【DSSS祭】羽ばたきのMy Soul⑤
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【DSSS祭】羽ばたきのMy Soul⑥
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涼『僕、女装アイドルをやったことに後悔はありません』


涼『もちろん最初は恥ずかしくて嫌だったし、結果的に大勢の人たちを騙してしまったことは申し訳ないと思ってます』


涼『でも、普通のアイドルでは見られない世界を見れて、大切な仲間と出会えて……女装アイドルとしての経験があったからこそ、今の僕があるんです』


涼『これまでも、これからも、僕はずっと876プロの一員です』

【日の出テレビ タレント控え室】

ｶﾞﾁｬｯ!

愛「涼さんっ！」

涼「うわっ！？」

愛「えっ？」


ｺﾞﾁｰｰﾝ!

愛「いったあ～……」

涼「もう……急に飛び込んでこないでよ……」

愛「ごめんなざい……あたしってばまたドジやっちゃって……」

涼「ふふっ、1年ぶりだけど変わらないね、愛ちゃん」

涼「テレビ、見てくれた？」

愛「はい！ちょっとびっくりしちゃいましたけど」

涼「愛ちゃん、何度連絡しても全然返事してくれないんだもん。だからちょっと強引な手を使っちゃった」

愛「すいません……あたしここの所ゾンビ状態で……スマホの充電とか、全然してなくて……」

涼「うん。大変だったね……無事でいてくれて本当に良かった」

涼「それと、僕からも謝らなきゃいけないことがあって。876プロとの契約のことなんだけど」

愛「あっ……社長が、ずいぶん前に解消したって言ってました……」

涼「ごめん！僕も知らされてなくて。ウチのプロデューサーさん、石川社長から口止めされてたらしいんだ」

愛「たぶん、涼さんに気を遣って欲しくなかったんだと思います。自分のせいで無駄な時間を使わせちゃったって、凄く申し訳なさそうに言ってましたから……」

涼「そう……。でもね、僕の気持ちはさっきテレビで言った通りだよ」

涼「876プロに入ったから……愛ちゃんや絵理ちゃんと出会えたから僕は強くなれた。無駄な時間なんかじゃない」

愛「涼さん……」

涼「だからさ」


絵理「……」


涼「絵理ちゃんもそろそろ部屋に入ってきなよ。ずっとドアの裏に隠れてないでさ」

絵理「……いつから、気づいてた？」

涼「さっきからチラチラこっち覗いてたでしょ。バレバレだよ」

絵理「……私、お邪魔虫じゃない？」

涼「そんなわけないじゃないか」

愛「そうです！あたし絵理さんのおかげで大事なことを思い出せたんですから！」


絵理「そう……わかったんだ。愛ちゃんの、根っこの気持ち」

愛「はいっ！」

愛「あたし、ずっとママと比べられて生きてきました。それが嫌でたまらなくて」


愛「それでも……歌うことは止められなくて。下手くそって言われても、ママに比べて大したことないって言われても、歌が好きだって気持ちは変わらなくて。だからアイドルを目指したんです」


愛「あたし、歌いたいです！余計な事考えすぎて、見失ってたけど……もう、自分に嘘をつくのは終わりにします！」


愛「社長の事故、どんなに謝っても許されることじゃないけど……社長が守ってくれたこの命で、もう一度やり直します！」


愛「今のあたしにできるのは……これだけですから……」

絵理「……うん。私も……それがいいと思う」

涼「愛ちゃん、本当に強くなったね」



涼「そうだ！ちょっと思いついたことがあるんだけど、いいかな？」

愛＆絵理「「？」」

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【スタジオ】

愛「ホントにいいんですか？勝手に入っちゃって」

涼「今日はもう誰も使わないはずだし、大丈夫だよ。怒られたら……まあ、その時はその時って感じで」

愛「涼さん、すごく大胆になりましたねぇ」

涼「だって久しぶりに3人で歌うんだもん。狭い練習場とかじゃ勿体ないでしょ？」

愛「……そうですね！あたしもそう思います！」

絵理「……」

涼「絵理ちゃん？どうかしたの？」

絵理「……ちょっと、圧倒されちゃって……またここに立つ日が来るなんて……思ってもみなかったから……」

涼「大丈夫？」

絵理「うん……平気……。怖い気持ちもあるけど……それ以上に……」

絵理「またみんなと一緒に歌えることが……嬉しいから……」

涼「よし！じゃあなにから歌おうか？」

愛「はいはーい！あたし、ハッピースがいいです！」

絵理「うん……私も……それがいいと思ってた……」

涼「ハッピースか。確かに今の僕たちにぴったりかもね」

愛「それとあたし、アレやってみたいです！皆で手を重ねて、オーッ！てやるやつ！」

涼「ああ、円陣のこと？そういえば876プロではやってなかったね」

絵理「了解。掛け声は……愛ちゃん、よろしく？」


愛「はいっ！それじゃ行きますよ……すうぅぅぅぅ……」

愛「876プロー―――――――――っ！ファイトおー―――――――――っ！！」



「「「オー――――――――――――――ッ！！」」」

愛（あたしたち3人、ずっと手を繋いで歩くことはできなかったけど）


愛（目指す場所は、同じ。ひとりなんかじゃない）


愛（涼さん。絵理さん。本当に……ありがとう）

“ハッピース”


“私たち　きっと 出あえて 良かったよね”

お　し　ま　い　

次回、エピローグ……？