薄暗い地下のアジトに、ピンクのネオンがチカチカと怪しく光る。中央の巨大なウサ耳型テーブルを囲むのは、闇の組織「アゲインヒロイン」の幹部たち。目的はただ一つ――藤田ことねをラブリー17歳なウサ耳メイドにすること。そのために日々、訳のわからない計画を繰り広げる彼らの今日の活動は…？
安部菜々：永遠の17歳、闇のボス
「ピピピピッ！ ナナのナナによるナナのための作戦会議、始めるよ～☆」
安部菜々が、ピンクのウサ耳カチューシャを揺らしながら、キラキラした目で一同を見回す。彼女の手には「ラブリー17歳計画書（第777版）」が握られている。
「今日の活動はね～、【みりあちゃんを増やす】！ みりあちゃんの無垢な笑顔が世界をラブリーに変えるんだから！ みんな、ナナの愛と情熱に協力してよねっ☆ ウーサミン！」
菜々のテンションに、アジトの空気が一瞬ピンク色に染まる（物理的に）。しかし、配下の四天王と側近の反応は…予想通りバラバラだ。
「はぁ……ミキ、寝るの」
ソファに寝そべった星井美希は、覚醒モード特有のオーラを放ちつつも、完全にやる気ゼロで半目のまま菜々を見つめる。
「みりあちゃんを増やすって…それ、めっちゃ面倒くさいじゃん。ミキのパワーで無理やりことねをウザ耳メイドにしちゃえばいいと思うな、あふぅ」
「美希ちゃん！ 寝ないで～！ ナナの夢を一緒に叶えるのが四天王の仕事だよっ！」菜々が必死に手を振るが、美希はすでにクッションを抱いて寝息を立て始めている。覚醒パワー、今日は休業中の模様。