莉緒「はぁ～……。明日オフなのはいいんだけど」

莉緒「歌織ちゃんも風花ちゃんも仕事だから一緒に飲めないのよね～」

莉緒「……」時計を観る

莉緒「そういえば、今日の午前0時からこのみ姉さんの新しいラジオが始まるって言ってたわね」

莉緒「お酒飲みながら聞いちゃおうかしら！」

莉緒「夜ふかしはお肌の天敵だけど、姉さんの活躍を聴くことに比べたら些細なことよね～」

莉緒「お酒とおつまみを用意できたところで！ラジオのスイッチ入れちゃうわよ！」

莉緒「ぽちっとな」

ピッピッピッ、ポーン

♪心はマーメイドの～ように～

このみ『時刻は午前0時。さあ始まりました』

莉緒「始まった始まった♪」ビールプシュッ

このみ『馬場このみの！大人な～アダルティ～。聴いていってくださーい！』

莉緒「どんなタイトルなの。大人なアダルティって、大人な成人らしいってなるじゃない」

このみ『さて、深夜に始まったこの番組だけど』

このみ『もしかしたらスタイル維持に余念がなくて、年下の子たちの面倒見もいい、』

このみ『ヨガエクササイズが趣味のあの娘が缶ビール片手に聴いてくれているんじゃないかしら』

莉緒「……見られてるのこれ。なんでやけに細かいことを言い当ててるのよ怖いわよこれ」
キョロキョロ

このみ『それでは、さっそくお便りを読ませていただきまーす。すごいわよ、たくさん来てるわ』

このみ『今日から始まったばかりなのにみんなありがとうね。どれから読もうかしら』

莉緒「ホームページで告知たくさんしてたものね～。ファンのみんなに応援されてるわ」

ピッピッピッ、ポーン

莉緒「？」グビッ

このみ『さあ時刻は午前0時1分になりました』

莉緒「毎分やるのこれ！？尺が足りなくなるから時報は挟まなくていいわよ！」

このみ『それでは記念すべきお便り第一号に行くわよ』

莉緒「やっと始まった」

このみ『ラジオネーム、シャーロット・リンリンさんからのお便りね』

莉緒「ずいぶん体格がよさそうな名前の人から来たわね」

このみ『【このみさん、こんばんわ】こんばんわー。【新しい番組、おめでとうございます】ありがとうございまーす』

このみ『【私は英国から日本にやってきたのですが、ある歌の歌詞で気になる部分があります。ふるさとという歌で】』

このみ『【う～さ～ぎ～お～いし、か～の～や～ま～♪という歌詞がありますよね？】』

莉緒「……急に歌わないでよ、びっくりして聞き惚れるところじゃなかったじゃない」

このみ『【私はこの、おいしを追いかけるという意味ではなく、美味しいと勘違いしてしまったことがあります。このみさんもこういった勘違いしていたことってありますか？】』

莉緒「あるある～。懐かしいわ～、クラスの男子がこぞってしかもわざとおいしいって歌ってたのよね～」グビッ

このみ『懐かしいわね～。小学生の頃に音楽の授業で歌ったわ～。それにしても……』

このみ『ふふっ、ふふふふふっ、あははははははは！！』

莉緒「そんなに面白かったのかしら」

このみ『かの山って……。ふふふふっ』

莉緒「そこなの！？ウサギ追いかけるくだり無かったらただ山のこと言ってるだけよ！？」

このみ『さて、次のお便りに行きまーす。ザザザーザ・ザーザザさんから』

莉緒「……あの漫画にちなんだのかしら。プロデューサーくん、コラボの仕事とってこようと躍起になってたような……」

このみ『ラジオネームは、山口ノボルさんからのお便りです』

莉緒「ザザザーザ・ザーザザが本名！？嘘でしょ！？というか本名も併記してたの！？」

このみ『ハガキ職人になりたいです、とのことだそうです。頑張ってくださーい』グシャ

莉緒「しかも姉さん冷たい！あとお便り丸めてなかった！？」

このみ『では次のお便りに行きまーす。ラジオネーム、アフロはこりごりアイスさんから』

このみ『【このみさん、こんばんわ】こんばんわー。【ラジオでこういう内容のお便りを送っていいのか最後まで悩みましたが、勇気を出して送りました】』

莉緒「なかなか真面目そうな雰囲気の手紙ね」チーズぱくっ

このみ『【私はアイスが好きなのですが、時々食べる手が止まらなくなってしまいます】』

このみ『【先日、箸というかスプーンが進みすぎてカップアイスを5個食べてしまいました】』

莉緒「お腹冷やしちゃうわよいくら何でも」

このみ『【そのことを見咎めたのか、友達が食べすぎだよって注意しに来ました】』

莉緒「いい友達じゃない」

このみ『【私はそのことに対して、ついムキになってこう言ってしまったんです】』

莉緒「あら、喧嘩しちゃったのかしら……」

このみ『【アイスはいくら食べても体の中で溶けてなくなるからカロリーはゼロになるのよ！】』

莉緒「え？」

このみ『……ちょっと何言ってるか分からないわね』

莉緒「テンション低っ！気持ちは分かるけど姉さん、ちょっと冷たいわよ！？」

このみ『さて、次のレスラーさんからのお便りに行きまーす』

莉緒「姉さんたらここに来て言い間違えちゃってる。可愛いんだから～♪」

このみ『獣神サンダーライガーさんからのお便りでーす』

莉緒「本当にレスラーさんから来てる！？しかも覆面界の大御所じゃない！」

このみ『【このみさん、こんばんわ。新しい番組、おめでとうございます】ありがとうござまーす』

莉緒「どんな内容が書かれているのかしら……」

このみ『【このみさんが好きな技はどんな技なのでしょうか。教えてください】』

莉緒「なんで技を聞くの！？聞く相手間違ってない！？」

莉緒「でも、何の技が好きか気になるかも」

このみ『そうね～、強いて言うならパイルドライバーかしら』

莉緒「思ったよりアグレッシブな回答が来たわね」

このみ『理由？そうね……』

このみ『私を見下ろしていた相手の顔が、技かけた瞬間、私を見上げる位置にあるからかしらね』

莉緒「……。姉さん、ストレス溜まっているのかしら。次のオフに飲みに誘わなきゃ」

このみ『……さて、ここまでお便り読ませてもらいましたけど、送ってくれた人たち本当にありがとう！』

このみ『時間帯も時間帯だからそんなに来てないんじゃないかと弱気になっちゃってた』

莉緒「まあ、寝てる人も多いかもしれないし仕方ないわよね」グビッ

このみ『それにしても……、ふっ、ふふふふっ、あはははは！』

莉緒「またふるさとの歌詞かしら……」

このみ『こぶな釣りしって……。ふふふふっ……』

莉緒「今度はそこなの！？」

このみ『缶ビール飲んで、時々チーズを食べながら聴いているあの娘にも届いていたら嬉しいわよね』

莉緒「やっぱり視られてるわよね！？それか聴かれてる！？なんでこんな細かく私の状況を言い当てられるの！？」

このみ『いつもは一緒にお酒飲んでおつまみつついたりしながらバカ騒ぎしているからちょっと寂しいのよね』

莉緒「ば、バカ騒ぎ！？ちょっと姉さん、それ本気で言ってるの？」

このみ『本気で言っているのかって？本気で言っていたら今までもこれからも仲良くしてもらってないわよ』

このりお「えへへへへへ！」

このみ『さて！世間はクリスマスムード。ということで、ちょっと寂しい雰囲気な冬の名曲を紹介します』

莉緒「前後の繋がりがよく分からないわよその言い方じゃ」

このみ『〈待ちぼうけのLacrima〉と〈P.S I Love You〉、二曲同時にどうぞ！』

『♪まひばとたりくまとつ～だおけちのてよゆるくに～』

莉緒「おかしいおかしい！おかしいわよ！なんで本当に同時に流してるの！？」

このみ『冬の寒い中、想い人を待つ寂しさと愛しさが詰まっているわよね～』

莉緒「伝わらないわよこの流し方じゃ！」

♪ラブソーングのようにときめき

このみ『さて、名残惜しいですがお別れの時間が来てしまいました』

このみ『馬場このみの大人なアダルティ、また来週でーす』

莉緒「ラジオ聴いててこんなに疲れたの初めてかも……」

このみ『お相手は私、馬場このみ』

莉緒「酔いもさめちゃったし」

このみ『……と』

莉緒「えっ、なになに、とって何？！」

このみ『それでは皆さん、また来週お会いしましょう！ばいばーい！』

莉緒「待って姉さん！他に誰がいたの！？姉さん！」

～終わり～

元ネタはサンドウィッチマンのコント「深夜ラジオ」です
行数制限、二人の口調の確認、更に考えていたネタのデータ消失の憂き目にあいましたが何とか頑張りました。
それでは失礼いたします。

乙でした!
極めて個人的な理由でパイルドライバー好きなこのみさんかわいい

ずいぶん身内感あるお便りだなぁ……
乙でした

面白かった
サンドウィッチマンの雰囲気も活かしつつ、お便りなんかは身内っぽさも出てたね