【ミリオンSS】 鶴と亀は月夜で踊る
1 : 矢橋P   2024/10/21 00:03:26 ID:5h9F3NYp16
千鶴さんの誕生日にこのSSを供養します

 -注意-
・オリジナルPが出てきます
・企業として劇場及び765プロは出てきません。オリジナルの世界観だと思ってください
・このSSはいつもの台本方式ではありません

どうかよろしくお願いします
2 : 矢橋P   2024/10/21 00:05:16 ID:5h9F3NYp16
 この世界は夢を見るのにもお金が掛かる

 誰かがそう言った……
 
3 : 矢橋P   2024/10/21 00:06:40 ID:5h9F3NYp16
カラン、と鈴の音がする
穏やかなある昼下がり。コーヒーを焙煎する煙のせいなのかややすすぼけた年季のある扉を
“二階堂千鶴“はくぐり喫茶店に入店する。
まずは喫茶店のマスターに会釈すると世間話もそこそこにオリジナルブレンドのコーヒーをオーダーする
マスターがコーヒーの焙煎にかかると彼女は空いた椅子に座り店に置いて合ったアパレル雑誌を読み出した

二階堂千鶴にとってはなんてことない、いつもの日常だ
……ただ一点を除いて
4 : 矢橋P   2024/10/21 00:08:13 ID:5h9F3NYp16

「最近のトレンドは長いスカートですのね」


あえて独り言を呟き気を紛らわそうとする
この喫茶店の雰囲気に合わないただ一つの特異点
二階堂千鶴も当然気付いていたが気にする様子もない
いや関わりを持ちたくないというのが正しいだろう
5 : 矢橋P   2024/10/21 00:09:45 ID:5h9F3NYp16
「千鶴ちゃんお待たせ」

「ありがとうございます…………っと!」

マスターが持って来たコーヒーをわざわざ手を伸ばして受け取ろうとし、
あまつさえ手を滑らし危うく落としかける。普段の彼女ならあり得ない行動だった


「危うくマスターが丹精込めて入れてくれたコーヒーを無駄にするところでした……」

「……やっぱり千鶴ちゃんも気になるかい」ヒソヒソ

「……ええ」

「開店して以来あんな客は初めてさ。なんだってうちのような店に来たんだろう」ヒソヒソ
6 : 矢橋P   2024/10/21 00:21:24 ID:5h9F3NYp16
それは一人の客だった

(パテック フィリップの腕時計にスーツはゼニア……あのGGマーク、ネクタイはグッチですの!?)


ネクタイからスーツまで高級ブランドで固めたその男は商店街の一角にある喫茶店には似つかわしい存在だった
7 : 矢橋P   2024/10/21 00:22:16 ID:5h9F3NYp16
(金持ちの道楽かしら……いい趣味してますわね)

彼女が心の中で悪態を吐く理由。それはその男の格好にある
高級ブランド品を着飾るのは別にいい、問題なのはブランド品を身に纏う……というより見せつけているという感じの着こなし方
パーティー会場ならまだしもこのような場では嫌味にしか感じられなかった
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