153 : 変態インザカントリー   2021/08/19 05:57:51 ID:ht9h/141EU

百合子「この魔導書ということですね……!」
抱えている本をぎゅっといっそう強く抱きしめる百合子。

雪歩「そういうこと。八百万のレシピはただのレシピじゃない。それは料理魔法の集積にして極み。百合子、久しぶりにあれをやるわよ」
百合子「薄々そんな気はしていました。け、けど、心の準備をさせてください。まだうまくやれる自信、ありませんから」
春香「PSTだね。頑張って、ふたりとも!」

PSTすなわちプラチナスターチューンとは、魔導書の契約者である百合子が勝手につけた名称なのだが、事象としては非契約者と魔導書とが同調を果たし、その非契約者の望むようなレシピ、欲しているレシピを導く方法である。
その仲介を担うのが契約者の役割となる。といっても単なる仲介というわけではない。魔導書を通じて契約者は非契約者の心を読み解く必要があり、当然、非契約者側にしても心を開き、通わせなければならない。
早い話、雪歩と百合子の信頼関係がなければできない。かつて雪歩が百合子を厨房に入れることをも躊躇っていた時期に試したのが最初で、そのときは百合子が雪歩の心の壁にはじかれてしまったのだった。

百合子(あの時、白雪さんの心の端に触れた瞬間に、うっすらと目にした人影……師匠さんなのか、可憐さんなのかわからないけど、私はまだその人のことを知らない……)