【ミリSS】朋花・美也・まつり「合宿の夜に」
1 : ごしゅPさま   2020/07/15 04:20:39 ID:RwBh80SrUU
※地の文あり・台詞中心 独自解釈含むマイペースなSSですよ~

カーテンの隙間から差し込む月明かりのせいなのでしょうか、深まる夜に目が覚めてしまったのは。
思えば、いつ自分が眠りに落ちたのかはっきりしません。お二人よりも早かったような気はするのですが。
昼間の暑さはどこにいったのやら、澄んだ空気のなか、肌寒ささえ感じるようで。
すぐ隣で眠る美也さんの、幸せそうな寝顔についこちらまで幸せです。
再び眠りにつくには意識がいやにクリアで。
私は不思議に眩い月の姿を眺めようと、そっとベッドを抜け出し、窓際へと向かうのでした。
雲一つない夜空に、数えられないぐらいの星々と、大きな月。街から離れた場所であるからこそ、望める光景。
ほんの十数秒だったのか、それとも数分だったのか、月に見蕩れていると部屋の中、その暗がりから声がしました。

「眠れないのです?」

密やかな声であっても、聞き間違えようのない声。
2 : 変態インザカントリー   2020/07/15 04:20:59 ID:RwBh80SrUU
「いえ、そういうわけではありませんよ~」

現に先程までは夢を見ることもなしに眠りの内に沈んでいた私ですから。

「起こしてしまいましたか~……まつりさん」

「気にしないでいいのです。おかげでいいものを見ることができたのです」

上半身だけ起こしたまつりさんが私にそう言います。薄闇の中でも彼女が微笑んでいるのがなんとなくわかりました。

「いいもの?」

「そうなのです。窓辺で夜空を望む、綺麗な女の子の姿なのです」

「ふふっ……。聖母のこんなところを見ることができるなんて、光栄に思ってくださいね~?」
3 : P様   2020/07/15 04:21:13 ID:RwBh80SrUU
「おかげで、すっかり目が冴えてしまったのです。朋花ちゃん、少しだけおしゃべりしていいのです?」

そう言ってまつりさんは、私が何か返す前に、静かにベッドから抜け出しました。

「明日も早くからレッスンがありますので、少しだけですよ~?」

彼女を起こしてしまった張本人が言うのもあれですが、私たちが今度出演する野外フェスに向けて合宿しているのは確かな事実です。

「わかっているのです。それと……美也ちゃんを起こさないように、なのです」

「ええ、もちろん」

ひそひそと私たちは。そして、室内にあった椅子を窓際へと音を立てずに移動しました。
カーテンを少し開き、月明かりを頼りに互いを見たり、空を眺めたりしながら私たちは話します。
4 : do変態   2020/07/15 04:21:26 ID:RwBh80SrUU
「朋花ちゃんは、学校ではどんな感じなのです?」

少しだけと言いつつも、昼間のこと―――新曲のためのレッスンの手ごたえと今後の課題について一通り話した後、まつりさんが不意にそう訊ねてきます。

「いきなりどうしたんですか~?」

「まつり、朋花ちゃんのことをよく知っているようで知らないことも多いと思うのです」

「それは……べつに私とまつりさんの間に限ったことではなく、たとえ家族や恋人であっても、得てしてそういうものではありませんか~?」

「でも、だからといって知ろうとしないのは、違うと思うのですよ?」

どことなく諭すようにまつりさんは。何も私は隠し事をしたいわけでもないのですが。

「つまり……まつりさんは、聖母のことをもっとよく知りたいと考えているのですか~?」
5 : プロちゃん   2020/07/15 04:21:40 ID:RwBh80SrUU
「ほ? それはビミョーにずれているのです。姫は、朋花ちゃんのことをもっと知りたがっているのです」

「私としてはそこに差異などないつもりですが~……ひとまずは、よしとしましょう」

こんな綺麗な夜更けに諍いなんて無粋ですからね。

「それで……学校での私、でしたか~?」

「そうなのです。風の噂では、授業中にすやぷぅと眠っているのだとか」

「噂の出所に心当たりはありますが~、まったくの事実無根ですね~」

まつりさんも本気で信じてはいないでしょうけれど。
私はいつか杏奈ちゃんたちに話したように、あるいはPさんに話してみせたように、自分の学校生活について話します。
ほー、ほー、と相槌をしつつ、話の途中で何度も悪気なく茶々を入れてくるまつりさんは楽しそうです。
6 : 師匠   2020/07/15 04:21:54 ID:RwBh80SrUU
「ちょっぴりクラスメイトが羨ましいのです。きっと学校でしか見られない朋花ちゃんもいるのです」

「そうでしょうか~」

いないとは言えませんね。そういうのは、たぶん私自身ではわからないことですから。

「今度、姫が制服をどこかから借りてきて、朋花ちゃんの同級生に変装して一日を過ごすというのはどうなのです?」

「まず、門をくぐることすら叶わないと思いますね~」

「妖精さんの力を借りれば、たとえ閉ざされていても、おーぷん!なのですよ」

「あの……冗談ですよね~?」

物理的にやれないこともなさそうなのが、まつりさんです。
7 : Pさぁん   2020/07/15 04:22:50 ID:RwBh80SrUU
「さて―――次は、まつりさんがご自身の大学生活について私に話してくれますよね~?」

「ほ? ……ほ?」

白々しく、彼女は小首をかしげて。

「私にばかり話をさせておいて、何も教えてくれないというのは不平等です~」

「朋花ちゃん、朋花ちゃん。世の中は思いどおりにならないことも多いのです。お姉さんとしてのアドバイスなのです」

「そんな話せないような生活を送っているのですか~?」

「そんなことないのです。ただ、姫の通う学校……魔法のことはみんなには内緒にしておく規則なのです。しかたがないのです。ね?」

「まつりさん~?」
8 : Pたん   2020/07/15 04:23:13 ID:RwBh80SrUU
戯言で誤魔化そうとするまつりさんは、やっぱりどこか楽しそうでした。ですが、このまま引き下がる私ではありません。

「むむむ……朋花ちゃんは、そんなにまつりのことを知りたいのです? まつりの大ファンなのです?」

「私が今、知りたいのはアイドルの徳川まつりさんではなく、大学生のまつりさんのことですよ~」

「ほ? ――――もう、わかったのです。びゅーりほーなまん丸お月様に免じて、ちょっとだけ教えてあげるのです。特別なのですよ?」

そんなこんなで、私はまつりさんから少しだけではありますが、彼女のアイドル以外の日常を聞くことができました。
「言いふらしたらダメなのですよ?」と口止めされてしまいましたが。お城の地下室に連れ込まれるのは勘弁願いたいので、秘密を守ることにしましょう~、ふふっ。

「秘密のお話といえば……」

まつりさんは、何か思い出したようにそう言うと視線をベッドに。私の視線もつられてそこへと向かいます。
先と変わらず眠り続けている美也さん。いい夢を見ていそうな表情です~。
9 : ごしゅPさま   2020/07/15 04:23:48 ID:RwBh80SrUU
「もしかして『Fleuranges』のことですか~?」

可憐さん、美也さん、ひなたちゃん、星梨花ちゃんのユニットです。
まだ記憶に新しいですが、なるほど、たしかPV撮影でも『秘密』というのがポイントだったと美也さんが話していましたね~。

「もしかしなくても、そうなのです。あの公演、『Special Wonderful Smile』は本当にいい曲だったのです!」

「そうですね~、四人とも、とても可愛らしくて、癒されました~」

「可愛らしさだけではないのです。乙女チック、でもどこか切なさもあって、すいーと!な秘密が添えられている風だったのです」

「ええ、まさに紅茶に入れる真っ白な角砂糖のような。ふふっ」

「それにしても、美也ちゃんは不思議な子なのです。いっしょにいると、のんびりしてしまうのです」

10 : Pサン   2020/07/15 04:24:09 ID:RwBh80SrUU
「わかります~。そばにいるだけでも癒されますが、そこにあの声が加わると、顔がほこんでしまうんです~」

「いつもにこにこ朋花ちゃんをさらに緩ませるなんて只者じゃないのです。でも、朋花ちゃん。美也ちゃんの魅力は癒しの波動だけではないのですよ」

美也さんの持つ雰囲気に、唐突に妙な呼称をつけたまつりさんが得意顔でそう言います。

「言うまでもないことですね~」

「なのです。ふわふわなだけではなくて、たとえば、熱血なところもあるのが美也ちゃんなのです」

「ええ、それに……ステージ上ではもちろんのこと、将棋の対局中に見せるあの凛々しい表情……ふふっ、素敵ですね~」

「かと思えば、まつりとも一緒に歌い踊った、『瞳の中のシリウス』では、しっとりとした美也ちゃんだったのです」
11 : EL変態   2020/07/15 04:24:22 ID:RwBh80SrUU
「心にぐっとくるいい曲ですね~。それぞれの特に高音域の響は、美しも儚くて、胸に迫る想いがします~」

シリウスというだけあって、冬のイメージですが、たとえば今日のような夏の夜空の下でも思い出す一曲です~。
まつりさんの声もまた、しっとりとしていて普段のギャップに、つい心を動かされてしまったのですが、これは内緒にしておきましょう~。

「美也ちゃんと言えば、この前……」

そうして自然と私たちの話題は美也さんを中心に転がっていき、気がつけばそろそろ眠ってしまわないとレッスンに支障が出てしまう時刻になっていました。
知らず知らず、うっかり話し続けてしまっていたのを、まつりさんは「これが、ふわりずむってことなのです?」と言って笑います。
ソロ曲2曲目はきっと『初恋バタフライ』ですから、ミリシタで『ふらりずむ』が聴けるのは遠い未来……だなんて、メタなことは言わないようにする私でした。

「では、朋花ちゃん。おやすみなのです。おしゃべりに付き合ってくれてありがとうなのです」

「いえ、私のほうこそです~。あの、まつりさん」
12 : Pサン   2020/07/15 04:24:36 ID:RwBh80SrUU
「どうしたのです? もしかして、お手洗いに独りで行くのは怖いからついてきてほしいのです?」

「ちがいます」

「妹がそういうことを言わなくなって久しいのです」

寂しげにまつりさんは。
まつりさんの妹。話を聞くに、反抗期真っ盛りらしくて、姉であるまつりさんは手を焼いているのだとか。

「妹さん……今度のライブには来られるのですか~?」

『瞳の中のシリウス』の時には来ていたとうかがった記憶があります。話してくれたときの、まつりさんは嬉しそうでしたから。

「わからないのです。でも時間があるなら、来てほしいのです。今度のライブはいつも以上に、特別だから」
13 : 我が下僕   2020/07/15 04:24:56 ID:RwBh80SrUU
優しい口調で言い切るまつりさん。既に窓際から離れて、暗がりの中にあるその表情は見えずとも、きっと優しい表情をしていると信じられました。

「それで、朋花ちゃん。言い残したことはなんなのです? お姉ちゃんに聞かせてほしいのです」

「私はまつりさんの妹になった覚えはありませんが~。……些細なことですよ」

「というと?」

「まつりさん―――後ろ髪が、はねていますので眠り方を変えたほうがいいかもしれませんね~」

「ほ?」

まつりさんがそれ以上、何か返してくる前に、私はさっさと眠りにつくことにします。
本当は……この3人でのライブの成功を改めて意気込んでみせようと思ったのですが、そうせずとも、まつりさんにとっても次のライブが特別だということが知れたので、まあ、いいでしょう~♪
14 : EL変態   2020/07/15 04:25:41 ID:RwBh80SrUU
………。昨夜同様、今夜も月が輝いていますね~。
二日続けて、夜中に目が覚めてしまったのは、おそらくはお昼寝をしてしまったせいなのかもしれません。
とはいえ普段からして、ハードなレッスン後やお仕事終わりに、5分~15分ほどの仮眠はしている私です。
今日違ったのは、遊び疲れてのお昼寝だったから、なのでしょうか。
まつりさんと美也さんと川遊びではしゃぎすぎてしまった結果なのですが~。

川遊びのあとに3人で飲んだラムネを思い出したからなのか、喉が渇いているよう思った私はベッドを抜け出します。
水を一杯飲んでから、ベッドのそばまで戻ると、隣で熟睡していたはずの美也さんが寝ぼけまなこで、あたりをきょろきょろしていました。

「あっ……。もう、朋花ちゃん~? 勝手にどこかにいったらダメですぞ~。ほら、次は朋花ちゃんの番ですからね~?  斬新な一手、期待していますよ~」

ぎゅっと、私の腕を掴んで抱き寄せる美也さん。どうも寝ぼけているみたいです。夢で私と将棋でもしていたのでしょうか~?
15 : EL変態   2020/07/15 04:25:58 ID:RwBh80SrUU
腕を掴まれたまま、美也さんをどう寝かしつけるか考えていると、美也さんが目をぱちぱちとさせました。

「おや~……? なんと~、もう朝でしたか~。む~ん……今日は曇りみたいですな~」

「美也さん、実はまだ夜中なんですよ~」

そういうわけで、私は腕を解いてもらってから、自分が美也さんを起こしてしまったことを謝ります。
「気にしなくていいですよ~」と言って、欠伸を噛み殺す美也さん。

「せっかくなので、月明かりを頼りに一局どうですか~?」

美也さんの身振り(というより、駒を指す素振り?)からして『イッキョク』というのが将棋というのはわかりました。
月光をスポットライト代わりに、一曲歌えという提案ではないのが幸いです。
それはそれで風情がありそうですが。貴音さんあたりだと、いい絵になりそうです~。
16 : プロちゃん   2020/07/15 04:26:14 ID:RwBh80SrUU
「えっと……将棋盤と駒を持ってきているのですか~?」

「はい~、こんなこともあろうかと~」

察するにこんな事態を想定してはいなかったでしょうが、そこはあえて触れないことにします。
昨夜のまつりさんとのやりとりも思い出されますが、私は美也さんの提案を受け入れ、窓際で将棋を指すことになりました。
近頃は美也さんに教えてもらっている私です。エレナさんとの弟子対決も近いかもしれませんね~。負けるつもりはありませんが~。

一手、また一手と進むごとに美也さんは眠りをどこかへ払いのけ、覚醒していきます。
やがて私が読むことのできない局面までも見通す、将棋盤へと注がれるその眼差しは真剣そのもので。
そんな美也さんの表情に目を奪われてしまう私がいました。しかし真剣勝負の最中、ずっと見ているわけにもいきませんね~。

「―――王手です~」

何度目かの宣言。美也さんから私へと。「負けました」 そう言って私は頭を下げました。
17 : P様   2020/07/15 04:26:28 ID:RwBh80SrUU
「朋花ちゃん、また一段と強くなりましたな~」

「ありがとうございます~。美也さんのおかげですよ~」

ついこの前に美也さんの2枚落ちに辛勝した私ですが、今宵は平手でもそこそこ立ちまわれたようです。
ですが、これで満足する私ではありませんよ~。

「最近はエミリーちゃんとも、よくお話するんです~」

対局が終わって、自然とおしゃべりに移る私たち。美也さんの話では、エミリーちゃんが昔ながらの遊びを大和撫子の嗜みとして美也さんに教わっているのだとか。
その美也さんは、あれこれをおじいさまより教わったとのこと。

「そのエミリーちゃんが、まつりちゃんに教えてあげて、と和の心が連鎖していっているみたいなんです~。今度はまつりちゃんが朋花ちゃんにいろいろ伝授してくれるかもしれませんよ~?」

「ふふっ、では楽しみにしておくとしますね~」
18 : 兄(C)   2020/07/15 04:26:49 ID:RwBh80SrUU
考えてもみれば、今更ながらエミリーちゃんとまつりさん。その年の差は私とまつりさんより、さらに2つあるというのに、仲良しというのは、なかなかに面白い気がします~。
聞けば、まつりさんは、亜美ちゃんと真美ちゃん、そしてエミリーちゃんといっしょにプリクラを撮りにいったりもしているのだとか。保護者……という立ち位置でもないようです。
ふと浮かんだ私の素朴な疑問を、美也さんに話してみると―――

「私もと~~っても年の離れた、おじいちゃんとすっごく仲がいいんですよ~」

「あの、それとこれとは別なような……」

「でもですね~、おじいちゃん、町内会の同い年ぐらいのおじいさんと、ちょっと仲が悪いんです~」

「つまり、年の差なんて関係ないと美也さんはおっしゃりたいんですか~?」

「だいたいそんな感じです~。仲良きことは美しきかな、ですよ~、朋花ちゃん」
19 : 兄(C)   2020/07/15 04:27:05 ID:RwBh80SrUU
まつりさんとエミリーさんの仲がいいことに不満なんてありません。それに美也さんがにこにこしているのを見ていたら、変に気にするのが間違いであるように思えてきました。
私にしてみても、子豚ちゃんの大小、老若に関わらず、等しく慈愛を届けるのが使命ですからね~。
願わくは―――エミリーちゃんにもし万一、反抗期がきた際に、まつりさんが胃を痛めることにならないことですね~。
それはそれで見たみたい気もしますが~。

「まつりちゃんと言えば~」

「どうかしたんですか~」

もしかして私の知らないところで、合宿所のドアを壊していた、とか?

「フェスタ・イルミネーションの振り付け、可愛いですな~」

「はい?」
20 : プロヴァンスの風   2020/07/15 04:27:28 ID:RwBh80SrUU
突然の思いもよらぬコメントに戸惑う私でしたが、言わんとしているところは、わかってしまいます。あのときは私もバックダンサーとしてサポートに入っていましたから。
まつりさんのソロ曲、『フェスタ・イルミネーション』。たしかにその振り付けは、大変あざ……可愛らしいです。

「参考になるかと思いまして~、合宿直前に、お2人のセンターライブ映像をPさんに頼んで見せてもらったんです~。それを今、思い出しましたよ~」

「そういうことでしたか~」

「マイクありきの朋花ちゃんの『Maria Trap』の振り付けは動きが限定されていながらも、一つ一つがバッチリ決まっていましたよ~。ただ、途中でカメラが上下反転しちゃっていました~」

「あれは、そういう演出なのですが~」

「ついでに私自身のセンターライブも見せてもらったんです~」

「私もサポートとして参加していましたね~。この前のことであるはずなのに懐かしい感じがしますよ~」

21 : プロデューサーはん   2020/07/15 04:27:44 ID:RwBh80SrUU
「話は今日のことに戻るのですが~、今日の早朝、例のステップについて話し合いましたよね~?」

「え? はい、でも結局、それらしい結論は出ずに明日に持ち越しになりましたね~」

曲中のとある箇所、ステップの取り方をどうするのか一番いいのかの話し合い。
まつりさんは自由に、いえ、自由すぎる方針で、私はそんな彼女からしてみたら「縛られている」とのこと。
美也さんとはいうとまだどちらとも決めかねている様子だったはず。そうなると、2人とも頑固なところがあるので、すぐには決まりません。
結局、迷ってばかりでもしかたないということで、様子を見に来たPさんの提案で川遊びへと出かけることになった……という経緯です。

「やっぱり私たち3人それぞれの、らしさを活かすべきだと思うんですな~」

「それはつまり……?」

「バラバラでもないし、三位一体でもない、3人が3人ともセンターな風といいますか~」
22 : Pーさん   2020/07/15 04:27:59 ID:RwBh80SrUU
話の流れが、遠回りになりましたが、美也さんが言いたいのはきっと―――

「……言うなれば、各自のセンターライブを思い出してみて、ということでしょうか~?」

「はい~、そのとおりです~。そのうえで、マイペースにどーんと、やってみてもいいのではないかって思うんです~」

どちらかと言えばまつりさんに近しい意見。でも、見えているものは違うのかもしれません。
例のステップ一つのみならず、今回のライブに臨むにあたって、私たちはこれまでの軌跡を振り返ってみてもよいのかもしれません。
同じ劇場の仲間としての重ねてきた大切な時間、けれどそれぞれに歌ってきた歌があり、踊ってきた踊りがある……それは当然と言えばそれまでだけれど、特別なことですね。
私らしく、そして私たちらしく、を考えないといけませんね~。

「ふふっ、今の話、明日の朝にでもまた3人で話し合うことにしましょう~」

「お~。そうすることにしましょう~、むふふ♪」
23 : der変態   2020/07/15 04:28:21 ID:RwBh80SrUU
「ところで、『フェスタ・イルミネーション』が実装されたメインコミュ第27話では、朋花ちゃんの『はいほー!』や『ぱわほー!』が聞けるので、すっかり忘れていたPさんたちはぜひコミュを見返してほしいですな~」

「これは、どこの誰向けの宣伝なんですか~?」
24 : プロデューサー   2020/07/15 04:28:41 ID:RwBh80SrUU
「ほ? 朋花ちゃん、眠ってしまったみたいなのです」

「おや~……本当ですね~。まつりちゃん。また一昨日と同じように、お願いできますか~?」

「わかったのです。―――っと。まさかこんな短期間に、2回も朋花ちゃんをお姫様だっこすることになると思わなかったのです」



「さて、と。朋花ちゃんをベッドに移動させたところで……どうするのです? 合宿3日目の夜、ふぃにっしゅ!なのです?」

「む~ん……それはもったいない気がしますな~」

「なのです。もう少しおしゃべりでもすることにするのですよ」
25 : Pサマ   2020/07/15 04:29:04 ID:RwBh80SrUU
「朋花ちゃんと言えば……近頃は、紬ちゃんと仲がいいみたいですな~」

「そうみたいなのです。花咲夜の活動を経て、朋花ちゃんはエミリーちゃんにはお姉さんムーブを、紬ちゃんには、しっかり者の妹ムーブをちゃっかりきめているのです」

「抜け目ないですな~」

「ちょっぴり妬けちゃうのです。恵美ちゃんや千鶴ちゃんとの関係とも違うみたいで、今後の動向から目が離せないのです」

「私も方言を時折混ぜて話せば、もっと仲良くなれるでしょうか~?」

「たぶん関係ないのです」

「なんと~」

26 : 師匠   2020/07/15 04:29:21 ID:RwBh80SrUU
「今のところ、紬ちゃんは、朋花ちゃんのこの可愛い寝顔を見ていないはずなので、まつりたちのほうがお姉ちゃんとしては一歩リードなのです」

「なるほど~。お姉ちゃんとは奥が深いですな~」

「ちなみに姫は、美也ちゃんの寝顔も度々、目にしているので、美也ちゃんのお姉ちゃんと言っても過言ではないのです」

「えぇ~、まつりちゃんは私のお姉ちゃんだったんですか~」

「知らなかったのです? 遠慮せずにまつりお姉様と呼んでいいのですよ」

「そんなことよりですね~、朋花ちゃんはもっと夜想令嬢みたいな演劇やミュージカルのお仕事をするところを見たいと思うんです~。朋花ちゃんのいろんな表情を知りたいですな~」

「美也ちゃん? 今、まつりの提案をさらっと片づけなかったのです?」
27 : おにいちゃん   2020/07/15 04:29:53 ID:RwBh80SrUU
「それはそうと演技に関して言うなら、まつりも自信があるのですよ!」

「お~、プロフィールにも書いてありますな~。やっぱり、普段からの積み重ねということですか~?」

「美也ちゃん、それはどういうことなのです?」

「近い将来、まつりちゃんの演技力が存分に活かせる舞台があるような気がしますな~、むふふ」

「姫もそんな気がしているのです」

「それはそれとして、今は次の私たちのライブに向けて頑張らないとですぞ~、むんっ」

「当然なのです!」
28 : プロちゃん   2020/07/15 04:30:06 ID:RwBh80SrUU
「と、いうわけで今日は明日の合宿最終日に備えて眠ってしまいましょう~……zzzz」

「ほ? ……まつみやパート短すぎではないのです?」
29 : ぷろでゅーさー   2020/07/15 04:30:41 ID:RwBh80SrUU
後日 劇場 控え室にて

「まつりたち3人の野外フェスが終わったばかりなのに、次は765プロ総出での屋外ステージライブなのです?」

「どうやらそうみたいですね~。かなり大規模なステージになるようで、聖母としてはそれだけ多くの子豚ちゃんたちに慈愛を届けられると思うと、腕が鳴りますよ~」

「………」

「ほ? 美也ちゃん、どうしたのです? ぼーっとして。今にも頭にちょうちょさんが止まりに来そうなぐらい、ふわふわしているのです」

「あっ、すみません~。3人でのライブの余韻がまだ抜けなくて~。青い風が弾けましたね~」

「ふふっ、そのお気持ちはわかりますよ~。本当に、楽しかったですから~」
30 : 高木の所の飼い犬君   2020/07/15 04:30:56 ID:RwBh80SrUU
「なのです。けど、まつりたちだけじゃなくて、会場に来てくれたファンの人たちみんなにも楽しんでもらえたって、胸を張って言えるのです!」

「はい~。それで、今度のステージはも~っと広くて、も~っとたくさんの人がくるわけですよね~?」

「ええ、そうに違いありませんよ~」

「だったら、も~っと楽しくなるに違いありませんな~。私、こんなに幸せでいいんでしょうか~」

「美也ちゃん。その幸せな気持ちを、みんなに届けてあげればいいのです」

「いつもどおり、いえ、いつも以上にですね~♪」

「朋花ちゃん、まつりちゃん……。よ~しっ、宮尾美也、全力で輝きますよ~!」

「昨日より明日もっと、なのです!」
31 : Pーさん   2020/07/15 04:31:19 ID:RwBh80SrUU
「まつり、美也、朋花。3人ともここにいたか」

「ほ? Pさん、どうしたのです?」

「ほら、この前のフェスの写真。思い出にって、ほしがっていただろ?」

「お~、ありがとうございます~。………おや~?」

「Pさん~? えっと、どうも私の記憶とは衣装が違うような~……あっ」サッシタセイボ

「だらしないPですまない…」

「こんなオチなのです!?」

おしまいですよ~

32 : Pーさん   2020/07/15 04:31:49 ID:RwBh80SrUU
本当はフェス終了後、周年イベント中のリフレッシュタイムにでも書いて投稿しようと思っていたのですが、爆死したのでモチベーションが足りずに今日までずるずると。
フェス支援SSシリーズ(?)だったので、一旦はここで終わりです~。朋花たちに限らずまた何かネタを思いついたら、書きたいと思います~。

以下、マイペースな3人のスクショ挙げにでも使ってくださいませ。
33 : P殿   2020/07/15 05:57:43 ID:XMGKP7jBVE
おつー、ふぇす?そんなものありました??
34 : Pさん   2020/07/15 10:19:32 ID:xH18KHhmhg
MPUの一年総振り返り大作いいゾ~これ
35 : プロデューサークン   2020/07/15 19:33:56 ID:X05SO.MXCc
何気に毎週楽しみにしてたのですよ

また動画にしたら宣伝するのですわよ
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