雪歩「可憐ちゃんがアロマディフューザーを忘れた話」【微百合注意】
1 : 変態インザカントリー   2020/06/22 04:52:01 ID:/vZlrvc4oU
控え室


雪歩「あぁ 虹だよ~♪ さっきまで雨だった~♪ さぁ 歌うよ 大空はオーケストラ~♪」

雪歩「――って、雨はまだ降っているんだけども。うーん……じめじめしていて、ちょっと憂鬱ですぅ」

雪歩「でも、こういうときだからこそ思いつく詩もあるはずですぅ。えっと、ポエムノートは……」

ガチャッ


可憐「あっ……ゆ、雪歩ちゃん。おはようございます」

雪歩「! おはよう、可憐ちゃん」
2 : せんせぇ   2020/06/22 04:52:17 ID:/vZlrvc4oU
雪歩「えーっと……たしか、今日ってラジオ収録じゃなかった?」

可憐「は、はい。でもスタジオに行く前に、その……アロマで落ち着こうかなって……」

雪歩「そっか。あ、よかったらお茶飲んでいかない? すぐ淹れるよ?」

可憐「あ、ありがとうございます」

雪歩「じゃあ、ちょっと待っていてね。今、給湯室に――」

可憐「あ、あれ? な、ない……?」カバンゴソゴソ
3 : プロデューサー   2020/06/22 04:52:55 ID:/vZlrvc4oU
雪歩「? どうかしたの?」

可憐「えっと……いつも携帯しているアロマディフューザーをどこかに忘れてきてしまったみたいで」

雪歩「ってことは、アロマは使えない?」

可憐「い、いえ。アロマオイルそのものはあるので、た、たとえばハンカチやタオルを使えば……」

雪歩「へぇ、いろんな楽しみ方があるんだね」

可憐「…………」

雪歩「可憐ちゃん?」
4 : Pちゃま   2020/06/22 04:53:08 ID:/vZlrvc4oU
可憐「あの、雪歩ちゃん。わ、私、せっかくだから試してみたいことがあるんです」

雪歩「試してみたいこと?」

可憐「はい……お、お願いしてみてもいいですか?」

雪歩「お願いって……私に? うん、私にできることなら協力するよ。なんでも言ってみて」

可憐「え、えっと………雪歩ちゃんの香り、嗅いでもいいですか……?」

雪歩「ぽえ?」
5 : 師匠   2020/06/22 04:53:20 ID:/vZlrvc4oU
雪歩「ごめん、可憐ちゃん、それってどういう……」

可憐「と、突然すみません。あ、あの、先週、お仕事をいっしょにしましたよね?」

雪歩「うん。よくある、町歩き系のやつだったよね」

可憐「そのとき、雪歩ちゃんのそばをあ、歩いていて思ったんです。や、優しい香りがするなあって」

雪歩「私が!? むしろ可憐ちゃんのほうこそ、いい香りというか匂いというか、したような……」

可憐「そ、それで、機会があれば思う存分、雪歩ちゃんの香りに溺れたいなって……えへへ♪」
6 : 下僕   2020/06/22 04:53:31 ID:/vZlrvc4oU
雪歩「可憐ちゃん、可憐ちゃん。可愛い顔して、とんでもないこと言っているよ? 自覚ある?」

可憐「?」キョトン

雪歩「え、えぇ……。と、とにかく恥ずかしいから、その、嗅ぐのは遠慮してほしいかな……」

可憐「だ、大丈夫です。ちょっとだけですから……5分間ぐらい」

雪歩「どうして、もう嗅ぐ前提で話が…。それに5分って、一曲歌えちゃいますぅ」

可憐「? 歌いながら、嗅がせてくれるんですか?」

雪歩「歌わないし、嗅がせないよ!? どんな特殊なプレイなの!?」
7 : 彦デューサー   2020/06/22 04:53:45 ID:/vZlrvc4oU
可憐「ぷ、ぷれい?」

雪歩「……こほん。とりあえず、私、お茶、淹れてくるから。待っていてね」

可憐「『私にできることなら協力するよ。なんでも言ってみて』」

雪歩「へ?」

可憐「雪歩ちゃん、さっきそう言いました。あれは……嘘だったんですか?」

雪歩「か、可憐ちゃん? 目が据わっているよ? もしかして、あれなの、アロマ不足の禁断症状か何か?」
8 : お兄ちゃん   2020/06/22 04:53:55 ID:/vZlrvc4oU
可憐「お願いします、雪歩ちゃん。ほ、ほんの10分間だけでいいんです……!」

雪歩「上目づかいでお願いされても。いや、というか、さっきより要求時間が伸びているよね!?」

可憐「も、もしかしてお金が必要ですか? そ、それなら、稼ぎはそこそこあるので……」

雪歩「やめて! ほんとに怪しい関係になっちゃうから!」

可憐「ど、どうしてもダメですか……うう」

雪歩「なぜか私が悪者っぽくなっていますぅ」
9 : ダーリン   2020/06/22 04:54:04 ID:/vZlrvc4oU
雪歩「はぁー……。じゃ、じゃあ、ちょっとだけなら」

可憐「くんくん……くんくん」

雪歩(もう嗅いでいるーっ!?!?)

可憐「あっ……やっぱり、クンクン す、すごいです、クンクン、これ……クンクン、癒されます……♪ クンクン」

雪歩「か、嗅ぎながら話さないで。恥ずかしいし、く、くすぐったいから」

可憐「………」スンスン、スーハースーハー

雪歩(あっ、嗅ぐ方に集中するんだね)
10 : 師匠   2020/06/22 04:54:18 ID:/vZlrvc4oU
雪歩(どんどん近づいてくるから、えっと、その、いろいろあたっていますぅ)

雪歩「あ、あのー……可憐ちゃん? 距離感、考えてほしいかなーって」

可憐「! す、すみません。私ってば……」

雪歩「うん、わかってくれればいいんだけど」

可憐「こ、これでいいですか」ギュッ

雪歩「どうして抱き着くの!?」

可憐「あっ……んっ、すごい、雪歩ちゃんの香りで、い、いっぱいですっ……♪」
11 : Pちゃま   2020/06/22 04:54:27 ID:/vZlrvc4oU
雪歩(あわわわわわ……///)

可憐「? 雪歩ちゃん、なんだか、あたたかくなって……も、もしかして暖房機能もあるんですか……?」

雪歩「ないよ!?」

可憐「ほわぁ……雪歩ちゃんはアロマディフューザーだったんですね……」

雪歩「ちがうよ!?」

可憐「えへへ……これならラジオ収録も頑張れそう、です……♪」

雪歩「そうだね、さっさと行こうね、うん」
12 : プロデューサーちゃん   2020/06/22 04:54:37 ID:/vZlrvc4oU
翌日


雪歩「き、昨日は大変な目に遭いましたあ。思い出しちゃって、悶々として、うまく眠れなかったですぅ」

雪歩「よしっ。気を取り直して今日こそ、レッスンの合間に詩作を……」

ガチャッ


可憐「あっ……」

雪歩「可憐ちゃん!? え、えっと、おはようございますぅ」
13 : 我が友   2020/06/22 04:54:48 ID:/vZlrvc4oU
可憐「雪歩ちゃん、昨日は、す、すみませんでした!!」

雪歩「え?」

可憐「冷静に考えたら、わ、私……とんでもないこと、していて……うぅ」ウルウル

雪歩「お、落ち着いて、可憐ちゃん。そういう日も、時々あるかもですぅ。疲れていたんだよ、きっと」

可憐「あんな風に雪歩ちゃんに抱き着いてしまって……///」

雪歩「うん、なんだかんだ時間ギリギリまでそうしていたからね。なんだったら、数曲は歌えたぐらいだからね」

可憐「し、しかも―――」

雪歩「うん? しかも?」
14 : プロデューサーくん   2020/06/22 04:54:59 ID:/vZlrvc4oU
可憐「ラジオで、えっと、『今、密かなマイブーム』について答えるところで、ついうっかり『雪歩ちゃんの香りを全身で堪能する』なんて言っちゃって」

雪歩「ふぁっ!?!?」

可憐「ぜ、全身でだなんて、い、いやらしい意味に捉えられかねない、ですよね……」

雪歩「いやいやいや!! まず私の香りを堪能する、ってところからおかしいよ!?」

可憐「?」キョトン

雪歩「きょとん顔、可愛いよ!! でもっ、今は不要ですぅ!!」

可憐「お、落ち着いてください、雪歩ちゃん。あっ、そうだ、せっかくだからアロマでも……」
15 : Pサマ   2020/06/22 04:55:12 ID:/vZlrvc4oU
可憐「あっ」

雪歩「!! ひょ、ひょっとして」

可憐「またディフューザー、忘れちゃったみたいです……♪」

雪歩「なぜそこで『♪』なの!?」

可憐「雪歩ちゃん……」

雪歩「ど、どどどうして、にじり寄ってくるの!? 目が、チャームポイントの可愛い垂れ目が…こ、怖いですぅ!!」

可憐「教えてlast note... です♡」

雪歩「あっ、ダメっ、可憐ちゃん……///」
16 : ハニー   2020/06/22 04:55:23 ID:/vZlrvc4oU
雪歩「――――という作戦でいこうと思うんですぅ」ドヤッ

春香「え、えぇ………?」

雪歩「我ながら、完璧なシナリオかもですぅ。どうかな、春香ちゃん」

春香「えーっと……仮に可憐ちゃんのアロマディフューザーをなんらかの手段で、忘れさせたとして、さ」

雪歩「うん」

春香「じゃあ、雪歩の匂いを代わりに嗅ごうってならないよね?」

雪歩「?」キョトン
17 : ボス   2020/06/22 04:55:35 ID:/vZlrvc4oU
春香「いや、きょとんとされても……」

雪歩「でも、私が同じ立場だったら、可憐ちゃんの匂いを嗅ぐよ?」ドヤッ

春香「なんでドヤ顔で、そんな変態的なことが言えるんだ、この子」

雪歩「『ゆきかれ』とは言っても、やっぱり私って、ほら、誘い受けのほうが性にあっていると思うんですぅ」

春香「聞いていないよ?」 

雪歩「もちろん、後で、こう、逆転するんだけどね。えへへ……」

春香「勝手に話を進められても……」
18 : P君   2020/06/22 04:55:46 ID:/vZlrvc4oU
春香「あと、素朴な疑問なんだけれど」

雪歩「なあに、春香ちゃん。あっ、ラジオの件? 大丈夫、そこは上手く手配すれば―――」

春香「雪歩って、そんないい香りするの?」

雪歩「は?」

春香「お茶の香りなら、染み付いていそうだけれど」

雪歩「もうっ、そんな急に、玉露みたいな香りだねだなんて褒められても困りますぅ///」

春香「言っていないよ? 悪く言うつもりも褒めるつもりもなかったよ?」
19 : ボス   2020/06/22 04:56:05 ID:/vZlrvc4oU
雪歩「そ、それじゃあ、試しみてみる?」

春香「え?」

雪歩「だから、その……私のこと、抱きしめてみる?」

春香「!?!? えっと、それは―――」

雪歩「や、やっぱりダメですぅ!! ここまで正当かつ健全なゆきかれSSだったのに、最後の最後ではるゆきだなんて、脳が壊されちゃいますぅ!!」

春香(一人で勝手にあわあわしている雪歩って、見る分には面白いよね、はは……)
20 : 貴殿   2020/06/22 04:56:15 ID:/vZlrvc4oU
ヤサシイカオリノコルステージ~♪ イツカラダロウサガシテタ~♪

雪歩「!! 可憐ちゃんから電話ですぅ!! ナイスタイミングですぅ!」

春香「向こうからしたら、バッドタイミングなのでは?」

雪歩「もしもし、可憐ちゃん? えっ、うん、そうそう……へっ? 春香ちゃん? うん、近くにいるけれど、でも、どうして……えっ、匂い? そ、そこまで……うん、それじゃ……また、あとで」

春香(可憐ちゃん、なんか今、さらっと超人的なことしてなかった?)

雪歩「春香ちゃん、このあとまだ時間あるよね?」

春香「まあね。可憐ちゃん、なんて話していたの?」
21 : 箱デューサー   2020/06/22 04:56:26 ID:/vZlrvc4oU
雪歩「かくかくしかじかちんちくりん、というわけで駅前のカフェにいかない?」

春香「へぇ。適当な理由つけて、私抜きのほうが雪歩はいいんじゃない?」

雪歩「?」

春香「え、だって、ほら、可憐ちゃんと2人きりの方が、ね?」

雪歩「それはそれ、これはこれですぅ。私、春香ちゃんのことも大好きだよ?」

春香「! ふ、ふうん。まあ、なんでも、いいですけれど」

雪歩「それ、千早ちゃんの真似? 全然、似ていないね、ふふっ」

春香「う、うるさいなあ」
22 : 5流プロデューサー   2020/06/22 04:57:03 ID:/vZlrvc4oU
雪歩「よーしっ、今日は両手に花で、マッドティーパーティーですぅ!!」

春香「マッドである必要はないよね!?」



おしまいですぅ


ガチっぽくなりすぎても、と思って妄想オチにしました。
ちなみに妄想内の雪歩の在り方が『誘い受け』ではないです、念のため。
23 : プロデューサー君   2020/06/22 08:18:38 ID:TB/NU4rDVo
自分から飛び込む雪歩はよ
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