涼「と、いうことでお祝いにZealのルアーを買ってきたんだけど」

涼「喜んでもらえるかな……」

ｶﾞﾁｬ

涼「七海ちゃん、いる？」




七海「おげっ……オグロロロっぷぅ……」

涼「ちょっ！？どうしたのっ！？」

七海「オロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロ」

涼「しっかりしてー！！」

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七海「助かりました～。“釣り上げられて浮き袋を吐き出したイシモチ”のモノマネを練習してたら胃袋がまろびれちゃったんれす」

涼「危ないことは止めてよ……口から内臓出してる人間を見るのは心臓に悪いからさ……」

七海「すいませんれした～」

七海「れも、今度のラジオのネタが無くて困ってるんれすよ」

涼「シンデレラの人たちがソロデビューする時にやる番組だよね。フリートークと、自分の長所アピールと、なりきり芝居だっけ」

七海「お芝居は台本があるからいいんれすけろ……七海はお魚の話くらいしかれきないから他のコーナーのネタが被っちゃうんれす」

涼「それで“お魚モノマネ100連発”をやるってこと？」

七海「はい！」

涼「でもラジオって音声しか流れないからなあ……人間のマネならともかくお魚のマネは伝わりにくいんじゃない？」

七海「ガーン！！」

涼「変に気張らずにいつもみたいなお魚トークをすればいいんじゃないかな。七海ちゃんの話ってすごくバリエーションがあるからネタ被りなんて気にしなくていいと思う」

七海「れも……せっかくらしいつもと違うことしないと飽きられちゃいませんか……？」

涼「七海ちゃんが好きな人はいつもの七海ちゃんが好きなんだよ。そういうファンの人たちの応援があったからソロデビューが決まったんでしょ？なら、ありのままの七海ちゃんを見せるのが一番だよ」

七海「ありのまま……」

七海「……」

七海「七海は……ソロデビューが遅くて……他のみんなが次々にデビューしていくのがすっごく羨ましかったんれす……」

七海「らからデビューが決まった時はすっごく嬉しくて……もっと頑張らなきゃって……」

七海「れも……今まれ七海を応援してくれてきた人たちのこと、ちゃんと考えらえれてなかったれすね」

七海「涼さん！七海、自然体で頑張って来るれす！」

涼「うん。それがいいと思うよ」

七海「とりあえず淡水魚のネタが100……海のお魚で200……多毛類や棘皮動物も加えて400くらい紹介して……」

涼「あ、でも番組の尺はちゃんと考慮してね」

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～秋月家～

涼「つ……疲れた……七海ちゃんのトーク練習に付き合ってたら夜になっちゃって……」

涼「でも、あの調子なら本番も大丈夫かな。プレゼントも喜んでもらえたし」



涼「……」

涼(ありのままの自分を見せればいい、か)

涼(本当は、自分を偽ってアイドルしてる僕が偉そうに言えることじゃないよな……)

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～１か月後・876プロ～


ﾄﾞﾄﾞﾄﾞﾄﾞﾄﾞﾄﾞﾄﾞﾄﾞ…
ﾊﾞｰﾝ!


七海「涼さーん！七海のソロCD！完・成！れす！」

涼「……」

七海「涼さん？涼さーん！！」

涼「……ん？七海ちゃん？どうしたの急に」

七海「それはこっちのセリフれすよ。ハコフグみたいにぼーっとして……」

涼「あ、そう？ごめんごめん、ちょっと考え事してて」

涼「……ねえ、七海ちゃんは……私の性格が変わったら、どう思う？」

七海「へ？」

涼「今までの私が全部演技で、本当は無理してキャラを作ってるだけだったとしたら……がっかりする？」

七海「うーん……びっくりはしてもがっかりはしないと思いますよ～」

涼「そう？」

七海「映画の人魚姫らって自分を偽って王子様に近づいたけろ最後はハッピーエンドになったじゃないれすか。まあ原作らと泡になって消えちゃいますけろ」

涼「人魚姫……」

七海「ちょうど七海の新曲も人魚姫がモチーフなんれすよ～。涼さんに言われた通り、ありのままの七海を詰め込んらのれ是非聴いてくらさい！」

涼「……うん。ありがと」

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『はああ～人魚なのに歌も踊りもへたっぴです～』
『それでも！世界中の人たちに私の歌と踊りを見てほしい！』


『海の世界と陸の世界、どちらかだけを選ばなきゃいけないとしたら？』


『海も大好きだしお城でも歌いたい！』
『どちらも叶える魔法はないですか？』

涼(……)

涼(どちらの夢も叶える魔法……か)

涼「ねえ七海ちゃん。この歌に出てくる人魚姫は夢を叶えられたのかな？」

七海「ろうれすかね～。七海的にはハッピーエンドになるといいなって思いますけろ、海の世界は厳しいれすからねえ」

七海「れも、自分の夢に向かって進むのは楽しいはずれす！七海はこんな喋り方らし、ダンスもあんまり上手くないれすけろ、アイドル活動は大好きれすから！」

涼「……そうだよね。どんな結果が待っていたとしても……自分が進みたい道を進むべきだよね」

七海「なんか今日の涼さんはむつかしい顔ばっかしてるれすね？」

涼「最近、仕事で色々あってさ……でも、この曲のおかげで元気出たよ」

七海「おお！七海の歌声も捨てたもんじゃないれすね～。トークとお芝居も頑張ったのれ発売したら是非買ってくらさいね！」

涼「うん。今度は876プロの皆で聴くよ」

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石川社長「そう。決心は変わらないのね」

涼「はい」

石川社長「不本意に歩んだ道とはいえ、あなたが女性アイドルとして築いた地位は凡百の人間には到達できないものよ。それでも……」

涼「それでも僕は、自分の夢を諦めたくないです」

石川社長「……わかった。でも約束は守ってもらうわよ。次のオーディションが最初で最後のチャンス。いいわね？」

涼「はい」

涼(泡になって消えるか、夢を叶えてハッピーエンドになるか……)　


涼(どちらになったとしても、僕はこの選択を悔やまない)


涼(人魚姫のように魔法は使えないけど、信じた道を突き進んでいこう！)

お　し　ま　い


体調を崩してSS祭中に書き上げられなかったのが悔やまれる…
CM68の七海ソロも最高ですがCM67のドラマパートでも七海のはっちゃけた演技が聴けるのでオススメです

遅くなっても投稿する主お疲れです

あの祭りは寂しいことになってしまいましたから一つでも増えて良かったです

さかなクンみたいに七海ちゃんは凄いなぁ。どうかそのまま、ありのままでいてほしい
ルアーって意外に高いんだよね……

乙でした

旧知の仲のような掛け合いが微笑ましい
七海に声が付く前から面識あるから何気に長い付き合いだしな