【ミリSS】P「周防ドンブラ子ってのはどうだ?」桃子「は?」
1 : プロデューサー君   2022/05/25 09:10:00 ID:muJTObFE.E
立ったら投下していきます
2 : プロデューサーさん   2022/05/25 09:10:15 ID:muJTObFE.E
※書くにあたって桃子のメモリアルコミュを読み返してみましたが、当SSはまったく別の世界線とお考えください


桃子(また演技のお仕事ができる……今度こそ……。桃子のプロデューサーって、どんな人なんだろう)

P「やぁ、お待たせ。はじめまして」

桃子「ふーん、お兄ちゃんが桃子のプロデューサー?…まあ、悪くないかな…」

P「おっ、蒼いねぇ!それじゃ軽く自己紹介を―――」


39分後


桃子(話してみたけど……真面目っぽいし、ちょっと頼りないふうではあるけど、ま、いいかな。芸能界は桃子のほうが先輩だから、いろいろ教えてあげないとね)

P「そうだ、あともう一つ。いいか?それとも少し疲れちゃったかな?」

桃子「全然平気だよ。まだ1時間だって経っていないでしょ?何時間も通しで演技しないといけないことだってあったんだから」

P「そ、そうか。ええと、それじゃぁ、名前のことなんだけど」

桃子「名前?」
3 : Pチャン   2022/05/25 09:10:30 ID:muJTObFE.E
P「ああ。桃子のためにこっちで候補は考えてきたんだ」

桃子「ねぇ、それってもしかして芸名ってこと?そんなの桃子は……」

P「まぁ、そう言わずに。聞くだけ聞いてくれないか?可愛い桃子のことを思って夜通し考えたんだ」

桃子「ふうん……気にいることなんてないと思うけど、そこまで言うなら聞いてあげてもいいよ」

P「ありがとう」

桃子(芸名、ね。たしかに使っている人は多いし、メリットもあるのは知っているけどね。でも……)





P「周防ドンブラ子ってのはどうだ?」

桃子「は?」

P「周防ドンブラ子だっ!」

桃子「いやいやいやいやいや」
4 : 箱デューサー   2022/05/25 09:10:44 ID:muJTObFE.E
P「天照大御神ドンブラ子と悩んだんだけど、あんまり大仰なのも不味いかなって」

桃子「本気?冗談にしたって笑えないんだけど」

P「えっ。やっぱり天照大御神にしたほうが……」

桃子「そこじゃない!!なに!?ドンブラ子って、ふざけているの?!」

P「ふざけてなんかいないっ!!!」ドンッ

テーブル「ひぃっ」

桃子「きゃっ!」

P「あ……悪い。怖がらせちゃったな。でも、俺は本気なんだ」

桃子(この人、やばい)

P「桃子の気持ちはわかるよ。最初はみんなそう思うんだ。そんなハイセンスな名前、自分には合わない、名前負けしちゃうって」

桃子「えぇ………」
5 : Pくん   2022/05/25 09:10:53 ID:muJTObFE.E
P「実例を紹介しよう」

桃子「じつれい?」

P「そうだ。劇場では既に何人ものアイドルが活躍しているんだけど、その中でも……そうだな、この3人」ピラッ

桃子「宣材写真だよね、これ」

P「そう。左から天空橋朋花、徳川まつり、宮尾美也。本名はだけど」

桃子「元から綺麗な名前だね。それでこの人たちに芸名があるってことなの?」

P「ああ、俺がつけたんだ」

桃子「……どんな名前?」
6 : ぷろでゅーさー   2022/05/25 09:11:07 ID:muJTObFE.E
P「フェスティバル・トクガワ、†ポンドゥシエル†~聖母の慈愛を添えて、サンドイッチ永世竜王」

桃子「は?」

P「難しい言葉もあるから、1つずつ確認していくぞ」

桃子「う、うん」

P「まず、フェスティバル・トクガワ」

桃子「徳川まつりさんの芸名……なんだよね」

P「お?わかるか?フェスティバルってのは英語で、」

桃子「馬鹿にしないで、桃子だってそれぐらい知っているよ。お祭りって意味でしょ?」

P「そのとおりだ。まつりにピッタリだろ?」

桃子「そのままなだけじゃん!」
7 : Pちゃん   2022/05/25 09:11:22 ID:muJTObFE.E
P「ふっ」

桃子「なんでそこで笑うの!?桃子、どんな顔したらいいわからないよ」

P「いやな、つい思い出したんだよ。まつりに……フェスティバル・トクガワにこの芸名を提案したときのこと」

桃子(受け入れたってことはお兄ちゃん以上に変わり者なのかな)



P『よしっ!それじゃあ、まつり。これからはフェスティバル・トクガワで、』

まつり『ほ?』シュッ

P『あ、あれ?変だな、ペットボトルが勝手に真っ二つになったぞ。ん?断面を見るに、鋭利な何かでスパッと切られたみたいだ。フェスティバル・トクガワ、怪我はないか?』

まつり『Pさん。これ以上、姫を愚弄するなら今度はPさんが真っ二つになってしまうかもなのです』

P『ははっ、面白いことを言うなぁ。フェスティバル・トクガワはユーモアセンス抜群だな!』

まつり『………。まつり、その芸名は嫌なのです』

P『え……?う、嘘だろ?昨夜寝ずに考えたんだが?』
8 : 兄(C)   2022/05/25 09:11:35 ID:muJTObFE.E
まつり『まつりが思ったよりPさんの頭は残念なのです』

P『わかった、どうすれば認めてくれる?俺はどうしたら君にフェスティバル・トクガワと名乗ってもらえるんだ!!』

まつり『すごく真剣な眼差しなのです。びっくりなのです』

P『教えてくれ、なんでもするぞ』

まつり『正気なのです?』



P「って感じでさ。フェスティバル・トクガワは最初、かなーり、照れていたんだよ。まぁ、気持ちはわかるがな」

桃子「それ、照れじゃないと思うよ!?」
9 : プロデューサーちゃん   2022/05/25 09:11:59 ID:muJTObFE.E
P「その後は大変だったなぁ。39日にわたって口説き落として、どうにかデビューまでこぎつけたはいいもの、思わぬ方向から反対が来てな」

桃子「全方位じゃなくて?えっ、まつりさん、納得したの?お兄ちゃんどれだけ口がうまいの!?それともまつりさんがちょろいの?」

P「フェスティバル・トクガワの妹さんが劇場に殴り込んできてさー。しかもちょうどフェスティバル・トクガワが無人島でのロケの最中にだぜ」

桃子「だぜ、って言われても困るよ。……それでどうなったの?」

P「あの時は死を覚悟したね。けど、最終的には俺の今後39年間の給与の76.5%を妹さんの口座に振り込むってだけで解決したんだ」

桃子「どういうこと!?お金でどうにかなったのがすごいと言うべきなの?」

P「でも、†ポンドゥシエル†~聖母の慈愛を添えての時もハラハラしたなー」

桃子「ポ、ポン、なに?」

P「はは、ポン酢じゃないぞ、桃子。ポンドゥシエルってのはフランス語で天空の橋って意味だ」

桃子「じゃあ、やっぱりそのままじゃん!天空橋朋花さんの芸名なんでしょ?」
10 : EL変態   2022/05/25 09:12:14 ID:muJTObFE.E
P「ああ。でもな、桃子。口頭じゃ伝わらないけど……えっと、ほら、これを見てくれ」

桃子「なにこれ?十、じゃないよね」

P「ダガー、あるいは短剣符って言うんだよ。芸名にはこれもついているんだ!」

桃子「意味は?」

P「知らん。でも、かっこいいだろ!」

桃子「えぇ……」

P「『聖母の慈愛を添えて』の部分は、悩んだんだよなー。『聖母の気まぐれ日替わりランチ』にするか『聖母のうたた寝風ソース和え』にするかさ」

桃子「それやっぱり、レストランのメニューから来ていたんだ……」

P「何を隠そう、†ポンドゥシエル†~聖母の慈愛を添えては自他認める聖母なんだよ。なんとぉ!アイドルになる前から熱烈なファンだかフォンだかフェンだかがいたんだ」

桃子「それはファンだって思うよ、そこは悩まないで」
11 : プロデューサーはん   2022/05/25 09:12:27 ID:muJTObFE.E
P「その中でも天空騎士団なんていうクソダサネーミングの連中が、俺に喧嘩をふっかけてきたんだ。芸名が気に入らないって。ちょっとばかり長いだけなのにな」

桃子「お兄ちゃんの100万倍はセンスあると思うけど……それでどうなったの?」

P「幹部何人かと決闘することになったんだ」

桃子「決闘?!」

P「もちろん非公開だ。罪に問われちゃうからな。†ポンドゥシエル†~聖母の慈愛を添えてにも知らせなかった。ふっ……あの子は優しいからな」

桃子「か、勝ったってことだよね、今こうしているわけだし」

P「まあな。フェスティバル・トクガワ姉妹から徳川秘伝の護身術を教わっていなかったら絶命していただろうな、ははは」

桃子「さっきはスルーしたけど、まつりさん何者なの……」
12 : P様   2022/05/25 09:12:36 ID:muJTObFE.E
P「最終的には今後39年間、毎日朋花のお団子を結う係を務めることで落ち着いたんだよ」

桃子「えぇ……?」

P「それに比べたら、サンドイッチ永世竜王の時は楽勝だったなー」

桃子「いちおう訊くけど、宮尾美也さんは簡単に了承したの?」

P「美也自身は765秒の説得で納得してくれたよ。そのほうが歴史の教科書に載った時にインパクトがありますね~って」

桃子「ってことは、本人以外がまともだったの?」

P「うん?なんか引っかかる言い方だな。まぁ……美也のおじい様が許してくれなかったんだよ」

桃子「おじいちゃん?」
13 : 彦デューサー   2022/05/25 09:12:52 ID:muJTObFE.E
P「そうそう。で、知り合いのつてで人を呼んだから、こいつに将棋で勝てたら考えてやってもいいぞーって。おいおい、滅茶苦茶なことを言うもんだなって思ったね」

桃子「……。勝ったんだよね、その人に。美也さんのおじいちゃんの将棋友達だったの?」

P「いや、れっきとしたプロだったよ」

桃子「へ?」

P「桃子も名前、知っているんじゃないかな。ほら、藤井○太」

桃子「藤井聡○!?!?? ええっ、なんでお兄ちゃん、勝っているの?」

P「いくつか理由はある。だが、そうだな。敢えて言うなら、美也の色気のおかげだ」キリッ

桃子「キリッ、じゃないよ。なんなの、もうっ!」

P「で、最終的には10年後に俺が美也と結婚して孫の顔を見せますって話に落ち着いたんだ」

桃子「それでいいの!??!おじいちゃん、もっと考えて!」
14 : Pサン   2022/05/25 09:13:07 ID:muJTObFE.E
P「とまぁ、こんな感じ。紆余曲折あったけど、今じゃ3人とも頑張ってくれているよ」

桃子「へ、へぇ」

P「崖っぷちアイドルなんて言われていてな。俺としてはもうひと押ししたいんだが」

桃子「売れていないの!?ぜったい芸名のせいだよ、それ!」

P「時を戻そう……じゃなくて、話を戻すと、周防ドンブラ子は周防ドンブラ子を受け入れるか迷っているのか?」

桃子「迷っているも何も、はっきりと嫌がっているのに、呼ぶのやめて」

P「ははっ、桃子は可愛いなぁ」

桃子「照れとかじゃないからね!!」
15 : 箱デューサー   2022/05/25 09:13:23 ID:muJTObFE.E
P「うーん……そうなると、他の例も説明しないとかな。リリカルゆきぽっぽやゴールデンレトリバーの話も聞くか?」

桃子「嫌な予感しかしないからいい」

P「桃子、わがままばかり言っていちゃダメだぞ☆ 芸能界ってのは月曜日のクリームソーダみたいには甘くないんだ」

桃子「ねぇ、おに……プロデューサーさん」

P「んー?どうしたんだ~?いきなり距離感バグってね?」

桃子「桃子、ここでアイドルするのやめるね」

P「!???!??!??! な、なぜなんだ、桃子」

桃子「桃子はね……失敗したんだ」

P「え―――?」

桃子「話は聞いているでしょ?前まで子役女優をしていたの」

P「ああ……聞いている」

桃子「桃子の家族のことだって知っているんでしょ?」

P「……うん」
16 : 我が下僕   2022/05/25 09:13:34 ID:muJTObFE.E
桃子「プロデューサーさんの言うとおり、桃子、わがままなんだよ。わがままで、勝手で……離したくない、大切な人と離れたくないって思ったときには全部、遅かった」

P「桃子……」

桃子「ううん、ちがうね。失ってから気づいたんだ。桃子にとってみんなが大事だったってこと。壊しちゃダメだったってこと」

P「それって……」

桃子「でもね」

P「え?」

桃子「名前はそのままだから。桃子って名前はお母さんとお父さんから貰ったかけがえのないものだから。それを変えてしまったら、たとえ芸名でもね、お仕事であっても桃子が桃子じゃなくなってしまったら……本当にもう二度と、大切なものを、人を、取り戻せない、そう思っちゃうの」

P「………」

桃子「だから、ごめんなさい。プロデューサーさんみたいな頭のおかしな人とトップアイドルなんて目指せない。桃子は……桃子でいたいの。それで頑張って、ひたすら頑張っていけば、今度は上手くできたなら……取り戻せるかもしれないから」
17 : プロヴァンスの風   2022/05/25 09:13:56 ID:muJTObFE.E
P「それが聞きたかった」

桃子「え?」





P「ごめんな、桃子。今までの全部、嘘なんだ」

桃子「は?……は?」

P「39プロジェクトは始動前なんだよ。まつりたちの写真はオーディション後に撮ったものだ」

桃子「じゃぁ……いかれた芸名を名乗っている人はいないってこと?」

P「そうだ」

桃子「お兄ちゃんはまともだってこと?」

P「……そうだ」

桃子「ううん、まともなんかじゃない!なんでっ!なんで、そんな嘘ついたの!!!ありえない!」
18 : プロデューサーちゃん   2022/05/25 09:14:09 ID:muJTObFE.E
P「桃子の心が知りたかったんだ」

桃子「!」

P「本当にごめんな、こんな無理やりな方法で。でも、知っておきたかったんだ。知らないといけなかった。俺が君をトップアイドルにするために」

桃子「………」

P「俺が、いや、俺たちが桃子の大切なもの全部取り戻して、それに他にもたくさんの大切な思い出を作って、それをファンの人たちと共有だってして……桃子がずっとずっと輝けるように、魅惑の金剛石みたいな存在になれるようにって」

桃子「なに、それ……もう、なんなの……ぐすっ。お兄ちゃんのバカ……」

P「桃子、許してくれないか。俺のこの気持ちは本当なんだ。今は桃子にとって心が落ち着ける場所っていうのはごく限られているかもしれない。けどな、俺はこの劇場を桃子のココロがかえる場所にしたいって本気で思っているんだ!!」

桃子「……!」

P「だから、頼む!765プロのアイドルになってくれないか、俺と一緒にトップアイドル目指さないか!!」ギュッ

桃子「きゃっ………な、なに急に抱きしめているの、バ、バカじゃないの、警察呼んじゃうよ?」

P「罪なのは桃子の可愛さだよ」イケボ

桃子「~~~~っ」
19 : 下僕   2022/05/25 09:14:30 ID:muJTObFE.E
桃子「わ、わかった。考えさせて。また明日……連絡するから」

P「ああ」

桃子「そろそろ離して///」

P「あ、ああ。悪い」

P(いくらなんでも、成人男性が小さな女の子を初対面で抱きしめるってのはどうなんだ?うーん、ギャグSSだからいっか!)

P「ん?そういえば、聞き損ねていたけど、その箱は?」

桃子「踏み台のこと?これはね、桃子が桃子より身長や態度ばっかり大きい人たちと対等に渡り合うための道具」

P「そっか……」

桃子「それじゃあね、お兄ちゃん。桃子をドキドキさせた、せ、責任はちゃんとってよね///」

P「なぁ、桃子」

桃子「え?なに」
20 : 貴殿   2022/05/25 09:14:41 ID:muJTObFE.E
P「その踏み台の名前、∞贖罪のタルタロス∞なんてどうだ?」

桃子「そのネーミングセンスは素なの!?」



おしまいだよ!
21 : Pチャン   2022/05/25 09:15:06 ID:muJTObFE.E
以上です
SHS桃子も可愛いですね

22 : 兄ちゃん   2022/05/25 09:16:12 ID:muJTObFE.E
おおっと!しまった!桃子のスクショを貼るつもりが、ミリシタで一番尊いカプ画像を貼ってしまった!
てへ♡

まぁまぁ、SHS桃子どうぞ

23 : ごしゅPさま   2022/05/25 21:21:51 ID:LjyP13YoZI
桃 ドンブラ…
今の某5色のヒーロー…話のエグさがね…
24 : 下僕   2022/05/25 21:35:21 ID:yDIlJSDgNo
えっと…途中からいきなり良い話になって反応に困りました…
25 : 監督   2022/05/25 22:15:39 ID:uvmRceyBGg
乙〜
面白かった!
26 : あなた様   2022/05/25 22:21:12 ID:T7t7T7S7hI
>>24
一見すると良い話のように見えるけどロリを抱き締めてイケボで口説こうとするのは変態行為だぞ
27 : Pはん   2022/05/25 22:46:49 ID:.GLjjyWt4.
まあ確かにフェスティバル・トクガワを了承するわけないだろうしな…(トクガワの方をぼやかせばワンちゃんあるだろうけど)
28 : 彦デューサー   2022/05/25 23:08:13 ID:kDw/EfuBLE
藤井聡○をほぼ思考ゼロにする美也の色気の具体的なところはよ
普通じゃ埋められない壁だから相当のはず
29 : バカP   2022/05/26 07:12:27 ID:SKarYS13CA
藤井◯太なんて相手の王将が最後列にいる内にこっちのビショップでポチョムキンすれば楽勝よ
30 : Pはん   2022/05/27 12:18:02 ID:ijSk/JQP5Y
>>21
正体表したね
31 : 兄(C)   2022/05/27 17:14:04 ID:ze2s8CkXks
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