百合子
「えっ！？　今晩はサービスエリアで車中泊ですか！？　私とプロデューサーさんで！？
そ、そうですね。仕方ないですよね。台風で動けないんじゃ。
こんな田舎だとホテルも限られていますから、すぐに満室になっちゃいますし」

（ご飯やトイレはサービスエリアの施設で済むけど、今晩一緒に寝るということ！？　この狭い車の中で！？
きっと私は大人の階段を登って、少女ではなくなってしまうんだ。
こんなことになるのなら、今日下着もっと良いの着てくるんだった！
嵐の中なら外から見られることはないし、車がギシギシ揺れていても不自然じゃない……それだけは救いかも。
寒くないかって聞かれて、そのまま抱きしめられて、「もっと近づこう」ってお互い裸で抱き合って……）

一方、プロデューサーは何も言わずに寝袋を二つ取り出していた。