34 : 変態インザカントリー   2024/04/02 20:51:56 ID:ejKGo5rsSk

毎日、食べたふりをして中身はゴミ箱に捨てていた。
すばるんが毎日、朝早く起きて自分の為に作ってくれている事は分かっていた。
でも、皆んなの弁当は彩り鮮やかで、動物のデコレーションが施されていたりで、キラキラしていた。
対してすばるんの作った弁当は、茶色くて、可愛くなくて、それを皆んなの前で広げるのが堪らなく恥ずかしかった。
だから、ウチはすばるんが忙しいからとか、皆んなには言って、お年玉を崩しては菓子パンを買って食べていた。
ある日、琴葉との三者面談で、それは唐突に発覚した。
すばるんが、プロデューサーは頑張り過ぎる所があるから、せめて力が付くように毎日、肉たっぷりの弁当を作っているんだと、そう言ったのだ。
琴葉は、え?と。毎日、菓子パンを食べているので、少し心配していたと、そう答えた。
その時のすばるんの顔を、俺は一生忘れられないだろう。
事務所からの帰り道、怒るわけでもなく、殴るわけでもなく。その日の夜は、出前の良い寿司が出てきた。そして、すばるんは
ごめんな… ごめん。オレが…
ううん、もう、大丈夫… オレ、もう作ったり、しないから…