【ミリSS】篠宮可憐が世界の選択に抗い、絆を取り戻す話
1 :   2021/03/05 21:19:57 ID:VVgYqgRmsU
※キャラ崩壊注意。タイトルほど壮大な話でもないです。釣りですよ!釣り!
※これまでゆきかれSS書いてきた奴です。今回、特に注意書きは付さなかったですが、でも、百合は絶対無理って人はブラウザバックしたほうがいいかもです。
※誤字・脱字は全力で見逃して
2 : 下僕   2021/03/05 21:20:16 ID:VVgYqgRmsU
ある日の劇場 

可憐「はぁー……なんだかまだ胸がドキドキしているなぁ。昨日のライブ、ゆ、夢じゃないよね?」

可憐(私と春香さん、そして雪歩ちゃんの3人がメンバーの、新生ユニットでの初お披露目ライブ……楽しかったなぁ。まだ高揚感が残っていて、家にいても落ち着かないから、オフなのに劇場に来ちゃった)

可憐(おふたりとはユニットを結成する以前から、というより劇場のアイドルになってからずっと仲良くしてもらっているし………劇場での公演だったから、そんなに緊張することはない……って思っていたけれど、いざ本番当日ってなると、むしろいつも以上にガチガチになっちゃって……)

可憐(―――あの時、控え室を出る前に、おふたりがそんな私のことを励ましてくれて、ステージへと上がる勇気もらっちゃったなぁ)

可憐「ふふっ。これからもきっと、3人での活動が増えていくはずだし……楽しみだなぁ♪ あ、足手まといにならないよう、日頃から気合をいれてレッスンしないと……!」

可憐「ふわぁ……すこし眠い、かも……」

可憐「……………zzz」
3 : プロデューサー   2021/03/05 21:20:31 ID:VVgYqgRmsU
可憐「ん………あれ? 私、うとうとしちゃっていた? タオルケット? くんくん、この匂いは……」

雪歩「あ、可憐ちゃん起きた?」

可憐「雪歩ちゃん! え、えっと、こんにちは。あの、これ……す、すみません、掛けてもらったみたいで」

雪歩「ううん、気にしないで。風邪を引きでもしたら大変だから。昨日はお疲れ様!」

可憐「は、はい。雪歩ちゃんのほうこそ」

雪歩「え? あ、うん。昨夜はなんだか興奮のあまり目が冴えちゃって、うまく眠れなかったぐらいなんだ。それぐらい、ライブ、最高でしたぁ」

可憐「ありがとうございます……! わ、私もそう思います。えへへ……。これもおふたりのおかげですね」

雪歩「ふふっ、たしかにPも春香ちゃんも昨日のライブのために力を尽くしてくれていたみたいだし、いつも来てくれるファンの人、昨日初めて来たファンの人、それに他のスタッフさんたちもいっしょになって昨日のライブができていたけれど、それでも、今、可憐ちゃんが感じているその達成感や幸福感は可憐ちゃんのものだから」
4 : der変態   2021/03/05 21:20:45 ID:VVgYqgRmsU
可憐「雪歩ちゃん……」

雪歩「な、なーんて、ちょっと先輩ぶってみたけど、私は私で頑張らないとだね」

可憐「そ、そんなこと……! あの、改めてこれからもよろしくお願いします……!」

雪歩「うん、よろしくね可憐ちゃん。春香ちゃんが羨ましいなぁ」

可憐「へ? きゅ、急にどうしたんですか」

雪歩「だって、可憐ちゃんみたいな素敵な子とふたりで―――」

ガチャッ
5 : Pさん   2021/03/05 21:20:58 ID:VVgYqgRmsU
春香「こんにちはー! 天海春香ですっ、いぇい♪ って、あれ、可憐ちゃん?」

雪歩「あ……」

可憐「!」

春香「それに、雪歩さんも」

可憐「―――え?」

雪歩「こ、こんにちは。えっと、もしかしてふたりで会う約束していたの?」

春香「いえ、そんなことないですよ。昨日のライブの熱がまだ残っていて……家でじっとしていられなくなったので、そうだ、劇場に行ってファンレターのお返しでもって思って……」

可憐「春香さんもですか? 私も、その、落ち着かなくて」
6 : do変態   2021/03/05 21:21:11 ID:VVgYqgRmsU
春香「そうなんだ、うんうん、あれだけ盛り上がったライブだったからね、わかるよ。……雪歩さんは?」

雪歩「私はその……雑誌記事の取材があって、早めに終わったから、劇場でお茶でも一杯って考えていたら、ここで可憐ちゃんが眠っていて……」

可憐「き、昨日ライブがあったばかりなのに……取材の予定なんてあったんですね」

春香・雪歩「え?」

可憐「へ?(な、なにか変なこと言ったかな)」

春香「そういえば、っていうのもおかしいけれど、雪歩さん、ありがとうございます。昨日の差し入れ、タイミングもばっちりでしたよ。もう、可憐ちゃんってば、手も足も震えちゃって」

雪歩「いいの、いいの、私にはあれぐらいしかできなかったから」

可憐(???)
7 : Pーさん   2021/03/05 21:21:24 ID:VVgYqgRmsU
春香「関係者席でもずっと観ていてくれていましたよね。ここだけの話、それで可憐ちゃん、すごく励まされたって、昨日終わった後に……って、ごめん、ごめん、本人がいる前で、ははは………可憐ちゃん?」

雪歩「ど、どうしたの、そんな顔して。もしかして本当に風邪、引いちゃった!?」

可憐「ち、違います。だって、なんで、おふたりとも、そんなこと……」

雪歩「そんなこと?」

春香「えっ。言わないほうがよかった? 可憐ちゃんが雪歩さんのことを尊敬したり慕っていたりって話、たしかに本人にするのは今日が初めてで―――」

可憐「ま、待ってくださいっ!」

春香・雪歩「???」

可憐「あ、あの……!」
8 : EL変態   2021/03/05 21:21:40 ID:VVgYqgRmsU
可憐「『雪歩さん』だなんて、どうしてそんな……」

雪歩「えっ、それはべつに……」

可憐「そ、それに! まるで昨日のライブに雪歩ちゃんがステージにあがっていないみたいなこと……! 冗談でも、そういうのは私―――」

春香「えっ」

雪歩「………可憐ちゃん? だ、大丈夫?」

可憐(なんで……なんで、わ、私が心配そうに見られているんだろう??)

雪歩「寝ぼけている、のかな。えっと……どう思う?」

春香「私にもさっぱり……でも、それこそ冗談には思えないですけれど」
9 : 我が下僕   2021/03/05 21:21:54 ID:VVgYqgRmsU
雪歩「可憐ちゃん。昨日のライブは――――」

可憐「私と雪歩ちゃん、春香さんの3人ユニットのお披露目ステージ、でしたよね……?」

春香「ううん、ちがうよ」

可憐「え」

雪歩「私はユニットメンバーじゃないよ。春香ちゃんと可憐ちゃんのデュオユニットだから」

可憐「……っ」

雪歩「可憐ちゃん? あの、いったい何が……」

可憐「う、嘘……そんなの、なんで、どういうこと……」
10 : おにいちゃん   2021/03/05 21:22:06 ID:VVgYqgRmsU
春香「呼び方についても、えっと……私はずっと、雪歩さんって呼んでいるし……」

可憐「そんなはずは……だって、おふたりは、その、し、親友ですよね? 時々、見ている私がちょっと妬けちゃうぐらいに仲良しで、なんて……」

雪歩「えっと……」

春香「それはその……」

雪歩「仲は決して悪くないし、友達であるのに間違いはないけれど、えっと……」

春香「親友かと言われれば……、ど、どうですか、雪歩さん?」

雪歩「そこで私にっ!? え、あ、その、これからそうなる可能性も捨てがたいというか……」

可憐「……………そんな」
11 : レジェンド変態   2021/03/05 21:22:21 ID:VVgYqgRmsU
可憐(なにが起こっているんだろう。なにかが起こっている、そうに違いないよね?)

可憐(だって、たしかに私は、昨日、おふたりとライブを、最高のステージを……うん、間違いない)

可憐(それなのに―――)

雪歩「ねぇ、可憐ちゃん。疲れているんだよ、きっと。今日はもう帰ってしっかり休んだほうがいいんじゃないかな」

春香「雪歩さんのいうとおりだと思うよ、可憐ちゃん。たぶんライブの疲れで、身体だけじゃなくて、その、心も気づかないうちに疲れちゃって」

可憐「そんなことありません!!!」

春香・雪歩「!」

可憐「あ……ご、ごめんなさい。突然、大きな声出しちゃって。でも、私の知っているふたり……ううん、私たちは違うんです」
12 : 監督   2021/03/05 21:22:37 ID:VVgYqgRmsU
雪歩「ちがうって、それはつまり」

春香「どういうことなの……?」

可憐「それは――――」


♪~ ♪~


可憐「!?  着信、貴音さんから?」
13 : 下僕   2021/03/05 21:22:52 ID:VVgYqgRmsU
可憐「も、もしもし……」

貴音『もしもし、篠宮可憐で相違ないですか?』

可憐「は、はい! あの、それで、」

貴音『緊急だと思われます。それに他の者に聞かせるべき内容ではないかと。もし、周りに誰かいるのであれば、1人になっていただけますか?』

可憐「え……? はい、わ、わかりました」

可憐「えっと、すみません、ちょっと席を外します」

雪歩「う、うん」

春香「りょーかい」
14 : プロデューサーさん   2021/03/05 21:23:06 ID:VVgYqgRmsU
劇場 廊下

可憐「あの、それで緊急の用件というのは……」

貴音『単刀直入に言います。何か今、おかしなことになっていませんか?』

可憐「!!!」

貴音『どうです?』

可憐「はい……あの、えっと、貴音さん。昨日の私たちのライブ、ご存知ですか……?」

貴音『ええ、もちろん』

可憐「ユニットメンバーは誰でしたか?」
15 : 魔法使いさん   2021/03/05 21:23:24 ID:VVgYqgRmsU
貴音『それは―――』

可憐「……」

貴音『可憐、春香、雪歩の3人ですよね?』

可憐「!! よ、よかったぁ……ぐすっ」

貴音『ふむ……そちらで何が起きているのか、教えていただけますか?』

可憐「はい。実は……」

可憐(そうして私はついさっきの控え室でのやりとり、今となっては怖い夢のような出来事を貴音さんに話しました)
16 : あなた様   2021/03/05 21:23:36 ID:VVgYqgRmsU
貴音『あのふたりが?』

可憐「そ、そうなんです。喧嘩したっていう雰囲気でもなくて、その、逆に私がおかしいような眼差しを向けられさえして……」

貴音『…………』

可憐「貴音さん? あの、どうしたら……ただの手の込んだドッキリ企画、ではないですよね……?」

貴音『ないですね。可憐……詳しいことを説明しようにもあまりに込み入っていて、時間がない今、できません。それでも、言えるのは―――』

可憐「言えるのは?」

貴音『現状、私、または私のように干渉されにくい人物であっても、あなたを直接助けに劇場に行くことはできません』

可憐「か、干渉って、いったい何からの……?」
17 : Pくん   2021/03/05 21:23:49 ID:VVgYqgRmsU
貴音『一言で表すならば、世界、でしょうか』

可憐「世界……?」

貴音『私のほうでどうにか原因と対処法を探ってみましょう。その間、あなたは情報を集め、できることなら、事態の収拾……いえ、せめて現状維持に努めてください』

可憐「現状維持って、そんな、まるで、今以上におかしなことが起こるような……」

貴音『気を確かに、可憐。何があっても、あなたはあなたでいなくてはいけませんよ』

可憐「貴音さん……?」

貴音『では一旦、切りますね』

可憐「え、あ、待ってくだ―――切れてる……」
18 : プロデューサー   2021/03/05 21:24:03 ID:VVgYqgRmsU
可憐(世界が私たちに干渉している……どういうことなんだろう)

可憐「ひとまず、控室に戻ってみよう」


可憐「た、ただいま戻りましたー」

春香・雪歩「…………」

可憐(えっ。離れたところに座って、お互い、スマホをいじっている……)

雪歩「あ、可憐ちゃん。四条さん、何の用事だったの?」

可憐「え? あ……その、ラ、ラーメンの話で」
19 : プロデューサー   2021/03/05 21:24:16 ID:VVgYqgRmsU
春香「ふうん。貴音さん、相変わらずだなぁ。今度、私たちもいっしょに食べに行こっか」

可憐「へ? あ、はい。いいですね、3人で」

春香「私は2人きりがいいかな」

可憐「え……」

雪歩「ねぇ、可憐ちゃん。喉が渇いていない? お茶を淹れてあげるね」

可憐「あ、ありがとうございます」

雪歩「ふふっ、1人分用意するのも、2人分用意するのもいっしょだから」

可憐「え?」
20 : 我が友   2021/03/05 21:24:30 ID:VVgYqgRmsU
春香「そうだ、ねぇ、可憐ちゃん。私ね、気分転換にと思って、今朝ね、クッキーを焼いたんだ。じゃーん、持ってきました! 食べてくれるかな?」

可憐「は、はい。ありがとうございます」

春香「ふふっ」

可憐(そうして数分後、テーブルに私を挟んで3人横並びで座り直しました。私の目の前には雪歩ちゃんの淹れてくれたお茶と春香さんが持ってきてくれたクッキーがあります)

可憐(でも……雪歩ちゃんの前にはクッキーはなく、春香さんの前には湯呑はありません)

可憐「あ、あのー……」

春香・雪歩「どうかした?」

春香・雪歩「! …………」メセンソラシー
21 :   2021/03/05 21:24:44 ID:VVgYqgRmsU
可憐(嘘……これって、さっきよりも春香さんと雪歩ちゃんの関係が私の知っているものから遠ざかっている……?)

可憐(ど、どうしよう。貴音さんが原因と対処法を見つけてくれるそうだけれど、でも、現場にいる私がこのまま流されっぱなしじゃ……)

可憐(いつものふたりに戻ってほしいな……)

可憐「えっと、春香さんと雪歩ちゃんは、その、2人でお仕事やオフの日に遊んだりって、し、していますよね」

春香「雪歩さんと? うん、お仕事でお世話になることは少なくないかな」

雪歩「春香ちゃんとはお仕事をいっしょさせてもらうことはあるよ」

可憐「………オフの日っていうのは」
22 : ぷろでゅーしゃー   2021/03/05 21:24:58 ID:VVgYqgRmsU
春香「知っていると思うけれど、私って、お茶を飲みながらまったり過ごすタイプじゃないんだよね」

雪歩「可憐ちゃんならわかってくれるはずだけれど、私、オフの日はお家でゆっくり過ごすことが多いから……あ、可憐ちゃんや、真ちゃん、それに四条さんに遊びに誘われたらべつだけどね」

可憐「そ、そうなんですね、あはは……」

春香「ところでさ、こうしていると、レッスンの合間の休憩を思い出すね。昨日のライブのためにふたりで歌も踊りもMCも一所懸命に練習したよね」

可憐「えっ、あの、いや、その3人で……」

雪歩「…………」

春香「うん?」

雪歩「か、可憐ちゃん! 今度のね、日曜日のことなんだけれど」
23 :   2021/03/05 21:25:13 ID:VVgYqgRmsU
可憐「日曜日? あっ、そうです、日曜日です……! ライブが終わっているから、3人で打ち上げしようって前に……」

雪歩「え?」

春香「………」

雪歩「あの……ライブの前から、その、私といっしょに、ふたりきりでお買い物に行く約束、していたよね?」

可憐「!?」

春香「へぇ……。ねぇ、可憐ちゃん。打ち上げしよっか。Pさんも含めてのやつは別日にあるけれど、ふたりきりでさ。日曜日に、ね。ちょうど私もオフだから」

可憐「え、えっと」

雪歩「約束……したのに」
24 : 監督   2021/03/05 21:25:25 ID:VVgYqgRmsU
可憐(な、なんで、こんな雰囲気に。ど、どうしたらいいんだろう)

雪歩「……ごめん、私、もう帰るね。ちょっと疲れちゃった」

可憐「ゆ、雪歩ちゃん、待ってください……!」

春香「はぁー……引きとめてほしいのバレバレ」

雪歩「うっ」

可憐「春香さん!?」

春香「うん? どうしたの、可憐ちゃん。ねぇ、ここさ、なんだか湿っぽいから、移動しない?」

雪歩「…………ぐすっ」
25 : そこの人   2021/03/05 21:25:39 ID:VVgYqgRmsU
可憐「ま、待ってください!!!」

春香・雪歩「!」

春香「な、なに」

雪歩「可憐ちゃん……?」

可憐「私が知っている春香さんはそんな嫌な言い方なんて絶対にしないし、雪歩ちゃんはこんな簡単に泣いたりなんて………し、しません!」

可憐「おふたりはもっと仲がいいはずなんです……!」

春香「そう言われても……」

雪歩「え、えっと……?」
26 : EL変態   2021/03/05 21:25:52 ID:VVgYqgRmsU
可憐「あの、なんでそんな、ぎくしゃくしているんですか? お互い、相手をどんな風に思っているんですか……?」

春香「どんなって……」

雪歩「言われても……」
27 : プロデューサーはん   2021/03/05 21:26:06 ID:VVgYqgRmsU
春香「雪歩さんは――――犬と男の人が苦手で、少し臆病で内気なところがあるけれど、でもいざお仕事となったら、まっすぐ、何事にも真剣に向き合って、そんな、けなげなところを応援したくなったり、守ってあげたくなったりもして……かと思えば、ちょっぴりドキっとするぐらいにカッコいい一面を見せてくれたり、見蕩れちゃうような艶やかな表情や優しい微笑みをしたり………劇場ではみんなのことを気遣うことが多くて、それはお茶を淹れてくれるっていう目に見える部分だけじゃなくて、気配りっていうのかな、そういうのが上手で、先輩組として後輩たちにも慕われている、癒される存在で……」

雪歩「春香ちゃんは――――毎日3回は転んじゃうようなドジなところがあるけれど、でもまさしく正統派アイドルっていう雰囲気で、アイドルに対する考え方とか、お仕事やレッスンに対する姿勢は真面目で、熱くて、他の子のことも引っ張ってくれる子で……けれどみんなを振り回すなんてことはなくて、誰よりもみんなのことを見ていてくれて、私たちのリーダーみたいな存在………その歌からも踊りからも、そして笑顔からは、本当に楽しい気持ちっていうのが伝わって、だから、見聞きしている側も楽しくなって、夢や希望、そういう明るくて大切なものをくれる優しくてカッコよくて可愛い子で……」

春香・雪歩「あれ………?」
28 : ボス   2021/03/05 21:26:23 ID:VVgYqgRmsU
可憐「あの、そんなに想っているのにどうして険悪な……」

春香「なんでだろう」

雪歩「う、うん。よくわからない……」

可憐(これって……たとえ世界が2人の仲を裂こうとしても、でもふたりの心、その奥底までは変えられなかった……ってことかな?)

春香「えっと、雪歩さん。さっきはごめんなさい、嫌なこと言って。クッキー、食べます?」

雪歩「い、いいの? あ、それじゃあ、私、ちゃんと春香ちゃんの分のお茶も淹れてくるね!」

可憐(でも……まだ関係が完全に戻ったわけじゃないみたい)

可憐(と、とりあえず、現状維持というか、改善?できたからいいのかな……)
29 : Pチャン   2021/03/05 21:26:40 ID:VVgYqgRmsU
♪~ ♪~

可憐「!! す、すみません、電話出てきます」

雪歩「はーい」

春香「いってらっしゃい」

可憐(うん。ふたりにしても、もう大丈夫そう)



可憐「もしもし、貴音さん?」

貴音『突き止めましたよ、此度の原因を』
30 : 箱デューサー   2021/03/05 21:27:08 ID:VVgYqgRmsU
可憐「ほ、本当ですか!?」

貴音『ええ、他にないと思われます』

可憐「いったい、どうしてこんなことに……?」

貴音『それは―――おふぁーです』

可憐「オ、オファー!?」
31 : プロヴァンスの風   2021/03/05 21:27:24 ID:VVgYqgRmsU
貴音『ええ、ご存知ですよね?』

可憐「は、はい。2019年8月30日よりミリシタに実装された、アイドルを編成して受注することで、一定時間後に報酬を受けられるあれ、ですよね?」

貴音『最初期は受注枠が1つしかなかったり、経過時間が3時間のものしかなかったり、アイドル間のてきすと埋めが発生率が低くて全然できなかったりしたあれです』

可憐「最近だと、ゆきまこやよまみの4人の特別オファーが追加されていたような……」

貴音『そうです。ですが、実装1年半が経過した今もなお、実現していないものがあるのです』
32 : そなた   2021/03/05 21:27:37 ID:VVgYqgRmsU
可憐「!!! も、もしかして……」

貴音『何のことかわかりますか?』

可憐「……春香さんと雪歩ちゃん間のオファーテキストがないんですね?」

貴音『ご明察です。2021年3月5日現在、いわゆる、はるゆきについて少なくともミリシタにおいては、世界(運営・公式)は重要視していないどころか、ほぼないものとして扱っているのです』

可憐「それが、今回のおかしなふたりの原因……?」

貴音『おそらくは。世界は動き出したようなのです。春香と雪歩、この2人が仲がよかった事実など最初からない、というふうに』

可憐「そんなことって……!」

貴音『可憐を含めた3人ユニットがなかったようにふたりが認識しているのもそのせいでしょう。……今、2人は? 何か変化がありましたか?』
33 : レジェンド変態   2021/03/05 21:27:50 ID:VVgYqgRmsU
可憐(私はさっきのやりとりを貴音さんに伝えます。たぶん、2人の仲違いの危機は去ったということを)

可憐(しかし―――――)

貴音『もしかしたら、事態はより深刻になったかもしれませんね……』

可憐「え?」

可憐(震えた声で貴音さんは重々しくそう私に告げました)

可憐「ど、どういうことですか?」
34 : P様   2021/03/05 21:28:02 ID:VVgYqgRmsU
貴音『可憐、どうか気にやまないでください。あなたは何も悪くありません。それにまだ確定したわけではありませんので。ただ………春香と雪歩、2人の絆を世界がほどく選択をした上で、現場にあなたがいるという事実がどういうことなのか考えてみたのです』

可憐「私のこと……?」

貴音『言うなれば、篠宮可憐という存在は此度の世界改変において、試されている者だと思うのです』

可憐「????」

貴音『春香と雪歩、ふたりの絆をつなげる役割、それをあなたは担っています。こう言えば、理解できますか?』

可憐「は、はい。けれど……さっきは私が大したことを言わなくても、勝手に2人は互いへの想いを取り戻してくれたような……」

貴音『しかし、ユニットのことは思い出していなかった。つまり、改変されたまま。そうですね?』

可憐「はい」
35 : P君   2021/03/05 21:28:18 ID:VVgYqgRmsU
貴音『世界が救済措置として遣わしたあなたが成し遂げるべきは、ふたりの絆をあなたが結ぶこと。もし仮に、ふたりがあなたをよそに仮初の絆を得ようとすれば―――』

可憐「す、すれば? どうなるんです……?」

貴音『……より、強引な方法で、世界はふたりを切り離すかもしれません』

可憐「!? それって―――――」



「ふざけないでよっ!!!!!!」


可憐「!!! 今の大声は……?」
36 : ぷろでゅーしゃー   2021/03/05 21:28:33 ID:VVgYqgRmsU
可憐(慌てて控室に戻ると、そこには今にも殴り合いにでもなりそうな憤怒の表情を浮かべたおふたりでした)

可憐「あ、あの、これはいったい……」

春香・雪歩「可憐ちゃんは黙ってて!!」

可憐「あうっ!」

可憐(こんな春香さんと雪歩ちゃん、初めて見ます。空気がピリピリしていて……こ、怖い)

春香「あのさぁ……この前の、あれ、なに?」

可憐(舞台やドラマの演技でさえ耳にしたことのない低い声で、春香さんは雪歩ちゃんを睨んで言いました)
37 : Pちゃん   2021/03/05 21:28:46 ID:VVgYqgRmsU
雪歩「何の話ですかあ?」

可憐(雪歩ちゃん、笑っている……! でも、私が大好きな笑顔とは程遠い、春香さんを真正面から嘲るような笑み……!)

春香「とぼけないでっ。萩原さんでしょ、私の衣装のリボン、昆布巻きにすり替えたの」

可憐「!??!??」

雪歩「いい味が出ていましたかぁ?」

春香「無駄に、ね。おかげでステージに立っても、誰だこいつって顔のファンの方も多かったんだからっ」

雪歩「ふふふっ、無個性リボンの天海さんが悪いんですぅ」

可憐(!? 今になって古典的な煽り……実際には衣装によっては普通にリボンじゃないのもあるのに……)
38 : プロちゃん   2021/03/05 21:29:00 ID:VVgYqgRmsU
雪歩「天海さんこそ、この前のあれ、私、許していないですぅ」

可憐(な、なんのこと?)

春香「はっ! あんな官能小説一歩手前みたいなポエムが書かれたノート、堂々と置き忘れているのが悪いんでしょ?」

雪歩「でも、SNSに投稿するのは違うよね? 内容だけならともかく、ノートの写真撮られちゃって、筆跡で言い逃れできなかったんだよ?」

可憐(これ、雪歩ちゃんにもちょっと非があるような……)

春香「ふんっ、年中、頭お花畑どころか、発情期のお茶狂いの萩原さんが悪いんだから」

雪歩「毎日転んでいる、三半規管その他もろもろ異常があるに違いない、リーダー(笑)の天海さんに言われたくないですぅ」
39 : 貴殿   2021/03/05 21:29:17 ID:VVgYqgRmsU
春香「この……! ちんちくりんが、言わせておけばつけあがりやがって……!」

雪歩「そんなに私と変わらないくせに……!」

可憐「あ、あの…!」

春香・雪歩「90-59-90は黙ってて!!」

可憐「え、えぇ……」

雪歩「」スッ

可憐(どこからともなく、スコップを取り出した!?!?)

雪歩「こうなったら、ここで穴掘って埋めてやるしかないですぅ!!」
40 : 師匠   2021/03/05 21:29:30 ID:VVgYqgRmsU
春香「」スッ

可憐(どこからともなく取り出したのは……笛?)

春香「この日のために、たまに劇場裏につながれているチワワを調協しておいてよかったよ」

可憐(あ、犬笛! って、妙に手が込んだことを……!)

可憐(私がおふたりを止めないと……! こ、このままだと劇場に血が流れることになります……!)

春香「来なよ、萩原さん! 武器なんか捨ててかかってこい!」

雪歩「ぶっ○してやる!!!」
41 : Pくん   2021/03/05 21:29:45 ID:VVgYqgRmsU
可憐「あわわわわわわわ」

可憐(止める手立てが思いつかないまま、立ち尽くす私の目前で、今、まさに――)


??「やれやれ、思ったよりひどいわね」


可憐「!?」

可憐(私のすぐそばで、聞き覚えのある声がしました。そして、それと同時に、春香さんと雪歩ちゃんはふらっとその場に倒れます)

可憐「雪歩ちゃん、春香さん!!!」
42 : 師匠   2021/03/05 21:29:58 ID:VVgYqgRmsU
??「落ち着いて、可憐ちゃん。眠ってもらっただけだから」

可憐「恵美ちゃん!? どうしてここに……それに今のはどうやって」

恵美「………」

可憐「ううん、なんだかいつもと香りが違う。石鹸やシャンプー、香水どうこうじゃなくて、もっと根本的に……」

恵美「鋭いわね」

可憐「あなたはいったい……?」

恵美「私は―――――この劇場の魂」

可憐「劇場の魂……?」
43 : プロデューサー   2021/03/05 21:30:12 ID:VVgYqgRmsU
恵美「今だけ恵美ちゃんの身体を借りているの」

可憐「か、身体を借りて…!? もしかして今回の事態はあなたがっ」

恵美「ちがうわ」キッパリ

可憐「へ?」

恵美「春香ちゃんと雪歩ちゃんの絆を失わせるなんてこと、私がするわけないわ。そんなの劇場にとって何のプラスにもならないもの」

可憐「そ、そうですか」

恵美「ええ、むしろマイナスね。今回は貴音ちゃんに頼まれて、あなたの力になりにきたのよ」

可憐「貴音さんに? って、ああっ! 通話の途中で………切れてる」
44 : Pチャン   2021/03/05 21:30:24 ID:VVgYqgRmsU
恵美「とはいえ、この私をもってしても、もうこの場に長くはいられないみたい。恵美ちゃんの身体がもたないわ」

可憐「!!」

恵美「いい? 可憐ちゃん。 もうじき春香ちゃんと雪歩ちゃんのふたりは目を覚ますでしょう。でも、さっきみたいに憎み合ってはいないはずだわ」

可憐「じゃ、じゃあ……」

恵美「かと言って、あなたが知るふたりでもない。ふたりを元に戻せるのはあなただけよ」

可憐「そ、そんなの、どうやって…?」

恵美「辿りなさい。あなたたち3人の軌跡を」

可憐「軌跡?」
45 : あなた様   2021/03/05 21:30:37 ID:VVgYqgRmsU
恵美「ようするに、思い出よ。あるでしょう?」

可憐「それは、……もちろん」

恵美「たくさん?」

可憐「は、はい」

恵美「そう。なら、きっと大丈夫」

可憐「……そうでしょうか」

恵美「自信がないの?」

可憐「だって――――私が2人と仲良くなったのは、真さんや律子さん、美希ちゃんたちよりも後で、たぶん、まだまだ知らないこともあって……それなのに、私なんかでいいのかなって」
46 : 我が下僕   2021/03/05 21:31:08 ID:VVgYqgRmsU
恵美「私なんか、ね。今の台詞、春香ちゃんと雪歩ちゃんが聞いたら悲しむんじゃない?」

可憐「っ! そ、それは」

恵美「他の子がどうこうじゃないでしょ? 可憐ちゃん、あなたはどうしたいの? どうありたいの?」

可憐「私は……」

恵美「っと、時間みたいね。任せたわよ。私は、また観たいんだから」

可憐「え?」

恵美「あなたたち3人のステージ。まさか一回ぽっきりで終わりなんてことないわよね?」

可憐「…………はいっ!」

可憐(そうだ、私だ、私がふたりの絆を結び直すんだ。だって私はふたりのことが大好きで、そして、またあの輝くステージに3人で…!)
47 : 我が下僕   2021/03/05 21:31:23 ID:VVgYqgRmsU
可憐(恵美ちゃん、じゃなくて劇場の魂さんは現れたときと同様に、ふらりと消えるようにいなくなりました)

可憐(そして、それを見計らっていたかのように、おふたりが起き出して―――)

春香「う、うーん。あれ? 私、何を……。ん? 可憐ちゃん……それに雪歩さん?」

雪歩「んっ……。あ、あれ。私、こんなところで、なにしているんだろう」

可憐「春香さん、雪歩ちゃん」

春香・雪歩「?」

可憐「行きましょう…!」
48 : 魔法使いさん   2021/03/05 21:31:36 ID:VVgYqgRmsU
可憐(私は半ば強引に、おふたりを劇場の外へと連れ出します。そうして向かうのは、私たち3人の思い出の場所――――)

可憐(ユニット結成後に、親睦を深めようという話になって訪れた、自然公園。劇場ではないスタジオでのレッスン帰りに3人で立ち寄ったカフェ)

可憐(休日に行ったカラオケボックス。お揃いのアクセサリーなんていいかも、と買いに行ったお店)

可憐(お互いそれぞれの趣味についてもっと詳しく知ろうってことで訪れた、雪歩ちゃんお気に入りのお茶屋さんに、私の行きつけのアロマグッズが豊富なお店、春香さんが大好きな洋菓子店)

可憐(夕立、雨宿りした屋根付きの小さなバス停、3人で虹を見上げた橋)

可憐(それから、それから………)
49 : プロデューサーさん   2021/03/05 21:31:49 ID:VVgYqgRmsU
可憐(ほとんど私が勝手に、一方的に、これでもかって、3人での思い出を話しました。最初こそ、首をかしげるばかりで困惑している様子のおふたりでしたが、しだいに変わっていき―――)

可憐(私が言っていることを嘘だとか冗談だとは思っていないようでした。でも、まだ元どおりではなくて……)

可憐(そうして私の喉が枯れる頃、なんだか異様に切なくなって涙が出そうになった頃、私は再び劇場へと戻ってきたのです)

可憐(ここでもダメならもう……)

可憐「あ、あの! 雪歩ちゃん、お茶を淹れてくださいますか? 3人分」

雪歩「うん、わかった」

可憐「春香さん、今日、手作りのお菓子って持ってきていないですか……?」

春香「えっと……うん、あるみたい」
50 : 下僕   2021/03/05 21:32:03 ID:VVgYqgRmsU
劇場 控え室

可憐「はぁー……お、落ち着きますね♪」

春香・雪歩「…………」

可憐「!? ゆ、雪歩ちゃん、春香さん?」

可憐(見れば、お菓子とお茶を飲み食いしているうちに、なぜかおふたりとも黙り込んでしまって、その瞳からは涙が零れ落ちているのでした)

春香「あ、あれ、なんでだろう、涙なんて、悲しくないのに」

雪歩「けれど……何か大切なことを忘れているような、こんなにも懐かしくって、心地よくて、それなのに思い出せないんですぅ!」

可憐「!」
51 : Pくん   2021/03/05 21:32:16 ID:VVgYqgRmsU
可憐(戸惑いの中にいるおふたりをよそに、私は思い出します――――そうだ、私、あれを持ってきているはずです……!)ガサゴソ

雪歩「可憐ちゃん?」

春香「それって……えっと、アロマディフューザー?」

可憐「はい。私、調合していたんです。私たち3人のユニットを、イ、イメージした香りを……!」

春香・雪歩「!」

可憐「試してみていいですか?」

雪歩「うん、お願い。可憐ちゃん」

春香「私からも。何か思い出せそうな気がするから」
52 : Pちゃま   2021/03/05 21:32:31 ID:VVgYqgRmsU
可憐(そうして私たち3人はしばらくの間、香りに包まれ―――)

可憐(あと、もう少し。もうあと、一手。足りない気がしています。何か、大切なこと)

雪歩「♪~」

春香「あ、それ……」

可憐「!!」

雪歩「え、あれ、なんだかこの香りで、自然と思い浮かんで……」

可憐(不意に雪歩ちゃんが口ずさんだフレーズ、それは私たち3人のための曲、その歌詞のなかでも、そうだ、雪歩ちゃんがとくに好きって話してくれていた部分…!)

春香「♪~  って、続くんだっけ? あれ、でも、こんな曲、私……」
53 : ボス   2021/03/05 21:32:45 ID:VVgYqgRmsU
可憐「そ、それですっ!」ガタッ

雪歩「わっ」

春香「ど、どうしたの」

可憐「雪歩ちゃん、春香さん! 今すぐ衣装に着替えましょう!」

雪歩「ええっ!?」

春香「それってつまり―――」

可憐「もう一度、立つんです。あのステージに!」

可憐(そうだ、だって、私たちはアイドル……! 私にとってはつい昨日の出来事、あの熱狂、きらめき、充実感、そういうものぜんぶ、取り戻したい…! もっと、もっと、この3人で……!)
54 : P君   2021/03/05 21:32:58 ID:VVgYqgRmsU
劇場 ステージ

雪歩「お客さん、誰もいないね。あ、当たり前だけれど」

可憐「でも、昨日はいっぱいだったんです」

春香「そうなんだ」

可憐「はい」

雪歩「えっと、どんなふうに始まったの?」

可憐「私が、精一杯、いぇぇえええいって叫んだんです」

春香「それって……」
55 : 兄(C)   2021/03/05 21:33:11 ID:VVgYqgRmsU
可憐「はい、いつかの雪歩ちゃんみたいに。それから、客席に向かって声をかけるんです。一番後ろの席まで見えていますよーっ!!!って」

雪歩「ふふっ、春香ちゃんみたいに?」

可憐「そうなんです。雪歩ちゃんと春香さんが、私に提案してくれて……それが私、嬉しくて」

春香「そっか。ねぇ、雪歩さん。ううん……雪歩」

雪歩「うん、私も同じ気持ちだよ、春香ちゃん。あのね………可憐ちゃん、聞かせてくれる? 私たちの歌」

可憐「……!」

春香「まだ全然思い出せていないんだけれど、でも」

雪歩「聞きたい、そして、歌いたいなって。いっしょに。この3人で」
56 : おやぶん   2021/03/05 21:33:26 ID:VVgYqgRmsU
可憐「私も……私も歌いたいです」

可憐(届いて、私たちの想い―――世界に、私たち3人の絆、ここにあるんだって、伝えたい……!)

可憐「♪~ ♪~」

可憐(最初は私の、私1人の声だけが空っぽの客席へと頼りげなく、虚しく響いていく感じでした)

可憐(でも、やがて―――)

雪歩・春香「♪~ ♪~」

可憐(声は重なり、力強く、頼もしくなって、そうしたら、不思議と、空っぽのはずの客席も賑やかになっていくみたいで……)

可憐(歌いながら、雪歩ちゃんと春香さんを見ます。自然と目が合う私たち。溢れる涙と、私の知っている笑顔)
57 : おにいちゃん   2021/03/05 21:33:40 ID:VVgYqgRmsU
可憐(いつの間にか、それはまるで本当に、本番のステージのように、歓声まで聞こえ始めて、ライトの明かりさえ眩くて、そうして―――)

可憐(私たちは光に包まれて、そこで私の意識がぷつっと途絶えました。そこに恐れなんてなくて、むしろ……)






可憐「んっ……。あ、あれ? ここは……」
58 : 5流プロデューサー   2021/03/05 21:33:55 ID:VVgYqgRmsU
雪歩「あ、可憐ちゃん。起きた?」

可憐「雪歩ちゃん……!」

雪歩「もう、ダメだよ? こんなところで眠っちゃ。風邪を引きでもしたら大変」

可憐「は、はい」

雪歩「昨日はお疲れ様。最高のライブだったね」

可憐「! えっと、それは、」

ガチャッ

春香「やっほー、天海春香ですっ、いぇい♪ お待たせ、2人とも」
59 : 箱デューサー   2021/03/05 21:34:10 ID:VVgYqgRmsU
可憐「春香さん…!」

雪歩「春香ちゃん、お疲れ様。じゃあ、3人そろったところで、私、お茶を淹れてくるね」

春香「手伝うよ、雪歩」

雪歩「ほんと? ありがとう。可憐ちゃんは、ここで待っていてくれていいからね」

春香「いやー、それにしても、さ」

雪歩「うん? どうしたの、そんな緩んだ表情しちゃって」

春香「だって、まだ、胸が高鳴っちゃっているっていうか」

可憐「あの、それって………」
60 : 変態大人   2021/03/05 21:34:41 ID:VVgYqgRmsU
雪歩「ふふっ、ちょうど今ね、私も話していたところなんだ」

春香「やっぱり?」

可憐「あ、あの……!」

春香・雪歩「?」

可憐「――――さ、最高でしたね、私たち『3人』のライブ……!」

春香「うんっ! また近いうち、できるって話だからね」

可憐「!」

雪歩「これからだよね、なんだかんだ。この3人で、もっと、もーっと、すごいステージ作りたいなぁ」
61 : 変態インザカントリー   2021/03/05 21:36:05 ID:VVgYqgRmsU
可憐「………ぐすっ」

春香「!? ど、どうしたの、可憐ちゃん」

雪歩「ほわっ!? 急に涙なんて、えっ、ど、どうしたの、どこか痛いの!? 救急車呼んだほうがいいかな!?」

春香「え、えーっと、1・1・7っと」

雪歩「それ、時報だよ!」

可憐「ふふっ、ふふふ……ただいま、ううん、おかえりなさいなんでしょうか……」

春香「う、うん?」

雪歩「変な可憐ちゃん……でも、そんなところも好きなんだけどね」

春香「突然のG♡F!」
62 : ぷろでゅーしゃー   2021/03/05 21:36:35 ID:VVgYqgRmsU
可憐(そして、後日……貴音さんと、今回起きた出来事について話しました)

可憐(まだ春香さんと雪歩ちゃんのオファーテキストが実装されるのは先になるみたいですが、それでも、もう今回のような事態は起こらないだろうって)

可憐(世界は……選択し直したんです。私たち3人が固い絆で結ばれたこの日常を、この大切な日々を、私は守ることができました)

可憐「私、また一歩踏み出せたのかな、なんて……えへへ」

雪歩「可憐ちゃん? どうかした? ぼーっとしていると春香ちゃんに置いていかれちゃうよ?」

可憐「わわっ、い、今行きますっ……!」

雪歩「ふふっ」

春香「もうっ、ふたりともー、私をよそにイチャイチャしないー!」
63 : Pーさん   2021/03/05 21:37:12 ID:VVgYqgRmsU
可憐(まだまだこれから、ですよね?)

可憐(大好きなふたりと、それからPさんを含めた劇場のみんなで、私は進んでいきます、うん、どこまでも進んでいきたいんです!)

可憐「これが私の選んだ道だから―――」


お、おわりです……!

64 : der変態   2021/03/05 21:39:40 ID:VVgYqgRmsU
以上です。はるゆきかれはいいぞ
来年の春ごろに、この3人で新曲が発表されると妄そ……期待しています
65 : ぷろでゅーしゃー   2021/03/06 12:54:09 ID:zWRdL2y8Q2
乙可憐
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