ちょっと聞いてくれ。

アイドルと関わった時の話。

アイドルになった人と関わったときの話。

学校に早くも馴染めないと察し始めた頃。

GWも開け未だ一人でいる俺。

気づけばできていた友達だったから、作り方も何も知らないで今に来てしまった。

そんないままで友達になってくれた人は、学校違い。クラス違い。

いるのは友達の友達で声をかけられても、なんとかまともなことを言おうと空回りした。

斜め上の回答に脳の処理能力超えてオーバーヒートして滲んだ額の脂汗はじめっと周囲を嫌な空気にしてしまい自己嫌悪を重ねるだけだった。

だから六限目が終わると誰とも関わろうともせず逃げるように学校を去る。

もちろん帰宅部。

どこに行くわけでもなく、何をするわけでもなく、同じ学校のやつが来ないであろうコンビニとかで買い食いをしたり、週刊誌を立ち読みする時間が多かった。

ちょうどその日は雨だった。

正午を過ぎた頃からぽつりぽつりと髪が萎れる程度の雨量は、日課のコンビニで立ち読みをしている頃には本降りになった。

天気予報を見ない俺だったからもちろん傘はなかった。

コンビニの傘を買うお金はあったとは思うが、傘にお金を使うって言う考えはなかった。

駅まで歩いて１５分くらいだったと思う。

それぐらいなら走れば５分もかからないだろうと甘い考えでいたから、雨が弱まった頃に全力で走った。

けれどやっぱり駄目で３つ目の信号に捕まった頃にはさっきよりも激しい、前も見えない痛い雨に変わったから諦めて公園で雨宿りすることにした。

その公園には大きな傘の屋根があってその傘の柄を囲むように丸いベンチがある。

近くの駄菓子屋で買ったものをそこで食べていたから知っていた。

先客は無し。

拭くようなものは持っていなかったからシャツを脱いで頭を拭いたりした。

それが終わればもう手持ち無沙汰でベンチに座っては屋根を支える柱によりかかって、水たまりに落ちる水滴を眺めるくらいしかしていなかった。

そんな時に背後から走って向かってくる足音が聞こえた。

アイドル名↓２　「　↓３　」　　　　　　　　　　　　　　　　　　

浜口あやめ

アイエェェェェェ！？ニンジャ！？ニンジャナンデ！？

アイエェェェェェ！？ニンジャ！？ニンジャナン「　　　　　　　　　　」

不意に言葉に表せないほどの恐怖感に襲われた。

後ろも振り向けずその得体のわからない存在に恐怖した。

だから雨にも関わらず学校かばんに気をかけることもできないで、身一つで逃げ出した。

あたりも暗くない公園を囲むように並ぶ街頭はチカチカと点滅を繰り返していた。

とにかく人気のあるところへ一目散に走った。

思いついたところは駄菓子屋だった。

駄菓子屋はシャッターが閉まっていた。

少し涙が出た。

なにか振り向くこともできなくて追いかけられているような脅迫観念があって、そのシャッターを背にして途方にくれた。

雨音しか聞こえなくてだんだん冷静になって来るんだけど、自分がなにも持ってないことに気がつく。

財布ないわ。

家に帰るためにはまたあの公園に戻らないといけないことに気がついて更に途方にくれた。

その場にしゃがみこんで膝を抱える。

身体が濡れているせいもあって自分が泣いているのかもわからなかった。

アイドル名↓１　「↓２」

本田未央

どしちゃったの～♪暗い顔～♪なんとかしてあげたいっ♪