【ミリオンSS】歩「魔人と呪いの少女」
1 : 矢橋P   2024/04/23 23:07:11 ID:tkGvoJItjo
またお会い出来ました矢橋Pです
また性懲りもなくミリオン×パワポケのクロスSSを書かせていただきます
今回は 新球団ナマーズ編×電脳野球編×ミリオンライブ÷4 という内容になっております

 -注意点-
・このSSは 恵美「怪奇ハタ人間!」から三年後の世界です 
 前作→https://imasbbs.com/patio.cgi?read=30682
・オリジナル設定、原作改変もします
・プロデューサーは相変わらず登場しません
・今回はパワポケのキャラがガッツリ出ます。そのためパワポケを知らない人の為にも今回はプロフィールを細かく更新しようと思います

それでもどうかお願いします 
288 : ボス   2024/05/14 20:59:54 ID:1qR3eM7T7.






 
289 : ボス   2024/05/14 21:00:37 ID:1qR3eM7T7.
PM19:00 歩の部屋



朱里「遅かったわね。ちょっと買い物に行くだけじゃなかったの?」

歩「……色々あってさ」

朱里「……大丈夫?変な連中に絡まれたりしたりしなかったの?」

歩「それは大丈夫だよ」

歩「……朱里はさ。具現化についてどこまで知ってるの?」

朱里「具現化?まあ専門外だから詳しくないけど知ってる範囲なら……」
290 : ボス   2024/05/14 21:05:34 ID:1qR3eM7T7.





291 : ボス   2024/05/14 21:07:03 ID:1qR3eM7T7.
5月20日 AM 9:30 

今日はこれから亜利沙と渦木さんと一緒に今まで調査した内容を確認し合うことになっている。
千脇さんの家から回収したビデオカメラも一緒に確認する予定だ。
292 : ボス   2024/05/14 21:08:38 ID:1qR3eM7T7.
歩「朱里は……環達の面倒を見ていて居ないね」

歩「茜ー」


もわわ~ん


歩「も〜久しぶりに呼んでくれたね。寂しかったぞ~」

歩「これから警部さんに亜利沙って子がアタシの部屋に来るんだ」

歩「それでその時に茜をみんなに紹介するけどいいかな」

茜「おお?マイハマン突然どうしたの。茜ちゃんのことは秘密にするじゃなかったの?」

歩「亜利沙や渦木さんも仲間なんでしょ?仲間に隠し事は無しにしたいんだ」

茜「そーか。いやー茜ちゃんも有名になっちゃうね~」

歩「あの二人はそういうの耐性なさそうだしあまり混乱させないでよ」
293 : ボス   2024/05/14 21:09:31 ID:1qR3eM7T7.
<ピンポーン


歩「来たみたい」

ガチャ

渦木「お邪魔します」

亜利沙「でも当然どうしたんです歩さん。ホテルで話し合いする予定でしたのに突然自宅にするなんて」

歩「うん、ここの方が安全だと思ってさ」

亜利沙「歩さんそれって……」
294 : ボス   2024/05/14 21:12:08 ID:1qR3eM7T7.
歩「それより渦木さんこそ大丈夫なんですか?」

渦木「私ですか?ああ、今日は私、非番でしてね。今日は警部ではなく一般人としてここに居るので心配無用ですよ」

渦木「実は三日前に今回の失踪事件の調査本部が解散させられましてね。どのみち刑事としてこの件を捜査することはもう出来ないんですよ」

亜利沙「調査本部が解散!?どうしてですか!」

渦木「上からの圧力ですよ。まあ私は部下を一人消されているのでそんなものに従いませんけどね」

渦木「ただ亜利沙さん。あなたが言った何らかの組織がバックにいるって話は本当のようですね」
295 : ボス   2024/05/14 21:15:37 ID:1qR3eM7T7.
亜利沙「そんな事って……」

渦木「幸いなことに解散される前にそれまで捜査してきた資料はコピーしてきました。原本は今頃消去されているでしょうからね。まあばれたらただじゃ済みませんが」

亜利沙「わざわざ危険を冒してまで……ありがとうございます」

渦木「その資料の一つ、ここ最近失踪したと思われる人達の名簿です。見てみてください」

歩(改めて失踪した人の名簿を見てみたけどやはり特に共通点はないね)

渦木「一応被害者の住所をこの広域化した地図にしるしを付けてみましたが……」

渦木「分かったことは被害は関東地方の一部にしかみられないということぐらいですか」

歩(あれ、待てよ……もしかして)

渦木「ひとまず例のビデオカメラの中身を確認しましょう。今はそれが最大の手掛かりですから」
 
296 : ぷろでゅーさー   2024/05/14 21:17:01 ID:1qR3eM7T7.


ジーーーーーーー


ズズズズズズズズズ


千脇「ん、何だ?」


-さっちゃんはね


千脇「まさかこれが……」


---って言うんだほんとはね


千脇「これはスクープだ」つビデオカメラ


ズズズズズズズズズズズ!!!


???「わたしのほんとうのなまえはなあに?」

千脇「顔が無い女だろ!」つビデオカメラ



--ざんねん

???「は・ず・れ」


ガプッ


ゴトン
297 : そこの人   2024/05/14 21:17:57 ID:1qR3eM7T7.



歩「うえ………」

亜利沙「………」パクパク

渦木「これは………」

歩(予想はしてたけど……ここまで心霊現象みたいなものだったなんて。まるでホラー映画だよ)
298 : そこの人   2024/05/14 21:19:30 ID:1qR3eM7T7.
でも ホラー映画みたい なんて客観的な感想で済ませられるのはアタシが一度イーエスを見ているのと茜を始めとした超常現象に耐性があったからだ。
現に亜利沙や渦木さんは未だに信じられないといった反応をしている。
もしかしたら怪奇現象に見せかけた人為的な犯行だったんじゃないかと心の奥底で思っていたのかもしれない。
でもアタシはこれからもっと二人を驚愕させることを言わなきゃいけないんだ。
299 : そこの人   2024/05/14 21:21:22 ID:1qR3eM7T7.
歩「亜利沙、渦木さん聞いてほしいことがあるんです」

亜利沙「何ですか歩さん」

歩「ビデオカメラに映ってた化け物、顔が無い女ってアタシ達は呼んでいたけど名前をイーエスって言うみたいです」

渦木「イーエス、それはどこから出てきたんです」

歩「そしてイーエスの名付け親……つまりイーエスを生み出し、バックに居座る組織は……大神だと思う」

亜利沙「ええっ!あの大神ですか!?」

渦木「確かに大神なら警察にも圧力をかけるのは容易いでしょう。ですが大神は機械工業にしろ医療機関にしろテクノロジーで名が通っている会社ですよ。こんな怪奇現象とは対極な存在です」
300 : そこの人   2024/05/14 21:22:32 ID:1qR3eM7T7.
歩(渦木さんの言うことはもっともだ。アタシだって始めは大神がイーエスに関わっているだなんて信じられなかったよ。でも昨日それが確信に変わったんだ)

歩「実は昨日アタシはイーエスの関係者と思われる人に接触したんだ」

亜利沙「本当ですか!」

歩「相手が一方的に接触してきたんだけどね」

歩「イーエスって名前もその人が言ってたんだけどね。オカルトテクノロジー……不可能を可能にする科学だって言ってた。大神は裏でオカルトテクノロジーの研究をしているんじゃないか?」
301 : ごしゅPさま   2024/05/14 21:24:05 ID:1qR3eM7T7.
歩(渦木さんの言うことはもっともだ。アタシだって始めは大神がイーエスに関わっているだなんて信じられなかったよ。でも昨日それが確信に変わったんだ)

歩「実は昨日アタシはイーエスの関係者と思われる人に接触したんだ」

亜利沙「本当ですか!」

歩「相手が一方的に接触してきたんだけどね」

歩「イーエスって名前もその人が言ってたんだけどね。オカルトテクノロジー……不可能を可能にする科学だって言ってた。大神は裏でオカルトテクノロジーの研究をしているんじゃないか?」
302 : ごしゅPさま   2024/05/14 21:24:57 ID:1qR3eM7T7.
>>301
重複してしまった……
303 : プロ太郎さん   2024/05/14 21:26:18 ID:1qR3eM7T7.
渦木「既存の技術だけでも天下を取ってる大神がわざわざそんな技術を何故?」

歩「それはわからない。……これはアタシの推理だけどイーエスはおそらくインターネットを通じて被害者の元に現れているんだ」

渦木「あの化け物がインターネットを通じて……もう一度ビデオカメラの映像を確認してみますか」
304 : プロ太郎さん   2024/05/14 21:28:35 ID:1qR3eM7T7.
ジーーーーーーー


ズズズズズズズズズッ


ピタッ

歩「ここだよ!」

亜利沙「本当です!パソコン画面からイーエスが出現しているのが写ってます」

渦木「信じ難いですがあの化け物はパソコンなどの電子機器から現れるようですね。それで機械に強い大神が絡んでいると?」
305 : プロ太郎さん   2024/05/14 21:30:19 ID:1qR3eM7T7.
歩「そうじゃないよ。被害者の共通点、それは大神ネットだ」

渦木「大神ネット?」

歩「さっき渦木さんの見せてくれた地図、あれは大神ネットが普及している範囲じゃない?」

亜利沙「あ……確か大神ネットはまだサービスを開始したばかりで大神グループの本社がある東京を中心とした関東でしか普及してません。ちょうどあの地図ぴったりの範囲です!」

渦木「まさか、大神ネットの開設自体がイーエスのための布石だったということですか!」

歩「もしくは大神ネットによるネット展開の邪魔者を消す露払いのような存在なのかもしれない」

歩「とにかく大神ネットで顔が無い女を調べたり書き込んだりするとイーエスに消される。だからこんだけ人が消されてもイーエスに関する情報が全く出ないんだ」
306 : プロ太郎さん   2024/05/14 21:32:12 ID:1qR3eM7T7.
渦木「ですが歩さんも大神ネットでイーエスのことを調べたりしてますよね?それに私も一度ぐらいはネットで検索してますよ」

歩「それは……これが理由だよ」ドン

亜利沙「ランプ……ですか?」

歩「中山先輩も開田くんも消されたのにアタシが消されて無い理由、茜出てきて!」


ぽわわ~ん


茜「うーん、まさかそんなに早く気付くなんて」


渦木「……はあ?」

亜利沙「あわわ……」
307 : プロ太郎さん   2024/05/14 21:33:11 ID:1qR3eM7T7.
歩「この子は茜。人の願いを叶える魔人なんだって」

茜「そうだよ。お二人ともよろしくっ!」


カクカクシカジカアイカネ?


亜利沙「亜利沙、理解が追いつきません」

渦木「私もです。まあしばらくホラー映画やファンタジー映画は観ないでしょうね。今起きている現実と比べてしまいますから」
308 : プロ太郎さん   2024/05/14 21:34:12 ID:1qR3eM7T7.
茜「そーだよ。あんなフィクションより茜ちゃんの方が刺激的なんだよ」

亜利沙「でも……歩さん、願いを叶えないと……その、死んでしまうんですよね。何も思わないですか?」

歩「アタシも最初は愚痴りたくなったよ。でもアタシが消されてないのは茜のおかげだと思うんだ。そうでしょ?」
309 : プロ太郎さん   2024/05/14 21:35:08 ID:1qR3eM7T7.
茜「正確にはマイハマンの願いのおかげだね」

茜「マイハマンにかけた魔法は茜ちゃんとマイハマンの契約みたいなものなんだよ。こういう契約は対価に何を差し出すかによって強さが変わる」

茜「顔が無い女だかイーエスだか知らないけどマイハマンが命をかけた契約をぽっと出での亡霊に邪魔はさせないよ」ゴゴゴゴゴゴ

亜利沙「おお……」
310 : プロ太郎さん   2024/05/14 21:36:14 ID:1qR3eM7T7.
茜「それともう一つの願い。これは茜ちゃんにとっても予想外だったよ」

歩「もう一つの願いって仲間が欲しいって方かな?」

茜「そう、せっかく仲間が5人出来たのにそのうち一人をイーエスに消されて4人になっても困るでしょ?」

茜「だからマイハマンが仲間だと認めた人間も茜ちゃんのパワーによって呪い等の超常現象の被害に遭うことは無いってことだね」

亜利沙「あのカラオケボックスの時もそれで……」

茜「ちなみに茜ちゃんがいなかったらマイハマンは3回は消されているよ!良かったね~、さあ茜ちゃんを褒めたまえ」

歩「うん、ありがとう」ナデナデ
311 : プロ太郎さん   2024/05/14 21:38:39 ID:1qR3eM7T7.
渦木「つまり……イーエスに消されないで調査出来るのは世界でも我々しかいないということですか」

茜「お~盛り上がってきたね~」

渦木「あまり喜んでいられないですよ。このままだと非常にまずいことになります」

渦木「大神ネットは今試験的に関東地方しか展開してないですが今年の末には全国展開すると発表されています」

亜利沙「な、そんなことになったらイーエスの被害は全国に広がります」

歩「イーエスだって試験的に動かしているだけかもしれないよ。今は人をひっそり消してるだけだけど、いずれは大神にとって邪魔者をイーエスを使って次々と消していくのかもしれない」

渦木「そうなれば大神に立ち向かうことが誰も出来なくなります。そうなる前に我々で何とかしないと……」
312 : プロ太郎さん   2024/05/14 21:40:11 ID:1qR3eM7T7.
亜利沙「ある程度は覚悟してましたが……まさかこんなビックネームが出て来るなんて」

渦木「おや、亜利沙さん怖じ気づいたんですか」

亜利沙「まさか!燃えてきましたよ。亜利沙の記者人生で一番のヤマになりそうですよ」

歩(頼もしいなぁ……この二人が仲間で良かったよ)
313 : プロちゃん   2024/05/14 21:41:33 ID:1qR3eM7T7.
渦木「イーエスの正体は段々明らかになってきましたが……大神相手にこれからどうすればよいのか」

亜利沙「イーエスをどう止めればいいのかもわからないですぅ」

歩「うーん……」

茜「皆さんお困りかな?なら茜ちゃんからアドバイス。さっきビデオカメラの映像に歌が聞こえてなかった?」

歩「あれってサッちゃんの歌だよね」

亜利沙「子供の頃流行りましたよね。実は怖い歌だって都市伝説」
314 : プロちゃん   2024/05/14 21:43:09 ID:1qR3eM7T7.
茜「あれは“媒体“だよ。茜ちゃん達具現化された存在は元が必要なんだよ」

歩(茜も具現化現象なんだ……)

茜「茜ちゃんだって突然ぴょこんと草が生えるように生まれるわけじゃないんだよ?何でも願いを叶えてくれる魔人が居たらなーって願いから茜ちゃんは生まれたんだ」
315 : プロちゃん   2024/05/14 21:44:19 ID:1qR3eM7T7.
亜利沙「だとするとイーエスはどうやって生まれたんでしょうか」

茜「昔、憶測で生まれた怪談が広がって人間の恐怖の感情が具現化して噂が本当になっちゃった。ってケースはあったけど……」

亜利沙「イーエスの場合は違うでしょうね。イーエスの噂をした時点で消されるんですから」

茜「そうだね。だからイーエスは普段はネットの世界にいる。そして”人を喰う”為に現実世界に具現化する際にサッちゃんの歌を媒体にして具現化するんじゃないかな」

渦木「サッちゃんの歌の都市伝説そのものがイーエスの存在理由ということですか?」
316 : プロちゃん   2024/05/14 21:48:37 ID:1qR3eM7T7.
茜「いーや、イーエスの本体は別だと思うけど……あんな都市伝説を媒体にしているなんてイーエスの存在自体はやや不安定なのかも」

茜「ほら、サッちゃんの歌の中でサッちゃんが本名じゃなくてサチコだったって言ってるでしょ?そしてイーエスも人を喰う瞬間名前を聞いていた」

歩「つまりイーエスにも本当の名前があって、それがイーエスの急所なのかも知れないのか!」

茜「茜ちゃんの経験上の推測だけどね。そしてその本名はイーエスが生まれる要因となった人間の名前じゃないかな」

渦木「なるほど……我々の次目指すところはイーエスの本名探し、もといイーエスが生まれる要因となった人物探しですか」

亜利沙「そしてその人物に大神が干渉している。それを止めれば何とかなるかもしれません!」

歩「よし、みんなで手分けして探そうよ!」
317 : プロちゃん   2024/05/14 21:52:38 ID:1qR3eM7T7.





ようやくイーエスの実態が見えてきた気がする
茜が協力してくれたからだ。後でプリンをたくさん買ってこないとね!
318 : 矢橋P   2024/05/14 22:01:26 ID:1qR3eM7T7.
第五幕はこれで終わりです
何とか学マスリリース前までに間に合いました
予告ですが第六幕のタイトルは ジャッジメント になる予定です





以下蛇足
やっっっっと担当を三作目にしてようやく自分の長編SSに出せたよぉぉっ!
自分の担当出すの楽しいぃぃぃ!
319 : 矢橋P   2024/05/15 23:05:29 ID:PPS3gsyjKo
追加プロフィール
320 : 矢橋P   2024/05/15 23:06:04 ID:PPS3gsyjKo
矢橋美保   自称CEO

公園で歩とよく合う女性
まだ未成年ながら自分で事業を立ち上げCEOを名乗っているが
自分一人しかいない会社でCEOはちょっと大げさのような気もする
言動こそ軽いが幼い頃は貧乏だったらしく自分で事業を立ち上げるまで相当努力している
321 : 矢橋P   2024/05/15 23:06:56 ID:PPS3gsyjKo
宮尾美也  ???

歩に突然接触して来た女性
自らをオカルトテクノロジーの申し子と名乗る
イーエスと何らかの関わりがあると思われるが……
322 : 矢橋P   2024/05/15 23:07:28 ID:PPS3gsyjKo
白石紬   ???

宮尾美也のお付き人
やや早とちりなところがある
その正体は……
323 : 矢橋P   2024/05/15 23:08:42 ID:PPS3gsyjKo
ルチア   南米の魔女

世界中に指名手配されているテロリスト
自慢の超能力、リーディングは健在である
前作でマゼンタが敗れた後、密かにパライソタウンから逃げ出し今は美也の部下である
どうやら美也とは前から関わりがあるようだが……?
本人はマゼンタと組んでいた時が一番楽しかったとぼやいている
324 : 矢橋P   2024/05/29 22:33:48 ID:I4pyNgo7kE


 第六幕 ジャッジメント

 
325 : 矢橋P   2024/05/29 22:36:15 ID:I4pyNgo7kE
亜利沙に渦木さんに茜まで加えた4人で話し合った結果
イーエスに対抗するにはイーエスの本当の名前を解明することになったけど
全く手がかりが無いんだよね
どうすればイーエスの名前は分かるんだろう?
326 : 矢橋P   2024/05/29 22:39:51 ID:I4pyNgo7kE

5月21日 AM 9:00 アパート前


ひなた「それでねぇ、ヒマワリは発芽した後はそんなに水をあげなくていいんだよぉ」

ひなた「2~3日に1回ならともかく毎日あげるなら土を湿らすぐらいで大丈夫だべさ」

典子「そうだったの。今まで毎日たっぷりあげていましたが逆効果だったかもですね」

ひなた「水やりの水も水道から汲みたてだと冷たくて植物達もびっくりしちゃうからねぇ」

ひなた「出来れば水道から汲んだ後30分ぐらいは置いて常温にしてからあげた方がいいんだよぉ」

典子「なるほど。勉強になります」

ひなた「今は芽だけども、もうちょっと大きくなったら水に液肥も混ぜてみるかい」
 
327 : 矢橋P   2024/05/29 22:41:27 ID:I4pyNgo7kE

環「最近ひなたはのりこにべったりだぞー。ね、こぶん」

こぶん「にゃー」


ガチャ

歩「みんな、グッドモーニング!あ、典子ちゃんは今日学校休みなんだね」
328 : 矢橋P   2024/05/29 22:42:37 ID:I4pyNgo7kE
環「あゆむ!遊ぼ~」

歩「おや〜?ははーん、ひなたを典子ちゃんに取られちゃったのかな。いいけど朱里とは遊ばないの?」

環「だってあかりは遊びやゲームとかすっごく弱いんだもの」

朱里「悪かったわね。そういうの不慣れなの」

歩「まあまあ、これから得意になっていけばいいじゃないか」
 
329 : 矢橋P   2024/05/29 22:44:04 ID:I4pyNgo7kE
環「それじゃせっかくだし体を動かす遊びをしよ!鬼ごっことかかくれんぼとか」

朱里「あまり目の届かないところまで行かないでよ。アパートの敷地内から出ちゃだめだからね」

歩(朱里もすっかり保護者だなぁ)

朱里「それじゃ、鬼ごっこでもしましょうか。あたしもリハビリがてら体を動かしたくなったわ」

環「くふふ〜。いいけどたまき足速いぞ~」

歩(アタシも体力はある方だと思うけど環の元気に勝てるかな?)

朱里「鬼はあたしがやるわ」

朱里(さて、たまには訓練しないとね)
 
330 : 矢橋P   2024/05/29 22:44:20 ID:I4pyNgo7kE


331 : 矢橋P   2024/05/29 22:44:59 ID:I4pyNgo7kE

朱里「ざっとこんなもんね」パンパン

環「あかりすごーい」ハァハァ

歩(アタシも環も朱里にあっさり捕まってしまった)ゼエゼエ
332 : 矢橋P   2024/05/29 22:46:53 ID:I4pyNgo7kE
朱里「一応あたしサイボ-グだから」

朱里「……と言っても身体能力に大差はないわ。中学生でそれなら環も十分すごいけどね」

環「そうでもないぞ。たまきよりすごい人はいーっぱい、いるから」

朱里「そう。それと環は動きが読みやすいわね。だから先読みされちゃうと簡単に対処されちゃうわけ」
333 : 矢橋P   2024/05/29 22:47:55 ID:I4pyNgo7kE
環「そっか。あかりは強いんだね」

環「ねぇ、あかりは前に正義の味方をしていたんでしょ。もうやらないの?」

朱里「やらないわ。正義の味方はもうこりごり」

環「……どうして?」

朱里「現実を思い知ったからよ。あんた達も知ればそうなるわ。自分の無力さをね」

環「…………」
334 : 矢橋P   2024/05/29 22:49:51 ID:I4pyNgo7kE


こぶん「にゃーにゃー」スリスリ

環「あっ、おなかすいたの?今ごはん用意するぞ」

歩「すごいね。環は猫の気持ちがわかるんだ」

環「……ひびきに教えてもらったんだ」

歩(ひびき?)

環(カンタは元気かな。久しぶりにうみみやめぐみ、みんなに会いたいぞ……)
335 : 矢橋P   2024/05/29 22:50:51 ID:I4pyNgo7kE



典子父「やあ」スッ

歩「ひぃ」

朱里「?」

歩「みんな、ちょっとごめん」ダッ

朱里「歩は時々変な行動をするわね」

環「トイレかな?」
 
336 : 矢橋P   2024/05/29 22:51:32 ID:I4pyNgo7kE




 
337 : 矢橋P   2024/05/29 22:52:09 ID:I4pyNgo7kE
歩「みんながいる中で突然現れないでよ。お父さんの姿はアタシしか見えないんだからさ」

典子父「あはは、すまないね。私も空気は読みたかったんだけどさ」

典子父「もう時間が無いみたいだから……」スッ…

歩「え、どうして……」
 
338 : 矢橋P   2024/05/29 22:55:30 ID:I4pyNgo7kE
典子父「ほら、私の幽霊になった未練って娘のことだったろ?娘が久しぶりに君達と楽しくふれあっているのを見ていたら安心してしまったからじゃないかな」

歩「でも……まだ早いよ……」

典子父「そうなんだよなぁ。ひなたちゃんとたまきちゃんって友人出来たのはいいけど三人ともまだ子供だしなあ……なんかあったら不安だよなぁ……」

典子父「でもその時は大人の君が何とかしてくれないか?頼むよ……」

歩「それは善処するけど……お父さんから典子ちゃんに何かないんですか」

典子父「私なりに娘に気付いてもらえるように色々やったんだけどだめだったなぁ……死人に口無しっていうしね」

典子父「君に伝言を伝えてもいいけど 亡くなったお父さんから伝言を預かっているよ! なんて言ってもかえって娘を傷付けるだけだろうし」

歩「確かに……」
339 : 矢橋P   2024/05/29 22:57:23 ID:I4pyNgo7kE
典子父「はは……。君、死んでもいいことないよ。長生きするんだよ」

歩「うん……お父さんのその気持ちアタシは忘れないよ。いつか典子ちゃんにも伝えるから」

典子父「嬉しいねぇ……。そうだ、怪奇現象を追っているんだって?君の部屋で話しているの聞いたよ」

歩「亜利沙と渦木さんとの会話聞いてたんですか!?」
340 : 矢橋P   2024/05/29 22:59:21 ID:I4pyNgo7kE
典子父「たまたまね。それでヒントになるかはわからないけど私が幽霊になった直後、だから……半年前ぐらいかな。私以外にも幽霊になった少女と出会ったんだよ、どうやら幽霊同士なら会話出来るようだね」

歩「そ、それって」

典子父「その娘は”桃子ちゃん、桃子ちゃん”ってずっと泣いていたよ」

典子父「どうやらその娘は車に轢かれて意識不明になって魂だけ肉体から抜けてしまったようだった。どうしても……幽体離脱になるのかな、それから抜け出せなくて誰にも気付いてもらえなくて泣いてたんだよ」

歩「その娘の名前は!」

典子父「ごめん、聞いてなかったわ」

歩「だーっ、もう!」
341 : 矢橋P   2024/05/29 23:01:23 ID:I4pyNgo7kE
典子父「でも数日経ったら会えなくなったから元に戻れたんだなって思っていたんだ。それから会えてないけどもしかしたら……」

歩「……サッちゃんの都市伝説は電車に轢かれて……だったね。もしかして何者かがその少女の幽霊に無理やりサッちゃんの歌を結びつけて化け物にしたのかもしれない」

典子父「君の追ってる事件とは関係ないかもしれないけど何かの手掛かりになってくれれば嬉しいね。それじゃそろそろかな」スゥゥゥ

歩「あ……」

典子父「盆ぐらいには戻って来たいけど無理なんだろうなぁ……それじゃ娘を頼んだよ」スゥゥゥ

歩「お父さん……」

歩「……みんなのところに戻ろう」
342 : 矢橋P   2024/05/29 23:09:01 ID:e16tN8e226


環「あゆむ~。作業が終わったからひなたとのりこも一緒に遊んでくれるって!」

歩「うん……それは良かったね」

典子「歩さんどうかしたんですか?」

歩「…………いや、何でもないよ」
 
343 : 矢橋P   2024/05/29 23:09:22 ID:e16tN8e226






 
344 : 矢橋P   2024/05/29 23:10:25 ID:e16tN8e226
PM 16:00 



歩「ふーっ、たっぷり遊んだ。ダンスの練習より疲れたかも」

歩(でも楽しかったな。あれ、そう言えば茜は来なかったな。茜も参加すればよかったのに)


ガチャ

歩「ただいまー」

悪魔「……」デデーン

歩「だ、誰!?」
345 : 矢橋P   2024/05/29 23:11:08 ID:e16tN8e226
茜の傍に居たのは人間じゃなさそうだった
尖った耳
厳つい顔
紫色の皮膚
それはまるで物語に出てくる……

悪魔「おや、この人間は私の姿が見れるのですか。珍しい」

茜「もういいでしょ。ご主人も帰って来たし帰ってよ」
346 : 矢橋P   2024/05/29 23:13:44 ID:e16tN8e226
歩「あ、茜の知り合い?」

悪魔「ごきげんよう人間。私はあなた達人間からは悪魔と呼ばれてますね」

歩(そのまんまだ……)

悪魔「あなたが今回の契約者ですか。私は彼の知り合いなんですよ。久しぶりに人間と契約したと聞いて様子を見に来ました」
347 : 矢橋P   2024/05/29 23:15:06 ID:e16tN8e226
悪魔「彼とは昔組んだこともありまして、まあ色んなことをやりましたよ」フフフ

歩「ど、どんなこと?」

悪魔「悪魔のやることなんて人間を破滅に導くこと以外に何があるというんです?彼と組んだ時は三つの願いを歪曲させて……」

茜「いい加減にしないと流石の茜ちゃんも怒るよ?」ゴゴゴ

悪魔「やれやれ、昔の貴方の方が好きでしたよ。それではおいとましますかね」スゥゥゥ
 
348 : 矢橋P   2024/05/29 23:16:02 ID:e16tN8e226
茜「べーっだ!マイハマン塩を撒くから持って来てよ!」

歩(幽霊に魔人ときて今度は悪魔か。ほんと何でもありだよね)

歩「茜みたいな魔人だと色んな友達がいるんだね」

茜「もう友達じゃないよあんな奴」プンプン

歩「茜は昔はどんな姿だったの?」

茜「ギニャッ!?」
349 : 矢橋P   2024/05/29 23:16:40 ID:e16tN8e226
歩「答えたくないなら答えなくていいんだけどさ」

茜「うー、マイハマンは時々鋭いよね」

歩「だって何百年も生きてる魔人なのに姿が今風だしさ、あの悪魔も茜をずっと“彼“って呼んでたしね」

歩(あとプリンをねだってくるし)
350 : 矢橋P   2024/05/29 23:17:24 ID:e16tN8e226
茜「ご名答!茜ちゃんは今でこそ美少女だけど昔は違ったんだにゃー。この姿は前のご主人が考えてくれたものなんだ」

歩「へー、前のご主人はかわいいもの好きだったのかな?」

茜「でしょでしょ!気に入ったからずっとこの姿で行こうって思ってね!」

歩(前のご主人か……ちょっと気になるけど聞くのは野暮かな)

歩「そろそろ時間かな。今日は典子ちゃんが晩御飯に手料理をごちそうしてくれるんだって!楽しみだなぁ」
 
351 : 矢橋P   2024/05/29 23:18:41 ID:e16tN8e226



茜に出会ってから色々なことを体験している
今日だって悪魔と出会うなんてめったにないことだし
ちっとも嬉しくはないのだけれどね
出会いがあるってことは別れもあるわけで、なんだかんだひっそり付き合った典子ちゃんのお父さんの別れは悲しいけど乗り越えないと

……今日がこれだけで終われば良かったんだけど
352 : 矢橋P   2024/05/29 23:20:15 ID:e16tN8e226



その日、莉緒が……帰って来なかったんだ
353 : 矢橋P   2024/05/29 23:21:05 ID:e16tN8e226







 
354 : 矢橋P   2024/05/29 23:21:59 ID:e16tN8e226

8月23日 PM 19:00


歩(今日も莉緒は帰って来なかったな……)

歩(典子ちゃんのお父さんからイーエスの手がかりになる情報貰ったけど今はそれどころじゃないよね)

歩(とりあえず亜利沙と渦木さんに情報は伝えた、調査は二人に任せてアタシは環やひなたのそばに居よう)
355 : 矢橋P   2024/05/29 23:23:32 ID:e16tN8e226

バタン

ひなた「歩さん!環ちゃんが朱里さんが!」

歩「二人がどうしたの」

ひなた「二人が言い争いを始めたんだ。あたしじゃどうしたらよいかわからなくて……」

歩「わかった。今行くよ」
 
356 : 矢橋P   2024/05/29 23:26:16 ID:e16tN8e226
環「行く!たまき一人でも絶対行くぞ!」

朱里「やめなさい。どれだけ危険だか計り知れないわ」

ガチャ

歩「二人とも、何があったんだよ」
357 : 矢橋P   2024/05/29 23:27:39 ID:e16tN8e226
環「あゆむ!これを見て」

環が見せてくれたものは紙に墨と筆で“助けたくば でんのーしてぃ開発地区深部 に来なさい“
と書いてあったんだ

歩「何これ……果たし状?」

環「いつの間にかポストの中に入ってたんだ」

朱里「どう考えても罠だと思うけど」

歩(どういうこと?何でこんな回りくどいことするの?)
358 : 矢橋P   2024/05/29 23:29:06 ID:e16tN8e226
環「助けたくば……って絶対莉緒のことだぞ。だから……」

朱里「あなた自分の立場わかってるの?あんた大神にもジャッジメントにとっても都合の良い存在なのよ」

朱里「すぐに殺されるんならまだ幸せね。一回逃げ出しているんでしょ?多分死ぬより酷い目にあうわよ」

環「う……。でも……」

歩(環には悪いけど今回は朱里の言う通りだよ)
359 : 矢橋P   2024/05/29 23:32:08 ID:e16tN8e226
朱里「……わかったわ、一緒に行きましょう」

歩「えっ」

環「本当に!」

歩「ちょっと朱里そんなことしていいの!」

朱里「……ここで無理やり彼女を止めても無駄でしょうね。いずれあたし達の目を盗んで一人で行くだけだわ」ヒソヒソ

朱里「ならあたしの目の届くうちに本人にわからせた方がいいわ。あそこがいかに危険だってことを」ヒソヒソ

朱里「それで自分から諦めてもらう。……うまくいけばいいけど」
 
360 : 矢橋P   2024/05/29 23:33:33 ID:e16tN8e226



361 : 矢橋P   2024/05/29 23:34:18 ID:e16tN8e226

PM20:00 デンノーシティ 開発地区


歩「またここに来ることになるなんて……」

夜中だけどアタシ達はデンノーシティの開発地区に居た
立ち入り禁止の看板を乗り越えるのはこれで三度目だよ
ひなたちゃんは典子ちゃんやこぶんと一緒に留守番してもらってる
362 : 矢橋P   2024/05/29 23:35:15 ID:e16tN8e226
朱里「歩、あなたは来なくてもよかったのに。今からでも帰っていいわよ」

歩「大丈夫!危なくなったらすぐ逃げるから」

朱里「あなたも大概命知らずね」

環「たまきは味方は多い方がいいって思うぞ」

歩(だって、今回の件はおそらくアタシにも原因がある)

歩(この回りくどいやり方、ジャッジメントデパートで出会った三人組が関わっている可能性が高いんだもの)
 
363 : 矢橋P   2024/05/29 23:37:35 ID:e16tN8e226
前回朱里と大神のサイボ-グと邂逅したのは開発地区でも入り口の方だったみたいだ
朱里の先導の元どんどん進んで行くと……

歩(入り口の方は建設中の建物とかあったけど進んで行くとそれすら何も無いただの荒れ地じゃないじゃないか)

環「灯りも少なくって道もでこぼこだぞ」

朱里「ほら、よく見なさい」ユビサシ

歩「これは瓦礫だね。あっちは……まさか地面がえぐれた後なの!?」

朱里「ここは大神とジャッジメントが戦争した跡地。元はここに大神の大きな工場が立つ予定だったの。そこにジャッジメントがちょっかい出したのが裏の戦争の始まりだったわ」
364 : 矢橋P   2024/05/29 23:39:02 ID:e16tN8e226
朱里「どう?これで少しは敵の恐ろしさが……」

環「あそこ!明るいし怪しいぞ」ダダダッ

朱里「……」アゼン

歩「環は全く怖じ気づく様子は無いみたいだよ」

朱里「あの子は今までどんな人生送ってきたのよ。行くわよ歩!」

歩「うん!」
365 : 矢橋P   2024/05/29 23:39:54 ID:e16tN8e226


環「あれ?明るいと思ったら人が光ってる……」

???「ん、ガキが何でこんなところにいるんだ。お前もジャッジメントか?」

環「ジャッジメント……?たまきは違うぞ」

???「そうか、なら……」
366 : 矢橋P   2024/05/29 23:40:37 ID:e16tN8e226

ボンッ


???「オレの敵ってことだな」

環「!!」


歩「環ーー先走っちゃ駄目だよ」ダダダッ

???「他にもまだいたのか。先にその女からやるか」
367 : 矢橋P   2024/05/29 23:41:35 ID:e16tN8e226

\ボボーッ/


環「あゆむ大丈夫?」プスプス

歩「ア、アタシを庇って……」

歩(あの男が突然アタシに向かって炎を発射してきた!一瞬で変身した環が炎を受け止めてくれて助かったけど)
368 : 矢橋P   2024/05/29 23:44:21 ID:e16tN8e226
環「お兄さんどういうこと?今たまき達を攻撃したよね」

???「お前こそ頭沸いてるのか?ここは戦場だぜ、攻撃することのどこがおかしいんだ?」

環「どうやら戦うしかないようだねっ」ヒュン


バキィ

歩(変身した環はサイボーグですら倒せるんだ!負けるわけないよね)
369 : 矢橋P   2024/05/29 23:45:11 ID:e16tN8e226
???「やるじゃないか。だが……」

環「熱っ!?」

???「オレにただの肉弾戦で挑もうってのは無謀じゃないのか?」

環「く……」

歩(どうしたんだ……環が押され始めたよ。あいつの動きが速いわけでもパワーがあるようにも見えないけど)
370 : 矢橋P   2024/05/29 23:47:33 ID:e16tN8e226

朱里「やるわね、ジャッジメントの超能力者、コードネーム“パイロ”。能力はファイヤースターター(発火能力)だったかしら」

パイロ「へっ、ようやく話しが出来そうなやつが出てきたな」

パイロ「オレのファイヤースターターはそこら辺のパイロキネシスとは着火のスピードが段違い。加えて手の平から足の先まで体中どこでも着火可能。オレに触れるものはことごとくやけどするだけだ」

歩(だから環はうかつに攻撃出来ないのか!)
371 : 矢橋P   2024/05/29 23:48:20 ID:e16tN8e226
パイロ「って誰かと思えば負け犬ヒーロー共のサイボーグ浜野朱里じゃないか。まだこの町に居たんだな」

環「このっ」

ガシッ

環「あ、あかり!?」

朱里「いいから、このまま会話させてちょうだい」ヒソヒソ
372 : 矢橋P   2024/05/29 23:48:59 ID:e16tN8e226
パイロ「丁度いい、最近暴れてなくて退屈していたんだ。いっそ殺してしまうか。はぐれサイボーグと女とヒーローまがいのガキの三人くらいなんてことない」

パイロ「ジャッジメント様がもみ消してくれるからな」

歩(え……、この町ってこんなヤバい奴らがゴロゴロいるの!?)
373 : 矢橋P   2024/05/29 23:51:22 ID:e16tN8e226
朱里「言うわね。下っ端が」

パイロ「なんだと」

朱里「あんたジャッジメントの超能力者の中でもBクラスでしょ」

朱里「ジャッジメントでも使いっ走りのくせに、雑魚ほどよく吠えると言うのは本当みたいね」


ブチッ

パイロ「言ったな!いいぜ、形も残らないくらいに焼き殺してや……」ゴーーーッ
374 : 矢橋P   2024/05/29 23:52:52 ID:e16tN8e226
   チッ

\ドッカーーーン/


歩「うわーーっ」
 
375 : 矢橋P   2024/05/29 23:54:29 ID:e16tN8e226
パイロ「な……何が……」ボロボロ

朱里「トンネル・バスター。二液混合型のガス状爆薬、あたしサイボーグの装備の一つ」ケホケホ

朱里「あんたがペラペラ喋っているうちにあんたの周りに撒布させてもらったわ。着火はあんた自身でやってくれるし」

パイロ「自分が……巻き添えになるかも……しれないの……にか」

朱里「発火能力者のくせに知らないの?この手の爆風は基本的に真横より真上に行くものなのよ。まあそれでも無傷ってわけにはいかないけど」ケホケホ

環「あかり……ちょっとひどいぞ」プスプス

パイロ「こいつら……」バタン
376 : 矢橋P   2024/05/29 23:55:24 ID:e16tN8e226
朱里「馬鹿で助かったわ。歩は巻き込まれてない?環もごめんね」

歩「あはは……何とか」

環「君もとんでもないことするんだな」

\パッ/

環「でもあかりのおかげで勝てたぞ」
377 : 矢橋P   2024/05/29 23:56:20 ID:e16tN8e226
朱里「でもこれで分かったでしょ。ここは危険よ、もうこれに懲りたら……」

環「ねーねー。あかりの装備ははさっきの爆弾以外にもまだあるの?」

朱里「ちょっ、あなたまだ懲りないの!?」

朱里「それに……あたしはあなたを囮に使ったのだけど」
378 : 矢橋P   2024/05/29 23:56:58 ID:e16tN8e226
環「ん、別にあいつを懲らしめるためのチームプレイでしょ。それにあいつに近づこうとした環を止めてくれたの知ってるぞ」

環「確かにここの悪者は環一人じゃ勝てないかもしれない。でもあかりと協力すれば勝てるかもしれないぞ」

環「ねぇ、もう一回、環と一緒に正義の味方やろうよ」

朱里「な……っ」ドキン
379 : 矢橋P   2024/05/29 23:57:56 ID:e16tN8e226
歩「朱里、環はもう折れないよ認めてあげたら」

朱里「……パイロがジャッジメントでも下っ端だってのは本当よ」

朱里「パイロを倒したぐらいじゃ、いい気分にもなれないわ。ボロボロになっちゃったし今日は帰るわよ」

環「くふふ、はーい」ニコニコ

歩(朱里、純粋な環に押されて反論出来ずか)

歩(……でも、ここはデンノーシティの郊外だけどこんな裏の世界があるだなんて……
380 : 矢橋P   2024/05/29 23:58:52 ID:e16tN8e226


朱里(……少し妙ね。パイロは戦闘要員じゃない、内部破壊工作員なはず)

朱里(でもさっき見た時は環の動きにある程度対応出来ていた。トンネル・バスターの爆発をもろに受けても死ななかったみたいだし、彼あそこまで強かったかしら)

朱里(薬によるドーピング?いずれにせよジャッジメントも対大神に向けて戦力を強化しているようね)
381 : 矢橋P   2024/05/29 23:59:30 ID:e16tN8e226
ジャッジメントの恐ろしさはこんなもんじゃない。そう朱里は忠告してくれたけど……
アタシ達はそのことをその身でたっぷりと実感することになる
382 : 矢橋P   2024/05/30 00:02:24 ID:uIttRbBWUY
日本 とあるジャッジメント支部内



デスマス「うーん、この国も戦争以来ですね。あれから1年経ちましたか」

ババヤガン「わざわざヨーロッパからご苦労だなデスマス」
383 : 矢橋P   2024/05/30 00:03:10 ID:uIttRbBWUY
デスマス「おや、ババヤガンさんお久しぶり。ロシアに居たと思っていたのですがあなたも招集されたのですか。ディライトもヨーロッパで調整が終わったらこの国に来るみたいですよ」

ババヤガン「そうか。天海春香は相変わらずこの国で政府の犬をやってるようだ」

デスマス「ああ……彼女は強かったですねぇ。早く我々の軍門に下って欲しいのですが」
384 : 矢橋P   2024/05/30 00:05:20 ID:uIttRbBWUY
ババヤガン「フン、私とお前にディライト、天海春香、そしてピースメーカーにあやつ。“世界で6人しかいない“Sランクの超能力者がこんな小さな国に集結するとはな。ジャッジメントはまたこの国で戦争でも起こす気か?」

デスマス「いいじゃないですか。どうせならそのまま世界中と戦争してしまいましょうよ。“我々“にはそれだけの力がありますからね」

ババヤガン「……冗談でもそんなことは言ってほしくないな。私は穏健派なんだ」

デスマス「おや失礼。ですが私達が呼ばれた理由は十中八九……」

ババヤガン「大神絡みだろうな」
385 : 矢橋P   2024/05/30 00:33:55 ID:uIttRbBWUY
第六幕はこれで終わりです
典子とひなたの絡みを書けただけでもこのSSを始めて良かったなって思ってます
以下パワポケを知ってる人だけの注意点。知らない人はスルーしてください



ここで一つはっきりさせておきたいのですが朱里の登場に合わせてデスマスもこのSSに登場しました
が、朱里とデスマスはこのSSではパワポケ本編のあの関係にはなりません
能力は同じですが境遇は変えるつもりです
その影響でデスマスの性格も少し変わるかもしれません。彼の性格はあの境遇によって生まれたものですし
朱里に関してはもう既に本編とはちょっと違いますしね
何故そうするかと言うと、あのパワポケ11の浜野朱里のストーリーは自分如きでは到底表現出来ないと思ったからです
中途半端に切り取ってあの素晴しいストーリーにあやかろうなんてことはあのストーリーの侮辱だと思ったので
ですので変になぞらずオリジナル路線で行こうと思います。  長文駄文すみませんでした
386 : EL変態   2024/05/30 21:09:54 ID:oG4nMeAkk.
幽霊に悪魔にサイボーグに超能力者
うーん、このトンチキは正にパワポケですわ
これに対抗できるミリオンもおかしいがち
387 : 矢橋P   2024/05/30 23:18:50 ID:wC1me6.sLA
>>386
ここまでやっても まあパワポケだしな って出来るのは作者としてもありがたいですね
一応ここまでごちゃごちゃさせてるのには意図があって
主人公の歩はサイボーグでも超能力者でも具現化でもないく腕っぷしが強いわけでもないけれど
そういうのを集めてしまう体質で何かに巻き込まれてしまっているけど気付いたらみんなの真ん中にいる……みたいなのを目指しているつもりです
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