そう言ってXboxを持っていなかったA君は、765アイドルについての手書きのキャラシートを取り出した。
放課後、人もまばらな図書室でTRPGアイドルマスターをする。僕がプロデューサー、彼がアイドル役(主に僕の担当、双海亜美)とGM。

「よう何やってんだ？」
そう言ってガムをくちゃくちゃ噛みながらやってきたのは、いじめっこのBくん

「Aのものは俺のもの 俺のものはBのものだ、よこせ！」
取り巻きCくんはそう言い放った

その時BくんとCくんの肩を何者かが叩きこう言った

???｢そっちこそ何してんの?｣

振り向いたBくんとCくんは、一瞬身体をビクンと震わせる。頭と身体を繋ぐ部分から横一直線にジワジワと赤く滲んできて、当たり前に2つの頭が床に落ちる。力の抜けた身体が体重を支えきれず倒れる。プロデューサーが言うには収穫の日が早まったらしい。
僕もAくんも驚きはしない。これが日常なのだ。喜ばしいことにこれから二人はロコ様の手でロコナイズされて、日の目を見る事が出来る。

そのために僕たちは生きている。

七尾百合子「いや図書館汚さないで下さい」

僕は百合子さんに挨拶をした
さっきからAくんが「え？首が…」とか「七尾百合子が3次元に現れた…なんで…おかしい…」とか言っているがおかしいのはどう考えてもAくんだ
百合子さんは現実にいるんだよ？そんな当たり前のことが分からなくなっちゃったの？

なんだこの狂ったスレは…

だから僕はAくんのほっぺたをむにーとした。

ある日の放課後Aくんはまた変な事を言い出す。いつもははいはいと流すところだが、今日は我慢ならなかった。なんせロコ様ではなく学園一の変わり者、伴田路子にロコナイズされたいなどと言いやがる。ロコ様に対してあまりにも無礼だ。
伴田路子はロコ様に一度ロコナイズを断られたと噂されている。つまり彼女に生きる意味は無い。そしていつも美術室にいて泣きながら絵を描いているそうだ。最近はＢくんを描いているらしい。ロコ様の真似事をするなんて本当に失礼な奴だ。考えているだけで腹が立ってきた。

そうだ、京都にいこう。

「ならダイスを振って6が出たら京都行きね」
どうやらGMは僕と亜美を京都に行かせる気はないらしい。
「それと、それ以外の目が出た場合、僕と一緒に伴田さんへ会いに行こう」

僕は怒りで頭に血が登るのを感じた
こんな気持ちはアイマスライブに行ったときに隣のやつが家虎をし始めたとき以来だ
僕はあさぽんを思い出しながらクールダウンを試みた
至って冷静に僕はGMに一言こういった

「ダイスは振らない。僕は、キミと伴田路子の元にいってやる。だから亜美と京都に行かせてくれ」
たとえTRPGだとしても僕がPである妥協は出来ないのだ。
Aくんはうれしいそうに亜美の役に入る。僕は肯定として受け取った。

このスレは触れちゃいけない。ロコPの本物の狂気を感じる。

>>15くん、口は災の下だよ
僕は掴めるだけのダイスを掴んで、彼の口の中に押し込んだ
彼の言葉にならない声をBGMに僕らはゲームを満喫した

田中琴葉「まったくこの永吉昴め！」

次の日、Aくんと僕は掃除当番を斑の女子に全て任せた。いわゆるサボりという奴だ。このおかげで女子達の掃除スキルが上達し、ロコ様も片付いたロコナイズを施されるに違いない。
そうして僕は亜美との京都の代償に、Aくんと旧校舎の美術室に向かう。昨日立てた計画では、偶然を装い伴田路子に廊下で出くわし自然に入れて貰う魂胆だ。なのだが、
「ﾔﾊﾞい、緊張で漏れそう」