夏葉「この映像を見てる君は選ばれしもの…高額賞金を掴むチャンスを与えられた強き者…」

あさひ「なにやってるんすか？」

夏葉「今度開催される“5000万ドル争奪！アイドル・ラッシュ”っていうイベントのPVを任されたの。その撮影」

あさひ「5000万…ドル！？ドンの間違いじゃないんすか！？」

夏葉「いいえ、ドルで間違いないわ。実を言うとウチの実家が1枚咬んでるイベントでね、私にこの“謎の主催者 キャプテン・マッスル”の役を任せたいって言ってきたのよ」

あさひ「ひええ…責任重大っすね…」

夏葉「ええ。だからいつもより余計に気合が入っちゃってね…何度か撮り直してるんだけど、これ！っていう出来のものがなかなかできないの」

あさひ「夏葉さん完璧主義っすからね」


夏葉「…そうだ。良かったらこれまで撮ったものを観てみてくれないかしら？第三者の意見を参考にしたいの」

あさひ「いいっすよ。あんま良いこと言えないかもしれないっすけど」

夏葉「ありがとう！じゃあまずこれから…」

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あさひ「…………」

夏葉「ど、どうかしら？」

あさひ「…ぶっちゃけていいっすか？」

夏葉「ええ。あさひの正直な感想が聞きたいわ」

あさひ「じゃあ言わせてもらうっすけど、夏葉さん全然筋肉が足りてないと思うっす」

夏葉「なにっ！？」

あさひ「腕も足も細いし、シックスパックもないし…“キャプテン・マッスル”なのに完全に名前負けしてるっす。忌憚のない意見ってやつっす」

夏葉「そうかしら…。毎日筋トレはしてるし体形にはそれなりに自信を持っていたのだけど…」

あさひ「普段のアイドル活動なら充分だったかもしれないっすけど、今回は“キャプテン・マッスル”なんだから一目でわかるくらい筋肉モリモリにならないと物足りないっすよ」

夏葉「つまり、ボディビルダーみたいな体にならないと説得力が無くなる…ということね」

あさひ「そうっす。“あれ？なんか細くない？”みたいに思われる余地を失くさなきゃダメっす」

夏葉「了解したわ！有栖川家の名にかけて、一切の妥協を許さない超ハード肉体改造を開始する！」

あさひ「ファイトっす！」

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【１ヵ月後】

夏葉「ふんっ」ﾑｷｯ

夏葉「はっ」ﾓﾘｯ

夏葉「ぬううううううぅぅぅぅぅん！！！」ﾄﾞｯｷﾞｬｱｱｱﾝ！


あさひ「すごいっす！全身ゴツゴツで丸太みたいっす！」

夏葉「ふふふ…体重がついに100kgを突破したわ…。もう誰にも細いとは言わせない…」

あさひ「で、もう新しいPVは撮ったんすか？」

夏葉「もちろんよ。はいこれ」

あさひ「ではさっそく…」


あさひ「………」

あさひ「………………」

あさひ「…………………………」

夏葉「どう？」

あさひ「う～ん…なんと言うか…」

夏葉「なんと言うか？」

あさひ「首から下はマッチョなのに顔はいつもの夏葉さんのまんまなせいですごくアンバランスと言うか…ぶっちゃけ気持ち悪いっす。忌憚のない意見ってやつっす」

夏葉「なにっ！？」

あさひ「体形の物足りなさは克服できたけど、今度はホラーみたいになっちゃったっすね」

夏葉「でも顔はさすがに変えられないし…」

あさひ「なら覆面でもかぶったらいいんじゃないっすか？」

夏葉「あ、アイドルなのに覆面！？正気なの！？」

あさひ「常識に囚われたらダメっすよ。PVには覆面で出て、イベントの最後に“キャプテン・マッスルの正体見たり！なんとあの有栖川夏葉だったのかあっ！？”みたいな演出やればめっちゃ盛り上がるんじゃないっすか？」

夏葉「な、なるほど…確かに面白そうね…」

あさひ「いっそ夏葉さんのイメージからかけ離れたバケモノみたいな覆面を作ったほうがいいと思うっす。鼻がぺしゃんこで、口まわりの皮膚がえぐれて筋肉むき出しになってるようなやつ」

夏葉「ふむふむ。それくらいやったほうが今の体形には合っていると」

あさひ「あと、口調も思いっきり粗暴にしちゃっていいんじゃないっすか？大金を奪い合う勝負なんだからもっとこう、ハッパかけるというか煽るような感じで」

夏葉「わかったわ。今までのアドバイスをすべて考慮すると……」


ｷｭﾋﾟｰﾝ！


夏葉「キタっ！最高のインスピレーションが湧いてきたわっ！」

あさひ「おお！それじゃ今度こそバッチリっすかね？」

夏葉「ええ！」

あさひ「ならわたしも撮影に加わりたいっす！面白そうっす！」

夏葉「ありがとう、あさひ…。私は…最高のPVを撮ってみせるわ！」

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【翌日】

『俺はキャプテン・マッスルだあっ』

『5000万ドルを当たり前のことやってて手に入ると思うなよ？せめて命ぐらいかけてくれよ』

『そんな根性の欠片もない君たちにいい知らせがある』

『“徒手空拳”というルールは撤回された。銃や刃物など凶器の使用、爆薬・毒物・罠…とにかくなんでもあり…』

P「……なんだこれ」

夏葉「なにって、今度のイベントのPVに決まってるじゃない」

あさひ「わたしと夏葉さん渾身の一本っすよ！どうっすかPさん？編集なしでこのまま使えると思うんすけど」

P「んなワケあるかバカヤロー！！！！！！！」




（けっきょく、夏葉の体形が戻るまでに再び1カ月を要したためイベントに間に合わせることができず、キャプテン・マッスルはCGで代用されましたとさ）

お　し　ま　い

ちなみに5000万ベトナムドンは約25万円です
しょぼいように見えるけど貰えたら嬉しい金額ですね

乙
夏葉がTheガッツ!みたいなマッチョになったら流石に愛せないかな

乙です
「ダンベル何キロ持てる？」街雄さん（CV石川P）みたいな夏葉かあ

な、なんだあっ

1ヶ月で鍛えたり戻したりスゴイね人体

？？？「愛をまっとうするために日本にいかなくては…」
？？？「3人も相手殺しちゃったし日本へいかなくては…」

>>1
あなたは"悪魔王子"ですか？

果穂「夏葉さんがキャプテン・マッスルだったことに1番戸惑っているのは私なんだよね」

なにっタフスレが存在しているっ
なんだあっ

これ以上は危険や！BBSを落とすぞ！

強くなったねぇ　アイドルは強くなくっちゃね

うああああ（PC書き文字）

アイドルイベントだと思うんすけど“徒手空拳”というルールは撤回された。銃や刃物など凶器の使用、爆薬・毒物・罠…とにかくなんでもあり…
っていいんスか　これ

>>28
マッスルを競うイベントで凶器とか使ったらマッスルの否定だけど
凶器を使ってもアイドルの否定にはならないからむしろマシと考えるべき

うぁぁぁぁ た⋯タフSSがBBSを練り歩いてる⋯！

急げっ！
乗り遅れるな！
“タフマス・ラッシュ”だ！

すごい数のマネモブが集まってきている！