「どうしてお前がヘレンなんだ！」

僕はダンサー。冴えていて派手だし友達も多いしみんなの中心だ。
そんな僕が、春の季節に彼女と出会った。
初めて彼女と会った僕は「なんて破天荒な女だろう」と思った。
でも自信過剰になって今になって思えばつまらない日常の連続を生きてきた僕にとってあの破天荒な彼女とのダンスは刺激的だった。
どんどん彼女のダンス・セッションに夢中になって行くけどだんだん会えない日があって。
そんな折にいよいよ彼女が来なくなってなんでだろうと思ったら、ヘレンになったらしい。
そこではっとしてショックを受けた。僕にとって彼女とのダンスの時間は凄い、灰色のダンサー生活だった時間を照らしてくれた明るい光だったのに。
彼女にとって僕は大多数の”一ダンサー”でしかないんだ。たくさんいるそこそこのダンサーの内のひとつなんだという事に凄いショックを受けた。
こんなに傷つく思いをするなら関わるのをやめよう。
そして僕はダーク・ダンサブル協会に入った。
そして十数年の時が経ち僕は体を改造し、顔も姿も変え、ヘレン継承者をも上回る世界レベルのダンス力を得てダンス界征服の先鋒となった。