三題噺を書くスレ
1 : Pしゃん   2019/05/04 14:27:02 ID:ugt8MKGEo2
https://shindanmaker.com/58531

ここのサイトでお題を決めて、三題噺を書いていきましょう。
ジャンルは「アイマス」ってことで、無視してもいいかも。
2 : おやぶん   2019/05/04 14:27:29 ID:ugt8MKGEo2
Pは「黄色」「ケータイ」「最弱の世界」を使って創作するんだ!ジャンルは「SF」だよ!頑張ってね!
3 : der変態   2019/05/04 14:28:16 ID:ugt8MKGEo2
(パカッ……カチャ……パカッ……カチャ……)
百合子「あれ、プロデューサーさん、それ……」
P「ん? ああ、これか。昔使ってたケータイだ。スマホが調子悪くて修理出したから、代用に」
百合子「そうなんですか。今でも使えるんですね」
P「スマホと比べれば、不便だけどな。でもまあ、通話とメールさえできれば、仕事は何とかなるさ」
百合子「え、メールも出来るんですか?」
P「当たり前……そうか、百合子の世代は、最初からスマホだもんな。使ったことないのか。やってみるか?」
百合子「いいんですか?」
P「ああ。っていうか、文字の打ち方、わかる? スマホの、フリック入力じゃないほうのやり方でいくんだけど」
百合子「それなら、いちおう知ってます。『七尾百合子』っと。やっぱり時間かかりますね」
P「ポケベル打ちが出来れば、けっこう速いんだけどな」
百合子「ポケベル?」
P「……ケータイよりも前に、そういうのがあったんだよ。まあそれは置いといて、ちょっと貸して」
百合子「あ、はい」
P「設定を変えて……なんて打ちたい?」
4 : そなた   2019/05/04 14:29:01 ID:ugt8MKGEo2
百合子「それじゃあ、『イメージカラーは黄色』で」
P「『い』は1、2で、『め』は8、4だ。やってみて」
百合子「1、2、8、4……ほんとだ。どうしてこうなるんですか?」
P「1つ目の数字が五十音表の行、2つ目が段を表してるんだよ」
百合子「あー、1がア行で、2がイ段で、それで『い』になるんですね」
P「正解、ちなみに長音は6、9で出る。濁音は普通に打ったあとに0、4だ」
百合子「6、9……で、3、2で『し』を出してから0、4……出来ました!」
P「10年前くらいまでは、これが最速の入力方法だったんだけどなー。フリック入力が出てきて、一気に廃れたよ」
百合子「じゃあ、10年後はまた変わってるかもしれませんね。脳と機械を直接つなぐ技術が発明されて、指を使う人種が最弱の世界になってたりして」
P「サイバーパンクも読んでるのか」
百合子「大好きですよ! プロデューサーさんは、ギブスン読んでますか? 『ニューロマンサー』とか」
P「『カウント・ゼロ』が一番好きだな。あのへん読むのはいいけど、間違っても現実世界でクスリに手を出したりはしないでくれよ?」
百合子「そこは安心して下さい。ご存知の通り、私は人見知りで、何かしようと思っても踏み出せないタイプですから!」
P「それはそれで、アイドルとしてどうなんだって話になるけれど。さて、そろそろレッスン始めるぞ。着替えてきてくれ」
百合子「はい!」
5 : Pちゃん   2019/05/04 15:25:32 ID:kO7xNljqn.
Pは「草」「いけにえ」「暗黒の剣」を使って創作するんだ!ジャンルは「童話」だよ!頑張ってね!
6 : 1/2「黄色」「ケータイ」「最弱の世界」   2019/05/04 16:39:00 ID:DUjwqtmk4w
Oh……ジーザス。お腹が痛い……。
この銀河鉄道に乗ってからまだ一時間も経っていないのに、なんだ。食べ合わせが悪かったのだろうか。そうは考えてみても口にしたのはエナ茶と、ウチュウノリュウコウだとか引っ切り無しとケータイにビビッと電波を飛ばしてくるから立ち寄った店の苺パスタくらいではないか。私には理解できないケミカルな味であったが直ちに人体へ影響の出るような味ではなかった。
あくまでこの腹痛が一時の不運だとしても、これからミリオン星に向かう為に日頃からIIKOにしてきた私にこんな仕打ちはあまりにも酷いではないか。
私のGWは始まったばかりだ。幸い、私が持っている未来行きパスポートは一日中乗り放題。途中で降りても問題ないだろう。
それ以上に電車に揺られてまだ一時間もしないうちに銀河鉄道の座席を茶色く汚してしまうことの方が問題だ。全くIIKOではない。ウンコハ オトイレ なのだ。
さてさて、私のお腹は先ほど以上にグルグル歌っている。私の肛門括約筋も2駅分くらい楽勝かと思われたが黄色信号だ。
『次は〜ウサミン星。ウサミン星』
7 : 2/2「黄色」「ケータイ」「最弱の世界」   2019/05/04 16:39:50 ID:DUjwqtmk4w
私は電車を降りた。
ゴールのトイレはわからないけれど駅に降りたことでスタートラインにたったのだ。あたりを見回す。
オトイレのマークはない。ドコ、ドコ。
電車から降りる人はほとんどいない。なんだ、トイレを案内するためだけにいる最弱の世界にひとりのエキストラがここにいたっていいじゃないか。私は肛門括約筋をきつくきつく結び。震える足でみどりの窓口へと向かう。どんな道だって負けないで進んでみせる。
額からは脂汗を垂らしようやく見つけた駅員らしきウサミン星人。ご丁寧なことにその名の通りうさみみが生えている。が、私にそんな余裕はない。
「あ、あの。お手洗いは、どどどちらに…あるのですか?」
キョトンとうさみん星人
「キャハッ☆ウサミン星人はお手洗いに行きませんよ?」
嗚呼、為す術もなく私じゃ無くなる。イマ、ジンルイにオトイレワひつようなんだ!
8 : 「草」「いけにえ」「暗黒の剣」   2019/05/04 20:36:12 ID:ugt8MKGEo2
「できましたよー!」
そう言いながらやよいが運んできた皿に乗っているのは、大小さまざまな天ぷら。
「……へえ、美味しそうじゃないか」
見た目は、という言葉を飲みこむ。
「えへへ……伊織ちゃんと可奈ちゃんにも食べてほしかったですー」
「そうだな」
食べたばっかり、ダイエット中、などと理屈をつけて、さっさと逃げた2人の顔が思い浮かぶ。
『あんた、今日はいけにえになりなさい。プロデューサーの仕事でしょ』
『やよいちゃんのー、手料理ー、今日はー、プロデューサーさんのー、栄養にー』
……まったく。
「でも、そのぶん、プロデューサーにいっぱい食べてもらえるかなーって!」
「ああ、それじゃ、いただくよ」
「はい、どうぞー!」
大丈夫、これはやよいが出演した番組で取り上げられてた料理だ。
あの番組で、なんて紹介されていた?
9 : 「草」「いけにえ」「暗黒の剣」   2019/05/04 20:37:05 ID:ugt8MKGEo2
『食べられる草』だ。
食べられるんだ、草だけど。
草だけど、食べられるもののはずだ。
いつも天使のやよいが、今日に限って暗黒の剣を構えた地獄の使者に見えるのも、気のせいだ。
覚悟完了。
ぱくっ、もぐもぐ、ごっくん。
「……」
「どうですか?」
「……」
「プロデューサー?」
「……うん、悪くない。案外いけるもんだな」
美味いとは言えないけれど、食べられない味じゃない。
拍子抜けというか、これなら伊織や可奈も一緒に食べても……
「うっうー、良かったですー! 美奈子さんが給湯室で追加を作ってますから、どんどん食べてくださいねー!」
……やっぱり逃げるのが正解だったか。
10 : 1/2「草」「いけにえ」「暗黒の剣」童話   2019/05/04 23:21:02 ID:DUjwqtmk4w
あるところに武士を騙る平民がいたそうで、名は二階堂の千鶴と言った。腰に二本の刀を差してはおったが鍔の先には刃はついておらず、見せ掛けの刀であるために千鶴はどんな時でさえ決して人前で抜くことはなかった。だがしかし、千鶴の持ち前の人柄の良さから町民は彼女を疑うことなどせず、むしろ頼ることの方が多かったという。
ある晩、草木も眠る丑三つ時である。町一番の美しさを持つ大名のひとり娘、路子の元に物の怪が現れたのだというではないか。困っているものがいると聞けば千鶴はいても経ってもいられず、朝餉をも取らずに 飛び出した。
なんとか話を聞いてみれば、路子を生贄に捧げなければ、物の怪はこの地を日照りで枯らし民を飢饉で苦しめるというではないか。ううん、これはいけませんわ。千鶴は何とか説得できないかと物の怪がいるであろう三つ先の山へ向かった。
さて、物の怪を目前にした千鶴。言葉が通じなければ刄の無い刀を口八丁に暗黒の剣だと偽りごまかすしか手はありません。そして刀にそっと手をかけ、勢いよく口勇みます。
「物の怪よ、私のコロちゃんを生贄に差し出せとはどう言った御用件ですわ!」
月の光に照らされてキラキラと美しい銀髪の髪をなびかせ物の怪振り向く。けれどどうも様子がおかしい。キョトンと首を傾けいまいち状況がわかっていないご様子。
言葉が通じていない様子で、内心ドキドキしている千鶴は刀を持つ手に力が入る。
「皆から聞きましてよ!」
「はて、コロちゃんとはみちこのことでしょうか。みちことは友達ですよ」
呆気にとられ千鶴もキョトン。
「どういうことですわ?」
11 : 2/2「草」「いけにえ」「暗黒の剣」童話   2019/05/04 23:22:24 ID:DUjwqtmk4w
千鶴は町へ戻り町民に話を聞いてみれば物の怪は悪さをするに違いねぇと口を揃えてものをいう。渦中の人である路子の元へ押し入って聞いてみれば「タカネとはフレンドですよ!」と頭にはてなを浮かべてキョトン。
千鶴を含め皆物の怪をだからと決めつけていたのだ。
悪いことをしてしまいましたわ。反省。一言、物の怪に謝ろうと路子の元へ訪れる物の怪を待ち構える。なにやら部屋が騒がしい。
「みちこ…♡ みちこ…♡」
「す、ストップです、タカネ!」
あの皆から恐れられている物の怪がまるで飼い猫の甘い仕草で路子に抱きついていたのだ。
「それ以上はいけませんわ!」
見た目では判断できないものである。
12 : 我が下僕   2019/05/04 23:41:19 ID:JDftS8oebc
毛色が全然違って草
13 : プロデューサーさま   2019/05/05 09:27:03 ID:HGLCj3RerE
Pは「宇宙」「プロポーズ」「家の中の可能性」を使って創作するんだ!ジャンルは「王道ファンタジー」だよ!頑張ってね!
14 : 1/1「宇宙」「プロポーズ」「家の中の可能性」   2019/05/05 15:07:50 ID:FGofW7XX7g
グツグツと煮える壺の中に数種類の薬草を入れて……ボンっ。紫色の煙が上がり鼻孔をくすぐる
「すんすん……おおむねgood。パチパチ〜」
てれれ〜、出来上がったケミカルな薬品を瓶に詰めて……志希ちゃんオーダーメイドの杖をフリフリ。

クルン……クルンッ、ヒョイッ。ビリビリ〜

瓶は発光を始め瞬く間に貴方へお届け。バイバ〜イ。
原理はうーん。検証してないからよくわからないけれど宇宙?真理がうまく共鳴しあってがったーい。
にゃはは〜、天才アルケミストの志希にしかできないよ〜。
でもでも、惚れ薬なんて何に使うのかな。プロポーズで断られたら怖い?それとも、相手に思い人がいるのかな?そんな相手のベクトルを自分に向けさせて、そこに愛はあるんか? シアワセならいいよね〜♪
んん〜久しぶりに働いたから疲れちゃった。ネムネム……。次の行き先はドコにしようかな。南……。東……?雪の匂いをハスハスするのもいいかも。でも、でも〜
志希ちゃんのラボに杖を振ってクルンっ。家の中の可能性におまかせ〜♪目が覚めたら志希ちゃんはどこにいるかな?
おやすみ……♪
15 : 貴殿   2019/05/05 15:32:19 ID:FGofW7XX7g
Pは「夜空」「終末」「人工の大学」を使って創作するんだ!ジャンルは「時代小説」だよ!頑張ってね!
16 : 「夜空」「終末」「人工の大学」   2019/05/05 23:19:46 ID:Ve6Q6S12QM
某大学の農学部が所有する、人工の大学演習林。
その中にある小高い丘に建てられた、同じ大学の医学部が所有する、小さな赤屋根の建物。
「ここっすか」
駐車場に降り立ったとき、言葉を発したのは四季だけだった。
「ああ。みんな、いくぞ」
今度は誰も返事をしない。
全員、顔を強張らせ、脚を踏み出せないでいる。
「いいか、笑顔だ。今日ほど笑顔が重要なときもないぞ」
「どうやってですか? こんな状況で笑顔だなんて!」
「うん……」
確かに、旬と夏来の気持ちも分かる。
しかし、と口を開こうとした瞬間。
「頑張ろうぜ。あの子が頑張ってるんだから、俺たちもさ」
「ああ、それと、ドラスタのぶんまでしっかりやらないと。特に、あんなに来たがってた桜庭先生のぶんをさ」
自身を鼓舞するように言うリーダー隼人に、最年長の春名も続くと、他の3人の顔つきも目に見えるように変わっていく。
17 : 「夜空」「終末」「人工の大学」   2019/05/05 23:20:20 ID:Ve6Q6S12QM
「ハヤトっちとハルナっちの言う通りっす! オレもテンションアゲアゲで……ってのは無理かもだけど、頑張るっす!」
「……そうですね、プロデューサー、すみませんでした」
「ジュン……そうだね」
こういう若者の素直さをまぶしく感じるのは、自分が年をとった証拠だろうか。
苦笑が浮かびそうになるのを抑えながら、改めて号令を出す。
「よし、いこう!」

昨日、事務所に届いた、一通のファンレター。
終末期ケアを行うホスピスにいる、10歳の男の子の、最後になるかもしれないお願い。
「『夜空を煌めく星のように』が大好きです。歌ってる人たちに会えませんか?」
アイドルなら、ファンの願いをかなえないとな。
18 : プロデューサーくん   2019/05/05 23:25:36 ID:Ve6Q6S12QM
失礼、>>17の2行目の旬のセリフ、『プロデューサーさん』に読み替えてください
19 : 1/3「夜空」「終末」「人工の大学」   2019/05/06 00:01:18 ID:QItLRpZsuY
時は江戸。飢饉で苦しめられた民の願いが八百万の神様に通じたのか、はたまた何かの災いの前触れかはわかりませんが、至る所で芋が大豊作となりました。どこを掘れど芋がぼこぼことまさしく芋づると言葉どうりに採れるのです。ですがそこで面白くないと感じるものがひとり。町の傍らでひっそりと大学芋を売り生計を立てているエミリーです。
町行く人に作ったばかりの大学芋を見せても口を揃えて、「もういい。食べ飽きた」というのではありませんか。これではエミリーちゃんも毎日3食大学芋。自身がもういいと根を上げたい程です。そこで何かいい考えがないか、ご隠居の順一郎に相談することにします。するとご隠居、ぷれみあむ商法がいいというではありませんか。同じような品でも格差を付ければ皆いい方を買うと言います。これは試してみるしかありません。
翌日エミリーの店先には同じ大学芋ですがぷれみあむ感を出した『天然の大学芋』と、反対に『人工の大学芋』が売られるのでした。
20 : 2/3「夜空」「終末」「人工の大学」   2019/05/06 00:01:57 ID:QItLRpZsuY
さてこれを目にした女のケツばかり追いかけているぷろでゅーさーと呼ばれる町一番の穀潰し。気になってエミリーちゃんに言い寄ってきました。
「そこのかわいいエミリーちゃん。この天然の大学芋ってのは普通の大学芋と何が違うっていうんだい」
「さすがご贔屓さま、お目が高い。この大学芋はそんじょそこらの物とは比べられないくらいの一級品でございます」
見せ掛けの笑顔を振りまき愛想よく誘惑してみせます。これも明日のおまんまのため。
「朝露を集めた水で芋を煮込み、蜂の王が集めた蜜を絡め、粗熱を星が一面を覆う夜空で冷まし、この大学芋専用の黒胡麻をこれでもかと振りかけました。まさしく自然を詰め込んだ自然の大学芋なのです。一口食べれば世の終末にもう一度食べたいと皆はこぞって言うでしょう。よろしければお一ついかがですか?」
えみりーはつまようじに刺した大学芋をお一つ差し出し、それを何を勘違いしたのかぷろでゅーさーは受け取らずにそのままパクリ。
「ふむふむうまい。かわいい女子に差し出された芋はすこぶるうまい。さて、天然の大学芋の味はわかった。それでこの人工の大学芋とやらは?」
「はい、こちらは私が丹精込めて作った手作りの大学芋でございます」
これも爪楊枝に刺すとぷろでゅーさは受け取らずそのままパクリ。ふむふむと何か考えた様子で飲み込みます。
「なるほどわかったでは私の身の丈にあった人工の大学芋を包んでくれ」
そう言ってぷろでゅーさーは人工の大学芋を三つほど買って帰って行きました。この日人工の大学芋を買ったのはこのものだけ。ほかの町民はなれないぷれみあむ商法が物珍しいのか天然の大学芋を買って行きます。
21 : 3/3「夜空」「終末」「人工の大学」   2019/05/06 00:05:37 ID:QItLRpZsuY
さてあくる日、なんということでしょう。暖簾をかけた途端、町の男どもがぞろぞろと来店しこぞって人工の大学芋を買っていくではありませんか。予想外のことではありましたがエミリーの作った大学芋は飛ぶように売れお天道様が登り切る前には完売してしまうのです。
嬉しいことですが昨日の今日で気味が悪い。あの穀潰しのぷろでゅーさーが悪巧みを仕掛けているかもしれません。売り切れとも知らずにふらりとやってくるぷろでゅーさーをとっ捕まえて聞いてみるのでした。
「ご贔屓さま、人工の大学芋が飛ぶように売れたのですけれど、なにかなさいましたか?」
「いやいやあまりに美味しかったもので恩として返したのです。ただ飲み仲間に美味いと伝えただけですよ」
そのようなことで売れるのならばエミリーも苦労はしません
「それはどのようにですか?一級品である天然の大学芋が売れていいはずですが?」
「それはちがうよエミリーちゃん。それに引っかかるのは流行り物に目がない女だけだ。天然とうたっているがそこに愛がない。そこらの水を引っ掛けて、どこぞの虫に集めさせて蜜をかけ、一晩中ほったらかした芋に違いない」
そんなことはないと言いたいところですが、ものはいいよう。天然も人工も同じ芋なのですから
「では人工の味はどうでしたか……?」
「人工の大学芋はエミリーちゃんが丹精込めてつくったんだろう……」
ぷろでゅーさーは一息ついて、唾をごくり
「だから……エミリーちゃんの味がする」
22 : 番長さん   2019/05/06 00:33:55 ID:a8C3jGVNas
関係ないけど、そもそも人工じゃない大学ってなんだよw
23 : ダーリン   2019/05/06 01:20:03 ID:Da18VF0L6o
3つ目のお題が曲者ですね。それにしても同じお題でここまで違いがでるのか(笑)
24 : 変態インザカントリー   2019/05/06 10:03:25 ID:QItLRpZsuY
Pは「陸」「オアシス」「消えた流れ」を使って創作するんだ!ジャンルは「SF」だよ!頑張ってね!
25 : 「陸」「オアシス」「消えた流れ」   2019/05/06 23:42:00 ID:neT4y5GBaU
「また『果てしなく仁義なき戦い』? 何作目だよ?」
「11作目ね。お姉ちゃんにとっては、まだ3作目だけど」
「姉ちゃんの役、前回で死んだろ?」
「『深手を負い、闇へと消えた流れ者を助けたのは、ギターを手にした風来坊だった』、って展開らしいわ」
「ふーん」
「風来坊役はジュリアさんよ」
「え、マジで!?」
「2作目以来の再登場なんだけど……嬉しそうね」
「べ、別に……へえ、そうなんだ」
「そのジュリアさんからの預かりもの、はい、これ」
「CD……オアシス?」
「ビートルズの次はこのバンドを聴くべきだって力説してたわ」
「そうなんだ、わかった」
26 : 「陸」「オアシス」「消えた流れ」   2019/05/06 23:42:43 ID:neT4y5GBaU
「ほんと、ジュリアさんの言うことは素直に聞くんだから」
「い、いいだろ? 俺のギターの師匠なんだし」
「いいけど。でも、りっくん、中間テストの勉強もしっかりね」
「わかってるよ! あと、りっくん言うなってば! 俺は陸!」
「はいはい」
27 : 1/2 「陸」「オアシス」「消えた流れ」   2019/05/07 06:09:56 ID:a5uCNkqkQg
ここまで付き添って来た相棒がピクリとも動かなくなった。砂が舞い上がりはるか先にあるものが土色に染まるーー陽炎なのかそれとも気が狂ったか分からないが、はるか先に建物が見える。あれはオアシスだと言って聞かなかったこいつが、だ。蹴り飛ばそうが、水筒で殴ろうがカランと空いた音が鳴ってウンともすんとも言いやしない。仕方がないから首根っこの布を掴んでズルズルと砂に滑らせ引きずる。砂には水の消えた流れの跡みたいに遠くまで遠くまで線が残る。けれど、風が吹けば砂は舞い上がりあの見飽きた土色の光景に正してくれる。
ちょうど太陽があのオアシスに隠れて来た頃であろうか。それがチカチカと弾けるとそこは太陽とは違った光を纏い輝いた。
馬鹿じゃ搾取されるだけだから勘定は覚えろって言って聞かなかった奴がいるから、文字は読めないが数字はわかる。計算できる。あれは確かに 漆 陸 伍と書いてある。ならば人がいるに、水があるに違いない。相棒の言っていた事は正しかった。
砂は次第に粘土が押し固められたものに変わり道になった。流石に引きづるのは大変だから相棒はそこいらで置いて来た。また引き返せば良い。
28 : 2/2 「陸」「オアシス」「消えた流れ」   2019/05/07 06:11:24 ID:a5uCNkqkQg
そうして扉の前にまで来た。生き血で染め上げたみたいに真っ赤な赤い扉。金の装飾が入った取手。もしかしたらここは黄泉の国なのかもしれない。
私は肩いっぱいに体重をかけ、砂が絡みついた重たい扉を開ける。
そこで私を迎えたのはそれはそれは裕福そうな女子供。こちらを気づくなり頭を下げ媚びへつらう。そしてひとりの女が私に近寄ると
「こんにちは、プロデューサー!今日も一緒にがんばりましょー!」
天使はそう言った。
ここは天国だった。
29 : ぷろでゅーさー   2019/05/07 06:41:32 ID:a5uCNkqkQg
Pは「過去」「時間」「燃える時の流れ」を使って創作するんだ!ジャンルは「ホラー」だよ!頑張ってね!
30 : Pちゃん   2019/05/07 13:19:15 ID:bMvMd3QvUQ
お題をなんとか消化しようとしているところが面白いですね
31 : 彦デューサー   2019/05/08 02:30:25 ID:8hUMlsmLbI
「百合子、何を読んで……って、『ロウソクの科学』? これはまた意外なチョイスを」
「国語の教科書にこの本のことがちょっと出てきて、それで読んでみようって。プロデューサーさんも知ってたんですね」
「まあ、有名な本だから。で、今のとろこまでの感想は?」
「写真か、出来れば動画が欲しいかなって。『試薬を入れると、このように赤くなります』って、文字だけだとちょっと」
「得意の想像力も働かない?」
「難しいですね……ところでプロデューサーさん、ロウソクって人生に例えられたりしますよね」
「ああ、時間が進むにつれて短くなって、ってやつか」
「私、思ったんです。人生はロウソクっていうより、風の中でロウソクが燃える時の流れ揺らめく炎だって」
「……はい?」
「普通に燃えるロウソクみたいな穏やかな一生を送れる人なんて、過去にも現在にもいないと思うんです」
「えーっと」
「みんな生きていく中で、喜んだり苦しんだりして、それが大きくなったり消えそうになったりする炎だって考えると……」
むにーっ
「い、いひゃい! いひゃいれす、ふろりゅーしゃーしゃん!」
32 : 監督   2019/05/08 14:04:27 ID:PgPePBoFJk
Pは「黄昏」「裏取引」「残り五秒の高校」を使って創作するんだ!ジャンルは「ラブコメ」だよ!頑張ってね!
33 : 1/2「黄昏」「裏取引」「残り五秒の高校」   2019/05/09 07:10:19 ID:R9Vqy/cIyg
「プロデューサーさん、だーれだ…なのです」
「おっと、いきなり後ろから視界を塞ぐな、見えないって」
「……。姫を置いてひとり黄昏てたプロデューサは、正解するまで離さないのです。だーれだなのです」
「まつり」
「……正解なのです」
「ほら手を離して。目が抉れる」
「ほ? 仕方ないのです……急に居なくなったりしたから探したのですよ。プンプンなのです」
「学校に来るのが久々だったから、少しまわってみたくなってさ」
「だから教室の黒板に落書きなのです? これは……相合傘 」
「消さずに帰った娘がいたみたいでさ、これみたら少し懐かしくて」
「プロデューサーさんにも青春なのです?」
「日直の名前の間に相合傘書いたりとかさ、裏取引して掃除当番を好きな子と二人きりになれるようにしてもらったりとか……?」
「あー、そう言う男子いたのです。姫も沢山困ったのです」
「でもまつりもやったでしょ。正直」
「まつりはそう言うのよくわからないのです。あ、プロデューサーさん、チョークがあるのです」
「制服は汚すなよ」
34 : 2/2「黄昏」「裏取引」「残り五秒の高校」   2019/05/09 07:12:47 ID:R9Vqy/cIyg
「はーいなのです。相合傘を書いて左側に〝まつり″ 次はプロデューサーさんが書く番なのです」カキカキ
「音無さんの名前を書けばいいか?」
「ダメなのです。プロデューサーさんの名前なのです。書いてくれないと……姫はウルウルなのですよ」
「なんというか気恥ずかしい」
「プロデューサーさん……? カウントダウンするのです。残り5秒の高校で味わえなかった淡い青春なのです。ごーお、よーん、さーん」
「わかったよ、ほら」カキカキ
「それでいいのです。あとは赤いチョークで傘にハートマークを書いて、これでラブラブなのです」
「そして黒板消しで消せば完璧だな」サー
「あー、もったいのです。下の名前だけだから誰からも気づかれないのに」
「過ぎた青春を求めるなんて後の祭りだからな」
「面白くないのです」
「うっせ」
「ねえ……プロデューサーさん。制服のまつりと、スーツのプロデューサーさん。先生と生徒がいけない事しているみたいなのですね」
「変な事いうな、ほら暗くなる前に帰るぞ」
「はいなのです。……プロデューサーさんまつりの青春はまだ終わってないよ」ボソッ
35 : ごしゅPさま   2019/05/09 10:23:14 ID:R9Vqy/cIyg
Pは「水」「狼」「壊れた山田くん(レア)」を使って創作するんだ!ジャンルは「サイコミステリー」だよ!頑張ってね!
36 : お兄ちゃん   2019/05/10 15:42:48 ID:uQinLTLhog
Pは「花」「プロポーズ」「嫌な子ども時代」を使って創作するんだ!ジャンルは「王道ファンタジー」だよ!頑張ってね!
37 : 1/2「花」「プロポーズ」「嫌な子ども時代」   2019/05/11 02:27:35 ID:ihAZBXUwKY
最後の赤い花弁を落とし残った一枚を凝視する。また、キライ。近頃学校で密やかに流行っている花占い。学校の友達に教えてもらったから、私もやってみた。けれど何度やっても何度やっても、出る答えはキライ。プロデューサーは私の事が嫌い。極端なものの見方なのに、気分が落ちてしまう。前まではこんな気持ちになっていたのかな。
子供の頃からずっと芸能界で生きてきた私。周りと比べると少し嫌な子ども時代だったのかも。沢山経験して、たくさん見て業界の厳しさを知ってる。だから一人で抱え込みがちだった。そんな私を支えてアイドルにしてくれたプロデューサー。私に楽しさを教えてくれた。気がつけばプロデューサーが笑ってくれたら頑張れる気がして、思いは募り積もっていく。この気持ちは……
花束の中から青い花を一本抜き取り、その花弁を一枚いちまい丁寧にちぎっては床に落とす。スキ、キライ、スキ、キライ……足元にはさまざまな色の花弁が私を囲む。そうして最後の青い花弁は、スキ。私は___好き、なのかも知れない。その花をギュッと胸に引き寄せ、この想いを再確認する。プロデューサーが笑ってくれたら、頑張れる気がするのもこの気持ち……だから。
38 : 2/2「花」「プロポーズ」「嫌な子ども時代」   2019/05/11 02:30:01 ID:ihAZBXUwKY
プロデューサーがミーティングから帰ってきて、私は貰った花束で顔を隠す。まだ少しいつもの顔に戻っていないかも。花を持つよとプロデューサー。花束とともに想いが伝わればいいのに……。でも、伝わってもあなたの想いはキライだって私は知っているから渡さない。プロポーズは男性からに憧れてる。
今後、私がアイドルを続ければ沢山の花束が送られると思う。その度に私は貴方の気持ちを占う。私にとっての幸せって、アイドルのお仕事を楽しめる今の環境だから、プロデューサーを想い舞った沢山の花弁で彩られた私をいつか好きになって。
39 : Pたん   2019/05/11 07:05:17 ID:ihAZBXUwKY
Pは「春」「人形」「先例のない子ども時代」を使って創作するんだ!ジャンルは「童話」だよ!頑張ってね!
40 : 1/4「春」「人形」「先例のない子ども時代」   2019/05/11 13:54:25 ID:8VnDsuCgw2
もりくぼの森にも春がやってきました。
今年は冬のアイドル業務が忙しかったので、お気に入りの机の下はまだ少し雪が残っています。それでも木漏れ日の柔らかな光が差し込むと、色とりどりのキノコたちが芽生えの季節を祝福するのでした。
その頃、森の外れに流れ者の人形焼き職人がいるという噂がありました。
でももりくぼにとって世界とは机から半径10メートルのことでしたから、人形焼きについての恐ろしい妄想が頭を駆け巡るばかりなのでした。
「人形を焼いて灰にする専門の職人・・・恐ろしい・・・むーりぃー」
41 : 2/4「春」「人形」「先例のない子ども時代」   2019/05/11 13:54:52 ID:8VnDsuCgw2
「よろしいでありますか。火炎放射器とはこう使う!」
ここ数年、街ではゴーレムづくりが流行っておりました。
中でも大和工房の堅焼きゴーレムは釉薬で虹色に輝く螺鈿のようなその肌色から、大変な人気がありました。
しかし工房長については、みな「軍曹」というあだ名で呼ぶばかりで、彼女がどこから流れてきたのか、今どこに住んでいるのか、知るものはいませんでした。
弟子たちは工房長の先例のない子供時代を想像しては、やれアフガン帰りだ、やれ異能生存体だと囃し立てるのでした。
42 : 3/4「春」「人形」「先例のない子ども時代   2019/05/11 13:55:22 ID:8VnDsuCgw2
もりくぼが物音に気づいて辺りを見渡すと、そこには膝ほどの高さの小さな人形がキラキラと輝いていました。
「これは・・・可愛いです・・・えへへ」
思わずもりくぼが人形に近づいていくと、人形はまるで心を持っているように動き出し、もりくぼの方を向いて首を傾げました。
「うわ・・・びっくりしました・・・」
普段なら警戒心を解かないもりくぼでしたが、不思議とその時は恐ろしいと思いませんでした。
「あなたは・・・私の言葉がわかるんですか・・・?そうですか・・・あの・・・よかったら、もりくぼとお友達に・・・」
人形はまるで「いいよ」といっているように小さく震えるのでした。
43 : 4/4「春」「人形」「先例のない子ども時代   2019/05/11 13:55:49 ID:8VnDsuCgw2
それからもりくぼは毎日小さな人形と遊ぶようになりました。
人形の後を追ううち、机からの距離は10メートルが20メートルに、20メートルが100メートルになり、やがて森のすべてがもりくぼの世界になりました。
そしてある日、森の外れに作業小屋が建っていることに気づきました。
「おや?お友達でありますか?」
作業小屋の主は軍曹でした。
もりくぼは驚きましたが、仲良しの人形が親に甘えるように軍曹のもとに駆け寄るのを見て、もりくぼも勇気を出してみようと思ったのです。
「あの・・・そのお人形さんをつくったのは、あなたですか・・・?」
こうしてもりくぼには火炎放射器でゴーレムをつくるもう一人の友達ができたのでした。
44 : 彦デューサー   2019/05/11 15:11:56 ID:w7hj7U3hjc
ああー!いいですね!
45 : プロデューサーちゃん   2019/05/11 19:08:57 ID:DQXOfE5mrw
Pは「戦争」「告白」「最悪の目的」を使って創作するんだ!ジャンルは「ミステリー」だよ!頑張ってね!
46 : 1/3「戦争」「告白」「最悪の目的」   2019/05/11 23:10:31 ID:w7hj7U3hjc
あの屋根裏の道化師事件からしばらく時間が過ぎ庭の蕾も花開き彩を見せています。私の名は新人探偵助手こと、エミリー。あれから少しばかり元気のないウォーカーさんの身の周りのお世話を主に、お茶のご用意から甘味処へのお使いと、探偵業務に携わることに関してはお手伝いすることの無い毎日です。それもその筈、ウォーカーさんはすっかり探偵事務所の座敷わらしとなってしまいましたから、外に出なければ探偵業務にありつける訳もなく、時間はただ過ぎて行くだけ。とうとう今月の帳簿は初めての赤字です。
このままではウォーカーさんの住むところも、私の勤め先も無くなってしまいます。大和撫子たる私がウォーカーさんをなんとかして奮い立たせなければ。これは戦争です。最悪、日々の日課である餡蜜の供給を止める兵糧攻めでもいたしましょうか?
47 : 2/3「戦争」「告白」「最悪の目的」   2019/05/11 23:11:12 ID:w7hj7U3hjc
大聖堂の鐘が鳴り空腹とともにお昼を告げた頃、ようやくと言いましょうか、惰眠を貪っていらっしゃったウォーカーさんが目覚めました。彼の部屋からは足の小指をぶつけたのでしょうか、痛いやいねとどこか趣のある訛りとともに悲鳴が聞こえます。少しばかり何も聞こえなくなったと思うと、蝶番が鈍く音を鳴らし出てきた事を知らせてくれます。
そうして、いつもの仕事机の椅子に浅く首根っこで寄りかかると、お昼の日差しが煩わしいそうで猫のようにまんまるな目を細めます。
「おはよう、エミリー。今日の朝も早いね」
「おはようございます。ウォーカーさん、流石に今日こそお仕事を取って来ていただかないと、明日のおやつに紅茶の角砂糖を並べるしかありませんよ」
「平和を愛する探偵は進んで働くなんて事はしないよ。それに」
そこで一息。私の入れた緑茶を啜って、椅子からずるずる滑りだらしなく腰で座る彼は
「平和な時は平和なりの仕事が勝手に舞い込むものだよ。そうだな…色恋に関した事だったりね。告白をするなら相手の事を知りたいと探偵事務所に舞い込むお嬢さんがいても良いはずだ」
なにを呑気な事を言うのでしょうか。蕩けきったままお茶を啜っていた彼は胸元に置いたお茶をこぼし熱さのあまり椅子から転げ落ちます。湯呑みは床に落ちるなり音をたててくだけ、散らばった湯呑みと不恰好な探偵の犯行現場が完成です。
「なんやいね……」
そう一言。動きません。
48 : 3/3「戦争」「 告白」「最悪の目的」   2019/05/11 23:19:20 ID:w7hj7U3hjc
ここで、入口の鈴が小気味良く響きます。この時間にお手紙は届かないはずなので、お客様に違いあります。ウォーカーさんの元にタオルをがわりに一昨日から置いたままの新聞を置いて、急いでお客様の元へ足を運びます。
そこにいたのは私と背丈の変わらないお嬢さん。薄紅色の兎耳のついた頭巾で顔を隠しています。
「こちらウォーカー探偵事務所です。どのようなご相談でしょうか」
「あの……この絵を、書いた人。探して、ます……」
そう言って彼女が差し出したのは、大聖堂にある時計塔を、出鱈目に彩色した絵葉書が一枚。切手は貼られているけれど、差出人はどこにも書いてありません。私は踵を返し未だ倒れているであろう彼に向かって
「ウォーカーさん、お仕事です。支度してください!」
この時私は知る由もありませんでした。この絵葉書が探偵ウォーカーさんと新人探偵助手エミリーの、最悪の目的地へ辿り着く片道切符だったなんて……
◁◽︎To be continued◽︎
49 : ごしゅPさま   2019/05/12 06:30:11 ID:5chI4Sjzgo
Pは「桜色」「裏取引」「冷酷な脇役」を使って創作するんだ!ジャンルは「ギャグコメ」だよ!頑張ってね!
50 : 「水」「狼」「壊れた山田くん(レア)」   2019/05/12 17:56:48 ID:QoxvrVwKHg
パジャマにしみ込んだ寝汗の冷たさで、目が覚めた。
何度か寝返りを打ってからベッドをはい出し、顔を洗ってコップ一杯の水を飲み、気分をすっきりさせる。
やはり、大したことはなかったのだろう。
昨日の昼公演のとき、少し熱っぽかったのは確かだが、夜を欠場するほどではなかったのだ。
プロデューサー君はよくやっていると思うが、万事につけて慎重すぎる。
若いのだし、もう少し大胆になっても……そう思いながらリビングに行くと、スマートフォンが光っていた。
「本当に体調悪そう、心配です」
「ブログ! 大丈夫ですか!?」
ファンからのメッセージが、いつもより多く、しかも切迫感に満ちている。
いったいどうしたというのだ……ブログ?
51 : 「水」「狼」「壊れた山田くん(レア)」   2019/05/12 17:58:02 ID:QoxvrVwKHg
「……私は出られると主要wしtのだが、プロデューサー君から私をセット億するよう壊れた山田君や舞田君も、帰るよう気い始めた。私は医学に浮いては志狼とだが……」

……なるほど。
昨日の私は、こんな怪文書を発信するほど弱っていたのか。
ステージに立てる状態ではないというプロデューサー君の見立てのほうが正しかったようだ。
とにかく、ファンを心配させたままにしてはいけない。
すぐにブログを訂正しなければ。

「……私は出られると主張したのだが、プロデューサー君から私を説得するよう乞われた山下君や舞田君も、帰るよう言い始めた。私は医学については素人だが……」
52 : プロヴァンスの風   2019/05/12 20:10:34 ID:5chI4Sjzgo
アイマスに山田がいないからお題的につらたん
53 : 「桜色」「裏取引」「冷酷な脇役」   2019/06/24 01:50:02 ID:4fL5mlE3eI
ぱくっとしっぽに食いつくと口の中に広がる、ほんのりと塩気のある甘み。手の中にあるほかほかの断面からは、あつあつの桜色が覗く。五感すべてが満たされる、その至福の時間こそ、高山紗代子の頑張る原動力だ。それなのに……

「没収って、どうしてですか!?」
「どうしてもこうしても、口の端に餡子くっつけた上に、たい焼きでパンパンの紙袋抱えてるのを見逃せるか」
「この桜餡は期間限定品なんです! 今しか食べられないんですよ!?」
「来週の水着グラビアの撮影、食べ過ぎのプニ腹で行くつもりか?」
「それは……」

言葉につまった紗代子は、腕の中にある紙袋をしばしの間見つめてから、溜息と一緒にプロデューサーへと差し出す。

「プロデューサーがこんなに冷たい人だったなんて、知りませんでした」
「主役のアイドルを輝かせるためなら、冷酷な脇役になるのも、プロデューサーの仕事なんだよ」
54 : 「桜色」「裏取引」「冷酷な脇役」   2019/06/24 01:50:50 ID:4fL5mlE3eI
「……あの、プロデューサー?」
「なんだ?」
「今日のレッスン、いつもよりたくさんカロリーを消費したら、1つだけ食べさせてもらう、というのは……」
「そんな裏取引みたいなことして、無理に動いた挙句に怪我でもしてみろ。笑い話にもならんぞ」
「……ですよね」
「わかったら、着替えてレッスンルームだ。律子が待ってるぞ」
「はい」

その後、2人のレッスンを見に行ったプロデューサーの耳に入ってきたのは、

『はっきり愚痴を言わせてもらうと 芸能活動しんどいです♪』

ものすごく実感のこもったMEGAREの歌詞だった。
55 : Pしゃん   2019/06/24 08:11:51 ID:pwv11pGhOE
Pは「宇宙」「リボン」「残り五秒の記憶」を使って創作するんだ!ジャンルは「SF」だよ!頑張ってね!
56 : 「宇宙」「リボン」「残り五秒の記憶」で「SF」   2019/06/25 21:36:34 ID:BAuFD/MGcU
地球という星には、アイドルという職業がある。
私は遥か遠く宇宙の彼方から、その様子を観察している。
歌い、踊り、泣き、笑い……見ていて、飽きる事は無い。

ある日、私達の乗っている船に衝撃が走った。
超小型隕石の衝突で、生命維持装置に致命的な欠損が生じた。
どうやら、一人分の命を賄うだけの燃料が足りなくなったらしい。

私は、その身を捧げる役目に自ら志願した。
以前の私ならば、決してそんな真似はしなかっただろう。
仲間達の驚いた顔……ははは、あれは痛快だったな。

私の生命活動の終わりまで、あと五秒。
そうだな……もしも生まれ変われるのなら、LIVEというものに行っ
57 :   「記憶喪失? そうは見えないけど」
「でも、本当に記憶がないんです、プロデューサーさん」
「普通に俺のこと覚えてるじゃないか」
「それはそうなんですけど……」

デスクに肘をついているプロデューサーを前に、箱崎星梨花は少しの間、思案顔を浮かべてから、言葉をつないだ。

「今週の『☆ピコピコプラネット☆』を見たんです」
「ああ、昨日放送されてたな」
「はい。それで、最後のシーンなんですけど、みんなで合言葉を言いますよね。『せんのー! せーふく! せんせーしょん!』って」

今、出演している子ども向けバラエティ番組で、星梨花は歌とダンスが大好きな宇宙人役を演じている。毎回、子どもたちと様々なミッションをクリアし、番組の最後に合言葉を言ってお別れ、という流れだ。 ID:,,
58 : 「宇宙」「リボン」「残り五秒の記憶」   2019/07/08 03:05:09 ID:WowYDw86xs
「その部分だけ、番組が終わるまで残り五秒の記憶だけ、ないんです」
「『ないんです』って言われても……収録した日は、普通にしてたじゃないか」
「私も昨日、放送を見るまでは気付いてなかったんです。でも、テレビを見て、『私、合言葉言ってないのに』って思って……」
「言ってないはずのセリフを、テレビの中の自分が言っている、って感じた?」
「そうです、そうなんです」

我が意を得たり、と前のめりで頷く星梨花の勢いに押されたのか、プロデューサーは背もたれをぎいっと鳴らせる。しばしの沈黙の後。

「スポーツ選手の言う『ゾーンに入った』ってやつかな? 調子が良すぎて、勝手に身体が動く、みたいな」
「ゾーンですか?」
「『気が付いたら終わってた』ってこともあるらしい。星梨花も、今回は初めてのレギュラー番組だし、アドレナリンが出すぎてたんじゃないか?」
「うーん……よくわからないです」
「とにかく、今日はもう帰って休んだほうがいいな。今週も収録はあるし、体調を整えておいてくれ」
「……はい」

納得していいものかどうか、迷っているふうの星梨花だったが、結局最後は、リボンで結わえたツインテールをゆらしてお辞儀をすると、事務室を出ていった。
59 : 「宇宙」「リボン」「残り五秒の記憶」   2019/07/08 03:06:04 ID:WowYDw86xs
「……よし」

プロデューサーの手が電話へと延びる。呼び出し音がなること数回。

「箱崎さん……はい、お疲れ様です……ええ、もちろん、そのことです。実は……」
「……仰る通り。識別コード22、セリカ型アンドロイドの最後の一体ですから、大切にかくまいたい、というお気持ちはよくわかります」
「でも、アイドルになりたいという星梨花の心を認めないのでは、我々もRITSUKO-9と変わらなくなってしまうでしょう?」
「……ええ、今回もダミープログラムはきちんと動作しました。RITSUKO-9の通信要求に対しては、問題なく処理できています」
「……ええ、そうですね。ダミープログラム起動中の、記憶のない時間の映像を見て、混乱しているようです。箱崎さんには、そのケアをお願いしたいと……」
「勝手な言い分なのは重々承知の上ですよ……ええ、はい……はい、ありがとうございます……はい、失礼します」
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