【DSSS祭】羽ばたきのMy Soul⑤
http://imasbbs.com/patio.cgi?read=26774
【DSSS祭】羽ばたきのMy Soul⑥
http://imasbbs.com/patio.cgi?read=26791#body
【DSSS祭】羽ばたきのMy Soul⑦
http://imasbbs.com/patio.cgi?read=26798

～1年後～


【病院】

高木社長「それにしても驚異的な回復力だねえ。先生も驚いていたよ」

石川社長「そうですか……まあ、いつまでものんびり寝てられない理由ができたから、でしょうかね」

高木社長「その様子だと、すっかり決心が固まったということかな？」

石川社長「はい。正直、寝込んでる間にも借金が膨れ上がってて、火の車なんですが……876プロ、続けることにしました」

石川社長「目が覚めるなり愛に泣きつかれちゃって。それと、涼に“勝手に諦めないで欲しい”って。私、また間違えるところでした」

石川社長「アイドルを導く立場のはずなのに、逆にあの子たちに教えられて……どうしようもないですよね、ホント」

高木社長「私にも覚えがあるよ。教えてるはずが逆に教えられている。手を引いていたはずが逆に手を引かれている……そんなことが何度もあった」

高木社長「だが、そうやって切磋琢磨し合うのがこの仕事の醍醐味だと私は思う。人は誰しも不完全だ。だからこそそれを補い合うことに意味がある。そう思わないかね」

石川社長「……そうですね。少し、わかる気がします」

高木社長「おっと！そろそろ時間じゃないかね？」

石川社長「あっ……そうだった……すみません、テレビを……」

高木社長「うむ」

ﾋﾟｯ

高木社長「さあ、新たな伝説の始まりとなるか否か……私も見届けさせてもらうよ」

石川社長「愛なら、大丈夫です」

高木社長「うむ！君がそう言うなら安心だ！ハッハッハッ！」


石川社長（頑張って……愛！）

≪　C　A　S　T　≫

石川実


高木順二郎


武田蒼一

【水谷家】

亜利沙「ハーっ、ヒーっ、フーっ、ヘーっ、ほおおおおぉぉぉぉ……ｽｰﾊｰｽｰﾊｰ」

絵理「……勇気100倍？」

亜利沙「す、すいませんっ！ちょっと過呼吸気味と言いますかまさかあの水谷絵理ちゃんと史上最大の親子喧嘩観戦だなんてこの松田の目をもってしても見通せなかったと言いますかそもそもなぜありさなんかに声をかけてくださったのかすら見当がつかないので頭がフットーしそうになっててもうあはあはあはアハ」

絵理「愛ちゃんの友達なら、私にとっても、友達。……ダメ、かな？」

亜利沙「そんなことありませええええええええん！！」

絵理「そう……よかった」

絵理「今度……亜利沙ちゃんが知ってる、色んなアイドルの話、聞かせてほしい」

亜利沙「え、アイドルの話ですか？」

絵理「うん」

絵理「ネットアイドルの世界……これからどんどん厳しくなる。色んなことを吸収して、自分の表現を広げていかないと、生き残れない」

亜利沙「はあぁ……絵理ちゃんくらいの売れっ子にもそんな悩みが……」

絵理「そのかわり……私からも、ネットアイドルのお話、するね？ネットの世界、すごくディープだから......亜利沙ちゃんがあっと驚く情報……あるかも？」

亜利沙「む、ムフーー！それは願ったり叶ったりですよぉ！」

絵理「じゃあ……これから、よろしく？」

絵理（愛ちゃん……私はここにいるよ）

絵理（ネットを通じて……たくさんの人を楽しませる……それが、私の道……）

絵理（歩く道は分かれても……目指す場所は……きっと同じ）

水谷絵理


松田亜利沙

【空港】

大吾「なあ涼。本当に応援に行かんで良かったんか？」

涼「昨日も話したでしょ。ツアーの途中で抜けるわけにいかないって」

大吾「じゃけんど、せっかくボスが予定調整してくれたっちゅーのに……」

涼「そういうのいいからファンの人たちと触れ合える時間を増やしてください、ってお願いしたよ。自分の都合でファンをがっかりさせるようなことしたくないし。それに……」

大吾「それに？」

涼「愛ちゃんなら大丈夫。僕、なにも心配してないから」

一希「……ずいぶん、信頼してるんだな。相手はあの日高舞だと言うのに」

涼「問題ありませんよ。今の愛ちゃんは無敵ですから！」

一希「……そうか。涼が言うなら……間違いないんだろう」

涼「はいっ！僕たちは、僕たちにできることをしましょう！一希さん、大吾くん、これからもよろしくお願いします！」

涼（愛ちゃん。僕はここにいるよ）

涼（これからも……飾らない、ありのままの姿でトップアイドルを目指していく）

涼（進む道は別々でも……その先で、また会えるはずだから）

秋月涼


九十九一希


兜大吾

【公園】

尾崎「……あら。もう会わないはずじゃなかったかしら」

サイネリア「べーーーっつにーーーー。散歩してたらたまたまアンタに出くわしただけだし」

サイネリア「つーか、先に約束破ったのはそっちでしょーが！二度とアタシとセンパイの前に現れないって言ってたクセに！」

尾崎「……そうだったわね。ごめんなさい」

尾崎「でも……ありがとう。日高さんを助けるのに協力してくれて」

サイネリア「まーアタシはね？センパイはいまだにあのチンチクリンのこと気にかけてたの知ってたし？なんかあったらセンパイ落ち込んじゃうだろなーって思ってたところにアンタから連絡が来たから仕方なく乗ってやっただけっ！」

尾崎「本当に助かったわ。ろくな手がかりも無い状況で女の子ひとり探すのは大変だったでしょう」

サイネリア「まあネ」

サイネリア「アタシほどじゃないにしてもサ……アンタだって苦労したんじゃないの。ヤバイ記事の差し止めとか、ネットの中傷の削除とか。どうやってたのよ？」

尾崎「876プロにいた頃、色々と汚い手も使ったからね……その経験が生きたってとこかしら」

サイネリア「ヒエッ」

尾崎「ネットで誹謗中傷されるのがどれだけ辛いか……私にはよくわかるから」

サイネリア「……」

尾崎「ねえ、絵理は元気？」

サイネリア「……教えない」

尾崎「そうよね。ごめんなさい虫のいいこと言って」

サイネリア「そうじゃなくて、自分で会いに来なさいよ」

尾崎「えっ？」

サイネリア「センパイはアンタのこと恨んでなんかないわよ。探られたくない過去探っちゃったの、少し後悔してるって言うか……アタシも、ちょっとはそーなんだケド……」

サイネリア「アタシもさ、こういう生活するようになるまでに色々と黒歴史抱えてるから……まあ、やりすぎだったかなって……悪いコトしてないのにネットで悪口言われまくったらおかしくなるの、今ならわかるんだケド……」

尾崎「……」

尾崎「まだ……やり直せるのかしら。私」

サイネリア「ま、日高愛にはできたんだし、アンタにもやれないことはないんじゃない？」

尾崎「そう……よね。きっと、そうよね」


サイネリア「でも！アタシがアンタを嫌いなのは変わんないから！ちょっと同情してやってるだけだから勘違いすんじゃないわヨ！」

尾崎「はいはい。わかってるわよ鈴木さん」

サイネリア「だから本名で呼ぶなっ！！」

尾崎玲子


サイネリア（鈴木彩音）

【テレビ局 控え室】

愛「人、ヒト、ヒト、ひと、人、ヒト、人……」

愛「あれ？何回書けばいいんだっけ？」

愛「……えーい！もう好きなだけ書いちゃえ！ﾋﾄﾋﾄﾋﾄﾋﾄﾋﾄﾋﾄﾋﾄﾋﾄﾋﾄﾋﾄﾋﾄﾋﾄ……」


舞「テンパってるわねえ。大丈夫なの？そんなんで」

愛「うるさいなあ。今からおまじないで落ち着くんだからほっといてよ」

舞「そんな古典的なことしてないで水飲みなさい、水。あと深呼吸！」

愛「もう……わかったよママ……」

愛「……」

愛「……え？ママ？」


舞「はーい♪調子はどうかしら？」

愛「うええええええええええっ！？な、なんでママがここにいるのっ！？」

舞「失礼ねえ。これから一世一代の勝負に挑む娘の様子を見に来るのは当然でしょ」

愛「その勝負の相手、ママなんだけど……」

舞「細かいことは気にしない♪」

舞「それで？私より上手くALIVEを歌う算段はついてるのかしら？」

愛「うん」

舞「あら、思ったより自身満々なのね」

愛「意外？」

舞「そうね……あんなに泣き虫だった愛が、今は目をギラギラさせて私の前に立ってる……とっても意外だわ」

舞「……ふふっ。ふふふふふふふふふふっ」

舞「ああ、もうワクワクしてきちゃった！こんなの初めて！」

ｶﾞﾁｬ!

舞「先にステージで待ってるわ！ぶっ潰してあげるから、覚悟してきなさい！」

愛「それはこっちのセリフっ！」

ﾊﾞﾀﾝ!

愛「はぁ。ママは相変わらずだなあ」


愛「……あれ？体の震え、止まってる……」




愛「……よしっ」

日高愛


日高舞

愛（涼さん。絵理さん。あたしはここにいます）

愛（まだまだ2人のいる場所までは遠いけど……必ず、追いついてみせます！）

≪　原　作　≫

THE IDOLM@STER Dearly Stars　2009/バンダイナムコゲームス


アイドルマスターミリオンライブ!　2013/バンダイナムコゲームス


アイドルマスターSideM　2014/バンダイナムコエンターテインメント

愛「よーし、いっくぞーー！」


愛「日高愛！歌いまーーーーーーすっ！！！」

～羽ばたきのMy Soul～

THE　END

Thank you for reading！

なんとか...終わった...
頂いたコメントへのお礼とか諸々あるので考えがまとまったら後書き投下します

乙



あえて苦言

分ける必要無し

今回、DSオンリーのSS祭を開催するにあたり「自分だけでも最低限の作品数は確保できるようにしよう」と考え毎日投下できる長編の執筆を決意しました
そのため話数を8話に決め、ディアリースターズ3人が勢揃いする物語として考えたのが本作になります

はじめはDS時空で完結する話にしようかと思ったのですが、DSも発売から13年が経過してモバマスコラボとか涼のMマスデビューとか色々あったのでそういった要素も取り入れたい、DSのエンディング後の話にしよう、と考えるようになりました

そこで、涼の新曲「羽ばたきのMy Soul」をひとつのテーマにしようと思い付きました
個人的に気に入っている曲でもあり、新しい世界に旅立つ涼の決意表明のような歌詞はDS時空のその後と絡めるのにぴったりではないか...と

DSはマルチエンディングを採用していますが、その魅力のひとつは「ハッピーエンドがひとつではない」ことだと思います
男子デビューを断念した涼、ネットアイドルに戻った絵理、母とは違う道で芸能界を生きる決意をした愛...それぞれがただ失意に沈むのではなく、新しい夢を見つけて生きていく姿、「夢の終わりは次の夢の始まり」というリアリティのあるストーリーが好きです
そんな彼らの未来を想像するのは楽しかったし、びっくりするほどスムーズにお話を考えることができたので、我ながら良い思いつきだったかなと思います

ただ...読んだ方からも指摘いただきましたが、はじめから話数ありきで話を考えたので少々間延びした感が出てしまった点は否めないですね
夢子とまなみさんの出番を作れなかったのも心残りで、可能ならDSキャラオールスターの内容にしたかった
いつか地の文ありでリメイクすることも検討しているので、その際は改善したいと思います

後で祭のスレでも挨拶しようと思いますが、読んで下さった方、コメントを下さった方、本当にありがとうございました！
ディアリースターズに幸あれ！

8日間お疲れ様でした
絵理との再会以降、怒涛のカタルシス展開で本当にゲームのシナリオみたいだなと思って見ていました
掲示板のSSでここまでシリアスなものは中々無いので新鮮でしたね

絵理の引退ルートのその後って感じで面白かった
乙です

乙
溢れるDS愛に惜しみ無い拍手を