リーリヤ「最近、手毬ちゃんの姿を見てないんですよね……」

ことね「そういえばあたしも1週間くらい会ってないなあ」

リーリヤ「なにかあったんでしょうか」

ことね「死んだんじゃないの～？」

リーリヤ「さ、さすがにそんなことはないと思いますけど……」

ことね「まあ最近いろいろあったし、このまま永遠にいなけりゃ静かでいいんじゃないの」

リーリヤ「確かにそうですけど！ことねちゃんそれでもユニットメンバーなんですか！？」

ことね「ちょっとしたジョークだって」


ことね(つーか、今しれっと“確かに”って言いやがったな)

ことね「しょうがないなあ……ちょっと様子見に行ってやるか」

リーリヤ「わたしも行きます。なんだか嫌な予感がしてて」

ことね「マジ？こういう時のリーリヤちゃんの勘って当たるんだよなあ……はあ」

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ｺﾝｺﾝ

ことね「手毬―？いないのー？」

ｺﾝｺﾝ

リーリヤ「……反応がないですね」

ことね「埒が明かないし、ちょっと中覗いちゃおうか」

ｶﾞﾁｬ

ことね「うげっ！なんだこのゴミの山！？」

リーリヤ「お、お菓子の袋がいっぱい……しかも全部ポテチ……」

ことね「あのバカ、こんなに自堕落だったの！？間食だけならまだしも掃除くらいしろや！」


ぽよんっ

ことね「あーもう！このデカいクッションも邪魔っ！」

げしっ
ぽよんっ

ことね「ちっ、なんだよこのムダに弾力のある素材はよお～！」

げしげし
ぽよぽよ



？？「ちょっと……人のお腹蹴らないでくれない……？」

リーリヤ「え？今の声って……」

手毬「せっかく気持ちよく寝てたのに……なに勝手に入って来てるのよ……」

リーリヤ「えええええっ！？手毬さん！？」

ことね「なっ、なんだその体！？相撲の新弟子か！？」

手毬「失礼なこと言わないでよ……ちょっと食べすぎちゃっただけだし……ぷふぅ～」

手毬「ほら、この前のお仕事で宣伝したポテチが美味しくてね……通販で大人買いして食べ比べしてたんだ……」

リーリヤ「レッスンもしないでず～っとポテチ食べてたんですか！？」

ことね「最っ低のカウチポテト族だ……」

手毬「なにポテト？」

ことね「カウチポテト！ソファーに座ってスナックばっか食べてるアホダラのことだよ！」

手毬「まあ私、減量はいつもやってるから慣れてるし？これくらいちょっと走り込みすれば元通りだよ……ふんっ」

じたばた

手毬「あれ？立てない……？ふんぬっ」

じたばた

手毬「むぐぐぐぐっ……！」

じたばたじたばた

ことね「ひっくり返されたカメみたいな動きしてんな」

リーリヤ「どうしましょう、これ」

ことね「しょ～がね～な～、あたしらで引っ張り出してやるか。このサイズじゃドアも通れないから壁をぶち破るしかないね」

リーリヤ「わたし、用具倉庫から道具を持ってきます！」

ことね「あたしも行くよ。手毬を乗せるでっかい台車も必要だしね」

ことね「ひっくり返されたカメみたいな動きしてんな」

リーリヤ「どうしましょう、これ」

ことね「しょ～がね～な～、あたしらで引っ張り出してやるか。このサイズじゃドアも通れないから壁をぶち破るしかないね」

リーリヤ「わたし、用具倉庫から道具を持ってきます！」

ことね「あたしも行くよ。手毬を乗せるでっかい台車も必要だしね」

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ｷﾞｭｲｰﾝ!ｶﾞｶﾞｶﾞｶﾞｶﾞ!
ﾄﾞﾝｯ!ﾄﾞﾝｯ!
ﾄﾞｶｰｰｰｰｰｰﾝ!

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リーリヤ「お、重いですね……2人で押してるのになかなか進まない……！」

ｺﾞﾛ…ｺﾞﾛ…

ことね「これ100キロ以上あるんじゃない……？」

ｺﾞﾛ…ｺﾞﾛ…

手毬「ちょっと！もっとスピード出せないの？こんな体ジロジロ見られたくない！」

ことね「自業自得でしょ」

千奈「月村さん、デブを通り越して完全に粗大ゴミですわ～」

広「あのお肉ちょっと分けてくれないかな」

清夏「記念に写真撮っとこうか！はいチーズ！」

咲季「佑芽、よく見ておきなさい。お菓子ばっかり食べてるとあんなみっともない姿になるのよ」

佑芽「怖～い」

手毬「うう……今笑ってる奴ら全員ぶっ殺してやる……」

ことね「はいはい。その前に自分の心臓が破裂して死ぬのが先だよ」

リーリヤ「なるべく人目の少ない所まで連れて行きますから、それまで我慢してくださいね」

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リーリヤ「それで、これからどうしましょう？」

ことね「まずは自分の足で立てるようになるところまで痩せないとどうしようもないな」

リーリヤ「そういえばこの前見たアニメでMMAの選手が半身浴で減量するシーンが出てきました！」

ことね「半身浴ね……お湯に入れてほっとくだけでいいなら楽だし、やってみようか」

手毬「人をレトルトカレーみたいに言わないでくれない？」

リーリヤ「えっと、まずはお湯にエプソムソルトを入れて」

ことね「ほい」ﾊﾞｼｬﾊﾞｼｬ

リーリヤ「体に発汗クリームをすり込んで発汗を促します」

ことね「なんか豚肉の仕込みみたいだな」ﾆｭﾙﾆｭﾙ

リーリヤ「あとは1グラムでも軽くするために全身の毛をそり落としてからお風呂にドボン！です」

ことね「了解」ﾁｭｲｲｲｲｲﾝ

手毬「ちょっと！？格闘技の減量じゃないんだから毛なんか剃らなくていいでしょ！？」

ことね「心構えってもんがあるでしょうが。100キロ以上痩せなきゃいけないんだから身も心も綺麗にして覚悟を示しな」

手毬「いや意味わかんないし！ちょっと待って、お願い！！」

ｼﾞｮﾘｼﾞｮﾘｼﾞｮﾘｼﾞｮﾘ!

手毬「アッーーーーーーー！！」

手毬「うう……もうお嫁に行けない……」　

ことね「あの世に行くよりマシでしょ」

リーリヤ「用務員さんからミニクレーンを借りてきました！」

ｷｭﾗｷｭﾗｷｭﾗ

ことね「へえ、学校にこんなものがあったんだ。クローラー付きで本格的じゃん」

リーリヤ「植木や庭石の移動に使うらしいですよ」

ことね「それじゃこのデカブツを吊り上げて……」

ｳｲｰｰﾝ

ことね「投下！」

ﾄﾞﾎﾞｰﾝ!

手毬「あづっっ！！熱いっ！！しかもなんかピリピリするっ！」

リーリヤ「エプソムソルトが血行を促進させて肌の神経を刺激してるんです」

ことね「ずいぶん詳しいね？」

リーリヤ「北欧ではメジャーな入浴剤ですから」

手毬「呑気に話してないで水入れてよ！熱すぎるって！」

ことね「よーし、早く痩せるようにガンガン追い炊きするぞー」

手毬「嫌あああああああああっ！！」

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【～1時間後～】

手毬「み……ず……水う……」

ことね「とりあえず立てるようにはなったね」

リーリヤ「水を飲ませちゃダメですよ！アニメでは“水が一番体重が増える”って言ってました！」

手毬「しぬ……死んじゃう……」

ことね「ネットで調べてみたんだけどさ、この“絶対痩せる！君主論フィットネス”って動画が最近話題らしいよ。試してみる価値アリじゃない？」

リーリヤ「おお……けっこうハードですね……」

ことね「ほら立て手毬！こっからはガンガン体動かしてくよ！」

手毬「嫌あ……もう無理い……」

ことね「だらしないなあ。……リーリヤちゃん、悪いけどちょっと後ろ向いててくれる？」

リーリヤ「え？いいですけど」



ことね「手毬さ、自分がなんでアイドル目指してるのか忘れたわけじゃないでしょ？」

手毬「うっ……！」

ことね「あたし、手毬が腹を割って色々話してくれたの、めちゃくちゃ嬉しかったんだよ？それがこんなことで挫折しちゃうなんてガッカリだなあ」

手毬「わ……わかったわよ！やればいいんでしょ！」

ことね「よし！それじゃあたしも付き合ってやるか！リーリヤちゃんはトレーナーさん役お願いしていい？」

リーリヤ「わかりました。それじゃ……ミュージック・スタート！」

≪ハイ ハイ ハイ ハイ ワン・ツー ワン・ツー！≫

手毬「ぬおおおおおおおおおおおおお！！」

ことね「おりゃああああああああああああ！！」

(こうして、紆余曲折ありましたが手毬の体はすっかり元通りになりました)

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【～1週間後～】

手毬「ことね……ちょっといい？」

ことね「なに？」

手毬「その……この前は、ごめんなさい。お詫びに、これ……」

ことね「へえ、たまには素直なとこもあるじゃん～♪何入ってるの？」

ｶﾞｻｯ

ことね「……はあ！？ポテチじゃねーか！まだ懲りてないのかよ！」

手毬「ち、違うわよ！もうあんなことしないし！ただ、悪いのは私であってポテチに罪は無いというか……それ、本当に美味しかったのよ。だから……ことねにも、食べてほしくて……」

ことね「ふ～ん。反省してるならいいけどさ」

手毬「オススメはそのキムチ味ね。あとは、うす塩とガーリック味も捨てがたくて……」

ことね「はいはい、レッスン終わったら食べてみるよ。ありがと」

ﾌﾞｰｯ!ﾌﾞｰｯ!

ことね「ん？急にスマホが……緊急速報？」


≪――速報です。食品メーカー大手のセイント製菓が販売するスナック菓子から日本国内での使用が禁止されている添加物“デブリチン”が検出され、厚生労働省が注意を呼び掛けています。デブリチンは味を良くするかわりに摂取した人間を限りなく太らせる副作用があり、過去には死亡事例も――≫

ことね「……ねえ、セイント製菓って……」

手毬「このポテチのメーカーじゃない！悪いのは私じゃなくてポテチだったってこと！？」

ことね「危ねー！あと一歩で手毬の二の舞になるところだったじゃん！」


ことね(……ん？待てよ？)

ことね「手毬、もしかしてこのお菓子リーリヤちゃんにも……」

手毬「30分くらい前に渡したわ……色々お世話になったし……」

ことね「ヤバい！！」

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ﾀﾞﾀﾞﾀﾞﾀﾞﾀﾞ…ﾊﾞｰﾝ!

ことね「リーリヤちゃんっ！」

リーリヤ「あ、ことねちゃん～♪このポテチすっごく美味しいですよ～♪一緒にどうですか～♪」

ぽよんっ

手毬「遅かった……」

ことね「無限ループって怖くね？」

お　し　ま　い

祝！エアライダー発売！
まあ俺のSwitch2が届くの来週なんですけどね

乙
面白いSSだったのにまさかのオチで言葉が出ない

そういや手鞠が過去を打ち明けてるのはPとことねだけなんだっけ？
さりげなくリーリヤを遠ざけて話す気遣いがいいね

アニメカービィ見てた世代はもうアラフォーなんだよな…

>>46
ああ、アニメカービィが元ネタだったのか
あれってブラックなネタが多かったよね…

CV飛田展男のことねか
アリだな