経ったと……」（※放送自体は2014年に終了しています）

冬優子「年末特別企画ってことで期間限定で復活してるのよ。何で知らないの？」

P「最近バイトが忙しくって……」

冬優子「本業に支障が出てるじゃないの。さすがにタモさんもびっくりしてるわよ」

P「そ、そうだ。こちらからかけ直せば」

冬優子「かけ直してきたゲストなんて見たことないわよ！」

◇お化け屋敷

奈緒「いやー、久々に来たけど遊園地楽しいな！」

美奈子「そうだね～」

奈緒「あっ、美奈子あれ見てみ？」

美奈子「なになに？」

奈緒「お化け屋敷やて。この遊園地の名物らしいで」

美奈子「お化け屋敷……」バターン

奈緒「美奈子！？」

奈緒「大丈夫か！？美奈子！」

美奈子「ごめんね奈緒ちゃん……。怖くって、つい……」

奈緒「怖いの苦手やったもんな……。ごめんな、別のアトラクション行こか」

美奈子「う、ううん。奈緒ちゃんが行きたいならついていくよ」

奈緒「……大丈夫なんか？」

美奈子「だ、大丈夫だよ。奈緒ちゃんと一緒だから！」ガタガタガタガタ

奈緒（めっちゃ震えとるやん。本格的にヤバくなったら途中で引き返さな）

―受付

奈緒「高校生二名ですー」

スタッフ「はいどーぞー」

美奈子「……！！キャーッ！！」

奈緒「美奈子！？どないしたん！」

美奈子「料金が高いよ～！」

奈緒「どこに怖がっとんねん！？」

―アトラクションの中

美奈子「暗いね～」

奈緒「まあ、暗い方が雰囲気出るしな」

美奈子「奈緒ちゃん、大丈夫？暑くない？」

奈緒「平気やで！いざという時は私が美奈子を守ったるわ！」

美奈子「奈緒ちゃん……！」

奈緒（美奈子がすごい力こめて抱き着くから左腕めっちゃ痛いけど我慢や）ギリギリギリ

ヒュ～ドロドロドロドロ～

幽霊〔スタッフ〕「うらめしや～」

奈緒「ベタなの来たな～」

美奈子「あ、ああ……」

奈緒「美奈子？」

美奈子「い、いっちょやったりますか～！？」お目目ぐるぐる

奈緒「美奈子！？」幽霊〔スタッフ〕「！？」

美奈子「わ、私が幽霊をっ！料理しなきゃ！」

奈緒「あかん、混乱してもうてる！す、すみません、この子怖がりで……」

幽霊〔スタッフ〕（手振りでお気になさらずと伝える）

美奈子「チェーンソー！チェーンソーを持ってこなきゃ！」

奈緒「美奈子の方が怖いわ！」

奈緒「あ～、びっくりしたな～」

美奈子「ごめんね奈緒ちゃん……。怖くてつい……」

奈緒「まあ、取り乱すのはしょうがないし、リタイアできるみたいだからするか？」

美奈子「う、ううん！ここまで進んでおいて引き返すのはダメだよ！」

奈緒「……本当に無理はせんといてな」

進行中

奈緒「あんな、ちょっと聞きかじった噂やねんけどな」

美奈子「噂？」

奈緒「このエリア、本物が出るって言われてるんよ」

美奈子「本物？……幽霊の？」

奈緒「みたいやで。まあ、あくまで噂やから本気にせんでええと思うけどな」

美奈子「でもたまに、本当の心霊現象が起こるお化け屋敷って特集されるよね？」

奈緒「確かにあるな～。まあ、ここは検証されてないから大丈夫やと思うんやけど」

「ア゛、ア゛、ア゛、ア゛、ア゛……」

奈緒「な、なんや？」

美奈子「すごく不気味な声がする……」

伽耶子〔本物〕「ア゛、ア゛、ア゛、ア゛、ア゛……」

奈緒「うわぁっ！？全身血まみれの幽霊がおる！？本格的すぎるやろ！」

美奈子「きゃああああああっ！！」

美奈子「ホゥ――――――――っ！アァオッ！」荒ぶる鷹のポーズ

奈緒「美奈子！？」

伽耶子〔本物〕「！？」ビクッ

美奈子「アチョォッ！アタタタタタッ！！フォォウッ、アタァッ！」

奈緒「み、美奈子！幽霊びっくりしとるから！す、すみません！」

美奈子「アチョーーッ！！」

伽耶子〔本物〕「……」ボーゼン

美奈子「ご、ごめんね、奈緒ちゃん。私、パニックになっちゃって……」

奈緒「ま、まあ、ええけどな。うん……」
奈緒（本当に怖いのは美奈子ちゃうか）

奈緒「ん？」

美奈子「どうしたの？」

奈緒「あれ見てみ」

美奈子「あれ？」

俊雄〔本物〕「……」

奈緒「いかにも幽霊って感じの真っ白さやな……。しかも何か小さいし、子供の従業員がいるんやろか」

美奈子「……」スタスタ

奈緒「美奈子？」

美奈子「ちょっと君」

俊雄〔本物〕「……」

美奈子「ちゃんと食べてる？」

俊雄〔本物〕「……？」

奈緒「美奈子？」

美奈子「駄目だよ君！ちゃんと食べてカロリーを摂らないと！」ガシッ

俊雄〔本物〕「！？」

美奈子「成長期なんだからもっと食べなきゃ！」グワングワングワングワン

俊雄〔本物〕「＄＆＊！？」

奈緒「ちょっ、美奈子っ！その人、頭グラグラしとるからやめとき！？」

美奈子「止めないで奈緒ちゃん！カロリーの大切さを教えないと……」

奈緒「お化けより美奈子の方が怖いわ！」

◇心霊スポット
―テレビ番組の企画で心霊スポットと噂されている廃病院へ入ったDRAMATIC STARS

輝「いや～、心霊スポットっていうくらいだからどんなもんかと思っていたけど、幽霊には出会わないな！」

翼「でも元病院だけあって、そういう雰囲気はすごくありますよね」

薫「それに加えて、病院ということはここで生涯を終えた患者も多かっただろう。非科学的だが」

翼「病院が関係している怪談って、そういう真相が多いですよね」

輝「そう言われればそうか。俺、不謹慎なこと言っちゃったな……」

薫「それと、ここは昔泌尿器科だったらしい」

輝「桜庭……、その情報いるか？」

薫「何を言っているんだ天道。外の看板に書いてあったじゃないか」

輝「そうだけど！心霊スポットに泌尿器科って単語がミスマッチだろ！？」

薫「……まったく、君という男は」

―収録を終えて柏木翼はこう語る

翼「最初は何らかのドッキリが並行して遂行されているんだと思ったんです」

翼「でも、輝さんと薫さんの様子から、これは二人とも何も仕掛けてないなって分かったんです」

翼「泌尿器科の大切さを説き始めた薫さんに気圧されたのか、輝さんはいつのまにか正座して聞いていました」

翼「そこが心霊スポットだと俺も忘れていたくらいです」

お風呂入ってきます

◇呪いのビデオ

恵美「あれ？こんなDVD、劇場にあったかな？」

DVD『これ見たら呪われるぞ！絶対呪われるぞ！！』

恵美「……うわあ。こんな自己主張激しくて却って怪しいの、見る人いるんだ……」

琴葉「どうしたの恵美」

紗代子「何かあったの？」

恵美「こんなのがあったんだけどさ～」

琴葉「呪いの……」

紗代子「ビデオ？」

恵美「どう見ても怪しくてさ～。どこかで処分できないかなーって思ってたんだよね～」

紗代子「琴葉さん、これって……」

琴葉「……多分、私も同じこと考えていると思う」

恵美「あれ？どうしたの2人とも」

琴葉「恵美、最近変死事件が多発していることは知っているわね？」

恵美「え？う～ん、ニュースでそういうのやってるなーとは思ってるけど」

紗代子「これはもしかしたら、その事件の犯人がいるかもしれないの」

恵美「いやいやいやいや！そんなホラー映画じゃあるまいし！」

琴葉「あり得ない、なんてあり得ないの」

紗代子「私達で確かめないと！」

恵美「え～……、なんでそうなるの……。ん？私‘達’？」

―劇場の視聴覚室

紗代子「準備できました！」

琴葉「再生するわね」

恵美「ちょっと待って！？なんで当たり前のようにアタシも参加させられてるの？！」

琴葉「このビデオの第一発見者だからよ」

恵美「ミステリーで容疑者にかけられる言葉じゃん！」

紗代子「大丈夫だよ恵美ちゃん！琴葉さんも私も恵美ちゃんを疑ってないから！」

琴葉「ただ心配なだけなの」

恵美「それだったら別にアタシもビデオ見なくて良くない？」

琴葉「万が一の時のためよ」

恵美「何の万が一なの」

紗代子「証言者かな。あとツッコミ」

恵美「ツッコミ！？」

―ビデオ再生中

恵美「なんか変な映像だね。溶岩流れている映像かと思ったらところてんを押し出しているだけだったし」

琴葉「……」映像に集中

恵美「日食の映像かと思ったら、蓋開けられる茶筒の中から撮影した映像だったし」

紗代子「……」

恵美「……2人とも、何かしゃべってよ。ちょっと怖いよ？」

ことさよ「……」

恵美「めっちゃ集中してる」

まつり『ハイホー！』
パンチで砕け散るGBM

恵美「今の何！？」

ことさよ「……」

恵美「なんでノーリアクションなの！？」

いぬ美『グルルルルル……』ものすごい形相で骨を咥えて離さない
響『いぬ美どうしちゃったのさー！？』

恵美「いぬ美怖っ！？」

ことさよ「……」

恵美「そしてこっちも集中具合が怖いし……」

―そして映像が切り替わって井戸が映し出される

恵美「うわっ、何ここ。えー、知らない森だ……」

ご飯食べてきます

井戸の中から異様に伸びた黒い長髪を具え、白い服を着ている女性が這い出てくる

恵美「だ、誰あの人！？ホラー映画で観る幽霊そのまんまじゃん……」

琴葉「思ったとおりね」

紗代子「早く対処しましょう」

恵美「二人とも何言って……。あれ？」

周りを見渡す恵美であるが、琴葉と紗代子の姿が忽然と消え失せていたのである。

恵美「琴葉？紗代子？どこ行ったの？」

貞子『……』

恵美「え、ええっ。この人、近づいてきてない！？」

貞子『……』

琴葉『はい、そこまで』

紗代子『少しお話ししましょう』

恵美「あれぇ！？なんであんな所にいるの！？」

貞子『な、何なんですか貴女達！どうしてここに入ってこられたんですか！』

恵美「は、入ってきた？って、常識的に考えたら入れるわけないか」ちょっと混乱

琴葉『言いたいことはあるんでしょうけど、こちらの要件を話させてもらいます』

紗代子『ここ最近、都内で起こっている変死事件の犯人は貴女ですね？』

恵美「ど、どういうこと？」

貞子『それの何が悪いんですか？私が生前に受けた苦痛を、何も知らずにのほほんと生きている現代人に味わわせることの何が悪いというんですか！！』

恵美「開き直ってない？」

琴葉『失礼ですが貴女のことは調べています』

紗代子『山村貞子さん、貴女が生前にどんな仕打ちを受けてどれほど強い恨みを抱いて生きてきたのか、私達には推し測ることしかできません。ですが、怨霊となって無関係な人たちまで手にかけてはだめです！』

恵美「刑事ドラマみたいになってきた。眼鏡かけているうえに手を後ろに組んでいるせいで紗代子が右京さんみたいになってるし」

貞子『知った風な口を！見せしめとして、まずはお前たちから【ピーッ】してやる！』

恵美「ピー音入った！？呪いのビデオなのに！？」

貞子『私の念力を応用して繰り出す、髪の毛真拳を食らえ！』

恵美「ビジュアルは怖いのに名前のせいで台無しになってる！？」

琴葉『紗代子！迎え撃つわよ！』

紗代子『はいっ！琴葉さん！』

やられるのを待つ二人ではない。襲い来る貞子の髪の毛をかいくぐり、華麗な大立ち回りで追い詰めていく。さながら、シャンゼリオンのスーツで過酷なアクションを披露した岡元次郎のようであった。

恵美「幽霊をめっちゃ押してる！二人ともすごい！」

ことさよ『破ぁーーっ！！』

貞子『ぐぅっ！つ、強いっ……！こいつら、アイドルではなかったのか……？』

恵美「アタシもそう思う」

貞子『はぁ、はぁ、どうすればこいつらを、倒せ……、！？』

フラフラの足取りで後ずさる貞子を待っていたのは、拠点にしていた井戸だった。つまずいて落ちていく貞子。

貞子『あああああああああぁぁぁぁああああああぁぁぁぁあああああぁぁぁぁああぁぁ！！』

恵美「いや、どんだけ深い井戸なの！？叫び声がめっちゃ反響してるよ！」

天井「みしっみしっ」

恵美「ん？何この音」

天井「どがしゃっ！」

貞子「ぐへっ！」

恵美「うわあああ！？て、天井から落ちてきた！？」

貞子「あ、あなたも、はぁ、はぁ、こうなったら、はぁ、はぁ、のろい、はぁ、ころ、はぁ……」

恵美「虫の息になってる……」

ヒューッ

恵美「こ、今度は何の音？」

グシャッ

貞子「うぇぅげっ！？」

琴葉「恵美！」

紗代子「大丈夫！？」

恵美「今度は空から琴葉と紗代子が落ちてきた！あと貞子が下敷きになってる！」

琴葉「ケガはない？」

紗代子「なにもされてない？」

恵美「いや、まぁ、強いて言うなら貞子落ちてきたときにホコリが服にかかったくらいかな……」

貞子「き、貴様ら……。よくも私をコケにしてくれたな……！」

恵美「ヤバいよこれ！めっちゃ怒ってるよ貞子！」

紗代子「恵美ちゃんは下がってて」

琴葉「ここは私達が引き受けるから」

恵美「いやいやいや！こういう幽霊みたいなものって専門家に頼まないと！」

琴葉「大丈夫、私たちを信じて」

恵美「信じてって言われても。って、あれ？」

ふと、恵美の目に飛び込んできたのは見覚えのあるマントと肩の装飾。

恵美「……！！」

何となく紗代子を観ると、黒くあちこちが擦り切れたセーラー服を身に纏っていた。

恵美（こ、これは、まさか……）

琴葉総帥「私が、このデストレイピアの錆にすると言っているの」

ダークセーラー紗代子「……」

恵美「そ、そっか。なら安心だね。……っ！！」

視聴覚室から脱兎のごとく恵美は逃げ出す。

恵美「誰かっ！誰かマイティセーラーを呼んできて！早く！！」

貞子「レイピアと刀でこの私を倒すつもりか！」

ラスボス二人「……」

貞子の言葉を受け止めて尚、眉一つ動かさないデストルドーの2人。得物に込め始めた力は貞子をたじろがせた。

貞子「何だ、このバカげた力は！？貴様らは何者だ！」

ラスボス二人「……」

尚も力を込める2人に貞子は恐怖する。

貞子「くっ、こ、こうなったら、逃げて……」

ラスボス二人「消し飛べ」

瞬間、冷たい言葉とともに必殺の一撃が放たれた。

貞子「ちょっ、待っ」

美咲「ランララララ～ン♪いい生地が手に入ってすごく幸せ～♪」

美咲「早く新しい衣装を作らなくっちゃ♪」

劇場各階にある窓ガラス「ピカッ！ピカッ！」

美咲「あれ？何だろう、あの光」

劇場のどこか「ドッカーン」

貞子「ぎゃあああああぁぁぁぁぁぁ……！！」

美咲「劇場ぁーーーーー！！？？」

終わり

以上で終わりになります。誰かのツボに刺さってくれるかな？とどぎまぎしながら書いてました。
元ネタになっているコントやネタは、パンクブーブー、サンドウィッチマン、NON STYLE、リングであります。書いてみるとプロが見ている人を笑わせるためにどんな試行錯誤がされていたのかよく分かる、そんな気がします。

それでは今年最後のSS、お付き合いいただきありがとうございました。皆様良いお年を。

大晦日の滑り込み投稿乙でした!
エントリー唯一の短編集!5ブランド網羅で笑わせてもらいました!

乙
あ、これパク…リスペクトだなって思いながら懐かしんでました。ノンスタのお化け屋敷すこ。