※ゆきかれの人です。キテる描写もあるので苦手な方はブラウザバック推奨
※こんぶじゃないです。環が激闘の末、子分にした子猫のこぶんです　環は登場しませんが
※いつもどおりキャラ崩壊注意
※猫についての知識は不確かなので鵜呑みしないでください

可憐（うららかな日差しが窓から差し込む初秋のお昼前、控え室で台本チェックをしていると、どこからともなくやってきたのは……）

こぶん「にゃあ？」

可憐「こぶんちゃん？あれ、こぶんくんだっけ。えっと……」

こぶん「にゃあ」

可憐（すぐ足元まできて……あ、丸まった）

こぶん「………」

可憐（くんくん……環ちゃんは近くにいないみたい。劇場の中にいるときは大抵、環ちゃんがいっしょにいるんだけれど）

可憐「と、とりあえず……台本のチェック、もう少しだから終わらせないと……」

こぶん「にゃあー」

可憐「えっ！？」

こぶん「にゃあー」

可憐「つい、今さっき丸まって、ね、眠ったんじゃないの……？もしかして、あ、遊びたいのかな」

こぶん「にゃあ」

可憐（わわっ。私の足にからだをスリスリしてきた…！）

可憐「えっと……でもたしか前に風花さんが―――」

風花『あのね、可憐ちゃん』

可憐『は、はい』

風花『猫と遊ぶ時は、猫が遊んでほしいタイミングじゃないとダメなの。猫が乗り気じゃないときに下手に関わろうとすると、邪魔されたにゃ！ってなってストレスを与えることになるんだ』

可憐『なるほど……そ、それは人間もですよね』

風花『うん。でもね、かといって、たとえば猫がにゃあにゃあって鳴いて遊ぶことを催促してきたときに、いつも遊ぶのも問題なの』

可憐『え？そうなんですか』

風花『鳴けば遊んでくれる、って覚え込ませると今度はこっちが遊べない時にも鳴き続けちゃうってことが起きてしまうの』

可憐『あっ……そうなると猫も人間もきっと嫌ですよね』

風花『そういうことなの。だから、飼い主さんが猫と遊ぶタイミング、そのはじまりと終わりをきちんとコントロールする意識をもったほうがいいってことなんだ』

可憐『へぇ……。べ、勉強になります……！』

風花『ふふっ。でね、これをふまえたうえでなんだけど……』ﾁﾗｯ

雪歩『にゃあにゃあー♪』（猫耳付き）

風花・可憐『…………』

雪歩『にゃ、にゃあ？』（赤面）

風花『可憐ちゃん……。ほどほどにね？　その、あんまり特殊なのは本人が乗り気でもさせないほうがいいかなって、はは……』

可憐『は、はい。善処します』

可憐「―――って、言っていたよね。うう……ど、どうしよう。台本チェックの残り、これぐらいならいつでも……」

こぶん「にゃあ？」

可憐「でも、私は飼い主ってわけじゃないし、変にこぶんくんと遊んじゃうのも……環ちゃん、嫌がらないかな…」

こぶん「にゃあ……」

可憐「！！　そ、そんな目で見つめられたら……」

こぶん「にゃっ」

可憐「わ、わかったよ。少しだけだからね？　たしか……雪歩ちゃんと使った猫じゃらしがバッグにそのままあったような……」

こぶん「にゃあ♪」

可憐「ほ、ほら、どうかな」

こぶん「にゃー！」

可憐「ふふっ、こっちだよー」

こぶん「にゃー！」

可憐「ふふっ♪」

ｶﾞﾁｬｯ

雪歩「………え？」

可憐「あっ」

こぶん「にゃ？」

こぶん「にゃー」

雪歩「おはよう、可憐ちゃん」

可憐「お、おはようございます、雪歩ちゃん」

雪歩「その子……こぶんちゃん？こぶんくんだっけ」

可憐「えっと……は、はい。ふらっとやってきて、なんだか遊びたがっていたので」

雪歩「へぇ」

可憐（！！　こ、この流れは……！）

可憐（子猫に嫉妬した雪歩ちゃんが思わず、「この泥棒猫！」って叫んじゃうパターンです……！」

雪歩「言わないよ！？」

可憐「はっ。こ、声に出ちゃっていました……？」

雪歩「う、うん。……可愛いね」

可憐「はい。この劇場では時間がリセットされるのでずっと子猫のままですから、なおさらですね♪」

雪歩「なんか怖いこと言っていない！？」

可憐「ほら、こ、こっちだよー」ﾋｮｲﾋｮｲ

こぶん「にゃあ、にゃあっ」

雪歩「可愛いなぁ。撫でてもいい？」

可憐「い、いいですよ。って私が許可するのも変ですけどね……えへへ」

雪歩「そんなことないって。じゃあ、遠慮なく」

こぶん「にゃあ？」

雪歩「わぁ、素敵な手触り。ずっと触っていたいかもですぅ」

可憐「あ、あの、雪歩ちゃん？」

こぶん「にゃあー……」

雪歩「綺麗だなぁ……」

可憐「ゆ、雪歩ちゃん！」

雪歩「どうしたの？こぶん驚いちゃっているよ？」

可憐「あっ、すみません……じゃなくて！ど、どうして私の頭を撫でているんですか……！」

雪歩「？」

可憐「そ、そんな可愛く小首をかしげてもダメですよ……？ふつうは猫を撫でる流れじゃないんですか」

雪歩「猫と戯れる可憐ちゃんが可愛すぎるのが悪いのであって、私に非は微塵もないよ」ｷﾘｯ

可憐「こんなときだけ自信満々！？」

雪歩「許可だって可憐ちゃん自身が出しているし、文句を言われる筋合いはないですぅ！」

こぶん「にゃあ！」

雪歩「ほら、こぶんもそう言っているよ」

可憐「言っていないです……！てっきり私は、この子を撫でたいってことだとばかり……って、い、いつまで撫でているんですか」

雪歩「嫌？」

可憐「べつに嫌ではないですけど……」

雪歩「可愛いなぁ」

可憐「～～～っ」

雪歩「あ、今のも、ちゃんとこの子だけじゃなくて可憐ちゃんのことも含めているからね」

可憐「そんなこと、わざわざ説明しなくていいいですから……！」

雪歩「ねぇ、可憐ちゃん」ﾋﾟﾀｯ

可憐「（あ、撫でるのやめちゃうんだ。って、いやいや…！）な、なんですか？」

雪歩「ぎゅっとしていい？」

可憐「ダ、ダメです！そ、そういうのはまた、その……時と場所を弁えてくださいね？」

雪歩「ふふっ、わかったよ」

可憐「くんくん……あれ、この香り」

ｶﾞﾁｬｯ

桃子「雪歩さんに、可憐さん。おはよう」

こぶん「にゃあ！」

桃子「その子、環の？」

雪歩「桃子ちゃん、おはよう。うん、どうもそうみたい。珍しいよね。こんなところに環ちゃんいないのに」

桃子「言われてみればそうかも。遊んでいたの？……テーブルに台本あるみたいだけれど？」

可憐「えっ、あ、それはちょうど台本チェックが終わったときに、この子がきたんだ」

雪歩「！　本当なんですぅ……決して可憐ちゃんは台本チェックを放り出して子猫とじゃれていたわけじゃないんですぅ！」

可憐「雪歩ちゃん！？」

桃子「ふふっ、なにそれ。ふうん……ねぇ、桃子も遊んでいい？あっ、レッスンまで少し時間があるから、暇つぶしにだからね！桃子はプロだからメリハリも大切にしているんだよ」

雪歩「あっ、それじゃあ……ちょうどバッグにこの前可憐ちゃんと使ったおもちゃがそのまま……」

桃子「？　この前も可憐さんといっしょに猫と遊んでいたの？」

雪歩「ううん、私と可憐ちゃんだけだよ？　猫はそのときは、わた―――んぐっ、もがもがもがみん」

桃子「え？なんで可憐さん、急に雪歩さんの口を手で塞いだの？」

雪歩「んばばばうんばばーー！！（塞ぐなら口で塞ごうよ！）」

可憐「な、なんでもないよ？　ほら、桃子ちゃん。この子と遊んであげて？猫じゃらし貸すから」

桃子「う、うん」

こぶん「にゃあー」

桃子「わっ、すばしっこい！　ふふっ、ほら、ほら、こっちだよ！」

雪歩・可憐「…………」

桃子「ふふふっ♪」

雪歩「ねぇ、可憐ちゃん」

可憐「皆まで言わなくていいですよ。私も……お、同じ気持ちですから」

桃子「どうしたの？ふたりとも。こっちにきていっしょに遊ぼうよ」

雪歩「そうだね」

可憐「それじゃあ……」


雪歩・可憐「撫でていいかな？」


おわりだよ！

以上です
最後に登場させるの環にするかどうかで迷いましたが、最初の直感に従い今回は桃子にしておきました

乙です
可憐と雪歩は日頃何をして遊んでいるんだ

おつ
環ってゆきかれどっちもお姉ちゃん呼びなんだよね