【8月某日　315プロ】

涼「みんなでお出かけ、ですか?」

一希「…ああ、明日はプロデューサーもおれたちF-LAGSの3人も揃ってオフだからな、プロデューサーの運転する車でちょっとした小旅行に行かないかと誘われていてな」

大吾「おお!それはぶち楽しみじゃな!」

涼「確かに楽しそうですけど、うーん…」

一希「…どうした涼、何だか歯切れが悪いな」

涼「その…えっと…」

【前日　涼の自宅】

涼「電話だ…あ、もしもし夢子ちゃんどうしたの?」

夢子「ええ、実はこの前出かけた時にすごくお洒落なカフェ見つけたのよ。それで、あんたさえ良ければ今度一緒に行かないかしらって思って…」

涼「うん、いいよ。それなら明後日がオフだから、夢子ちゃんも時間があったらその日に一緒に行こうか?」

夢子「本当!…いい、絶対!絶対約束だからね!」

涼「(夢子ちゃん何だかすごく嬉しそうだったし、今から予定をキャンセルするのは悪いよね…)」

涼「…実は明日は友達と出かける予定があって、せっかくだけど僕は行けないかなって…」

一希「…そうか、なら仕方ないな…」

涼「すいません…って一希さん?」

どこからともなく包帯を取り出す一希

涼「か、一希さん、何で包帯を…?」

一希「ミイラパッケージ!」

涼「ちょ、ちょっと待ってください!何で縛るんですか!?」

一希「最近キン肉マン完璧超人始祖編を読み返したばかりでな、本来なら腰布を使うらしいが…」

涼「いや縛る必要を聞いてるんですよ!?」

↓涼

一希「…こちら一希だ。プロデューサーか、涼を確保した。今すぐ向かうから車を出してくれ」

涼「…確保って最初から拉致するつもりだったんじゃないですか!?」

大吾「みんなで旅行、楽しみじゃな!」

涼「いや僕は行くって言ってないですよ!?というかそれはともかくせめてこの包帯解いてください!?」

一希「さあ出発だ、大吾は涼の足を持ってくれ」

大吾「おう!任せんしゃい先生!」

涼「話を聞いてくださ…ぎゃおおおおん!?」

◯東京→熱海(車でだいたい2時間ぐらい)

【熱海】

P「着きましたよ〜」

大吾「長時間の運転お疲れ様じゃボス」

涼「うぅ…酷い目にあった…って、あれ?」

↓熱海?

涼「…何かお城が見えますけど、熱海にこんなのありましたっけ…?」

P「加藤清正の築きし最強の城…」

涼「…え?」

P「うん、あれに見えるのはまさしく熊本城。そしてここは間違いなく熊本」

大吾「FRAMEの信玄誠司さんの出身地じゃな」

涼「何で!?僕たち熱海に向かってたんじゃないの!?」

P「いやあ、うっかり通り過ぎちゃったみたいです」

大吾「ボスはうっかり屋さんじゃなぁ」

涼「いやうっかりって距離じゃないでしょ!?」

大吾「着いて早々涼は元気じゃなぁ」

P「パッションに溢れてますね!一希さんもそう思いませんか…」

P「…一希さん?」

一希「…南の空にピンクのカバさんが見えます…」　バタッ

P「ああっ!一希さんが車酔いで倒れた!?」

大吾「しまった!先生は乗り物酔いが酷いんじゃった!」

涼「この人は…」

P「いやー、それにしても熊本は暑いですねぇ」

大吾「流石は南国じゃのう」

涼「ああ、そうですね…」

大吾「何や涼、急にテンション低いのう?」

涼「急にも何も…本当なら僕は今頃友達と出かけているはずだったのに…」

一希「…涼、すまない!」

涼「一希さん!?車酔いで倒れてたんじゃ…」

一希「…8月の暑い中、こんな蒸し暑い熊本に連れて来られたのがお前はそんなに嫌だったんだな!」

涼「…え、いやそれはそうだけどそういうわけでは…」

一希「ならば行こう、涼しい場所を求めて南から北へ!具体的には試される大地、北海道まで!」

P「紅井朱雀さんの出身地ですね!」

涼「いや二人とも落ち着いてください!?というか北海道までどれだけかかると思ってるんですか!?」

P「ここからなら車でだいたい30時間ぐらいですね」

涼「しかも車で行く気!?正気ですか!?」

一希「よし、そうと決まれば早速出発だ」

涼「いや落ち着いてくださいよ…」

「ちょっと待ちなさいよ、あんたたち!」

夢子「…ようやく見つけたわよ、涼」

涼「…夢子ちゃん!?」

一希「…やはり櫻木夢子か」

夢子「櫻木じゃない!?桜井夢子よ!」

涼「えっと…ど、どうしてここに?」

夢子「それは765プロの秋月律子が…って、そんなことはどうでもいいでしょ!」

涼「…うん、それはどうでも良くないから最後まで言ってほしいかな…」

夢子「…と、とにかく行くわよ涼!」

一希「…まあ、待て櫻川ソロモン」

夢子「誰よそれ!?アンタわざと間違えてるでしょ!?」

一希「せっかく熊本まで来たんだ、おれたちと一緒にみんなで熊本観光と行かないか?」

夢子「え…?」

夢子「(そんなこと言われたって…私はただ涼と過ごしたいだけなのに…)」

一希「(まあ、そう言わずに…)」テレパシー

夢子「(こいつ、直接脳内に…!)」

大吾「(ファミチキほしいんじゃがのう…)」テレパシー

夢子「(…私はコンビニ店員じゃないわよ!)」

涼「(夢子ちゃん、何で怒ってるんだろう…)」

律子「(…まったく、だからあんたは駄目なのよ)」テレパシー

涼「(…律子姉ちゃん!?)」

一希「それでは、みんなで熊本観光と行こうか」

夢子「だから、勝手に決めないでよ!」

涼「まあまあ、夢子ちゃんも落ち着いて…」

P「あ、ストップですみなさん。今ちょうど社長から電話がありまして急遽予定変更です」

大吾「どうしたんじゃボス?」

P「はい、今ちょうど社長からF-LAGS宛にパッションチャレンジの仕事の依頼が来まして」

涼「今って…ずいぶん急ですね…」

大吾「それで、仕事の内容は何じゃボス?」

P「今からF-LAGSの皆さんにはイギリスに渡ってドーバー海峡横断リレーに挑戦してもらいます」

涼「ドーバー海峡!?本気ですか!?」

一希「いかにも夏らしい仕事だな」

大吾「涼しげでええのう」

涼「いや二人ともそんな平然としてる場合じゃないよ!?」

P「それじゃ、飛行機は手配しましたので皆さん頑張って来てください!」

涼「今依頼来たのに手筈良すぎません!?いや、そもそも無理ですって…!」

夢子「涼、頑張ってね。骨は拾ってあげるから!」

涼「夢子ちゃん、他人事だと思って!?」

夢子「え、だって他人事だし」

涼「いやそれは確かにそうなんだけど…」

一希「よし仕事だ、頑張るぞ涼」ガシッ

大吾「おう、張り切って行くぞー!」ガシッ

涼「ふ、二人とも離して…ぎゃおおおおん!?」

−F-LAGSのドーバー海峡横断チャレンジは無事成功し、その後はマッターホルン登頂チャレンジが企画されたとかされなかったとか

【後書き】
本当なら2023年のごはんSS祭に投稿しようと考えていたSSだったけど、その時サイスタのサービス終了が発表されてそのショックでお蔵入りにしてしまっていたのですが、今回の祭でようやく供養する機会が得られました
まあ、見ての通りキャラ崩壊SSなので担当アイドルのPにあらためて申し訳なかったというか、特に九十九一希Pの方には腹切って詫びたい所存ではあります(夏らしい挨拶)

九十九先生登場シーンが大人しいと思ったらミイラパッケージしだして草

そっかー、熱海をうっかり通り過ぎたら熊本まで行けるんだね(白目)

夢子……。涼ちんを押しかけに熊本まで来たのは凄いよ。もう少し涼ちんに優しくね。……涼ちんは頑張れ

乙です。明るく楽しいＳＳでした

>>20
コメントありがとうございます
以前みたいに登場シーン派手にしようと思いましたが色々悩んでボツに。それで何故ミイラパッケージって話ですが…

>>21
コメントありがとうございます
ちなみに東京から熊本は車だと15時間以上かかる距離です(白目)
キャラ崩壊SSであまり気にしても仕方ないですが、夢子の口調ってこんな感じで良かったか正直自信がなかったです…。また機会があればDSやって復習したい気もします

お疲れですわ
そういや美穂役の津田ちゃんが信玄さん役の増元さんと熊本のイベントに出演するらしいね

>>23
コメントありがとうございます
何かイベントがある商業施設もアイマスと同じで20周年らしいですね(その縁で、というわけではないでしょうが)

まともな人間が涼しかいないんだけどいいんスか、これ…

>>25
コメントありがとうございます
何故かまともな人間が涼ちんしかいなくてそのせいで酷い目にあうスタイルのSSが書きやすくてシリーズになってしまった過去があるっス
文句があるんならいつでも土下座上等っスよ

一番狂ってるのはしれっとこの環境に順応してる大吾なのかもしれない

一番狂ってるのはしれっとこの環境に順応してる大吾なのかもしれない

>>27
コメントありがとうございます
そんな他は狂ってるのが普通みたいな