【安価SS】全7話 765プロ劇場ドラマ制作 
1 : 3流プロデューサー   2021/07/04 17:40:23 ID:aUJjsmqGmk
立ってくれよー
84 : P殿   2021/07/13 18:20:04 ID:iAY7xC2U.Y
昴「天空橋先輩……えっと…」

かける言葉が見つからなかった。

朋花「すみません、私としたことが、あの、これは見なかったことに……」

手で目をこすり二人に顔を向けようとする朋花であったが、その腫れつつある目元が痛ましい。

可憐「これ、よければ使ってください」

ハンカチを差し出す可憐。朋花は少しだけ躊躇し、しかしどうしようもなく溢れてくる涙に負けて、可憐に礼を言うと受け取った。
85 : EL変態   2021/07/13 18:20:23 ID:iAY7xC2U.Y
その後、落ち着いた朋花から2人はさらにいくつかの手がかりになりそうな情報を得る。
まず一つは中庭の植え替え作業、それが終わったときに記念撮影があり、その撮影係を務めたのが二階堂先輩であったこと。
作業そのものには最後の少しだけ携わっただけなようだ。その日は写真部の活動はなかったが、朋花との約束があって来ていたらしい。
二つ目、生徒会に保管された資料(過去の生徒会誌)によれば旧棟は今から何年か前に解体の話があがったようだが取り止めになったのだとか。
ただ、朋花曰くその詳細が記された書類が生徒会にないのはいいにしても、教師側に旧棟解体について確認をとっても、事実関係がよくわからないだという。
つまり、なぜ解体が取り止めになったのか、工事費用面以外で積極的に現状維持させる理由……そういった部分をはっきりと知る人間がいない。
細かい情報を総合すると、意図的に旧校舎を保存しようとしているのではないか――――そんな推測すらあった。
隠しているのか、知る人が退職しているのか…それはわからない。生徒会側として朋花が知っているのは、その旧棟解体について生徒として最大限に関わった役員がいた形跡があるが、どうやら解任されているみたいだった。
あくまで形式的なものであるから、もしかすると自主的なものかもしれないとも朋花は話してくれる。


可憐質は朋花から別れ際に「ここだけの話なのですが、」と、倒れている千鶴を最初に発見した職員のことを教えてもらった。
彼女に会いに職員室に行くことにする2人。
その職員はなんとぉ!あの「ながよしすばるが妹なのずるいだろ大学」の卒業生らしいのだが――――?

第4話につづく
86 : ダーリン   2021/07/13 18:26:57 ID:iAY7xC2U.Y
情報整理
(a)嵐の前の中庭での作業について
1.文化部の部室が並ぶ2階あたりから中庭の様子をうかがう人物の気配があった
2.千鶴は作業そのものには参加していないが作業後の記念写真を撮影している
3.中庭内で露骨に不審な動きをしていた人物はいないと思われる

(b)旧棟と学園
1.何年か前に解体の話があがったものの、詳細を知る人間がほとんどいないまま、解体せずに現在に至る
2.旧棟の解体に賛成あるいは反対のどちらかで大きく関わったと思われる生徒会役員が過去にいるが、彼女は役員を解任されている
87 : Pサマ   2021/07/13 18:31:49 ID:iAY7xC2U.Y
最後の最後でながいも大学を出しましたが76.5%ギャグなので、次回には出身大学の設定はなくなっていると思います……ご容赦ください

第4話のあらすじ投下は早ければ明日にでも
皆様のご意見・ご想像・ご要望募集中です
ちなみに第4話では冒頭にあれこれと補完すべき情報の提示をしておこうかなと

あと、正直、まだ事件解決の形は決まっていないです
ほんとに安価に投げるかもって今のところ思っています
何卒最後までお付き合いください!
88 : 5流プロデューサー   2021/07/14 07:10:44 ID:pW9DCri6GQ
おはようございます
第4話あらすじ投下していきます
89 : Pサマ   2021/07/14 07:11:06 ID:pW9DCri6GQ
第4話 あらすじ

旧棟での千鶴転落事故・事件の第一発見者である職員のもとへと行くことにした可憐たち。
可憐は「その前に昴に共有しておきたいことがあるわ」と言う。


昴「共有しておきたいこと?あっ、もしかして昼休みにしていたっていう調べ物?」

可憐「そうよ。よく覚えていたわね。よしよしながよし」

昴「こ、こらっ、急に頭をわしゃわしゃするなって!」

可憐「えへへ……、じゃなくて、こほん。中庭での怪現象について、確認しておきたいことがあったの」

昴「というと?」
90 : ごしゅPさま   2021/07/14 07:11:17 ID:pW9DCri6GQ
可憐「昴はあれがどういった立場にある人間の仕業だと考えている?まさか噂どおりに、地中からチュパカブラが這い出たなんて信じていないでしょうね?」

昴「信じていないって。……どういった立場って、えっと、学園とは何の関係もない侵入者なのか内部の人間なのかってところからか?」

可憐「どっちだと思う?」

昴「そりゃ、内部の人間じゃないかな。ここまで調査で何か中庭には秘密がありそうだし」

可憐「そうね。そもそも中庭という空間を考えれば、やはり外部の人間が、ってことはなさそうなのよね」

昴「それはあれ、昼間でも夜中でもあんなところに外部の人間が長いことはいられないって話?」

可憐「そういうこと。昼休みに、学園の防犯上のセキュリティ面について軽く調べてきたの。その手の管理や警備体制について詳しそうな先生掴まえてね」
91 : レジェンド変態   2021/07/14 07:11:31 ID:pW9DCri6GQ
昴「よく教えてもらえたなぁ」

可憐「一から十までってわけにはいかなったわよ。それに、まぁ、ちょっと脅迫めいた訊ね方になったかも」

昴「え?」

可憐「知っていることを話さないと、学園の安全管理に問題があるとして、中庭での出来事を含め経営側やマスコミにいろいろ話しちゃいますよ♪って。幸い、私が近頃噂の転校生でおかしなやつだって認識されていたから冗談じゃないだろうって受け取って、教えてくれたわ」

昴「それ、幸いか……?」

可憐「ということで、防犯カメラや夜間のレーザーセンサーのおおよその配置からして、中庭での一件は内部の人間による犯行だと判断したわ。外部からの人間だと何の記録もされずには無理がある。ま、内部の人間だからこそ、学園側は警察を呼ぶまではしなかったんでしょうね、犯人がすぐわかると予想していたのかも。それとも、大事になんてしたくなかったっていうほうが適切かな」

昴「なぁ、内部の人間にしても夜中にこっそり入ったわけじゃないのか?」

可憐「ええ、現実的なのは『帰らなかった』っていう方法よ。どこか中庭に近い場所に身を潜めて、作業後もやり過して、何食わぬ顔で翌日に『登校』していたのではないかしら。……シャワーなんて浴びていないだろうから臭そうね。私がいれば土の匂いをたどってわかったかも、なんてね」
92 : プロデューサーはん   2021/07/14 07:11:51 ID:pW9DCri6GQ
昴「なあ、だとしたら、あの日帰らなかった生徒がわかれば……」

可憐「無理でしょうね。たとえば生徒用玄関にカメラがあったとする。とても高性能な。でも、一旦そこから出て別のルートからどの棟内に入ることも可能よね、1階の窓からとか。あるいは一軒一軒保護者にでも確認をとっていく?あの日、お子さんはお家にちゃんと帰りましたかー?って。ふふっ、それはそれで現実的じゃないわ。仮に怪現象発生が今日だったとしてもね。家庭によっては午後6時あたりから翌朝午前6時ぐらいまでなら顔を合わさない家族だってあり得るし、なんだったら一人暮らしの子だっているにはいるでしょうし。他にもいくらでも細工できそうよね」

昴「そ、そうだな。ってことは、真相を突き止めるにはこれまでどおり『何か目的があってなされたこと』だって前提のうえで、そうする理由を持つ人間を探すってことだよな?」

可憐「そう。既に発生から日が経っていて、現場も復元されているから物的証拠を突きつけるのは無理でも、犯人と呼べる人がいるならたどり着かないといけない」

昴「その人物が部長と、そして部長の事故と何か関係があるかもしれない、からか」

可憐「そしてこれまでの調査でわかりつつあるのは、学園の歴史にも何か関係しているってことよね。はい、じゃぁ、長い前置き終わり。いくわよ、職員室」

昴「ああ!」
93 : プロデューサーさん   2021/07/14 07:12:03 ID:pW9DCri6GQ
職員室へと行き、朋花からの情報で得た人物とコンタクトをとろうとする2人。
しかし、【A】は多忙な人物であるらしく、またも日を改めたほうがよさそうだった。
降りしきる雨の中、可憐はバスで、昴はレインコートを着込んで自転車で帰宅した……。

帰宅後、シャワーを浴び終えた昴は【B】からメールがきていることに気づく。
【B】は写真部の数少ない後輩で、千鶴が旧棟で発見されるその前日も部室にいた。対して昴はその日、兄からの頼みで用事があったので早々に帰宅している。

「思い出したことがあるんです。二階堂部長が話していたことで」

【B】のメールはそう始まっていた。慌てていたのか、文章にはところどころ誤字脱字があった。
内容としては【C】というものだった。

翌日 雨は激しさを増していた。
可憐はいつもより一本早いバスで到着した。いわゆる朝練のある運動部などが利用する便だ。調べておきたいことがある。
教室へ向かう途中で可憐は【ID判定】に声をかけられたのだが―――?
94 : プロデューサー様   2021/07/14 07:12:12 ID:pW9DCri6GQ
※【A】第一発見者である職員とは?18歳以上の劇場アイドルの中から。原則多数決。何の教科や仕事を担当しているかも合わせて書いていただくと助かります。
※【B】写真部の後輩とは?17歳以下の劇場アイドルの中から。こちらも原則多数決。
※【C】後輩が千鶴転落の前日に、千鶴から聞いた話とは? ずばりそのまま「明日、○○から旧棟に呼び出されていますの」みたいなのは無しで
※【ID判定】雨降りの早朝、可憐に声をかけた人物 可憐と昴以外なら登場済キャラでも判定採用 どういう展開になるかは未定
※清書時に安価をもとに加筆して、物語を大きく動かすつもり。人物安価が今回多いですが、もしかするとこの中に……いえ、まだわかりませんけど。
※昴のシャワーシーンはキャストのみなさんで美味しくいただきました

レスの有効期限は7/16 01:59:59まで
ご協力お願いします!
95 : ぷろでゅーしゃー   2021/07/14 17:16:10 ID:bLjA777OIU
A 律子(化学)
B 星梨花
C 最近とても忙しく疲れている(もしかしたら写真部以外のどこかで活動をしていたのかもしれない、単純に疲れていて転落したということも考えられるが…)
96 : 高木の所の飼い犬君   2021/07/14 18:31:58 ID:KBkLhMMpTA
A まつり(魔法部顧問)
B 紗代子
C 図書室の寝台特急新作ですわ!(写メ)
97 : そなた   2021/07/14 19:43:19 ID:Ez.b6QMiAY
Aこのみ
B響
C面白い(興味深い)写真がいくつか撮れたので、現像して調べようと思っている
98 : そなた   2021/07/15 19:04:01 ID:yhaSHyYWU2
ageついでに判定処理

>>95 bLjA777OIU→b=如月千早

雨降りの早朝に可憐に声をかけたのは千早ということで
生徒会の一員ぐらいのポジションにしとこうかなー

引き続きレス募集中です!
99 : プロデューサーさん   2021/07/15 19:30:43 ID:gFa3pK5iZM
A:まつり(文芸部顧問、生徒たちからの悩み相談をよく受け持っていて、ついた愛称がまほー使い)
B:星梨花
C:>>97、どんなのかと聞かれて「珍しい娘が来てくれましたの」と答えた(誰かはお預けを食わされたまま)

それはそれとして、昴のシャワーシーンは残っていないのでしょうか?
100 : 兄ちゃん   2021/07/16 09:24:40 ID:d94rpC7lq6
レスありがとうございます
第4話投下していきます

>>99
あまり詳しくないのですが、現実だとドラマでけっこうローティーンのシャワーシーンって流すものなんですかね
昴は15歳だからローティーンといっていいか微妙な所恵美ですけど

101 : 箱デューサー   2021/07/16 09:24:53 ID:d94rpC7lq6
第4話
朋花から得た情報をもとに、旧棟の件で第一発見者である徳川先生を訪ねることにする可憐と昴。
しかし彼女はスペースチュパカブラの残党狩りだかがあるそうで、会うことができなかった。
かしこまった場を除けば、自身を「まつり先生」と生徒に呼ばせている若い美人教師で、朋花の話によれば文芸部顧問であるだけではなく旧棟の資料室(旧図書室)の管理も担っている。
生徒の相談にはよく乗りつつ、指導が必要なときはしっかりとする。一部からは内巻きの魔女と畏れられもしているのだとか。

日を改めることにして解散したふたり。
帰宅した昴に、写真部の後輩である箱崎星梨花からメールがくる。
転落以前に千鶴が、興味深い写真が撮れたと話していたのを思い出したのだという。
詳細を訊くと「秘密ですわ。……まさかあの方が、……なんて、ふふっ…いえ、なんでもないですわ」などと誤魔化されてわからなかったそうである。
他に何か覚えていないかと昴が星梨花にうかがう。
102 : プロデューサー   2021/07/16 09:25:06 ID:d94rpC7lq6
星梨花「それとはべつの話だとは思いますが、『図書室の寝台特急の新作が撮れましたの。今度、星梨花に見せてあげますわ!』って。昴さん、何のことだかわかりますか?」

昴「へっ?! い、いや、なんだろうな。さっぱり見当がつかないよ」

星梨花「うーん……。図書室に列車が走っていたなんて、私、初めて知りました!」

昴「え、あっ、そうだなー、びっくりだよなー」

星梨花「夢色トレインってことですね♪」

昴「発車オーライ!胸に」

星梨花「ドキドキが響けば 心拍音チューニング」

すばせり「出発ですっ!(ですっ!)」
103 : P君   2021/07/16 09:25:21 ID:d94rpC7lq6
翌朝、可憐は激しい雨の降る中、バスを降りた。
いつもより早い便。朝練習のある運動部が主に利用する便だ。
調べておきたいことがある。今のうちに。行こう、旧棟へ。
人目を避けるように、しかし可憐らしくエレガントに校内を歩いていると、不意に声をかけられる。
聞いたことのない声だ。
蒼い―――可憐は声をかけたきた彼女が纏う香りをそう表現する。それは単に色というよりもずっと深い意味を持っている、そんな気がした。
104 : あなた様   2021/07/16 09:25:40 ID:d94rpC7lq6
??「篠宮可憐さんよね?」

可憐「あなたは……?」

千早「私は3年生の如月千早。生徒会総務担当」

可憐「そう。如月先輩、私に何か用ですか?」

千早「用ってほどじゃないけれど……どこへ向かっているのかと思って。貴女は結局、どこの部活にも入らずじまい、こんな朝早くにここをうろついてるのは妙だわ」

可憐「私が何かしでかすとでも?」

千早「さあ。でも悪いことは言わないわ、下手に学園について嗅ぎまわるのはよしなさい」

可憐「…………。どういう意味なのか、捉えかねます」

千早「忠告はしたわ。それじゃ」

可憐「待って。何か知っているのなら、教えてくれません?たとえば――――のこととか」

千早「? そんなことを聞いてどうするの?」

可憐「ふふっ……もしかしたら謎をひとつ解く手がかりになるかもしれませんから」

千早「おかしな子。黙っていれば茉莉花のように綺麗で香り高いというのに」
105 : プロデューサーちゃん   2021/07/16 09:25:52 ID:d94rpC7lq6
某日 某所

まつり「やっと見つけた……。やっぱりあった。これがあればきっと―――――」



第5話へつづく
106 : レジェンド変態   2021/07/16 09:27:52 ID:d94rpC7lq6
第4話は読んでのとおり助走回になりました
それっぽいやりとり・シーン混ぜていますが、まだ真相どうするかなんて決めていないです!

第5話のあらすじは早ければ今夜 遅くとも明日の夜には投下するつもりです
最後までお付き合いください!
107 : ぷろでゅーしゃー   2021/07/16 09:39:04 ID:d94rpC7lq6
情報の整理
(1)
・中庭での怪現象は学園内部の人間の犯行でほぼ間違いない
・当日の目撃証言や生徒たちの行動を今になって調査するのは正確性からいって不可能に近い
・怪現象の目的(=それによって犯人が得たもの・結果)を推理することで犯人を絞るしかなさそう

(2)
・千鶴は何か「興味深い」写真を撮影していた それは「誰か」に関わるみたいだ
・千鶴は図書室の寝台特急の新作の撮影に成功している

(3)
・徳川まつりは、いつかどこかで何かを見つけた(探し当てた?)
・如月千早から可憐は何かを訊いたが、それは千早からしたら事件と直接関係があるとは思えないことらしい
・星梨花が登場したということは、ひょっとするとトイレピコプラも事件に関係してくる…?
108 : Pくん   2021/07/16 17:28:07 ID:77goDDX00E
千鶴「あの、トイレピコプラであんな目に合ったなどとは、わたくし納得がいかないのですが」
109 : そこの人   2021/07/17 21:57:07 ID:Flo382C4uU
第5話投下していきます!
110 : 彦デューサー   2021/07/17 21:57:11 ID:Flo382C4uU
第5話投下していきます!
111 : 我が下僕   2021/07/17 21:57:28 ID:Flo382C4uU
第5話 あらすじ
登校してきた昴は、可憐の席に荷物はあるものの、本人の姿がないことを不思議がった。
またふらりとどこか1人で出かけて調べ物をしているのだろうか。2人で調査をし始めたはいいが、まだ何も解決していない。
転校生に振り回されっぱなしというのも面白くない。ここは自分でも何か手がかりを得てあっと言わせてやろう―――そんなふうに昴が考えているところに歩が登校してきた。
昴はさっそく歩に、あの嵐の前の中庭での草花の植え替え作業を手伝った人について詳しく訊ねてみる。朋花以外にも話を聞けば、何か明らかになるかもしれない。
歩はそれならと、当日、歩以外に手伝いをしていた園芸部員を思い出す限り教えてくれた。
それをメモした昴は可憐には黙って、朝のうちに話を聞きに向かうのだった。全員は無理だろうから、授業と授業の間の小休憩時間もうまく使わないといけないな……。
112 : 仕掛け人さま   2021/07/17 21:57:43 ID:Flo382C4uU
昼休み

可憐「ねぇ、昴? どうしたの?顔色が悪いわよ」

昴「えっ。いや……そんなことないって。それよりさ、ちょっと今日は教室から離れてお弁当食べないか」

可憐「……それはつまり、私と2人きりで話したいことがあるというわけかしら」

昴「ううん、実はそうじゃなくて――――なぁ、歩。あのさ、いっしょにお昼どうかな」

歩「へ?いいの?ここ何日かはすばかれ空間を作っていたのに、そんな急なお誘いなんて」

昴「なんだその空間!? いやさ、まぁ、確認したいことがあって」

歩「確認したいこと?」

可憐「………」

昴「ついてきてくれるか」

歩「あ、ああ」
113 : プロデューサー   2021/07/17 21:57:59 ID:Flo382C4uU
廊下に出ると昼休み特有の喧騒に混じって雨音がひっきりなしにする。
じめじめとした空気の中、昴は先頭に立って歩く。可憐と歩はこの時季は髪の手入れが……と、たわいない話をしていた。
3人は写真部の部室に入る。千鶴がああいう状態の今、部室の鍵は昴が管理していた。
沈黙。いつの間にか重い空気が漂っていた。湿度のせいではない。

可憐「昴、確認したいことって?」

それを振り払うように可憐が言う。「私、お腹が空いているわ。話があるならさっさと済ませましょう」と朗らかに。
が、その目は口調とは裏腹に何かを察したみたいだった。

昴「そうだ、確認なんだ。これは……推理じゃない」

自分自身に言い聞かせるように昴が言う。

昴「なぁ、歩。あの日の夜、どこにいたか覚えているか」

歩「あの日の夜?おいおい、どの夜のことだよ?おおっと、篠宮さん、勘違いしちゃダメだよ。アタシと昴はそんな熱い夜を過ごす仲じゃ、」
114 : プロデューサーくん   2021/07/17 21:58:13 ID:Flo382C4uU
昴「中庭での怪現象、それが起きた前夜のことだよ」

歩「!」

可憐「昴、それってまるで……」

歩「―――――アタシを疑っているのか?」

昴は歩の言葉に、首を小さく横に振る。「まさか」と。しかしその顔色はよくない。笑い飛ばせなどしない。

昴「ちょっと長くなるけど、最初から話してみていいかな。頭の整理がしたいんだよ。まだごちゃごちゃしているんだ」

2人に向けて昴は言う。可憐は「ええ、いいわよ」と返して、歩に「あなたは?」とあえて訊いた。
歩は「ああ、いいよ。話してみなよ」と平然と返す。より正確には少々、声を上ずらせての返事だった。
115 : そなた   2021/07/17 21:58:33 ID:Flo382C4uU
中庭での怪現象、つまり39もの穴が開けられていたってやつ。地中深くから亡者だかチュパカブラだかが這い出てきたなんて噂が広まったわけだけれど、もちろん、そんなのあり得ない。
篠宮さんとも話したけど、現実的な犯行としては誰か学園内部の人間が夜中まで学園に残って、そしてやり遂げたことのはずだ。そういう手間と実際の作業量を鑑みれば、単なる愉快犯ではないだろうな。
中庭で穴を掘ることで何か見つけようとした。そこまでして見つけなければ、掘り起こさないといけないものがあった。こう考えるのが自然だよ。
そこで篠宮さんといっしょに歩や天空橋先輩から話を聞いてさ、あの中庭に何かあったんじゃないかってのを調べはじめた。

怪しい人物の証言もあったし、学園の歴史に妙な部分もあった。
でも実際に中庭に何か、という話はないんだよな。中庭そのものについて知るために、今朝、歩から聞いて主に園芸部員に話を聞いて回った。
そうしたらさ、いくつか気になる点が出てきたんだ。
116 : 5流プロデューサー   2021/07/17 21:58:44 ID:Flo382C4uU
可憐「気になる点? 園芸部員たちとの話で?」

昴「うん。まず、これは前にも言ったとおり、というか元々は歩から聞いた話だけれど、中庭の手入れってのは普段、園芸部が行っているわけではないんだよ」

可憐「ええ、覚えているわ。たしか専門業者が定期的に、だったわよね。それとはべつに生徒会と園芸部が合同で何か作業するのはある種のアピール、この学園の看板の1つとも言える中庭に生徒が関わっていることを対外的に印象付けるもの……だったかしら」

昴「そう、そんな感じ。で、わかったことの1つとしては中庭はやっぱり特別だってこと」

可憐「……どういうこと?」

昴「素人の目から見ると、わからなかったんだけど、中庭の植物たちってざっくり言っちゃうと、綺麗に育てるのが大変なものばかりなんだってさ」

可憐「へぇ……」
117 : 師匠   2021/07/17 21:59:06 ID:Flo382C4uU
昴「だからこそ生徒に下手に管理させない。中庭の維持にはお金をかける」

可憐「含みのある言い方ね。あたかもお金をかけていない場所がある、そんなふうだわ」

ちらりと可憐は歩を見やる。歩は黙って聞いている。

昴「園芸部には温室が用意されているのは、行ったから知っているよな?」

可憐「ええ、思ったより小さなところよね。それとは別に、外に花壇はたくさんあるけど」

昴「元々はなかったんだよ。あの空間は、今の3年生よりも上の代の園芸部員が少しずつ作り上げてきたものなんだって」

可憐「手作りの武道館ならぬ庭園ってところ?」

昴「そういうこと。ただ……」

可憐「ただ?」

昴「嵐は容赦なく襲いかかる」

歩「……!」
118 : Pはん   2021/07/17 21:59:37 ID:Flo382C4uU
可憐「乙女ストーム……」

あゆすば「ちがう、そうじゃない」
119 : 5流プロデューサー   2021/07/17 22:00:03 ID:Flo382C4uU
昴「嵐がくれば、どんなに大切に育ててきた草花をも一夜にして台無しにしてしまうことがある。対策を講じようにも準備には時間と設備、ようするにお金がかかる」

歩「………」

昴「園芸部員たちは学園側に何度か訴えを起こしているんだってさ。中庭と同様に、学園内のすべての花壇、植物に関して充分な保護措置がとられるべきだって」

可憐「中庭は特別。その聖域外に咲く花は凡庸。嵐が来れば散るのが運命。それを快く思わない者は当然いる、ってことね」

昴「うん。ここだけの話、って言われたけど、あえて明かすよ。歩は知っているだろうから。去年の3年生で園芸部の部長も現体制を革新しようとした1人だったみたいなんだ。すなわち、園芸部が専門業者から必要な知識を学んだり、設備を頂戴したり……言い換えれば園芸部の地位向上さ。それは去年の内に確約された、はずだった」

可憐「はずだった?」

昴「現生徒会長が白紙に戻したんだってさ。他に予算をかけるべき事項があるとかないとかで」

可憐「ふうん……ここまでの昴の聞き込みをもとにすると、あの中庭をよく思っていない園芸部員がいてもおかしくない、そういうことよね?」

昴「………ああ」
120 : プロデューサー殿   2021/07/17 22:00:17 ID:Flo382C4uU
歩「それで?」

昴「え?」

歩「それでアタシを疑ったわけ?もしかして園芸部員みんなに聞いて回るの?あの夜、何していた?って。馬鹿馬鹿しいよ」

昴「……話はまだ終わっていないよ」

歩「―――っ」

可憐「つづけて、昴。あなたは中庭の穴が、何かを掘りだすためのものではなく、中庭という聖域を穢すためのものだという発想にたどり着いた。でも、たしかに園芸部に動機があるにしたって、舞浜歩その人を真っ先に疑う理由にはならないわよね」

昴「だから、訊いてみたんだよ。部員の中で、例の部長と親しかった人はいないか、中庭とそれ以外の花壇の処置について不満を露わにしている部員はいないか、そしてあの植え替え作業の前後で妙な行動をしていた人に心当たりはないかって」

歩「ずいぶん、ずけずけと訊くんだね」
121 : 師匠   2021/07/17 22:00:35 ID:Flo382C4uU
昴「友達が犯人の可能性ってのをゼロにしたかったんだよ」

歩「!」

昴「でも……。聞けば聞くほどさ………歩、お前が本気で植物たちを愛しているってのがわかったよ。だからこそ感じている不平等ってのも」

歩「………」

昴「そういえば、って思い出した子がいたんだ。あの怪現象が明るみになった日、温室近くで歩が土だらけのスコップを片づけていたって。中庭とは関係なしに土仕事をしていたんだろうって思ったみたいだけどな」

歩「………」

昴「それに例の部長を最も敬慕していたのは歩、お前なんだってな。姉妹みたいに仲が良かったって」

歩「………」

昴「そして、最後に。あの嵐の前の植え替え作業。歩と同じく手伝った部員に聞いたよ。そんなに土を掘り返すことはなかったんだって」

歩「……それがどうしたんだよ」

可憐「昴は教えてくれたわ。中庭にタイムカプセルなんか埋まっていなかった。その話をあなたに聞いたって」

歩「え?」

昴「あの日の作業で、そんなに中庭一帯を掘り返すことはなかった。でも、歩は……篠宮さんが転校してくる前日か前々日ぐらいだったよな、中庭についてこっちから話をふったときに、自信ありげに答えたじゃんか。『中庭にはめぼしいものなんて何も埋まっていなかったよ』って。すぐに『植え替え作業のときには、だけどな。あのあと、誰か何か埋めたのかもな。それで今回の怪現象が……』って付け加えから納得しちゃった。今思えば追究しておくべきだったんだな」

歩「………」

昴「そうすれば、今、こんなところで『確認』しないで済んだかもしれない」
122 : プロデューサーはん   2021/07/17 22:00:51 ID:Flo382C4uU
昴「――――歩、お前なのか? 中庭にあれだけ穴を掘ったのは?」

そう昴が言い放った瞬間、稲光が走り、すぐさま雷鳴が轟く。近くに落ちたようだ。
きゃあっと叫んで可憐が昴に抱き着く。うわぁっと昴がバランスを崩した。
どんがらがっしゃーん! 部室の床に転げるふたり。
歩はそれをみて「ははは……」と力なく笑った。




歩「ああ……アタシだよ、アタシがやったんだ」
123 : Pさぁん   2021/07/17 22:01:12 ID:Flo382C4uU
その後、可憐と昴は歩から事情を、彼女とかつての園芸部の部長との日々や現生徒会長との確執について聞いた。
おかげで3人は午後の授業には出られなかった。雨は止むことなしに振り続けた。歩の嗚咽はその音にかき消される。

そしてそのまま放課後を迎えた。
124 : P君   2021/07/17 22:01:29 ID:Flo382C4uU
昴たちはびゅーりほー!な、まつり先生に話を聞くために職員室へ向かっていた。今日はお手すきであればいいのだが。

可憐「整理するわね」

道中、可憐が言う。昴はうなずく。

可憐「中庭での怪現象、それは園芸部員の犯行だった。動機は中庭の花々とそこ以外に咲く花々での不平等、差別、そして果たされなかった約束、すなわち敬慕する先輩が目指した状況改善案が反故となったこと。こんな感じかしら」

昴「………うん」

可憐「昴、そんなに表情を曇らせてばかりじゃいけないわ。あなたは私よりずっと頼もしい探偵ぶりを発揮したのよ。誇りなさい」

昴「そんなの無理だよ。……部長のことだってあるし」

可憐「そう、それよ」

悔しそうに可憐は。
125 : そなた   2021/07/17 22:01:43 ID:Flo382C4uU
可憐「私が勝手に思い描いていた筋書きはこうだった。『学園の歴史の裏側を知った誰かがその歴史において重要な何かが中庭に埋められているのを知り、それを掘り当てようとした。それは叶ったか、あるいは叶わなかったが、後日、何らかの形でその人物に写真部部長・二階堂千鶴は接触し、そして……突き落とされた』」

昴「現実は推理小説のようにはできていないってことだろ」

可憐「そう。二階堂先輩が怪現象が起きたあとにそわそわしていたのは、別件だったってことになるわ。いえ、そうとも決まってはいないわね。二階堂先輩があの怪現象をどう捉えていたかはわからないもの」

昴「部長が自分を含め、他の部員たちや天空橋先輩の知らないところで何か厄介事に関わっていたとしたら、あの怪現象を別なふうに解釈する可能性もあるってことか」

可憐「そういうこと。実態はわからないけど」

昴「なぁ、そういえば―――」

星梨花から聞いたことを昴は可憐に伝える。

可憐「興味深い写真、ね……」
126 : 3流プロデューサー   2021/07/17 22:01:53 ID:Flo382C4uU
昴「ところで、今朝、篠宮さんはどこに行っていたんだ?」

可憐「旧棟よ。その前に蒼い人にも会ったけど」

昴「??? 旧棟で何をしていたんだ?」

可憐「【A】」
127 : プロデューサーさん   2021/07/17 22:02:06 ID:Flo382C4uU

可憐たちが職員室に入ると、「めっ」という声がした。
直後、爆発音のようなものが聞こえたが、可憐たち以外の人間は気にも留めていないようだった。
職員室では日常茶飯事なのだろうか。
おそるおそる昴たちはまつり先生のもとへと行く。

まつり「よくきたのです」
可憐「デンジャラスな香り……!」
まつり「ほ?……ほ?可憐ちゃん、そう警戒しないでいいのですよ?」

まつり先生は可憐のこと、そして昴のことも知っているようだった。

まつり「千鶴ちゃんの大事な後輩なのですよね?」

優しい眼差しでそう言う。
128 : プロデューサー様   2021/07/17 22:02:19 ID:Flo382C4uU
昴「実は……そのことで話を聞きにきたんです」

そうして昴はまつりが第一発見者であることを朋花から聞いたことを打ち明け、そのときの様子を知りたいを話した。まつりは「うーん……でもこういうのは下手に話してはいけないのです……」と悩んでいたが昴の「お願い、まつり先生」という押しに負けて話し始めた。


まつり「気になることがあるにはあるのです。それは【B】」

可憐「えっ、それっていったい――――?」


清書につづく
129 : Pさぁん   2021/07/17 22:02:44 ID:Flo382C4uU
【A】可憐が早朝の旧棟で調べていたこととは?
【B】まつりが事故/事件現場で気になったこととは?
【C】次回、可憐たちが調査へ向かう場所/訪ねる人物とは?
【ID判定】最初についたスレ主以外のレスIDにて判定 次回、登場するゲストアイドル(端役) 登場済キャラの場合、ずらして判定

レスの有効期限は7/19 12:59:59まで
何卒ご協力お願いします!
130 : ご主人様   2021/07/17 22:03:05 ID:Flo382C4uU
※勢いで解決してしまいました、中庭の件。細かな整合性は問われても答えられないかも
※朋花が気配を察した、中庭を見ていた人物は次回に判明予定 千鶴の件と絡めないのであればあの人しかいませんよね
※安価しだいでは、中庭も(歩たち園芸部の知る情報とは別に)まだ事件に関係する可能性があります
※清書時にはぐっと短くまとめる予定
※歩が自分の行為を学園側に告白するのか否かを含め、歩の今後は各自脳内で(明るい方向に)補完しておいてください。と言いつつ、エピローグ部分で触れたいですね

最後までお付き合いください!
131 : あなた様   2021/07/17 23:06:05 ID:LftpwQ.6jE
Aそもそも千鶴が旧棟で何をしていたのか足跡と残り香から調べてた(匂いが混ざると判別できないから誰も登校していないような早朝に単独行動が必要だった)
Bまつりが千鶴を発見した時、旧棟は内側から施錠されていた(まつり自身はうっかり鍵を忘れて「妖精さん」に「マスターキー」を持ってきてもらったらしい)
C千鶴の病室
132 : バカP   2021/07/18 18:28:51 ID:n8SyaTn.ZE
ageついでに次回ゲストアイドルの判定処理

>>131 LftpwQ.6jE →L = 二階堂千鶴
登場済なので2番目で判定→f = 菊地真

次回ゲスト(端役?)は真に決定
133 : プロデューサー   2021/07/18 19:32:32 ID:4jpO1VrDoM
A旧棟の空き教室が部活以外で使われた形跡があるかどうか
B千鶴は外靴のまま倒れていた
C如月千早
134 : プロデューサーちゃん   2021/07/18 21:16:20 ID:Xbr61q1GR2
A:自分が調べる事で、どんな輩が動き出すか確かめたかった
B:千鶴が握り締めたままの拳の中の紙片(何故かまつりが回収済み)
C:旧棟の資料室(そして訪ねてくるであろう妨害者)

やはり歩にもう少し出番が欲しいです(出来れば昴を助ける役どころで)
135 : ハニー   2021/07/19 22:46:49 ID:GN6Ougsqgg
レスありがとうございます!
遅くなりましたが、第5話投下していきます

>>134
歩の出番、約束はできませんが前向きに検討しますね

136 : P殿   2021/07/19 22:47:32 ID:GN6Ougsqgg
第5話
怪現象、すなわち穴だらけになった中庭。それは学園内部の人間が夜まで身を潜めて成し遂げたものだと推測される。
そうであるなら単なる愉快犯ではなく、目的があるはずだ。最も自然な解釈のひとつは、そこまでして掘り当てたい何かが中庭にはある(あった)というもの。
昴は改めて中庭について調査し始めた。嵐の前の植え替え作業を手伝った園芸部員たちに話を聞いて回るが、浮かんできたのは意外な事実だった。
昼休み、昴は可憐と歩を誘って写真部の部室を訪れる。そこで昴は調査結果にもとづいて、歩に「確認」を行う。果たして中庭での一件は歩の犯行だった。
千鶴の転落事故/事件と中庭での怪現象のつながりが実質上断たれたことで、可憐は彼女の描いていた推理が外れたことを悔しがる。一方で、真実にたどり着いた昴のことを褒めもするのだった。

放課後、可憐と昴は旧棟での倒れていた千鶴の第一発見者であるまつり先生から話を聞くため職員室へと向かう。
道中、昴が、今朝に可憐が行っていた捜査について訊ねると「旧棟の空き教室が部活以外で使われた形跡があるかどうか、探っていたの」と返された。
137 : プロデューサーちゃん   2021/07/19 22:47:48 ID:GN6Ougsqgg
昴「というと?」

可憐「早い話、隠し部屋がないかってことよ」

昴「隠し部屋だって?」

可憐「ええ。秘密の部屋と言い換えてもいいわよ。つまり、旧棟を解体せずに維持する理由、何か特別な部屋の存在を疑っているわけなの」

昴「それで成果は?」

可憐「空振り。きちんと施錠されている部屋はこの前に行った和室と旧図書室で、あとは自由に出入りできたけど、まったく空の教室と倉庫と化した教室があるってだけみたい」

昴「じゃあ、旧棟に秘密の部屋があるっていう線はないとみていいのか」

可憐「半々かしらね。一番怪しい旧図書室には入っていないし。大がかりな仕掛けで、そうね、たとえば地下室への階段が隠されでもしている可能性はまだ消えていないわ」
138 : Pくん   2021/07/19 22:48:00 ID:GN6Ougsqgg
いずれにせよ旧棟には何かまだ秘密がある―――ふたりの見解が一致したところで職員室へと到着する。
まつりに当日の現場で気になったことを訊くと、千鶴が紙片を握りしめていたことが明らかになる。
そして、救急隊が来る前にまつりはその紙片を抜き取ったのを白状する。
可憐たちがその紙片の詳細を問いただそうとしたそのとき、職員室にいた教師の1人が「本当ですか!?」と大きな声をあげた。
教室は誰かと電話しているふうだった。そのただならぬ声の調子に、可憐たちを含め、周囲の人間はつい視線を向ける。

「ほ、本当に二階堂が――――!?」

顔を見合わせる昴たち。
どうやら物語はここにきてさらなる展開を見せるようだったが―――?

第6話につづく……!
139 : ダーリン   2021/07/19 22:49:19 ID:GN6Ougsqgg
第6話のあらすじ投下は、早ければ明日を予定
もしかすると明後日になるかもです

ご意見・ご想像等々募集しています!
いよいよクライマックス!

何卒最後までお付き合いください
140 : お兄ちゃん   2021/07/20 18:53:45 ID:1Uxatbc876
更新、明日以降になります
141 : P様   2021/07/21 21:24:22 ID:bEnmSjb1gs
第6話下書き投下していきます
ご協力お願いします
142 : お兄ちゃん   2021/07/21 21:24:45 ID:bEnmSjb1gs
第6話 前編 

二階堂千鶴が目を覚ました。
そのニュースはすぐに学園内へと広まった。
いたずらに人が押し寄せても困るだけ、という理由で入院以来、積極的には明かされることのなかった病室の正確な場所は、相変わらず一部の人間しか知らなかった。
昴にしても千鶴が入院した直後に、写真部の後輩として一度訪れたことがあるだけだった。そのときは目を覚ますことのない千鶴の前で、ただ行き場のない気持ち、やるせない思いでいっぱいとなったのだった。
可憐と昴の両名が千鶴と話す機会を得たのは、その覚醒から二日経っての放課後のことであった。千鶴の親友であり、家族を除けば一番に覚醒した千鶴のもとへと駆けつけた朋花のお膳立てもあった。

「昴、よく来てくれましたわね」

入院前と比べて痩せた千鶴、その弱々しくもたしかな微笑みをまっすぐ向けられ、昴は涙を抑えられなかった。

「あなたは……? 昴のお友達かしら?はじめましてですわよね?」

人の顔と名前を記憶するのが特技である千鶴は初対面であることを確信して、可憐にそう訊ねた。
可憐は「【A】」と応じる。(以下、千鶴の反応加筆)
143 : ごしゅPさま   2021/07/21 21:25:06 ID:bEnmSjb1gs
昴が落ち着きを取り戻した後、可憐は本題に移ることにする。
旧棟での一件――――第一に、あれはまったくの事故であるのかそれとも……?
千鶴はゆっくりと病室内を見まわした。6人部屋である一般の病室に移っていたが、幸い、今の時間は千鶴たちしかいない。
こほん、と昴が知る限りひどく遠慮がちに咳払いをしたかと思うと、千鶴は「実は……」と話し始める。


可憐「よく覚えていない?」

千鶴「ええ、こればかりは自分でも情けなく思いますわ」

昴「じゃあ、旧棟にいた理由、目的ってのもわかんないのか?」

千鶴「おぼろげに思い出されるのは……そう、誰かに話があるか何かで呼び出されたような、いえ、もしかすると呼び出したのだったかしら」

可憐「写真のことは?」

千鶴「えっ?」

可憐「昴が、後輩である箱崎星梨花から聞いたと話してくれました。二階堂先輩は、旧棟での一件の前に『興味深い写真』を撮って、所持していたと」

千鶴「……………………」
144 : Pサマ   2021/07/21 21:25:19 ID:bEnmSjb1gs
昴「思い出せない?」

千鶴「いえ、覚えていますわ。なるほど、では、もしかすると……けれど、そうだとしたら………」

可憐「二階堂先輩?」

千鶴「昴、それに篠宮さん。申し訳ありませんが、これ以上、わたくしの口から話すことはありませんわ」

昴「へ?」

可憐「ずいぶんと唐突な拒絶ですね」
145 : der変態   2021/07/21 21:25:38 ID:bEnmSjb1gs
可憐「巻き込みたくないからですか? でも、次は目覚めることのない眠りにつかされるかもしれませんよ?」

千鶴「……!」

昴「なぁ、部長。教えてくれよ。何か思い出したんだろ? 握っていた【B】と書かれた紙片も関係あるんじゃないか?」

千鶴「わたくしが、握っていた紙片……?」

可憐「ええ、第一発見者である徳川先生が見つけて回収したようです」

千鶴「……ダメ、思い出せませんわ。それが意味するところは重要だ、そう直感がありますのに、その理由がわかりませんの」

可憐「それは困りましたね……とりあえず思い出した部分を話してくれませんか?」
146 : プロデューサーはん   2021/07/21 21:25:55 ID:bEnmSjb1gs
千鶴「どうしてもですの?」

昴「うん。部長がまた危険な目に合わないように、謎を解きたいんだよ」

千鶴「……きっと、あなたたちが思い描いているようなものではありませんわよ」

可憐「それは実際に聞いてから確認します」

千鶴「……………」

昴「部長、お願い!」
147 : そこの人   2021/07/21 21:26:25 ID:bEnmSjb1gs
千鶴「やれやれ、そんな顔をして……昴ったら……カメラを今持っていないことが悔やまれますわね」

可憐「ふふっ、それには同意見です」

昴「えっ、え?」

千鶴「…………。旧棟には秘密がある。それは【C】というもの。わたくしはそれを誰かと共に確かめようと、あの日旧棟を訪れた、そうだった気がしますわ」

可憐「写真はその秘密が事実であることを裏付けるもの?」

千鶴「間接的に、ですけれど」

昴「なぁ、その人って――――」




??「こんにちはーーーっ!!!」
148 : ダーリン   2021/07/21 21:26:38 ID:bEnmSjb1gs
病室に入るなり、こちらへ挨拶をかましてきた少女を可憐たちは見る。
美少年といっても差支えない容貌ではあったが、その制服姿から可憐たちと同じ女学園の生徒であり、しかもリボンの色からすると千鶴と同じ3年生であるようだ。

千鶴「真? 意外ですわね、あなたが来るなんて」

真「やだなぁ、同じ乙女武闘部の一員として気に書けるのは当たり前じゃないか!」

可憐「乙女武闘部?」

昴「………部長、どういうこと?」

千鶴「どうしても、というから名前だけ貸しただけですわ。というか、部ではなくあくまで同好会どまりですわよね?朋花が聞いたら、怒りますわよ」
149 : 夏の変態大三角形   2021/07/21 21:26:48 ID:bEnmSjb1gs
真「ひえーっ、天空橋さんを怒らせるのは勘弁だなぁ。で、どう、元気?乙女力(おとめぢから)みなぎっている?」

千鶴「……ぼちぼちですわ」

真「うーん、まだ本調子じゃないみたいだね。わかった、ここはボクのまっこまこりん体操・零式で……」

千鶴「昴、篠宮さん、わたくしからはもう話せることはないわ。怪現象に付き合わされる前に、帰りなさいな」

可憐「怪現象と称される体操、気になるわね」

昴「篠宮さん……」

可憐「冗談よ。帰りましょう」
150 : ボス   2021/07/21 21:27:02 ID:bEnmSjb1gs
病院前、バス停にて可憐たち情報を整理する。
千鶴と共にいたと思われる人物を突き止めなければなるまい。

昴「そいつが部長を突き落したってことになるよな?」

可憐「単なる事故であるのなら、名乗りを上げてそう学園側に言うでしょう?救急車だって呼ぶはずよ」

昴「だよな……あのさ、それってつまり、部長を殺そうとしたってことなんだよな」

可憐「そうとも限らないわよ」

昴「え?」

可憐「例の日の旧棟で、その人物と二階堂先輩の間で諍いが起こった。そしてつい衝動的に、突き飛ばしてしまった、それが今の事態につながっている。こう考えると、必ずしもそこに殺意と呼べるほどの蓄積された負の感情があったかどうかはまだわからないわ」
151 : Pーさん   2021/07/21 21:27:19 ID:bEnmSjb1gs
昴「もしそうだとすると、罪悪感があっても、自分が犯人だと名乗り出る勇気も正義もなかったってことか……」

可憐「一方で、明確な殺意があった線も残っているわね。とすれば、二階堂先輩の口封じを完了させるために動くかもしれない」

昴「そんな……!」

可憐「ま、可能性を論じだしたらきりがないわね。二階堂先輩の交友関係を洗えば、自ずと対象人物は絞られてくるはずよ。あとはそうね、旧棟の歴史をより詳しく調べれば誰か今いる学園関係者に結びつくかもしれないわ」

昴「それで、辿り着いたときはどうするんだ?」

可憐「さあ……探偵は謎を解き、犯人を暴く。それから先は別の人間がやることだわ」

昴「……………」


明らかとなった旧棟の秘密。そして千鶴と共にいた人物の存在。
昴は不安を募らせながら、もう引き返せないことも知る。
解決が近いせいなのか、不謹慎ながらも愉しそうにする可憐を見て思うのは、この事件が終わったら彼女は自分から興味を失って、すーっと離れていってしまうのではないか、などという現時点で考えてもしかたのないことだった。
乗り込んだバス、雨に打たれる窓から望む景色は曖昧模糊としていた。
152 : der変態   2021/07/21 21:29:53 ID:bEnmSjb1gs
※【A】可憐の自己紹介 昴との関係を言うのもよし、千鶴にいきなり何か質問をぶつけるもよし 任せます
※【B】千鶴が握りしめていた紙片の正体(内容)
※【C】旧棟の秘密とは 今回の最重要安価 (ハードル高めなので、詳細設定は後編に持ち越すかも?)
※【ID判定】今回つくレスすべてに対して判定を行い、後編にて聞き込みを行う人物の選定。犯人候補といってもいいかと。判定に際しては既存キャラあり(千鶴・可憐・昴・歩を除く)
※中庭を見つめていた人物のことも忘れていないですよ

その他、最後を上手に締めくくるために、こうしたほうがいい、ああしたほうがいいっていうご意見あればレスお願いします。
実行できる保障はないですが。
レスの有効期限は7/23 12:59:59まで
最後までお付き合いください
153 : ぷろでゅーさー   2021/07/21 23:09:42 ID:0jKea.QTQ.
A昴の相棒です
B大財閥の都市再開発に関するお知らせ
C旧図書室の蔵書について
154 : プロデューサーさん   2021/07/22 00:22:23 ID:MLCwsH20Qc
A「いえ、以前お会いしたはずです」
155 : 魔法使いさん   2021/07/22 19:19:02 ID:ZRkfNEBUgM
ageておきます
もっとレスほしいなーってね
156 : P殿   2021/07/22 20:20:35 ID:cPUBhhSniI
A礼儀正しい自己紹介の後、昴に興味があってご一緒させてもらっている
B学園創立時に関する資料の在り処
C学校として以外にも別の用途で利用されていた
157 : 5流プロデューサー   2021/07/23 04:33:34 ID:bqhqKRnpE.
A:(昴の腕を引き寄せて)「パートナーをさせていただいております」
千鶴「⁉︎」
(千鶴を揺さぶろうとしての事だけど、当の可憐が意識してしまう)
B:Cについてのタレ込みの手紙(読む人が読めば差出人が分かるやつ)
C:中庭を重要視する(表沙汰に出来ない)理由

何気に今回のシリーズが一番難しい気がします……
158 : 仕掛け人さま   2021/07/23 21:49:18 ID:vPmGSX1UcU
レスありがとうございました!
清書は明日か、遅くとも明後日には投下できる予定です
(7月中には完結できそう)

ID判定:後編にて聞き込みを行う相手(4人)
>>153 0jKea.QTQ.→j=三浦あずさ

>>154 MLCwsH20Qc→M=馬場このみ

>>156 cPUBhhSniI→c=星井美希

>>157 bqhqKRnpE.→b=如月千早(登場済)
159 : プロデューサー君   2021/07/25 06:05:29 ID:AvAD75Iwbw
おはようございます
第6話 前編 投下していきます
160 : P君   2021/07/25 06:05:53 ID:AvAD75Iwbw
タイトル

161 : Pサマ   2021/07/25 06:06:12 ID:AvAD75Iwbw
目を覚ました千鶴に可憐と昴の2人が会って話ができたのは、数日が経過してからだった。
病室は一般のものへと移り、容態が急変でもしない限りはもう少ししたら退院できるそうだ。
安堵を通り越して、つい感極まって泣きじゃくる昴。千鶴はさながら姉か母であるかの如く、昴の頭を撫でながら「大丈夫ですわ、心配かけてごめんなさい」と落ち着かせる。
ようやく昴が普通に話せるようになったところで、千鶴は可憐を見やり「あなたは?」と素性を訊ねた。
可憐はぐいっと昴の腕を引き寄せると「私は篠宮可憐です。昴とは……そうですね、相棒とでもいえばいいでしょうか」と言った。
「相棒?」ときょとんとする千鶴に昴が、可憐は季節外れの転校生であることを説明する。同時に、今回の出来事の真相を2人で調べていることも。
千鶴は「そう、あの昴が……」と感慨深げだった。事実、昴1人であったのなら、調査に乗り出すことはなかっただろう。
そうして可憐たちは自然と本題へと移った。旧棟での一件がまったくの事故であるのかそれとも……?

千鶴の証言によれば、当日、千鶴は誰かとともに旧棟にいた。が、それが誰で、そして目的が何であったのかは転落のショックのせいか、ぼんやりとしてしまっているらしい。
星梨花からの情報、すなわち転落前に撮影した『興味深い写真』に関してはその存在を暗に認めつつも、詳細を教えてはくれなかった。
続いてまつりからの情報である千鶴が握りしめていたという紙片について話をしてみる。
紙片にはいくつか数字が並んで記されているだけだった。換字式暗号にしても数字が少なすぎる。何を示しているのか昴も可憐もわからずにいた。
90-59-90のようにわかりやすかったらよかったのだが……。
しばらく考え込んでいた千鶴が「もしかすると」と閃いたふうに口を開いた
162 : 変態大人   2021/07/25 06:06:27 ID:AvAD75Iwbw
千鶴「それは図書の請求記号かもしれませんわ」

昴「セイキュウキゴウ?」

千鶴「ほら、図書館や図書室の本に貼られているラベル、見たことありますわよね?」

昴「えっ、あー、うん、たぶん」

昴はちらりと可憐を見る。知っている?とその目が言う。

可憐「分類法に基づく分類番号や著者名の頭文字、それから巻冊数を表す数字、そういうものを組み合わせせてできている記号のことよ」

あっさりと可憐は応じた。

千鶴「ようするに図書を効率よく管理するうえで用いている記号のことですわ。とくに分類番号の基となる日本十進分類法はほとんどの図書館で使われていますの」

可憐「けれど……私の記憶が正しければ、紙片に並んだ数字は、どうもそれらしくないというか……」
163 : EL変態   2021/07/25 06:06:38 ID:AvAD75Iwbw
昴「そうなのか?」

千鶴「きっと規格が特別なものなのですわ」

昴「えっと、どういうこと?」

可憐「独自の請求記号によって管理されている図書、というわけね。二階堂先輩、もしかしてその本があるのって、旧棟にある旧図書室なんじゃありませんか?」

千鶴「確かめてみないことにはなんとも言えませんわ」

可憐「………ですね」
164 : P殿   2021/07/25 06:06:52 ID:AvAD75Iwbw
その後、上目づかいすばるんのうるうるおねだりによって、千鶴は彼女が知る旧棟の秘密をついに告白する。
知ってのとおり、旧棟はそのまま旧校舎のことであるが、もともとは学校ではなく私立図書館だったのだという。

昴「私立? 公立、私立の私立?」

千鶴「ええ、そうですわ」

可憐「珍しいですよね? そのあたりの事情は詳しくありませんけど」

千鶴「継続的な運営資金上の課題をクリアするのが難しいのは間違いないですわね。莫大な資産を持つ人物や法人の存在があったり、一定数需要が常に確保できる専門性が充実していたり、あるいはよほど利用者から閲覧料や入場料を取りでもしない限り、長く続かないはずですわ」

昴「うーん……つまりさ、旧校舎のもう一つ前が図書館で、そこは結局、つぶれちゃったってことだよな?それで学校へと変わった?」

可憐「この学園のことを軽く調べた際には、そんな事実は見つかりませんでしたが?」
165 : バカP   2021/07/25 06:07:06 ID:AvAD75Iwbw
千鶴「古い校舎のさらにその前なんて、誰も興味を持ちませんわ」

可憐「学園のルーツだとすれば、そうでもないと思います。むしろ学園の年表に記載したっていい」

昴「なぁ、それって、隠されているってことか?」

可憐「だとすれば、歴史の裏に消えた私立図書館ってわけよね」

千鶴「とはいえ、歴史的資料のすべてが抹消されていることもないですわ。わたくしは、偶然、オープンキャンパス先の付属図書館で見つけた本で知りましたの。思えば、偶然にしてはできすぎている、どこか運命を感じる出会いですわね」

可憐「あの、もしかしてその大学というのは……?」

千鶴「ええ、永吉昴が妹なのずるいだろ大学ですわ」

可憐「やっぱり……!」

昴「ここ笑うとこ?」
166 : レジェンド変態   2021/07/25 06:07:22 ID:AvAD75Iwbw
千鶴曰く、あの日旧棟を訪れたのはその私立図書館絡みで、何かを明らかにするためだったとのことだった。
一緒にいた誰かは千鶴がその学園の前身にあたる図書館について知るのを良しとしなかったのだろうか?
千鶴の覚醒により解決に近づいたかと思いきや、新たな謎が浮かび上がった。
私立図書館から学園創立の経緯、そして学園の拡張・拡大。紙片が示す本とは……。

千鶴からもたらされた情報を加えて、可憐は千鶴の交友関係を洗い直し、新たに聞き込み捜査を行うと決めたのだったが……?

後編につづく
167 : 下僕   2021/07/25 06:11:36 ID:AvAD75Iwbw
情報整理(短め)

1.千鶴は事件当時のことをはっきりと覚えていないが、誰かといっしょにいたのは確か

2.旧棟(=旧校舎)はもともと私立図書館であった 千鶴の握っていた紙片はその図書館のある本を指し示す可能性がある

ご意見・ご想像・アドバイス募集中です
オチをどうつけるか悩んでいますが、もしかしたらオカルトになるかも
後編は早ければ明日の午後に

何卒最後までお付き合いください!
168 : 3流プロデューサー   2021/07/25 09:18:35 ID:6u2VMXsExk
ネタ潰しになるかもしれないけど、オカルトオチならこのみさんが重要人物になりそう(犯人かどうかは別として)
169 : ハニー   2021/07/26 18:45:25 ID:.G19IPoG.Y
定期age
明日の午前にあらすじ投下予定です
170 : プロデューサー   2021/07/27 11:43:17 ID:WJeMefXd6M
第6話 中編(≠後編) あらすじ投下します

時間と体力の都合上、一気に書けませんでした
7月中の完結は無理ですわ……
ミリドラさんのほうもまだ終わっていないみたいだし、セーフ?ということで
171 : プロデューサー   2021/07/27 11:43:29 ID:WJeMefXd6M
第6話 中編
二階堂千鶴が昏々とした眠りから覚めたことは学園内で明るいニュースに違いなかったが、何日にも渡って振り続ける雨は多くの生徒の気分を沈ませるものだった。
千鶴の病室を訪れた翌日、可憐と昴のふたりは放課後にまつりのもとへと行く約束をしていた。
旧棟の旧図書室、それは学園の前身にあたる私立図書館の一部ということが判明したわけだが、ここ数年、実質的な管理を学園側から委ねられているのがまつりなのだ。
172 : Pちゃん   2021/07/27 11:43:44 ID:WJeMefXd6M
教室 朝

昴「篠宮さん?」

可憐「あら、おはよう、昴」

昴「窓の外、何か気になるものでも見えるのか?」

可憐「いえ、なにも。雨、止まないかしらと思っていただけよ。……もしかして見蕩れていた?」

昴「は?」

可憐「窓辺で外を眺める私に」

昴「………」

教室に入って来てすぐに声をかけなかったのは、たしかに「かけられなかった」に近い。
可憐は「なにも」と言いはしたが、その面差しは物思いに耽っていた、そうだ、何か考え事をしているときのものだと昴は思ったのだった。
173 : Pチャン   2021/07/27 11:43:59 ID:WJeMefXd6M
昴「なぁ、それはそうと、気になっていることがあるんだよ。忘れていたって言ったほうが正しいかな」

可憐「中庭で天空橋先輩が感じていた気配のこと?」

昴「察しがいいな」

可憐「ちょうど今さっき確認がとれたところなの」

昴「確認?」

可憐「ええ、あなたが先日、舞浜歩にしたよりはずっとつまらない、なんてことないものだけれど」

昴は可憐の動いた視線を追う。歩の席。まだ来ていない。あれから、まともに話していない気がする。
174 : P君   2021/07/27 11:44:11 ID:WJeMefXd6M
昴「………で、誰に何の確認を?」

可憐「結論を言うわね。あの日、中庭を階上から見ていたのは、豊川風花さんだった」

昴「えっ、あの天空橋先輩の遣いを頼まれていた?」

可憐「そう」

昴「ど、どうして?」

可憐「きまっているじゃない、天空橋先輩目当てよ」

昴「あっ……」
175 : P殿   2021/07/27 11:44:58 ID:WJeMefXd6M
可憐「といっても、確証はなかったわ。ただ、最も可能性のある人物から検証しようって思ったの。それで、天空橋先輩。そこから、私が知っているなかで、あの人に近しい人間は誰だろう、誰から聞いていけばいいだろうってなって、豊川さんが思い浮かんだ。二階堂先輩には今、気軽に訊けないからね」

昴「1番目で当たりを引いちゃったってこと?」

可憐「まあね。『嵐の前の日にね、中庭での出来事なんだけど……』って話を振った途端に、動揺が顔に見て取れたわ。かえって私も動揺しちゃった。え、あなたなのってね。あの子、隠し事ができるタイプじゃない」

昴「でもさ、どうして休日にそんな文化部の部室がある場所になんかいたんだ?」

可憐「別にそこに謎めいたものはないわよ。嵐の前、それはGW明けよね。つまり一年生である豊川さんが入学してからまだ一カ月あまりの頃」

昴「う、うん」

可憐「部活動、どこに入るかまだ迷っていたみたい」

昴「へ?」
176 : Pさぁん   2021/07/27 11:45:23 ID:WJeMefXd6M
可憐「4月のうちに、バレーボール部だったり看護部だったり、グラビアアイドル部だったりに誘われたりはしたそうだけど、どれも断っていたみたい」

昴「えぇ……」

可憐「でも、さすがにどこにも入らないっていうのも気が引けて、それでお友達に誘われて休日に文化部を中心に見学させてもらおうとしていたそうよ」


しかし、その友達が当日に用事ができてドタキャン。しかたなしに1人で足を運んだはいいが、部室に入る勇気が出ずに、廊下をふらふらとしていた風花。
そんな彼女は声を聞く。窓の外、階下。中庭。遠くからでも存在感のあるお団子頭。
一目見て虜になったという―――。

可憐「嵐の後になって、勇気を振り絞って天空橋先輩に直接会いにいったんだって。そうして洗礼を受けて、今に至る、と」

昴「へ、へぇ……」
177 : 貴殿   2021/07/27 11:45:43 ID:WJeMefXd6M
可憐「『このことは朋花様には話さないでくださいっ、なんでもしますから!』なんて涙目で言われちゃった」

昴「それ、篠宮さんはどう応じたんだ?」

可憐「気になる?」

昴「少し」

可憐「梅雨が明けたら、デートしてもらうことにしたわ。一緒にお洋服を見たり、下着だって選んだりするの」

昴「……篠宮さんと体型が近い子ってそんなにいないから、そういう意味でもありがたいってことか?転校してきたばかりでこの近辺のお店のことも詳しくないだろうし、豊川さんが行くような店だと(サイズ的に)好都合かもな」

可憐「むっ。私が期待した反応じゃないわね。いいの?昴もついてくる?」

昴「くっ。い、いいよ、遠慮しとく」
178 : プロデューサーはん   2021/07/27 11:45:59 ID:WJeMefXd6M
教室  昼

可憐と昴は昼食を軽くとってしまうと、千鶴と親しい同級生であり、信頼がおけるという三浦あずさ・馬場このみの2人に会いに3年生の教室へと向かった。
昴たちは千鶴の現状について話した後で、千鶴が旧棟に行った日の放課後(=発見の少し前の時間)に千鶴を見たかどうか訊ねた。むしろ千鶴と他に誰かそばにいなかったかを知りたかった。
もっとも旧棟で待ち合わせをしていたのなら、そして千鶴が人目を忍んで行動していたなら、あずさたち2人が知ることはないのだが……。

あずさ「うーん……もう、半月前ぐらいのことだから、よく覚えていないわね……でも、たしか放課後に千鶴ちゃんに会うことはなかったと思うわ」

その日はグラビアアイドル部の撮影があったから、放課後はすぐに部室(外部スタジオ)に向かったという。梅雨にぴったりなレインコート+水着での撮影だとか。

あずさ「あっ、そういえばその日の朝、千鶴ちゃんが写真がどうこう言っていた気はするわね。んー、けど、写真のこと、いつも話していたから、別段おかしくはないわね」

可憐「どんな些細なことでもかまいませんよ。なんて話していましたか?」

あずさ「えーっと…………【A】だったかしら~」

昴(さ、参考になるか微妙だな)
179 : EL変態   2021/07/27 11:46:13 ID:WJeMefXd6M
あずさ「ちなみに可愛い後輩のことはよく話していたわ~、昴、昴って」

昴「えっ///」

可憐「ふふっ、当然ですね」

昴「なんで篠宮さんが得意気なんだ!?」

このみ「ま、それで朋花ちゃんのお団子はそわそわしていたけどね」
180 : Pさぁん   2021/07/27 11:46:40 ID:WJeMefXd6M
このみ「さて、と。次は私ね。私も部活にすぐ行ったから、千鶴ちゃんには会っていないはずよ」

昴「何部に入っているんですか?」

このみ「麻雀部よ。大会、もうすぐだからね」

可憐「麻雀部というと、部室の位置が特殊でしたよね」

昴「特殊?」

このみ「例外的っていうほうが自然ね。他の文化部といっしょの棟にないし、それに」

可憐「旧棟が望める位置にある」

このみ「そう、よく知っているじゃないの。あれ、もしかして私が知らない間に体験入部しにきた子?」

可憐「さぁ、どうでしょう」

昴「えっと……?」
181 : P殿   2021/07/27 11:46:55 ID:WJeMefXd6M
このみ「千鶴ちゃんのことがあってすぐ、私含め、うちの子たちみんな聞かれたわよ。あの日、旧棟に何か見えなかったかって」

昴「何か見えたんですか?」

可憐「当日の天気を考えれば―――」

このみ「そう。見えないわ、ほとんどね。そもそもの話、卓をそっちのけで窓際で外を眺めている子がいたら、注意するし」

可憐「ですよね」

このみ「でもね、階段から落ちたっていう千鶴の、その転落したときの音さえ聞こえていたらって思うわ。そうしたら、駆けつけられたかもしれないのに。なんだったら、あなたたちが言うように千鶴がもし誰かといっしょにいて、それで言い争って、それを見聞きできていたら、止めることだって……」

可憐「仮定に仮定を重ねてもしかたないですよ」

昴「それより、その日前後でもいいから、部長のことで気になった点は?」

このみ「えっ? あー……そうだ、図書室の寝台特急がどうとかって、」

昴「それ以外で!」
182 : プロデューサー様   2021/07/27 11:47:10 ID:WJeMefXd6M
このみ「ないわね。旧棟と結び付けて、強いて言うならまつり先生と職員室で何か話していたってことかしらね」

可憐「まつり先生と?」

昴「あれ?でもまつり先生って、3年生のクラスは受け持っていないんじゃ……?」

このみ「まあね。でも、ほら、人望があるし、1,2年生のときにお世話になっていた延長で相談しに行く子はいるわよ」

可憐「なるほど」

このみ「まつり先生と言えば、私とのデュオ、『Decided』の実装を楽しみにしているわ」

昴「LTD03だな!」
183 : Pちゃん   2021/07/27 11:47:22 ID:WJeMefXd6M
可憐「LTDなら、個人的には『Eternal Spiral』『秘密のメモリーズ』『Understand? Understand!』を早く実装してほしいってPさんが言っていましたよ……♪イベントコミュがどうなるのか気になるって」

このみ「他にも言い出したらきりがないけどね。名曲揃いだもの」

昴「『たしかな足跡』の、なんというか、すっげー、エンディング感?じーんとくるよな!」

このみ「朋花ちゃんと育ちゃんの『HELLO, YOUR ANGEL♪』はミリシタ中でフラグは立っている!と言われてもうずいぶん立つわね」

可憐「『深層マーメイド』、『アライブファクター』がきたので、『ハルカナミライ』は秒読みなんて思ってもいましたけど……」



調べたらLTDの中では何気に『ジャングル☆パーティー』が真っ先に(『Dreaming!』よりも前に)実装されていたんですねー
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