可憐「どうしよう……思い出せない……うう」

雪歩「可憐ちゃん、どうしたの？」

可憐「あっ、雪歩ちゃん。あの……実は、さっきＰさんから新しいデュオユニットの話を持ち掛けられて、私と、えっと、もう一人が誰だったのか思い出せないんです……！」

雪歩「それは大変ですぅ！　そのもう一人の子の特徴って何か覚えていない？」

可憐「うーん……たしか、和風な子だったような…」

雪歩「じゃあ、私だね」

可憐「え？」

雪歩「劇場で和と言えば、萩原雪歩。はい、決定！　可憐ちゃん、デュオ楽しみだね♪」

可憐「え、あの、でも……劇場には他にも和風の子、けっこういますよね……？」

雪歩「………」

可憐「ミリシタ基準で言えば、花咲夜の3人とか――」

雪歩「……そうだね。ねぇ、他にどんな特徴あったか覚えていない？」

可憐「えっと、動物と触れ合うのが好きな子だったはずです」

雪歩「じゃあ、私だね」

可憐「え？」

雪歩「ほら、私、動物好きだし。猫とかトリケラトプスとか」

可憐「けど、犬は……」

雪歩「いやいやいや、数ある動物のなかで、犬が苦手ってだけだからね？　動物と触れ合うのが好きっていうのは揺るぎないからね。なんだったら、可憐ちゃんと触れ合うのが一番好きだから。はい、私で決定！　可憐ちゃん、デュオよろしくね♪」

可憐「そういえば……先週、ＴＶ番組の１コーナーで大型犬特集に出て楽しそうにしていた子らしいです」

雪歩「へ、へぇ。あの、他にどんな特徴があったか覚えていない？　犬の件だけ記憶違いかもしれないし」

可憐「他に……あ！」

雪歩「なに？」

可憐「ちょっと恥ずかしいですけど……私と同じぐらい、ス、スタイルがいい子だそうです」

雪歩「…………」

可憐「あ、あのー、雪歩ちゃん？」

雪歩「わ、」

可憐「わ？」

雪歩「私ですぅ！　世間一般の基準で言えば、それなりのものだから、ナイスバディって言っても差支えない……いや、差支えるけど、とにかく私なんですぅ！」

可憐「えぇ………」

雪歩「なんなの！？　可憐ちゃんクラスって言ったら、かなり絞られるよ？！　他に特徴なかった！？」

可憐「え、えっと……他には―――」

可憐「飲み物にはこだわりがある子なのだとか」

雪歩「よしっ！」ｶﾞｯﾂﾎﾟ

可憐（いい笑顔…！）

雪歩「じゃあ、もう私で決まりだね！　劇場で飲み物にこだわりがある子、すなわちお茶好きな私、萩原雪歩ですっ、いぇい♪」

可憐「あ、あと思い出したんですけど……」

雪歩「うん？　なにかな？」ﾆｺｯ

可憐「髪が長い子です」

雪歩「ぽ？　……ぽ？」

雪歩「ねぇ、可憐ちゃん。1つ訊いていいかな？」

可憐「は、はい」

雪歩「わた、雪歩ちゃん、真ちゃん、瑞希ちゃん、ジュリアちゃん。この中で一番、髪が長いのは？」

可憐「？？　その中だと……たぶん、雪歩ちゃん？」

雪歩「なるほど。じゃあ、やっぱり私だね！　可憐ちゃん、いっしょにデュオ頑張ろうね♪」

可憐「！？！？？　え、あの、そのー……」

雪歩「なに、まだあるの？」

可憐「は、はい……」

可憐「ここだけの話、後輩に当たりがちょっと強いかなーって子らしいです」

雪歩「いないよ？」ﾆｺｯ

可憐「え？」

雪歩「そんな子、劇場にいない。ちがう？」

可憐「………そ、そうですね。これは私の思い違いでした……」

雪歩「ふふっ、もうっ、可憐ちゃんったら♪」

可憐「年上に甘えるのが上手な子らしいです」

雪歩「…………」

雪歩「まぁ、うん。私、四条さんだったり千鶴さんだったりに、甘えているといえば甘えているし……うん。あと、ほら、あずささんとか」

可憐「そ、そうですか……？　雪歩ちゃんは頼りになる先輩で、年下の子たちから慕われているっていう印象ですけど……」

雪歩「そうだね。年下の可憐ちゃんから愛されているって言っても過言じゃないね。じゃあ、やっぱり私でいいんじゃないかな？　可憐ちゃん、初めてのデュオ、よろしくね！」

可憐「えぇ……」

雪歩「まだある？　もうゴールしてもいいんじゃないかな？」

可憐「そういえば………」

雪歩「なになに？」

可憐「名前が季節感のある子だったような」

雪歩「しゃあっ！　萩原雪歩に決まりですぅ！！　むしろ他の候補って劇場だと春香ちゃんぐらいだよ！」ｹﾞﾝﾐﾂﾆｲｳﾄﾎｶﾆｲﾅｸﾓﾅｲｹﾄﾞ

可憐「たしかに雪歩ちゃんは名前に『雪』があって冬の感じがありますね……！」

雪歩「でしょ？　よろしくね、可憐ちゃん♪」

可憐「あと、今更思い出したんですけど」

雪歩「うんうん、なぁに？」

可憐「他事務所とのコラボユニットみたいです」

雪歩「」

雪歩「」

可憐「ゆ、雪歩ちゃん……？」

雪歩「」

可憐「え、えっと……」

雪歩「………あのですね、私、萩原雪歩は」

可憐「は、はい」

雪歩「黙っていたけど、他の事務所にも所属していまして」

可憐「え？」

雪歩「893プロって言って、その道では有名というか、道を極めていると言いますか……ふふっ」

可憐（これ、深く聞いちゃダメなやつ……！）

雪歩「と、いうわけでぇぇえええ！！！！」ｵｵｺﾞｴﾃﾞｻｹﾌﾞﾎ

可憐「！？」

雪歩「私たちのデュオ、楽しみだね♪」ﾆｺｯ

可憐「あの、雪歩ちゃん……実は、そのー……」

雪歩「もう、いいんだよ、可憐ちゃん」

可憐「え……？」

雪歩「全部、嘘なんだよね？　デュオユニットの話なんてきてないんだよね」

可憐「！！」

雪歩「わかるよ、だって可憐ちゃんのことだもん」

可憐「ごめんなさいっ、私っ……！」

雪歩「いいよ」ﾎﾄｹﾉﾕｷﾎ

可憐「雪歩ちゃん――――！」

雪歩「それでも、私が可憐ちゃんを想う気持ちは嘘じゃないから」ｷﾘｯ

可憐「え？　あ、はい。ありがとうございます」

雪歩「いやー、それにしても私と可憐ちゃんのデュオ曲ができるとしたら、どんな感じになるんだろうね」

可憐「そ、そうですね……雪歩ちゃんの可愛い声もカッコイイ声も好きだけど、私、うまく合わせられるでしょうか……？」

雪歩「可憐ちゃん、どちらか片方がもう一方に合わせるだなんて考え方は違うと思うな」

可憐「へ？」

雪歩「お互いがいい意味でぶつかりあってこそ、最高のハーモニーになると思うから」ﾄﾞﾔｯ

可憐「は、はい！（先輩風びゅーびゅー……！）」

雪歩「よーし、それじゃあ、デュオの案、いろいろ出してみますぅ！」

可憐「お、おー！」

雪歩「たとえば……双子の姉妹っていう体裁で、ふわふわお姫様チックで、きゅーと！なユニットなんてのは……」

可憐「Charlotte・Charlotte……！」

雪歩「じゃあ、青春をコンセプトに制服っぽい衣装で、爽やかな夏の澄んだ空を彷彿とさせるような……」

可憐「Cleasky……！」

雪歩「いっそ普段のアイドル活動と少しずらして、読モのお仕事を通じて、女の子たちに最新ファッション、流行を届けるようなセクシーかつビューティな雰囲気で……」

可憐「Jus-2-Mint！」

雪歩・可憐「……………」

雪歩「はぁー……。うちの子たち、いい仕事しはるなぁ！！」

可憐（誰！？）

雪歩「そんなこんなで話し合っていたら、喉渇いちゃったね。お腹も空いたかも。可憐ちゃんは？」

可憐「わ、私も…」

雪歩「じゃあ、お茶淹れてくるね。ついでにお菓子も探してくるよ」

可憐「お手伝いします」

雪歩「そう？　それじゃあ、手元が狂わないように抱きしめてもらっていていいかな？」

可憐「もう雪歩ちゃんったら………ちょっとだけですよ」ｷﾞｭｯ

雪歩「！？　えっ、か、可憐ちゃん！？　じょ、冗談だったのに……！///」

可憐「ふふっ♪」

おしまいですぅ！

オチが雑なのは仕様です。
念のため書いておくと、元ネタ（？）はミルクボーイさんのやつです。
漫才系ＳＳは難しいね。

また貼り忘れたぁああああああ

このドヤ顔可憐ちゃん可愛すぎませんか！！

乙かれゆき

乙かれゆき