【越境SS祭】涼「お祭り男秋月涼!in兵庫県男魂祭り?」
1 : 監督   2023/02/10 17:50:14 ID:K/QiM.SuXA
りょううめはいいぞ
8 : プロちゃん   2023/02/10 17:56:45 ID:K/QiM.SuXA
涼「ブーーーーーーーッッ!?」

P「ちょ、大丈夫ですか!?」

涼「大丈夫かじゃないですよ!なんで社長がナレーションやってるんですか!?」

P「まあ、社長が神出鬼没なのはいつものことですし……気にしなくてもいいんじゃないですかね?」

涼「か、軽いなあ……」
9 : ハニー   2023/02/10 17:57:43 ID:K/QiM.SuXA
P「ささ、回復したら台本通りに前フリお願いしますよ」

涼「は、はい……ゴホン」


涼「わ、ワッショーイ!僕は今、兵庫県の……えっと……とにかく山奥に来ていまーす!」

涼「予定では地元のアイドルが案内人になってくれるはずなんですけど……」

キョロキョロ

涼「あれ?それらしい人がどこにも……」



??「……いるよ」

ぴ と っ
10 :   2023/02/10 17:58:55 ID:K/QiM.SuXA
涼「ひゃあああああっ!?」

??「ふふ……いいリアクション……」

涼「い、いつの間に背後に……?ていうか、急に背中触らないでよ……」

??「……ごめんなさい」

涼(すごく小さい女の子だな……でも、どこかで会ったことがあるような……?)

??「改めまして……白坂小梅です……一応、兵庫出身……」
11 : ミスター・不純物   2023/02/10 17:59:22 ID:K/QiM.SuXA
涼「よろしく小梅ちゃん。早速聞きたいんだけど、今回のお祭りは……危険な祭り?」

小梅「うん。毎年何十人もケガ人が出て……死者も、ときどき……」

涼「えっ」

小梅「とりあえず会場に行こ……見れば……わかる……」
12 : P殿   2023/02/10 17:59:36 ID:K/QiM.SuXA

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13 : 変態お化け   2023/02/10 18:00:48 ID:K/QiM.SuXA
AM10:30
男魂祭り会場


小梅「涼さん……あれを見て……」

涼「あ、なんか逞しい男の人がいっぱい…………えっ」


涼「えええええええええええええええええええ!?」


斎藤社長『そこで涼が目にしたものとは!?』
14 : Pさん   2023/02/10 18:01:25 ID:K/QiM.SuXA
男性「しゃあっ!」ブチブチブチ

男性「ふんっ」ブチブチブチ

男性「う お お お お お お お お お お ! ! ! 」ブチブチブチ

斎藤社長『素手で全身の毛を引き抜く男たち!』



涼「……いや、なんなのこれ」

小梅「これが男魂祭り……全身の毛を抜いた裸男たちによるバトル・ロイヤルレース……」

涼「はあ!?」
15 : ぷろでゅーさー   2023/02/10 18:06:54 ID:K/QiM.SuXA
小梅「はじまりは江戸時代……男性1人が1年の厄を引き受けた“厄負人”になって、1万人の裸男と戦い……生きてゴールに辿り着けるかを競う……そんな祭り……」

涼「1対1万!?そんなのあっという間に殺されちゃうよ!」

小梅「だから、基本的には罪人が厄負人に選ばれたんだって……」

涼「要は公開処刑ってことか……」

小梅「体の毛を抜くのも……いわゆる“禊”のため……」
16 : 下僕   2023/02/10 18:07:40 ID:K/QiM.SuXA
小梅「明治以降は、だんだん祭りの形が変わっていって……今ではシンプルに、誰が一番乗りでゴールに到達するのかを競うだけ……毛を抜くかどうかは任意だし……女性の参加もオーケー……」

涼「に、任意なんだね!?よかった~」

小梅「え……涼さん……抜かないの……?」

涼「抜くわけ無いじゃないか!僕アイドルだよ!?」

小梅「アイドルなら……体張らないと……バンジーしたり……ピラミッドに潜入したり……物理的に炎上したり……」
17 : Pたん   2023/02/10 18:10:06 ID:K/QiM.SuXA
涼「芸能活動に支障が出るような体の張り方はしないよ……ていうか、物理的に炎上ってなに!?」

小梅「言葉通りの意味だけど……315プロにはいないの?炎上アイドル」

涼「むしろいないのが普通だと思うけど……」

小梅「そう……残念……」

涼(なぜそこでガッカリするんだ)
18 : Pサマ   2023/02/10 18:10:39 ID:K/QiM.SuXA
涼「と……とりあえず祭りの概要はわかったから、次はコースの説明をしてくれるかな?」

小梅「うん……ゴールまでの直線距離は約20キロ……でも、どんなルートを通っても自由……」

涼「駅伝の1区間くらいの距離があるのか。それでいてルートを自由に決めていい、ね」

小梅「でも……優勝狙うなら最短ルートを使わないと厳しいと思う……」

涼「わかった。まずはそこを案内して欲しいな」

小梅「オッケー……」
19 : プロデューサー殿   2023/02/10 18:10:52 ID:K/QiM.SuXA

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20 : 下僕   2023/02/10 18:11:41 ID:K/QiM.SuXA
PM1:00
男魂祭りコース12km地点


涼「ふう……アップダウンはそれほどでもないけど、舗装されてる道が少ないから思ったよりキツイな……」

小梅「はあ……はあ……」

涼「大丈夫?」

小梅「うん……へいき……明日は私も出場するから……体、慣らしとかないと……」
21 : ぷろでゅーさー   2023/02/10 18:12:15 ID:K/QiM.SuXA
涼「え、小梅ちゃんも出るの?ウチのプロデューサーさんからはガイドだけって聞いてるけど」

小梅「このお祭り……昔から興味があって……出てみたかった……」

涼「ふうん……まあ、僕もひとりきりで裸男軍団に挑むのは心細かったし、仲間がいると心強いな」

小梅「ふふ……ありがとう……」
22 : 変態インザカントリー   2023/02/10 18:13:42 ID:K/QiM.SuXA
小梅「あ、ここで右の道に進む……」

涼「あれ?真っすぐ森の中に続いてる道があるけど……迂回しないで進んだほうが早いんじゃない?」

小梅「あそこは通称“霧ノ森”……高濃度の炭酸ガスが充満していて、幻覚に惑わされることになる……オバケの幻に憑りつかれて、出てこられなくなった人も……」

涼「う。それは避けた方がいいね……」

小梅「まあ、私は霊感体質で“ホンモノ”と“ニセモノ”の区別がつくから平気……肝試しにはいいと思うよ……」

涼「す、すごい特技だね……でも、遠慮しとく」
23 :   2023/02/10 18:13:55 ID:K/QiM.SuXA

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24 : Pチャン   2023/02/10 18:14:47 ID:K/QiM.SuXA
PM2:00
男魂祭りコース19km地点


小梅「ついた……この吊り橋を渡ればゴールまであと少し……」

ヒュウウウウウ…

涼「た、高いね……それに、橋自体がかなり古いような……」

小梅「羽目板がところどころ腐ってるから慎重に進んで……」

涼「う、うん……」
25 : イルデューサー   2023/02/10 18:15:28 ID:K/QiM.SuXA
ギシ…ギシ…

涼「ひいっ……」

小梅「……涼さん、もしかして高い所苦手?」

涼「まあ、その……恥ずかしながら……」

小梅「じゃあ、気が紛れる話をしてあげる……この橋にまつわる、昔話……」
26 : 3流プロデューサー   2023/02/10 18:16:03 ID:K/QiM.SuXA
小梅「昔々……この近くの村に、とても仲の良い兄弟がいました……」

小梅「兄は村の皆から頼られる立派な青年で……弟はそんな兄を誰よりも尊敬していて……」

小梅「だけどある日、些細なことがきっかけで2人は口論になったの……この橋の上で……」

小梅「かっとなった弟は……兄を……橋から突き落として……」


涼「ね、ねえ?その話ってもしかして……」
27 : プロデューサーくん   2023/02/10 18:17:09 ID:K/QiM.SuXA
小梅「それ以来……この橋では、奇妙な噂が絶えないようになったの……」

小梅「谷底から人の声がするとか……橋を渡る人の足を、白い手が掴んでいるのを見たとか……」


涼「ぎゃおおおおおおおおおん!!やっぱり怪談じゃないかあっ!」

小梅「そういえば涼さん、足首に痣ができてるよ……人の手の形をした……」

涼「やめてやめてやめてーっ!!僕、高い所よりも怖い話のほうが苦手ーっ!!」
28 : プロデューサー君   2023/02/10 18:17:38 ID:K/QiM.SuXA
小梅「ふふふ……相変わらずいいリアクション……テレビで見たのと同じ……」

涼「え?テレビ?」

小梅「昔、涼さんが出てた心霊番組を見たことがあるんだ……876プロ時代の……」

涼「ああ、絵理ちゃんと行った幽霊屋敷のリポートか……」
29 : Pチャン   2023/02/10 18:19:07 ID:K/QiM.SuXA
涼(そうか……小梅ちゃんとは初めて会った気がしなかったけど……)


涼(この子……絵理ちゃんに似てるんだ……話し方とか、雰囲気とか……)
30 : プロ太郎さん   2023/02/10 18:19:46 ID:K/QiM.SuXA
小梅「まさか、テレビ越しに見てた人と共演する日が来るなんて思ってなかったから……今日は、すごく楽しみだったの……」

涼「あ、ありがと……でも怪談はほどほどにしてくれると嬉しいなー」

小梅「うん……わかった……」ニーッ

涼(見たらわかる。これ全然守る気のない顔だ)
31 : 彦デューサー   2023/02/10 18:20:04 ID:K/QiM.SuXA

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32 : 変態大人   2023/02/10 18:20:58 ID:K/QiM.SuXA
PM3:30
男魂祭会場


涼「ふーっ、やっと戻ってこれたね」

ドヤドヤガヤガヤ

涼「ん?なんか人だかりができてる?」

小梅「……たぶん、チャンピオンが来てるんだと思う」

涼「去年の優勝者ってこと?」

小梅「去年だけじゃない……3連覇中の絶対王者……その名も……」


小梅「バトル・マスター」
33 : おやぶん   2023/02/10 18:21:33 ID:K/QiM.SuXA
女性1『バトマスさーん!握手してくださーい!』

女性2『あの!ツーショットお願いしていいですか!?』

女性3『バトマスさんこんな小娘どもを相手にすることないですよ。しょせん若いだけの女なんて頭空っぽのメスブタでしかない』

女性4『あーっ?今なんて言ったメガネザルぅ?』


バトマス「……」
34 : 変態お化け   2023/02/10 18:23:26 ID:K/QiM.SuXA
涼(あのプロレスマスク被った人がチャンピオン?随分背が小さいな……小梅ちゃんより少し大きいくらいじゃないか?)

小梅「去年は他の参加者全員を叩きのめして単独ゴール……本名も素顔も、なにもかもが謎の人物……」

涼「1万人の裸男全員を倒したの!?ちょっと信じがたいけど……」

小梅「嘘みたいだけど本当の話……だから、今年はバトマスへのリベンジに燃えてる参加者が多いと思う……」


涼(バトル・マスター……略してバトマス、か)
35 : Pちゃん   2023/02/10 18:23:59 ID:K/QiM.SuXA
バトマス「……」

スタスタ

涼(あっ……!こっちに来る!)

バトマス「……」

ジロジロ

涼「あのう……?僕に、なにか……?」

バトマス「……ほう」
36 : プロデューサー君   2023/02/10 18:25:54 ID:K/QiM.SuXA
バトマス「あなた……死相が出ていますね……」

涼「えっ」

バトマス「明日の祭りに出るつもりなら止めておいた方がいい。後悔することになります」

涼「……脅し、ですか?」

バトマス「忠告ですよ。私とてむやみに人を殺めたくはないが……“鬼”になってみたいという衝動を抑えきれなくなることもある」

涼(鬼……!?)

バトマス「まあ、信じる信じないはあなた次第です。では」
37 : そこの人   2023/02/10 18:26:50 ID:K/QiM.SuXA
涼「待って!」

ガシッ

涼(あっ……とっさに手掴んじゃった……)


バトマス「まだ何か?」

涼「えっと、あの……そうだ!なんでプロレスのマスク被ってるんですか?」

バトマス「すいません。このほうが残酷になれるんです」

涼「アッ、ハイ……」


涼(テンパってなに聞いてるんだよ僕!マスクのことなんてどうでもいいだろ!)

バトマス「では失礼」スタスタ
38 : MADE IN 変態   2023/02/10 18:28:08 ID:K/QiM.SuXA
小梅「涼さん……大丈夫……?」

涼「う、うん。死相がどうとか言われてちょっとびっくしたけど。こんなことで仕事を投げ出したりしないよ」

小梅「そう……よかった……」

涼「良い時間だし、そろそろ宿に行って休もうか。プロデューサーさんが過去の優勝タイムとかのデータを用意してくれてるらしいから、作戦会議もしたいな」

小梅「オッケー……」
39 : せんせぇ   2023/02/10 18:28:29 ID:K/QiM.SuXA

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40 : 5流プロデューサー   2023/02/10 18:36:59 ID:K/QiM.SuXA
PM10:00
旅館「集英」


涼(うーん……)

涼(小梅ちゃんと色々相談したけど、良い作戦は思い浮かばなかったなあ) 

涼(過去の優勝タイムは大体3時間弱……そんなに早いペースじゃない。道が悪いし戦闘で妨害されまくるからだろうけど)

涼(テレビ的には地味だけど戦闘は避けないとな……。虎牙道の皆にちょこっと格闘技を教わったことはあるけど、とても実戦で使えるレベルじゃないし……。バトマスとぶつかったら終わりだ)

涼(でも、戦わなくて済むルートだと距離が一気に延びちゃうんだよなあ。優勝が厳しくなるし、小梅ちゃんがついてこれるかどうか……)

涼(なにか……戦闘を避けつつ要所でショートカットできるようなルートでもあれば……)
41 : 箱デューサー   2023/02/10 18:37:52 ID:K/QiM.SuXA
涼「はあ。そんな都合いいルートがあるわけないよな」


ヒタ……ヒタ……


涼「ん?足音?」

涼(明日は早いから小梅ちゃんもプロデューサーさんも寝てる頃だと思うけど……宿の人かな?)

ソロリ

涼「あれ?誰もいない?」
42 : お兄ちゃん   2023/02/10 18:38:30 ID:K/QiM.SuXA
ヒタ……ヒタ……


涼「えっ?なんで後ろから足音が……」

クルッ

涼「!!!?」



涼「 ぎ ゃ お お お お お お お お お お お ん ! ! 」
43 : 監督   2023/02/10 18:39:30 ID:K/QiM.SuXA
小梅「涼さん!?どうしたの!?」

涼「あへ……あへ……あへ……」

小梅「しっかりしてっ!」

ペシペシ

涼「足が……足だけの幽霊が……」

小梅「えっ」

涼「ホントなんだ……足だけが宙に浮いてて……体が無くて……」
44 : ぷろでゅーさー   2023/02/10 18:40:46 ID:K/QiM.SuXA
小梅「……落ち着いて。足が無いならともかく……足だけの幽霊なんて……聞いたことない……」

涼「でも見たんだ!」

小梅「安心して……この旅館に“そういうモノ”はいないよ……。私、わかるんだ……」

涼「あ、そうか。小梅ちゃん霊感体質だって言ってたね」

小梅「うん……。悪いけど、見間違いじゃないかな……?」


涼「そう……だよね。こんなとこに幽霊なんているわけないよね」

小梅「ここじゃなければいろんなところで見かけるけどね……」

涼「その情報はいらなかったなー」
45 : Pさん   2023/02/10 18:41:31 ID:K/QiM.SuXA
涼(……待てよ)


『あれ?真っすぐ森の中に続いてる道があるけど……迂回しないで進んだほうが早いんじゃない?』

『あそこは通称“霧ノ森”……高濃度の炭酸ガスが充満していて、幻覚に惑わされることになる……』

『まあ、私は霊感体質で“ホンモノ”と“ニセモノ”の区別がつくから平気……肝試しにはいいと思うよ……』


涼「小梅ちゃん。ちょっと相談したいことがあるんだけど」

小梅「?」
46 : 我が友   2023/02/10 18:41:53 ID:K/QiM.SuXA

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47 : Pサマ   2023/02/10 18:47:07 ID:K/QiM.SuXA
~祭り当日~

AM6:15
男魂祭スタート地点


齋藤社長『いよいよ戦いの火蓋が切って落とされる!果たしてどんなドラマが待ち受けているのかあ!』


小梅「日の出と同時に一斉スタート……涼さん、準備はいい……?」

涼「うん。さすがに皆殺気立ってるね……」


涼(でもなんか……顔色が悪い人が多いような……?気のせいかな……?)
48 : ぷろでゅーしゃー   2023/02/10 19:02:59 ID:K/QiM.SuXA
おじさん「おう兄ちゃん。昨日はこの近くで泊ったんか?」

涼「はい、そうですけど」

おじさん「言いづらいんやけど……夜中になんぞ変なもん見んかったか?幽霊みたいな……」

涼「えっ!?おじさんもですか!?」

おじさん「やっぱ見たか。他にもビビらされた奴が大勢おるで。おかげでワシも寝不足でなあ……ぶああ~っ」


おじさん「もしかするとありゃ都市伝説の“ゴースト・フット”とちゃうか?とんだ貧乏クジやで……。まあメシもフロも良かったから金返せとは言わんけどなブヘヘヘヘ」

涼(やっぱり、見間違いじゃなかったんだ……!)
49 : 変態マスター   2023/02/10 19:03:26 ID:K/QiM.SuXA
小梅「涼さん、私……」

涼「小梅ちゃんを疑ってなんかいないよ。たぶんあれは、生きた人間が仕組んだことだと思う」

小梅「誰かが……参加者に妨害を仕掛けている……?」

涼「安心して。今日は僕がついてるから。昨日は散々カッコ悪い所見せちゃったから名誉挽回させてもらわないとね」

小梅「……うん!」
50 : 毎日変態   2023/02/10 19:05:25 ID:K/QiM.SuXA
ザワザワ ザワザワ

涼(空が青くなってきた……来る!)


カッ!


「「「「「 ご 来 光 だ あ っ ! 」」」」」

ドドドドドド!!!


齋藤社長『裸男たちが群れを成してバトマスに襲い掛かるうっ!』
51 : 兄(C)   2023/02/10 19:06:01 ID:K/QiM.SuXA
裸男1「バトマスーっ!今年はキサマの好きにさせんぞおっ!」

裸男2「鼻から脳ミソ出したろうか あーっ!?」

裸男3「多勢に無勢だ!いっけぇぇぇ!」


ボボボボボッ パンパンパンパンパン!
ギュオオオオオオオオ!


「ぎゃんっ」「ひゃぶっ」「ぴえっ」
52 : 師匠   2023/02/10 19:06:52 ID:K/QiM.SuXA
小梅「すごい……!人間がボロ雑巾みたいに吹き飛ばされてく……!」

涼「でも、予想通り他の参加者はバトマスを一斉に叩く作戦みたいだね!戦闘に負けないにしても、しばらくはバトマスも足止めされるはず!」

小梅「うん……!行こう、涼さん!」

ダッ!


齋藤社長『なんとお!?涼と小梅が選んだのは迂回ルート!敵前逃亡して無難にゴールを目指すのかあ!?撮れ高意識してねえのかあ!?アイドルの矜持はどうした!?』


涼(社長のナレーション、けっこうウザいな……)
53 : 高木の所の飼い犬君   2023/02/10 19:07:14 ID:K/QiM.SuXA

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54 : レジェンド変態   2023/02/10 19:08:54 ID:K/QiM.SuXA
AM8:30
12km地点 霧ノ森前


涼「ふう……良し……いいペースだ……」

小梅「はっ……はっ……はあっ……」
55 : プロデューサー様   2023/02/10 19:09:37 ID:K/QiM.SuXA
涼「お疲れ小梅ちゃん。さ、僕の背中に乗って」

小梅「うん……でも……本当に大丈夫……?」

涼「315プロを舐めないでよね。元自衛官やスポーツ選手の人たちと毎日鍛えてるんだから」

小梅「……わかった」

ギュッ
56 : ミスター・馬車馬   2023/02/10 19:09:53 ID:K/QiM.SuXA
涼(……懐かしいな。昔、絵理ちゃんをこんなふうに背負って山を歩いたっけ)
57 : プロデューサーくん   2023/02/10 19:10:30 ID:K/QiM.SuXA
涼「行くよっ!森を突っ切る!」ダッ!

モワワワ…

涼(うっ……目が霞む……炭酸ガスのせいか……)

小梅「涼さん、真っ直ぐ走れてない……もっと左……」

涼「わかったっ……!」
58 : あなた様   2023/02/10 19:11:54 ID:K/QiM.SuXA
涼「ぐ……道がっ……いくつにも分かれて見える……」

小梅「大丈夫……私の指示通り走って……惑わされちゃダメ……」


涼(怖がるな……目を閉じて、小梅ちゃんの声だけを信じろ!)

グッ

涼「 お お お お お お お お お お お お お お っ ! ! 」
59 : 番長さん   2023/02/10 19:12:07 ID:K/QiM.SuXA

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60 : Pサマ   2023/02/10 19:12:59 ID:K/QiM.SuXA
AM9:10
19km地点 吊り橋前


涼「はーっ、はーっ、はーっ」

小梅「ありがとう……涼さん、すごすぎ……」

涼「はは……小梅ちゃんの……おかげだよ……」


涼(霧ノ森までは迂回ルートを通って戦闘を避けつつ、森の中を突っ切ってショートカット。他の参加者と鉢合わせしないかどうかは賭けだったけど……上手くいったな)
61 : ごしゅPさま   2023/02/10 19:14:09 ID:K/QiM.SuXA
涼(周囲に他の参加者の姿は無し……か。タイム的には良い線いってると思うけど……)

小梅「行こう……あとちょっとだよ……」

涼「そうだね。正直僕としては霧ノ森よりこっちの吊り橋の方が怖いんだけど……」


ギシ……ギシ……


涼「くうっ……下を見たくないけど……羽目板が腐ってるから下を見ながら進むしかないのか……」

小梅「集中して……慎重に……」

ギシ……ギシ……
62 : ごしゅPさま   2023/02/10 19:15:42 ID:K/QiM.SuXA
涼(落ち着け……怖くなったらちょっと上を見て一息入れればいいんだ……)

チラッ

涼(いい天気だなあ。雲ひとつなくて)


ヒュウウウウ……


涼(……ん?なんだろうあの黒いの……鳥?)

ヒュウウウウ……

涼(……!?こっちに落ちてくるっ!?)
63 :   2023/02/10 19:18:46 ID:K/QiM.SuXA
涼「小梅ちゃん!ロープに掴まって!」

小梅「えっ?」


ズドーン! グラグラグラッ!!


小梅「うあああああああっ!?」

涼「なっ……なんだあっ!?」
64 : 貴殿   2023/02/10 19:19:46 ID:K/QiM.SuXA
バトマス「……フシュー」

涼「ば、バトマスっ!?」


涼(先回りされてた!?でもそれならさっさとゴールすればいいだけなのに……何で!?)



バトマス「…………誰ヤンケ?」
65 : Pさん   2023/02/10 19:20:13 ID:K/QiM.SuXA
涼「えっ」

バトマス「オマエ誰ヤンケ?ココハ通サナイヤンケ」

涼「あの、何言って……」

バトマス「ブットバスヤンケ―ッ!」

ドンッ!

涼「ぐあっ!?」
66 : お兄ちゃん   2023/02/10 19:21:03 ID:K/QiM.SuXA
涼(なんだっ……!?この力……!?押し返される……!!)

小梅「涼さん!」

涼「小梅ちゃんっ……逃げてっ……!」

バトマス「ヤンケェーーー!!」


ギリギリギリ!


涼「あっ……ぐううっ……!」

涼(こいつ……僕を橋から突き落とす気だっ……!)
67 : 変態大人   2023/02/10 19:22:18 ID:K/QiM.SuXA
涼(ダメだ……力が強すぎる……!)


ヒュッ……ボガッ!


バトマス「痛アッ!?」

涼(えっ……向こう岸から石が飛んできた!?……チャンス!)

グアッ!

涼(姿勢を低くして……相手の押す力を利用して……投げるっ!)

ギュン!
68 : Pサン   2023/02/10 19:22:43 ID:K/QiM.SuXA
涼「うおおおおおおおおっ!道流さん直伝っ!背負い落としっ!!」


ダゴオオオオン!!


バトマス「ホギャ――ッ!?」
69 : ハニー   2023/02/10 19:23:48 ID:K/QiM.SuXA
涼「はあっ……はっ……」

バトマス「ヤンケヤンケ……ソヤンケ……ピイ~」バチバチバチ

涼「こ、こいつ……ロボット!?」


ミシミシ……


小梅「涼さん!危ない!下!!」

涼「え?」


バキィッ!!
70 : der変態   2023/02/10 19:25:07 ID:K/QiM.SuXA
涼(しまったっ、衝撃で羽目板が……!!)

小梅「だめええええっ!!」


ガシッ!


小梅「ううっ……お……重いっ……」

涼「小梅ちゃんっ……!ムリだ……君の力じゃっ……」

小梅「嫌っ……!見殺しになんて……絶対っ……!!」
71 : 5流プロデューサー   2023/02/10 19:26:37 ID:K/QiM.SuXA
??「小梅ちゃ~~ん!もう少しこらえてーーっ!」ダダダダダ

ギュッ!

小梅「え……バトマス!?」

バトマス?「一緒に引っ張り上げるよっ!せーーのっ!!」


「「 よ い し ょ お お お お お お お お っ ! ! ! 」」


グイッ! ドサッ
72 : ぴぃちゃん   2023/02/10 19:28:17 ID:K/QiM.SuXA
涼「た……助かったあ……」

バトマス?「いや~、間一髪でしたねえ~。まさかこんな大事になるなんて思ってなかったんですよ~」

モミモミ

涼「……あの、バトマスさんが2人いて片方はロボットだったりとか、そもそも今回の祭り自体おかしなことが多すぎてちょっと頭がついていけてないんですけど……」

モミモミ

涼「とりあえず……なんで僕の胸触ってるんですか?」
73 : 高木の所の飼い犬君   2023/02/10 19:29:30 ID:K/QiM.SuXA
バトマス?「はっ!すいません!これはちょっとした条件反射と言うか本能みたいなものでしてー。315プロのお山に挑戦できる機会なんてなかなか無いもので……うひひ……」

小梅「……もう、変装やめたら?」





小梅「……愛海ちゃん」
74 : ぴぃちゃん   2023/02/10 19:29:43 ID:K/QiM.SuXA

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75 : せんせぇ   2023/02/10 19:32:55 ID:K/QiM.SuXA
①男魂祭で優勝してモテモテ、お山登り放題計画を思いつく
②晶葉に頼んで自立型AI搭載ロボを製作、替え玉作戦で無双
③さらにお化け屋敷ロボ「足だけくん」を使って有力選手をビビらせる裏工作
④替え玉ロボは祭りが終わると山奥に隠れてスリープモードに移行、次の祭りの日になると自動で下りてくる


涼「と、いうことでOK?」

愛海「ハイ……」
76 : ミジンコプロデューサー   2023/02/10 19:34:43 ID:K/QiM.SuXA
小梅「晶葉さんがこんな危険なものを作るなんて……信じられない……」

愛海「いやー、3年間ロクにメンテしてなかったからおかしくなっちゃってたみたいでねー。変な関西弁喋ってたし」

涼「昨日、僕に死相がどうとか言ってきたのは?」

愛海「さすがに小梅ちゃんには怪我してほしくなかったから……2人揃って辞退してくれたらなーって」


涼「……」

小梅「……」

愛海「ごめんなさい。反省してます」
77 : プロデューサーくん   2023/02/10 19:37:05 ID:K/QiM.SuXA
小梅「……許さない」

愛海「ヒッ!?」

小梅「伝統あるお祭りを汚して……涼さんも、あと少しで死ぬところだった……」


ガキッ


愛海「こ、小梅ちゃん?あたしの顎を掴んでなにを……」

小梅「――呪怨(じゅえん)」


ゴキャッ!!


愛海「へぶぅっ!?」バターン
78 : 貴殿   2023/02/10 19:37:41 ID:K/QiM.SuXA
涼「ちょ、大丈夫!?泡吹いて倒れちゃったけど」

小梅「殺しはしない……けど……“殺してくれ”と涙を流して哀願するほどの苦痛を味わってもらう……」

ペタン

小梅「えへへ……この技……すごく体力使うから……しばらく、立てないや……」
79 : 変態大人   2023/02/10 19:38:40 ID:K/QiM.SuXA
涼「また、僕の背中に乗る?」

小梅「ううん……愛海ちゃんをここに置いていけないから……涼さんだけでゴールして……」

涼「……わかった。プロデューサーさんも連れてすぐ戻ってくるから」

タタタ……
80 : 我が下僕   2023/02/10 19:39:26 ID:K/QiM.SuXA
小梅「……」キョロキョロ


小梅「……あ。……そこに……いたんだ」


小梅「さっきはありがとう……石……投げてくれて……」


小梅「……そうだね……ウチの事務所の涼さんも素敵だけど……315プロの涼さんも……すごくカッコいい……」
81 :   2023/02/10 19:39:55 ID:K/QiM.SuXA
小梅「また……一緒にお仕事……できたらいいね……」


小梅「今度は………あなたのことも……紹介して……」


小梅「どんなリアクション……するかな……ふふふ……♪」
82 : ボス   2023/02/10 19:40:08 ID:K/QiM.SuXA

――――――


――――


――
83 : 魔法使いさん   2023/02/10 19:41:45 ID:K/QiM.SuXA
涼(こうして、男魂祭りは僕の優勝で幕を閉じた)


涼(撮れ高を心配していたプロデューサーさんも、最後の吊り橋のシーンのおかげで大満足で……もちろん、オンエアの時は愛海ちゃんの姿を適当に編集して使うらしい)


涼(危ない目に遭ったけど、なんだかんだで楽しかったし……小梅ちゃんと仲良くなれてよかったと思う)


涼(でも、ひとつだけ納得いかないことがあって……)




涼(このお祭り、メガネ全然関係なかったよね!?)
84 : 毎日変態   2023/02/10 19:41:59 ID:K/QiM.SuXA
――――――


――――


――
85 : P殿   2023/02/10 19:42:29 ID:K/QiM.SuXA
~1ヵ月後~


小梅「~♪~~♪~~♪」

涼「ずいぶんゴキゲンだな。なにかあったのか?」

小梅「えへへ……こないだ315プロの涼さんと出た特番……レギュラー化が決まったんだ……」

涼「ああ、秋月涼サンだっけ?奇遇だよなアタシと同じ名前だなんて」
86 : プロデューサー殿   2023/02/10 19:44:11 ID:K/QiM.SuXA
小梅「うん……その涼さんが主役の“お祭り男秋月”が常設企画化……私は不定期企画だけど……“白坂小梅の心霊ツアー”で出演予定……」

涼「やったじゃないか!名前からして小梅にピッタリな企画だし」

小梅「ありがとう……涼さんにも、ゲストで来て欲しいな……315の涼さんと3人で……心霊スポット巡り……!」

涼「いいね。楽しみにしてるよ」



涼「……ところで、さ」
87 : 最低最悪変態プロデューサー   2023/02/10 19:44:38 ID:K/QiM.SuXA
愛海「ひいいいいいいいっ!ドアの隙間から髪の長い女の人がこっち見てるううっ!!」


愛海「だ、誰っ!?今あたしの肩叩いたのは誰っ!?」


愛海「やだやだやだやだっ!こっち来ないでええええええええええ!!!」
88 : 下僕   2023/02/10 19:46:15 ID:K/QiM.SuXA
涼「愛海はどうしたんだ?兵庫から帰ってきてからずっとあんな感じなんだが……」

小梅「“呪怨”は大脳動脈に血栓を作り出し……慢性的な幻覚症状をもたらす技……覚めては恐怖、寝ては悪夢の無間地獄……」

涼「脳に血栓って……大丈夫なのか、それ」

小梅「不完全な形でしかかけてないから、時間が経てば治るよ……それまでは苦痛が続くけどね……うふふふ……」

涼(小梅って実は怒らせると怖いタイプだよなあ)
89 : バカP   2023/02/10 19:46:38 ID:K/QiM.SuXA
愛海「もう嫌ああああああ!いっそ殺してえええええええええええっ!!」


愛海「 う あ あ あ あ あ あ あ あ あ あ あ あ あ ! ! ! 」
90 : MADE IN 変態   2023/02/10 20:02:38 ID:K/QiM.SuXA
お し ま い

りょううめの公式供給もっとください
涼が小梅をおんぶして絵理を思い出すシーンは「小梅と絵理は体重がほぼ同じ」というムダに覚えてた知識がもとになっているのですが、こんなどうでもいい情報でもSSを書くうえで重要な閃きをもたらすことがあるのだなあ、と我ながら感心してしまいました
越境SSという題材はなかなか難易度が高いと感じましたが、書いているうちに自分で思いもしなかった方向にキャラクターが動き出すのが楽しかったです
やはり物語を作るとキャラの魅力を再認識できるのがいいですね

91 : Pくん   2023/02/10 20:42:15 ID:lzTf8E5zRo
(タフに)越境じゃねーか!!
あーっ!!

92 : Pチャン   2023/02/10 21:40:32 ID:cK6K/q72so

93 : ミジンコプロデューサー   2023/02/10 21:47:45 ID:EX/UuYO5i.
高校鉄拳伝・TOUGH・龍を継ぐ男から満遍なくネタを採用しててまるでタフの歴史そのものを読んでいる気分になるんだ
それでいてMマス・デレマス・DSの越境もこなしている...見事やな ニコッ

94 : 変態インザカントリー   2023/02/10 22:15:54 ID:VvRlZPU6hA
>>93
これ全部同じマンガの1ページなんだよな…
まるで統一感が無いしどういうジャンルの作品なのかさっぱりわからないのが逆にスゴイわ
95 : P殿   2023/02/10 23:12:36 ID:mlY72yjNmU
けっきょくメガネ云々のくだりはなんだったんですかね?
96 : 毎日変態   2023/02/10 23:59:13 ID:BMDJu1ymb2
>>1
このシン劇わいど画像が黒幕の複線になってたのかあ
りょううめ、私の好きな言葉(カップリング)です
97 : 最低最悪変態プロデューサー   2023/02/11 02:22:16 ID:rjfJo95QrM
>>94
一応タイトル変えて1部2部3部的に別れてるしそれまで30年は掛けてるから…
98 : 仕掛け人さま   2023/02/11 07:36:06 ID:QsGvOUBZy6
またタフかよ
99 : 師匠   2023/02/11 08:10:22 ID:eB4xcLyJeU
ものすごい力作だけどこんなに感想に困るSSは初めてです
100 : Pちゃま   2023/02/11 23:23:26 ID:nzclzbR5qY
13歳で呪怨を使いこなすなんてひょっとして小梅ちゃんの正体は宮沢鬼龍なんじゃないスか?

101 : ダーリン   2023/02/12 09:00:50 ID:g7xenM.YAQ
あまりアイドルの出身地を意識したこと無かったんだけど兵庫のキャラってなんかこう…「濃い」ね…
102 : レジェンド変態   2023/02/12 11:08:54 ID:U4VSWtv8u2
力作を練り上げた作者に勲章を与えたいよ

でも勲章はないから小梅ちゃんのコラ画像をプレゼントするね
ほらよ しっかり受け止めろよっ

103 : 高木の所の飼い犬君   2023/02/12 11:10:06 ID:U4VSWtv8u2
灘神影流“青枠外し“

104 : 魔法使いさん   2023/02/12 13:39:22 ID:tRCAuRgkno
りょううめりょうで廃温泉(当然入れない)とか行って欲しい
105 : 変態マスター   2023/02/12 14:50:45 ID:viZsdyTgEc
異常コラ画像作成者の得意技は青枠外しなのん?
106 : Pさぁん   2023/02/12 17:08:22 ID:G/NKHv5J7M
>>101
それ奇人変人だらけの山形県民の前で言えるのん?

107 : ぴぃちゃん   2023/02/12 23:36:29 ID:ZqfsSDSoZA
>>95
おそらく齋藤社長がナレーションやってる番組のお祭り男が元ネタになってると考えられるが…

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