パンダ「――というわけでコチラがパンダコーナー…です」
静香「普通に檻の中に入っちゃっていいんですか？」
パンダ「パンダは熊だけど人を襲うことのない温厚な生き物。静香ちゃん、パンダの手を取ってみて」
甜花「にへへ……」ｷﾞｭｯ
パンダ「パンダは他の熊と違って、物を掴める手の構造をしていて攻撃力がない」
静香「人間と一緒なんだ……」
甜花「にへへ」ｸﾞｰﾊﾟｰｸﾞｰﾊﾟｰ
パンダ「この手の構造に進化したのには理由がある」
静香「笹を食べる為ですね？」
パンダ「静香ちゃん、やっぱり頭いい。すごい」
静香「甜花さんもこんなにパンダに詳しいなんて知りませんでした」
パンダ「お仕事だから頑張った」

パンダ「それでこれが今日のパンダの餌」
静香「なんて量……」
甜花「にへへ…」ﾓｸﾞﾓｸﾞ
パンダ「パンダは多い日は一日で30kgの笹を食べることもある」
静香「そんなに？！」
パンダ「笹だからエサ代かからないと思ってたけど、飼育員のお仕事してわかった。笹は安いけど、運送料は……高い」
甜花「にへへ…」ﾓｸﾞﾓｸﾞ
パンダ「というわけでパンダの前に笹を運ぶ作業をします。お仕事…です」

静香「……ふう。運び終わりました」
パンダ「お疲れ様です」
甜花「にへへ……」ﾓｸﾞﾓｸﾞ
静香「パンダちゃん、私達が働く横で食べてばかりね……」
パンダ「パンダは笹を食べても20～30%しか栄養が取れないから……」
静香「え？本当に？」
甜花「にへへ……」ﾓｸﾞﾓｸﾞ
パンダ「元々肉食～雑食の熊の身体は笹だけ食べて生きれるようにはできてない……けど、パンダは笹食べて生きるの、選んだから……」
甜花「にへへ……」ﾓｸﾞﾓｸﾞ
パンダ「こうやって一日の殆どを食事に使って吸収率の悪さを補ってる」
静香「怠けているように見えて一生懸命生きてるんだ……」

甜花「にへへ…」ｱｹﾞﾙ
静香「あの、これって？」
パンダ「笹のお裾分けかも。パンダは基本的に群れないし、臆病な生き物。だけど同じ生息圏にいる羊とかと餌をシェアしたりする姿も目撃されている……」
静香「優しい生き物なのね……ありがとう、パンダちゃん」
甜花「にへへ……」
パンダ「静香ちゃんに気を許しているみたいだから、誘導してあげて。ここ、お掃除する」
静香「わ、わかりました。こっちよ、パンダちゃん」
甜花「にへへ…」ﾉｯｿﾉｯｿ

パンダ「これがパンダの糞」
静香「全然臭い匂いがしませんね」
パンダ「笹ばっかり食べてるから、糞も笹の匂いがする。さっきも説明したように笹もちゃんと消化されてないから……」
静香「笹の繊維っぽいものが見えるわ」
パンダ「中国の動物園ではパンダの糞から再生紙を作って販売している」
静香「リサイクルならぬササイクル……すみません、忘れてください」
パンダ「ここのスタッフは絶対使うと思う」
静香「うう～…」ｶｧｧ

静香「パンダちゃんが見つからないんですが、もしかして逃げたんじゃ……」ｵﾛｵﾛ
パンダ「大丈夫、あそこの木を見て」
甜花「にへへ…」ｽﾔｽﾔ
静香「パンダちゃん！」
パンダ「パンダの足が黒いのは敵から逃げて木に登った時に下から敵が見上げても見つかりにくいようにって説がある」
静香「あの白黒にはそんな効果が……」
甜花「にへへ…」ｽﾞﾙｯ
静香「パンダちゃん！！」
甜花「にへへ…」ﾀﾞﾝｯ!!
パンダ「パンダは木登りが上手だけど、降りるのは下手……」
静香「言ってる場合じゃないわ！パンダちゃん木から落ちて背中をあんなに打って……」
甜花「にへへ…」ｽﾔｧ
静香「……なんともない？」
パンダ「腐っても熊。木から落下したぐらいじゃパンダの靭やかで強い筋肉はビクともしない」

静香「それからずっとパンダちゃんはお昼寝中で……仕事はしやすかったですけど」
パンダ「食事以外の時間は主に寝ているのがパンダ。体力がない、から」
甘奈「でも寝ているパンダちゃんもめっちゃ可愛いよね～♪。パンダちゃんをお世話する甜花ちゃんで可愛いが二十倍だよ～☆」
パンダ「初日の甘奈ちゃん、パンダちゃんと甜花ちゃんの可愛さの虜になってずっとパンダコーナーから動かなかった」ﾋｿﾋｿ
静香「それで別行動だったんですね……」
甘奈「あ、お昼きたよ」
静香「これがパンダうどん……うどんの声がパンダから聞こえる……まさか、このパンダは蒲鉾でも半片でもなくうどん生地？！」
パンダ「あう…静香ちゃんちょっと怖い……」

未来「いーなー静香ちゃん、私もパンダと一緒に遊びたい～」
静香「もう、未来ってば。遊びじゃなくてお仕事だったのよ」
奈緒「すっかり静香もパンダファンになってしもうたなぁ」
静香「そんな……休日にパンダの絵を描くぐらいでファンだなんて……」
奈緒「いやそれもう黒柳徹子並のパンダフォロワーやで！？」
未来「静香ちゃんパンダの絵描いたの？みせてみせて！！」
静香「そこまでいうなら仕方ないわね……」ｺﾞｿｺﾞｿ
奈緒「持ち歩いとるんかい！！」
奈緒（っていうか静香の絵って……）
静香「ふふ……これが私の描いたパンダよ！！」

奈緒（あかん、やっぱりパンダに見えん……）

・

・

・

タモリ「さて、彼女たちが見たパンダの絵。果たしてそれは本当にパンダだったのか」

タモリ「最上静香はパンダを描こうとしてパンダに見えない絵を描いたのでしょうか？」

タモリ「それとも彼女がパンダに見えていたものと、我々がパンダだと思っているものが違うのか」

タモリ「はたまた、我々がパンダだと思っているものは本当にパンダなのか」

タモリ「パンダは年々住処を追われて数が減少しています」

タモリ「他人と争わず、他人を疑わず、他人と手を取り合うパンダが生き残れないこの時代」

タモリ「この時代もっとも繁栄している我々人間はパンダとは真逆の存在なのかも知れません」

タモリ「ではやはり動物園にいたのは人間ではなくパンダだったのかも……」

　お　し　ま　い

(なにか違和感が…)

乙

毎度思うが、何食ったらこんな発想できるんや………うどん？

狂気を社会派で纏めた感出すな

パンダ＝甜花
パンダ＝静香
パンダ＝春香さん（きぐるみ）
つまり……

>>17
甜花ちゃん
一皮剥いだら
春香さん

>>18
でも甜花ちゃんはろくでもない事なんて言わんぞ

俺の金でパンダちゃんに焼肉を食わせたい

にへへ……

パンダちゃんかわいいー☆

甜花ちゃんかわいいー★

初っ端からなんかおかしい気がしてたらそのまま終わりやがった
タモリが出てこなかったらホラーだった

2400円で一年中甜花ちゃん見に行けるの凄くない？

子パンダがパンダの世話w（この文章は削除されました）

よく働く蟻蜂だけ集めたら一定数が怠け者に変化するという
そのまた逆戻りしかりで、怠け者を集めたら一定数除いて働き者に変化する
飼育員一日目にパンダちゃんと甜花ちゃん同じ空間に立った時、パンダちゃんは働き者に変化したのだ

>>27
その結果甜花ちゃんとパンダちゃんが曖昧になる認識災害が発生した訳か……
志希を連れ戻して収容してもらわないと

パンダ｢甜花ちゃんと初めて会った時、笹食っている場合じゃねえ！と心思った｣

パンダ｢この子は自分がお世話しないと生きていけないのでは？と｣

パンダ｢久々に肉食った。パワーが沸いてきた。お仕事して甜花ちゃんの生活を支えなきゃって｣